そして比企谷八幡は仮面の少女と   作:白羽凪

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ある男のひとつのすれ違いから始まった全ては
今やっと終わりを迎える。
それはまた新しい何かの始まり。
だから比企谷八幡は仮面の少女と。








最後までポンコツだった前書き


#5' そして比企谷は仮面の少女と

ー八幡sideー

春の暖かい風が吹く。

季節は3月。まだ桜は花開くことなく、じっくりとその時を待ってる。

では、人間にとっての3月は。

別れの季節だろうか、出会いの季節だろうか。

答えは、その両方である。

 

 

 

俺は一人、屋上で遠くを見渡していた。

そこから見える景色は変わらない。よく見なれたいつもの町だ。

 

しかしそんな町でさえ、いつかは変わるのだろう。

昔見たアニメで誰かが言っていた。

 

「楽しいこと、うれしいこと、それら全部変わらずにはいられません。それでもこの場所が好きでいられますか?」

確かこんな内容だった気がする。

 

俺は変わることが嫌だった。怖かったからだ。

変わることで、それまでの自分が壊れるのではと思っていた。

でも、それは違った。

だからこうして、今は素直なままで俺は生きている。

そしてそれは決して俺だけではない。

 

それに...。ほら。

これ以上ない清々しい顔で、雪ノ下さんは現れた。

 

「終わったんですか?雪ノ下さん。」

「うん、終わったよ。」

その『終わったよ』という言葉には一つだけじゃない思いが込められていた。

 

「これで、やっと自由なんですね。」

「そ、自由なの。」

雪ノ下さんは両手を横に広げる。まるで大空を羽ばたく鳥みたいに。

 

「そういえば、自由なのはいいんですが、大学とかはどうするんですか?」

「あー、うん。そこについても大丈夫。お父さんが多少なり援助してくれるから。」

「そうですか。」

きっと親父さんは分かってたのだろう。あのやり方ではいづれこうなるのだろうと。

 

「...やっと、終わったんだね。全部。」

雪ノ下さんは今までを懐かしむような声で言った。

あぁそうだ。本当にいろんなことがあった。

 

1人だった生活に新しい居場所が出来て、

そこで過ごす時間はぬるま湯のようだけど楽しくて、

しかし結局すれ違いでまた1人になって傷ついて、

自分を助けてくれた人が現れて、

その人を好きになって、

そしてその人が今度は思い悩んで、

そして今、それが終わった。

 

けど、この終わりは全ての終わりじゃない。

これからまた、新しい物語が始まる。

だから、

「いや、まだ終わってないですよ。」

「え?」

「まだ、幸せになるという課題が残ってるじゃないですか。」

「ふふっ、そうだね。」

雪ノ下さんはふっと微笑む。

 

「あっ、そういえば比企谷くん。」

雪ノ下さんは何かを思い出したように口にする。

 

「あの時の返事、ずっと待たせたまんまだったね。」

「そうですね、そういえば。」

 

そうだった。俺はまだ告白の返事をもらえていなかった。

万一ここでNOなんてくらったら人間不信待ったナシだ。

 

緊張して喉をごくりと鳴らす。

「なに緊張してんの。大丈夫、今更NOなんて言わないよ。」

「それじゃあ...。」

「うん。...比企谷八幡くん。長い間待たせてごめんなさい。

私はあなたが好きです。こちらこそ、よろしくお願いします。」

 

ふぅ...。

よかったぁああ....!

一回深い息をついた。身体が緊張から開放される。

 

「あ、でもそうだ。」

「なんです急に。」

 

こんな時逆説を使われるのが一番怖い。

「付き合うなら、いくつか約束して欲しいことがあるの。」

「いいですよ。」

「そうだね...。じゃあ、これからはちゃんと名前で読んでもらおうか♪」

 

結構きついやつだった。

これ恥ずかしいのなんでだろう。

 

「初っ端からですか雪ノ下s」

「んー?」

「は、陽乃さん...。」

「うーん、まあいっか。」

陽乃さんは不承不承ながら了承してくれた。

 

「それともうひとつのお願いだね、八幡。」

「はぁ...。」

さすが陽キャの塊。そこら辺の対応力は高かった。

 

「自分を犠牲にすることは禁止。絶対にだよ?」

 

それは過去の自分の否定だった。

今なら即答でうんと言えるかもしれないが、完全に自信はない。

「大丈夫。私が言いたいのは、1人で全部抱え込まないでってこと。君の悩み、私の悩みについて一緒に悩んで一緒に苦しみたい。いいよね?」

「...約束します。」

そう言うと陽乃さんはこっちを向き直す。

 

「そして、これが最後の約束、いや、私からの最後の依頼かな?」

その瞳は真っ直ぐでとても美しい。

「依頼ですね。聞きますよ。」

 

「では...。比企谷八幡くん、雪ノ下陽乃からの最後の依頼です。私を...。」

 

一瞬の間を挟んで。

 

「私を、幸せにしてください。」

 

 

これから何が起きてもきっともう大丈夫だ。

1人じゃない。なら、どんな苦難だって乗り越えれるはずだ。

だから比企谷八幡は力強く、仮面の少女からの依頼を承る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勿論です、陽乃さん。一緒に幸せになりましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー比企谷八幡は仮面の少女と《main story》 finー




今日もないですm(_ _)m
――――キリトリ線――――
main story完結しました!
(最後の最後で内容が少し薄かった気がします申し訳ございません。)
途中投げ出しそうになったけどここまで来ることが出来て本当に良かったです!読者さんに感謝。
さて、あとこの作品はside、afterstoryがあるかないかです。とりあえず、少しの間あくかもしれませんが、その時はまたよろしくお願いします!
――――キリトリ線――――
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!!
これからも、1人の書き手『亜睡める』の作品をよろしくお願いします!
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