そして比企谷八幡は仮面の少女と   作:白羽凪

8 / 20


比企谷八幡は、変わろうとしている。
1人では変われない、いつかの本にそう書いてあった。
だが、彼は奉仕部ではそれは出来ないと悟った。
それでも彼はこれまでの自分を捨て、変わろうとしている。
では、雪ノ下陽乃は...







本文さながら、前書きが一番難しい。


#7 雪ノ下陽乃が、一歩踏み出すには

ー陽乃sideー

はぁー...疲れたぁ...。

病室の椅子に座ってふっと息をついてそう思う。

こうやって本心で誰かのために動くのって、ひょっとして初めてかな?

にしても疲れた。ちょっと休憩!

 

...

 

「雪ノ下さん、起きてください」

「...ん、あれ?」

いつの間にか閉じていた目を開けると、比企谷くんが覗き込んでいた。

 

「あ、あれ...?もしかして寝ちゃってた?」

「...もしかしなくても、結構しっかり寝てましたよ。」

「///」

しまった!弱みを握られた!?

 

ゆきのしたはるのに100のダメージ!!こうかはばつぐんだ!!

 

彼から顔を逸らすように時計を見やる。どうやら20分ほど寝てたようだ。

 

恥ずかしい...。

 

「心配しなくても、寝顔とか撮ってないですよ。」

まるで見透かしてるかのように比企谷くんが言った。

「撮ってたら...分かるよね?」

とりあえず笑わなきゃ...笑わなきゃ....。

「わ、分かってますよ...。怒んないでください頼みますから。」

え?笑えてない?

「ねぇ比企谷くん。今私どんな顔してる?」

「どうって、まぁ、笑ってはないですね。」

あれ?

 

まあいいや。とりあえず今は...。

「じゃあ私、今日はそろそろ帰るね。昨日今日帰ってないとなるとさすがにまずいしさ。」

「そうですか。本当に今日はお世話になりました。」

そう言って比企谷くんは頭を下げる。

「礼はいらないよ。他で賄ってもらうから。」

「わ、分かりますた...。」

挙動不審の比企谷くんに少し笑って、私は病室を後にした。

 

家に帰ったのは8時くらいだった。中に入ってみると珍しく母さんがいた。

「ただいま帰りましたー...、あれ、母さん。」

「陽乃、ちょっと来なさい。」

 

母さんは入ってきた私を見るなりこっちへ来るよう言った。相変わらず母さんの発言一つ一つには言葉にならない強要性がある。

 

「何の話?」

「昨日、帰ってこなかった理由は都築に連絡したことで間違いないのね?」

「うん。道で倒れてた人を救急車呼んで搬送して、その人に付き添ってた。間違いないよ。」

「そう...。」

 

母さんのその一言には落胆、怒り、喜び、どれとも取れないような意味が込められていた。

 

「陽乃、何回も言うようだけれど、あなたは雪ノ下なのよ?

普通の人とは違うの。そこを分かって過ごしてちょうだい。」

「はい、母さん。」

「もし、通いつめるくらいにまでなるようなら、あなたの自由行動の制限についても考えます。」

「はい。」

 

母さんはその一言で話の全てを終わらせ、その場から離れていった。どこに行ったのかは分からない。

 

あぁ、もういやだ。

何で私は《雪ノ下》なんだろう。

もっと普通に、自由に生きたい。裕福なだけがきっと幸せじゃないはず。

この《雪ノ下》という名前を持っているだけで、私という人間は特別な存在になっていた。

 

けれどそれが、1番気に食わない。

結局私は、餌が十分にある鳥籠の中の鳥のようだ。

 

私は変わりたい。

でも、今はそれが出来ない事は重々承知している。

どうやったら変われるかなぁ...。

 

ふと、私は「1歩前へ、自分を変える為の魔法」という本を思い出した。

それこそ、中身は読む時間が無く、まだ中身については知らない。

 

そいえばあの本、病室へ置いたまんまだったっけ...?

後で比企谷くんにメール送っておこう。

そう思ってた矢先、メールが届いた。比企谷くんだ。

 

『雪ノ下さん、そういえば本忘れて帰ってません?』

《ごめん、忘れてた。明日取りに行こうか。》

『いえ、いつでもいいんですけど、何か思い悩んでいるなら言っておきますね。』

《?》

 

『きっと人は1人では変われません。きっと俺も、雪ノ下さんも。』

 

その言葉は今の私に響く言葉だった。

けど、それは現状の解決にはならない。

 

《へぇ、言うようになったね。》

『生意気でしたらすいません。ただ、俺はそう思いますよ。では、おやすみなさい。』

《うん、おやすみ。》

 

携帯を閉じ、自室のベッドへ飛び込むように入った。

1人では変われない、か。

 

今まで私に告白してくる人間は沢山いた。

けど、全部上っ面。本当の自分は誰一人見抜けなかった。

...比企谷くんなら、分かってくれるのかな?

 

そうだ、折角だし...。

 

そう思ってもう一度携帯を取り出す。

相手はもちろん比企谷くんだ。

 

《ねえ比企谷くん、まだ起きてる?》

『起きてますよ。どうかしましたか?』

 

いつも誰かに軽い気持ちで送る文より、同じ文を何十倍もの勇気を振り絞って次の文を綴る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《今度、デート行かない?》

 




次回、うp主死す!!デュエルスタンバイ!!
―――――――――キリトリ線―――――――――
今回もまた字数が少ないっすね...。ただ、内容はそれなりにあるんじゃないかと主は思ってます。
たまにはイチャラブ回もいいんじゃないでしょうか?という安直な考えに繋げるための今回となってます。
では、失踪するつもりは無いのでまた次回。

―――――――――キリトリ線―――――――――
ここまで読んでくれてくださり、ありがとうございました。まだまだ未熟ですが、これからも未熟なりに頑張りますのでよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。