出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。Season1 作:SS_TAKERU
お年玉代わりにもなりませんが、第61話を投稿します。
今回は雷鳥&出久君vsオールマイトの導入ということで、いつもより短めとなっております。
お楽しみいただければ、幸いです。
なお、掲載に伴い第52話から60話までのタイトルを一部変更しております。
雷鳥side
「第8戦の参加者が戻って来た。吸阪、緑谷。これからオールマイトさんと一緒に、最終戦の会場へ向かってもらう」
「よし、行くぜ。出久」
「行こう。雷鳥兄ちゃん」
俺と出久は互いの拳をぶつけ合い、外で待つマイクロバスへと歩き出す。そこへ―
「頑張れよ! 吸阪! 緑谷!」
「オールマイト相手でも、お前達なら合格出来るって信じてるからな!」
切島と砂藤からのエールを皮切りに―
「吸阪、緑谷……お前達ならきっと、大丈夫だ」
「お2人とも…御武運をお祈りしますわ」
轟と八百万が―
「良い流れはキッチリ繋いできたぜ。頑張れよ!」
「ヘッ、オイラ達も合格出来たんだから、バッチリ決めろよ!」
瀬呂と峰田が―
「2人の戦いぶり、最後まで見届けさせてもらう」
常闇が―
「吸阪君! 緑谷君! 武運を!」
「2人にこんな事言うのは、釈迦に説法かも知れないけど…平常心で」
飯田と尾白が―
「2人とも、頑張って」
「ここまできたら、9戦全勝で試験終わらせよう。ウチ等全員、信じてるからね」
口田と耳郎が―
「信じているぞ。吸阪、緑谷」
「2人とも頑張ってね!」
障子と葉隠が―
「
「全員で林間合宿行こうね!」
青山と芦戸が―
「吸阪ちゃん、緑谷ちゃん。怪我だけは気をつけてね」
「2人が絶対合格出来るって、信じてるから!」
そして梅雨ちゃんと麗日が、それぞれなりのエールを送ってくれた。
「皆…ありがとな。良い感じにパワー貰った!」
「全力を尽くしてくるよ!」
俺達は皆からのエールにそう答え、既にオールマイトが乗り込んでいるマイクロバスへと乗り込んだ。
「すみません、オールマイト。お待たせしました」
「いや、それ程待ってはいないさ。それに、良い物を見させてもらったよ」
「恐縮です」
そんな会話を交わしている内に走り出したマイクロバス。試験会場まで5分って所かな。
出久side
「吸阪少年、緑谷少年、私は君達に謝らなくてはならない」
マイクロバスが走り始めて数分経った頃、突然オールマイトがそんな事を言い出した。
「正直言って、私は良い師匠とはお世辞にも言えないだろう。教え方は感覚的で擬音語だらけ。USJの時も、ヒーロー殺しの時も、
そばにいてやる事すら出来なかった。本当に…申し訳ない」
「そんな、オールマイトが謝るような事では…」
「自覚が芽生えただけでも成長だと思いますよ」
「グハッ! 相変わらず手厳しいね…吸阪少年…」
雷鳥兄ちゃんの容赦ない一言に、思わず喀血するオールマイト。相変わらず雷鳥兄ちゃんはブレないなぁ…。
「と、とにかく! 今回の試験では、少しでも師匠らしい事が出来る様に全力を尽くす! 2人も全力をぶつけてきて欲しい!」
「愚問ですね。オールマイト相手に手加減出来る程、器用じゃありません」
「僕も全力を尽くします!」
僕達の答えを聞き、満足気に頷くオールマイト。ちょうどバスも試験会場に到着した。試験開始はもうすぐだ!
雷鳥side
試験会場に到着した俺達は、オールマイトが準備を整えるまでの僅かな時間を利用して、事前に練っておいた作戦を確認した訳だが―
「ゲートを潜ってのクリアは…無しだな」
「無しだね。そもそもオールマイトから逃げ切れるとは、到底思えないし」
選択するのは、勝負。カフスを掛けての
『それじゃあ、1-A期末テスト、最終戦。吸阪・緑谷ペア対オールマイトの試合を始めるよ! スタート30秒前!』
その時、聞こえてくるリカバリーガールのアナウンス。俺と出久は同時に戦闘体勢へに入り―
『スタート5秒前! レディィィィィゴォ!!』
試験開始と同時に走りだそうとした。その時!
「ッ!?」
「出力! 全開!!」
最大出力で電磁バリアを展開した。次の瞬間、爆音と共に俺達へ襲いかかる強烈な衝撃波。
周りのビルの窓ガラスが一斉に割れ、地面のアスファルトは砕け散り、停められていた車は、まるで玩具のように吹き飛ばされていく。
そんな衝撃波を何とか堪えきり、その発生源と思わしき方向に視線を送れば、そこには―
「さぁ、お2人さん。
そう言って、不敵に笑うオールマイトの姿。どうやらさっきの衝撃波は、左ストレートを繰り出す事で放ったものらしい。
300mは離れているのに、この威力。
「街への被害など、クソくらえだ!」
1歩1歩近づいてくるその全身から発せられる威圧感は、ヒーロー殺しに匹敵…いや、それ以上だ。
正直な話、さっきから全身に鳥肌が立って、収まらない!
「試験だなんだと考えてると、痛い目みるぞ。私は
そう言うが早いか、一気に最高速度へ加速して、こちらへ突っ込んでくるオールマイト。220cm、255kgの超重量級でこのスピード。出鱈目にも程があるだろ!
梅雨side
「な、な、なんだよ! あの衝撃波! 吸阪がバリア張ってなかったら、あれで終わってたぞ!」
オールマイトの繰り出した衝撃波。その威力の大きさに驚きの声を上げる峰田ちゃん。他の皆も声こそ出さないまでも同じ感想を抱いているみたいね。だけど…
「オールマイト、オールマイト! クソッ、インカムがお釈迦になったか…」
「オイオイ、イレイザー。いくらなんでも少しばかりヤバくねぇか?」
「ウム、流石ニ
「先輩、今回ばかりは、“
「………その件に関しては後回しだ」
先生達の方が何やら騒がしいのが、気になるわね…。
「ねぇ、梅雨ちゃん」
「どうしたの? お茶子ちゃん」
「うん、上手く言えないんだけど…なんだか、凄く嫌な予感がするんだよね…」
「………偶然ね。私もよ」
吸阪ちゃん、緑谷ちゃん。2人がどうか、無事に試験を終える事が出来ますように…。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
昨日、2020年1月5日で、拙作『出久君の叔父さん(同学年)が、出久君の運命を変えるようです。』が連載開始から1年を迎える事が出来ました。
これも偏に、読者の皆様のおかげです。
まだまだ未熟ではありますが、これからも執筆活動を頑張っていきますので、応援よろしくお願いいたします。
そして、今後の予定ですが…原作10~11巻、神野区の悪夢編を書き終えた辺りで、第1部完とし、仮免試験編以降は第2部として執筆していこうと考えております。