伝えたい無数の感情があって
出せないまま消えてしまった居場所を
埋めることすら出来なくて
だからきっと繰り返されて
そんな道を変えるのなら
それはきっと今なんだ
(´・ω・)ナニコレ
ー由比ヶ浜sideー
「失礼かもしれないが...やっぱり。そうだったんだな。」
ヒッキーは申し訳なさそうに下を向いた。あはは、やっぱりバレちゃってたよね。あんなに...近くにいたんだから,..。
そしてヒッキーは少し躊躇って、顔を上げた。
「...すまん。お前の気持ちには答えられない。」
「うん、分かってた。そして分かってるよ。...今のヒッキーの隣に誰がいるべきか。」
それは私じゃないから。
そう言おうとしたが、ずっと抱えていた思いが崩壊したからか、再び情緒不安定になる。
「...ごめん、もう行ってヒッキー。もうこれ以上...ヒッキーの前で迷惑かけたくないから...。」
「...そうか。じゃあな、由比ヶ浜。」
ヒッキーは私の表情を見て悟って、それ以上何も言わず玄関へ向かっていった。
もう、いいかな...。
私は近くにある空き教室へ入ると、その場に座り込んだ。
「うっ、ぐず...うわああああああ!」
私は大声を上げて泣きだした。人の目なんて興味もなかった。ただ今は、胸の中にある全ての感情を吐き出したかった。
...
何分くらい泣いただろうか。
目は真っ赤に腫れ、ものすごい頭痛に見舞われる。
あたしはフラフラとしながら立ち上がり、帰るための荷物を取るために奉仕部の部室へと戻りに行った。
あの後部室に行ったが、鍵が空いたままもう誰もいなくなっていた。
この前までのこの教室なら、また明日と言って帰れた。
でも今はどうだろう?ここが私の居場所でいいのかな?
...もう今は、どうでもいいか。
考えることをやめた私は、「じゃあね」とだけ呟いて奉仕部の部室から出ていった。
あの日から数日がたった。クラスは少しだけギクシャクしたまま、それが当たり前のように過ごしていた。
私だってずっと引き摺ってなんかられない。元気出さなきゃ。
んで、えーっと、今はなんの時間だっけ...?
「結衣、結衣!聞ーてんの?」
「え、ああ!ごめん由美子...。」
あの一件以降、いつも集まっていたグループは散り散りになった。
でも、由美子と姫菜は変わらず私と接してくれていた。
「結衣、明日一緒に遊びに行くし。」
「ああ、うん!いいよいいよ!」
顔に笑顔をうかべる。きっとひどく薄っぺらく、冷たい笑顔を。
「...じゃあ、駅前に9時で。」
一瞬だけ由美子の表情が歪んだ気がしたが、気のせいだと思う。
こうしていつものように、遊びに行くことになった。
土曜日、私は集合場所へと向かった。
集合場所には、見るからに暇を持て余しているような由美子がいた。
あれ?いつもは最後なんだけどな...?
まあ、そんなこともあるだろうと思って由美子に声をかける。
「由美子ー!やっはろー!」
「...ん、ああ、結衣。」
いつもの素っ気ない返事とは違う、違和感を感じた。
「どうしたの由美子。元気ない?」
「いや、そんなことないし。ったく姫菜遅いし...。」
「はろはろー!ごめん、最後だね。」
そんな時タイミングよく姫菜がやって来た。
「姫菜やっはろー!」
「姫菜遅いし...。ま、いっか。とりあえずどこ行く?」
「あれ?どこ行くって...決めてなかったの?」
「全部は。カラオケ行くことだけ考えてたし。」
「じゃあ服とか見に行ってみる?」
「姫菜それ!」
こうして私達は動き出した。由美子の異変に気付かないふりをして。
...
色々回ってみたものの特に買うものはなく、当初の予定通りカラオケに入った。
ここにもみんなで来たっけ。
そんなことを思ってまた、少し悲しくなった。
部屋に入る。姫菜はトイレに寄るため、少し遅れてくるそうだ。
「さてと、もう何曲か入れちゃおうかな。」
私が機会に触ろうとしたその時だった。
「結衣、ストップ。」
「?どうしたの?由美子。」
私は手を止めて由美子の方を振り向く。同じタイミングで姫菜も入ってきた。そしてそのまま由美子の隣へ座る。
...
場に沈黙が流れる。
「な、何何?どうしたの二人とも?」
「結衣、あんたはさ、あーしたちのことどう思ってんの?」
「どうって...友達でしょ?どしたの急にさ。」
「...それだけ?」
姫菜も、由美子も真剣な目をしていた。生半端な言葉が通らないくらいに。
「それだけって...他にどういえばいいの?」
すると由美子が力強くテーブルをバンと叩いた。
「ああもうじれったい!結衣!何であんたはいっつもそうなの!建前で場を作って、表情を偽って辛いこと押し込めて!...もう一度聞く。結衣にとってあーしたちって何なの!?」
由美子は全力で、叫ぶように言う。その目にはもう涙が溜まっていた。
「えっと...分からないよ...。なんて言えばいいか。」
私は一方後ろに引いた。その時、前に引っ張られるのを感じた。
「逃げちゃダメ!...結衣、逃げちゃダメだから。」
姫菜が私の腕を掴んでいた。その腕には今まで感じたこともないような力を感じた。
「結衣、あんたの隠してること、抱えてる辛いこと、全部あーしたちに話してよ...。あーし達は少なくともあんたのこと大事な友達だって思っている。...もし結衣もそうなら、ちゃんとあーしたちに聞かせてよ...。」
由美子が言う。
もうその声には、さっきまでの勢いはなかった。
...そっか。また私は、大事なものを失っちゃう所だったんだ。
「...めんね。ごめんね。由美子、姫菜。...きっと私、ずっと2人といた時上辺の付き合いしかしてなかった。こんなに大切にしてもらってたのに気づけなかった...。ううん、目を逸らしていたんだと思う。」
口を開いて出てきたのは懺悔と涙だった。
「...今からで間に合うなら、聞いて欲しいことがあるの。...聞いてくれる...?」
「うん、いいよ。」
姫菜が優しく答えてくれた。由美子も言葉はなかったが頷いている。
「えっとね...」
それから全て話した。
修学旅行のこと。少なからずとも私のせいで大事にしてた関係が壊れたこと。居場所なんてないと感じてたこと。
2人はただ黙って聞いてくれた。そして、私が話し終わると今度は2人が胸中を語ってくれた。
話し終わる頃には目に涙のない人はなかった。
ああ...。きっと、ここが私の居場所なんだ。
そう思うと、これまで抱えていたモヤモヤが全部吹き飛んだ気がした。
私は、2人にそばにいたい。ずっとこの3人でいたい。だから...
「由美子、姫菜。これからも、私の友達でいてくれる?」
傲慢な願いかもしれない。でもこれだけは聞き入れて欲しい。
「うん、いいよ。これからもよろしくね、結衣。」
「当たり前だし...!絶対に、もうこんなことにさせないから。」
迷うことなく、2人はYESと言ってくれた。
「ありがとう。2人とも。」
そして私は顔いっぱいに笑顔を作った。
それは生きてて今までで、一番気持ちのいい、嘘偽りのない笑顔だった。
(了)
駄文駄文!!!
――――キリトリ線――――
anotherstory1、完結です。
2以降はネタが湧いたら書きます。
しかしまあブランクですね。
初心に帰りたいです。
――――キリトリ線――――
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!
次回は別作品でしょうかね?また会いましょう!