ふとしたことから始まった
いつか終わってしまう、大切な時間。
だから、1秒1秒に誓う。
今、この時だけは楽しくいようと。
このときを大切にしようと。
そんな時間を過ごす、運命に縛られた彼女の話
毎回毎回スタイルが変わっていくぅ...( ´・ω・`)
ー陽乃sideー
私は今、比企谷くんとデートに来ている。
まだ怪我が治ってないにも関わらず誘ったのに、彼は来てくれた。
私だってちゃんとした状態で彼に話したかった。
けれどもう、時間がない。
数日前母さんに言われた事、それは
「あと2週間以内に、この1件について全て終わらせなさい。」
というものだった。
どうやら2週間後から、やるべき事が立て続けに入ってるようだ。私もいくらか行かなければいけないらしい。
期限が過ぎればまた私は、《いつもの》雪ノ下陽乃に戻らなければならない。
そしてこれが、その2週間の中の最後の休日。そして明日が期限の最終日だ。
だから
彼を誘うのは今しか無かった。
まだ痛む時があってもおかしくない。なんで彼は来てくれたんだろう?
いや、そんなことはどうでもいいや。
今は楽しもう。ただそれだけだ。
...
そして今は帰りの車内だ。
私は、一応ではあるが車の免許は取っている。もしも、自分が普通の女として生きれたら。そんな望みを少しでも叶えるために手に入れた。
少し母さんに反抗心を見せようと思ったのも理由の一つだけど。
そんな私の車の助手席で比企谷くんは眠っていた。
結構深めに寝ているようだ。よっぽど疲れたのだろう。
1時間ほどたった頃、比企谷くんは目を覚ましたようだ。
「すいません雪ノ下さん。寝てしまって...。」
「いいよいいよ、その状態で結構歩かせたんだから、疲れるのも無理は無いでしょ。」
「...まあ。でも、今日は楽しかったんで良かったです。」
嘘をつかないところが彼らしい。そこは変わらず好きだ。
「そっか。楽しんでくれてよかったな。」
そう言って笑顔を見せる。
けど、
とても悲しかった。だってこの時間はもうじき終わってしまう。
彼とこうやってゆっくり話せる時間もないだろう。
だったらせめて、その旨は彼に言っておこう。
「あのさ、今回の一件についてこの前母さんにきつく言われてさ。もう、当分こういう機会なんてないんじゃないかって思うの。だから、今日はデートに来れて本当によかった。」
「そうですか...。」
彼は少し残念そうだった。
「もちろん最後じゃないとは思うけどね?」
取り繕うように慌てて言葉を出す。けど、嘘だ。
最後の可能性は十分ある。
《雪ノ下》陽乃に戻ってしまって時間を過ごせば、いつか好きでもない人間と結婚させられるという事も考えれる。
...。
そんな中、比企谷くんが声をかけてきた。
「あの、雪ノ下さん。」
「ん?どうしたの?」
「寄って欲しい場所があるんです。」
指定されたのは何の変哲もない公園だった。
「で、比企谷くんはなんでこんなとこに寄りたいって言ったのかな?」
「ここから見える星が綺麗でしてね。紹介したかったんですよ。」
「うん、確かに綺麗だね。」
そう言って夜空を見上げる。頭上には沢山の星が輝いていた。
千葉にもこんな場所あったんだなぁ...。
身近で、でも気づかない。きっとそれは、私が人とは違うからだろう。
「...雪ノ下さん、伝えたいことがあります。」
彼は震え声でそう言った。拳を強く握ってるのが分かる。
私は、ちゃんと聞くことに決めた。
「雪ノ下陽乃さん。あなたが好きです。付き合ってください。」
一瞬、息が止まった。そして確認する。
私は今、告白されたんだよね?嘘じゃないよね?
とても嬉しかった。自分が想いを寄せている人からの、こんなにも素敵な告白だったから。
けど...
「...ごめんね比企谷くん。君の気持ちは嬉しい。けど、もう少しだけ待って欲しいな?」
私はぎこちない表情で言う。
「...それはまた、結構かかりそうなんですね。いいですよ。待ちます。」
彼は表情から私の心境を読み取り、また、受け入れてくれた。
「じゃあ俺はこのまま帰ります。今日はありがとうございました。」
そう言って比企谷くんは何事も無かったかのように家へ向かった。
わかってるよ。ほんとはしんどいこと。
「じゃあ、私も帰んないとだな。」
荒む心を抑えつつ、今は車へ向かう。ダメだよ、今は抑えないと。
私は家に着くなり自分の部屋へこもった。
幸い今は誰もいなく、ありのままでいられた。
そしてベッドにうつぶせになるように体を預ける。
そうしたら、ずっと抑えてたものが溢れて堪えられなくなった。
頬を無数の涙が伝う。
「ねぇ比企谷くん...。こんなのってないよね...。」
私は誰もいない空間に1人話し出した。
「告白、すごく嬉しかった...。すぐにでもokを出したかった。なのに...」
「なのに、私は《雪ノ下》の名前を背負ってるだけで、こんなにも好きな人を愛せないの?」
未だに涙が止まらない。少しずつ嗚咽も混ざってきた。
「ねぇ...なんで、なんでなの...!」
声をなるべく上げないようにして泣きたかった。けど、そんなことはもう無理だった。
だから、せめて声が漏れないようにと枕に顔を填めた。
「ううっ、うううう.....」
...。
それから20分が過ぎた。
少しずつだけど、心も落ち着いてきた。
とりあえず、真っ赤に腫らした目を洗いに洗面所へ向かう。
顔を洗ってパシンッと1回、両手で自分の頬を叩く。
きっと彼は明日奉仕部に行くのだろう。
彼自身が変わる最後の1歩のために。
私はとりあえずそれを見届けて、彼の前から消えよう。
ほんの僅かな可能性だけど、いつか、彼の隣で歩けれるように。
(今回はネタ無しです。)
――――キリトリ線――――
ふぅ...。とりあえずプロローグ含め10話まで来ました。よくやった私!
物語の山場は割とすぎていて、とりあえずキリが良くなるのはあと1、2話後ですね。そのあとも話は続きますが。
それぞれのキャラクターが大分変化してきたと思っております。さて、雑談は今日はこの辺で。
――――キリトリ線――――
失踪すまいと心に決めて、やっとここまで来れました。
きっと、今でも見てくれる方がいるから、頑張ろうと思えるんだと思ってます。
とりあえず、
ここまで見てくださった皆さん、ありがとうございました!
そして、ちゃんと最後まで走りきりたいと思いますので、これからもよろしくお願いします!