一方、比企谷八幡は何を望むのだろうか...。
ふぇぇぇぇ...。
ー八幡sideー
...なんじゃこりゃ。
それが椅子に置いてあった「1歩前へ、自分を変える為の魔法」を読み終わって第一の感想だった。
評論文か何かと思っていたが、結局この本には具体的な行動、目指すべき指標は書いていなかった。
言い換えよう。
「自分一人では変われない」
要約するとそう書いてあっただけだ。
国語3位をもってすればこれくらいの要約は簡単である。
...いや他のページ何してんの。
そんな本の話はどうでもいい。今目の前の問題はというと...
「で、全部伝えちゃったわけですか...。」
夕方に病院に寄りに来た雪ノ下さんから奉仕部に行った時の話を聞いた。そして今の状況である。
「流石にまずかったかな?」
申し訳なさそうに手を合わせる雪ノ下さん。
「いや、いずれは言わなきゃいけなかったんでしょうし、問題ないです。ただ、俺自身がもう一度話に行く必要があると思います。」
あとは自分で解決すべきだ。
助けてと言ったものの、他人に縋り続けるのは許せない気がした。が、少し顔に出ていたようで...
「ねぇ、また1人で全て終わらせようとしてない?」
雪ノ下さんは少し怒っていた。この人はほんとになんでも見透かしているようだ。
「なんでそうやって君は自分から暗い道へ進んでいくの?」
せっかく、君の近くにいれるチャンスが来たのに...
雪ノ下さんは最後なんて呟いているか、俺には聞こえなかった。ただ、何を伝えたいか、その根本的な部分は伝わった。
「...甘えていいんですか?」
「はなからそのつもりだしね」
そう言って雪ノ下さんは微笑む。
綺麗だな...。この人の笑顔。
そんなことを思ってると、電話がかかってきた。
画面には「平塚静」と表示されていた。
「すいません雪ノ下さん、ちょっと外出てきます。」
そう言ってベッドの近くに添えてある松葉杖に手をかける。幸い1回事故した際に使用してるので慣れはある。
「じゃ、ここで待ってるね。」
意外にも雪ノ下さんはついてこなかった。多分、空気を読んでくれたんだろう。
ちょっと感謝しつつ屋上へ向かうエレベーターへ向かった。
エレベーターが開き、屋上が目の前に見える。ドアが解放されているのは正直ありがたい。
屋上に出たところでもう一度画面を見る。バイブ音もなくなっており、一旦切れているようだ。
という訳なので、こちらからかけ直す。
『もしもし、平塚だが...。』
「あぁ、平塚先生。お疲れ様です。」
『...』
「...」
一瞬の沈黙。切り裂いたのは平塚先生の方だった。
『...私は、君に謝らなければいけないな。』
「別に、平塚先生は何も悪くないですよ。」
『そうは言ってられない。まずは生徒指導の担当として、君の身にあったいじめを見つけれなかったこと、すまなかった...!』
「そもそも隠し隠しでしたからね。それこそ外からじゃ見つけられないような。だからそれは、許せと言われたら許しますよ。」
先生にそこの罪悪感は感じて欲しくない。
実際、通告しなかった自分にも非はある。
「だから先生、そんな気を落とさないでください。」
『優しいな、君は。ただ、なにか償わせて欲しい。そうしないと気がすまなそうでな...。』
「...今度旨いラーメン屋連れてってくれるだけでいいですよ。」
『分かった。日程が決まれば予約しておこう。』
即答だった。
...芯はぶれないなーこの人。
ただ、この人と話さなければいけない事はまだある。
「それと先生。もう1つお願いがあるんですけど...。」
『何だね。』
「俺は奉仕部を辞めたいと思います。」
『...!』
「今日、ずっと考えてたんです。俺は何が欲しかったのか。何のために生きてきて、これから生きていこうって。
そして分かったんです。」
『...それはなんだ?』
「俺はきっと、《本物》が欲しかったんです。」
俺は本物が欲しい。嘘偽りない本当の自分が。曲がった視点から見た世界ではなく、真っ直ぐ純粋な視線で見ることの出来る世界が。
「ただ、それは奉仕部では見つけることは出来なかった。それだけの事です。」
『気持ちは変わらないのか?』
「変わりません。」
『そうか...。』
先生はすごく残念そうな声だった。無理もない、自分を奉仕部に入れたのは平塚先生本人なのだから。
『なぁ、比企谷。私の話を聞いてくれるか?』
「いいですよ。」
『私はな、最初比企谷みたいな生徒を見つけた時、少し嬉しかったんだ。こんな捻くれた高校生が、まだ雪ノ下しかいない奉仕部に入ったら、きっと面白くなるだろうって。問題児だった雪ノ下も何か変わるんじゃないかって。勿論君もだったが。』
『ただ結局、それは私自身の自己満足でしかなかった。その自己満足のせいで、君はさらに歪んでしまったんだ...。全部、私のせいで...。』
話し終わる頃には先生は泣いていた。電話越しにその様子が伝わってくる。
でも...。
先生、それは違います。
「それは違いますよ先生。誰かが悪い、なんてことはないんですよ。先生も、由比ヶ浜も、雪ノ下も。」
依頼をした戸部も。海老名さんも。
「誰もが悪いんですよ。皆一律に。だから誰かに責任をぶつけるのは違うんじゃないですかね。」
『そうか...。』
もうそれ以上は言うことは無かった。
『最後になるが、この事は由比ヶ浜と雪ノ下には...』
「今度、学校行った時に自分から話します。」
『分かった。では失礼するよ。』
そうして電話は終わった。
電話を終え自分の病室へ戻る。雪ノ下さんは椅子に座ったまま軽い眠りについていた。
あの時、この人に助けて貰って始めて自分がはっきりと見えた気がする。
だからきっとこの人となら...
俺は《本物》を見つけれるかもしれない。
※今作で言う《本物》とは、原作で述べられたものとは異なりますのでご注意ください。
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数日ぶりに帰ってきました。と、同時にネタが詰まって死にそうです_( _´ω`)_ペショ
どんどん書いていくうちに最初に考えてたことからズレてきてます...。やばい...。
この前感想欄にて指摘があったんですが、まさにその通りです。
...全然原作沿ってないじゃないか!!
「もう壊してもいいよね?」
壊れないようにギリギリで頑張っていこうと思います。
ズレてるよって感じてきたら感想欄にてご指摘お願いします。(評価もお願いします...)
ここまで読んでくれて、誠にありがとうございました!
未熟ですが次回も未熟なりに頑張りますのでよろしくお願いします...!