にわかなので、差違があっても長い目で見てください
「ツッキー。暇だよー」
「zzzz 」
「ていっ」
気持ちよく眠っていたところに、上から衝撃がきた。ゴスッと音を鳴らしながら、机と額が接触事故を起こす。
こんなことをやる奴はこのクラスにただ一人。
おでこを擦りながら横を見れば、手刀の形をさせた手とは逆の手でピースサインをする少女がいた。こちらが恨みがましい目を向けてもどこ吹く風、にこやかに笑っている。
「ちょっとモカさん?人が気持ちよく眠ってるのに酷くない?」
俺の隣人、青葉モカ。きれいな白髪に幼さの残る顔つきは十分に美少女と言える。ただ性格に若干の難あり、とつける必要があるだろう。
「モカちゃんは暇なのですー」
そうか、と一言伝えてから、もう一度机に突っ伏す。窓際の一番奥の席。ここはちょうどよく日光も当り、最高に───
「zzzzzzzz」
「ひーちゃんに、ツッキーがひーちゃんの胸をじっと見てたっていってくるねー」
意識が覚醒した。明日から学校来れないレベルのヤバさだ。特に、つぐみから軽蔑の視線もらったら五回は死ねる。
「ストップ、モカ!さすがにそれは笑えない。女子を敵に回すことになる!」
顔を上げて横を見れば、いたずら成功、みたいな顔でこっちを見ているモカがいた。
「ツッキー、暇だよー」
「お前は何?モカの退屈しのぎをするのコマンド押さないと永遠にその台詞を使うの?」
「ツッキー、暇だよー」
「それで、一体何をしろと?」
「モカちゃんとお話しようー」
「俺はいいから幼馴染ズのところに行ってこいよ」
向こうに目を向ければ、上原ひまり、宇田川巴。そして俺の最高の癒しであらせられる羽沢つぐみがかたまって話している。
何故かモカだけは向こうに行かずに俺の隣に座っているのだ。
「みんなとは学校終わったあとにも話せるけどー、ツッキーは学校でしか話せないからねー」
それなら、お話したな。これでミッションコンプリート。これより、夢の世界に旅立つであります。
「そうか。お休み」
「ひーちゃーん」
「ストップだ。わかったよ、何を───」
キーンコーンカーンコーン
無慈悲な鐘の音が耳朶をうつ。
俺の休み時間は横の少女に全て奪われてしまった。
「あっ、始まったねー」
そんな小さな魔王様は間延びした声で呑気に告げる。言われんでも分かっとるわ。
「はあ。結局寝れなかった」
壇上に立つ先生の禿頭を見ながら、ぶつくさ文句を言う俺は、横でこちらを見るモカの視線と声に気が付かなかった。
「ツッキーのその顔を見れただけで話した甲斐はあったかなー」
望月蒼は気付かない。
次の話のネタ(書けるかは分からない)
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学校生活
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日常生活
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Afterglow絡み
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デート系