比企谷八幡が己と向き合うように。
雪ノ下陽乃もまた己と向き合っていた。
しかしそこは超えれない壁がある。
今、変わるために必要なこと。それはまだ誰にも分からない。
だから今この時だけは...
なんかまともなの書けたかな?
ー八幡sideー
とある休日。
朝7時、家で外出の準備をしながらふと思った。
なんでこうなった...?
あの怪我で入院したとはいったものの、1週間くらいで退院でき、今はこうして家にいる。
とはいえ、まだ怪我が治った訳でもない。
じゃあ、なんのための外出か。
事の発端は、先日雪ノ下さんから送られた
「今度、デート行かない?」
の一通のメールだ。
因みに入院中の話だが、雪ノ下さんと家族以外は見舞いに来ることはなかった。おそらく、ケースがケースという事で他言しなかったのだろう。ぼっちにはそっちの方がありがたい。
...戸塚には今度謝罪と甘いもの用意しとこ。
そんなこんなでインターホンがなる。どうやら来たようだ。
「はいはい、出ますよっと。」
独り言を呟いて玄関のドアを開けに行く。
「ひゃっはろー比企谷くん。」
「どうもです。」
今日の雪ノ下さんは一段と可愛く見えた。やっぱこの人すごいなぁ...。
「じゃあ、行こっか!」
「あ、でも待ってください。俺そんな歩けないっすよ。」
実際まだ松葉杖暮らしである。歩かされるとなるとたまったもんじゃない。
雪ノ下さんは得意そうな顔を浮かべる。
「ねぇ比企谷くん、面白いこと教えてあげよっか。」
「なんです?」
「私、自動車免許持ってるよ?」
...まじで?
「...まじっすか。」
「という訳で、乗った乗った!!」
よく見てみると玄関の先に軽自動車が見える。恐らく雪ノ下さんのものだろう。
玄関でそうこうしてるうちに、寝起きの小町が起きてきた。
「あれ、陽乃さん。おはようございます。あ、デートですか。ごみいちゃんを宜しくお願いしますね。」
小町は返事を聞く前にリビングへと入っていった。
...寝起きじゃなければもっと話してたのかもしれない。
小町にもだいぶ迷惑かけてしまったからな。
今日お土産でも買って帰るか。
「...じゃ、行こっか。」
「うす。」
そんな訳で俺は雪ノ下さんの自動車へと乗った。
車に乗って数十分たった。いやどこまで行くんだろうほんと。高速乗っちゃってるし。
少なからず千葉市内ではないことは分かった。
季節は10月。海に行くなんてのは流石に考えれない。
「そういえば雪ノ下さん、なんで免許なんて持ってるんですか?専属の運転手だっているのに。」
「意外だったでしょ?」
「いや、それはそうですけど。確か雪ノ下さんのお母さんって厳しい人なんですよね?よく許可してくれましたね。」
地位もあって厳しい人なら、尚更自分の娘に万一の危険があるようなことはさせたくないだろう。
「...ほんっと、大変だったんだよ?説得するのに。」
本当に大変だった。そんな感じがつたわってくる声音だった。
「あたしさー、もっと自由に生きてたいんだよねー。」
吐き捨てるように呟かれた独り言。けど、それは捨てては行けないほど大事な言葉だった。
「さて、比企谷くん問題です!私達は今何処へ向かってるでしょうか!」
場の空気を一新するように雪ノ下さんが大きな声を出す。
「いや知りませんよ。千葉を抜けたら俺の知識はリセットされるんで。」
標識を見たところ、ちょうど千葉からでた位のところのようだ。
「んじゃ、着くまでゆっくり待っててよ。着いてからのお楽しみってことで♪」
車に乗ってから2時間経ち、ようやく目的地へ着いた。
「まさか栃木だとは思ってませんでしたよ...。」
今俺は日光にいる。うん、なんで?
「こっちの方って来ること無かったしさ、いいじゃんこういうのも。」
「まぁ、確かに紅葉が綺麗ですね...。千葉には少なくともここまでのものはないと思いますし。」
実際、言葉にならないほど綺麗だった。
一面に椛の赤が広がる。それはもう燃えそうなほど赤かった。
しかし、燃えている火が消えるように、いつかはこの椛も色褪せ、枯れていってしまう。
その循環はまるで人間を見てるようだ。
「でも雪ノ下さん、ここに来たのってこれ見るためだけですか?」
「ううん?まだまだ色々回るよ?東照宮とかも行かないと!」
「はは、ですよね...。」
それから、日光周辺を色々見て回った。
さっき述べた東照宮や、輪王寺など、観光名所と呼べるものはいっぱいあった。怪我の都合上、残念ながら温泉に行くことはなかった。「今度、行けたら行こうね」と言われたので考えておきます。
ふと思う。
千葉と栃木。同じ関東なのに一体何が違うんだろうか。
千葉と東京は同じ平野部として、似ている片鱗はある。
けどそこからもう一歩踏み出せば新しい景色が見えた。
...自分の世界にも言えた話かもしれないな。
そして今は帰りの車内である。
会話数は相変わらず。おまけにどうやら1時間ほど眠ってたようだ。
「すいません雪ノ下さん。寝てしまって...。」
「いいよいいよ、その状態で結構歩かせたんだから、疲れるのも無理は無いでしょ。」
「...まあ。でも、今日は楽しかったんで良かったです。」
「そっか。楽しんでくれてよかったな。」
そう言って雪ノ下さんは笑う。
その笑顔に嘘偽りはない。
けれど。
その笑顔の奥には悲しさが感じられた。
「あのさ、今回の一件についてこの前母さんにきつく言われてさ。もう、当分こういう機会なんてないんじゃないかって思うの。だから、今日はデートに来れて本当によかった。」
「そうですか...。」
「もちろん最後じゃないとは思うけどね?」
世界は無常だ。
こんなに大切だと思う時間は刻一刻と過ぎていく。いずれはこの楽しい時間も終わってしまう。
だから、せめて今だけは。
「あの、雪ノ下さん。」
「ん?どうしたの?」
「寄って欲しい場所があるんです。」
俺が指定したのは家の近くにある公園だ。
この公園は昔から星が綺麗に見えて好きな場所だった。
今日は星は...出ているな。
よし。
「で、比企谷くんはなんでこんなとこに寄りたいって言ったのかな?」
「ここから見える星が綺麗でしてね。紹介したかったんですよ。」
「うん、確かに綺麗だね。」
「...雪ノ下さん、伝えたいことがあります。」
声が震える。緊張で逃げ出したい気分だ。
けど勇気を振り絞って。真っ直ぐに伝えよう。
あぁ、今までの俺が見たら発狂しそうだな。
でも今は全部ぶつけてやる。
「雪ノ下陽乃さん。あなたが好きです。付き合ってください。」
イチャラブ回と言ったな?すいませんあれはまだみたいです...
――――キリトリ線――――
ほんっと申し訳ございません!!前回のあとがき書き終わった後で「あ、無理やん」って気づきました!!
許してくださいなんでも(するとは言ってない)。
さて、中盤くらいまで来ましたかね...。ここからどうやって運ぶか、まだまだ考え中ですm(_ _)m
ところで、今回日光を挙げたのですが...。
主は関西人です。
はい。
ネタがキレそうなのでまた次回お会いしましょう。
――――キリトリ線――――
今回も最後まで読んでくれてくださりありがとうございました。全く成長しないバカ主ですが次回もよろしくお願いします。