毎日というわけではないが、二日に一回ぐらいのペースでモカと昼食を共にする。机をくっつけるわけでもなく、普通の距離感で。
おかずの交換などは断じてない。二人とも持ってくるのはパンだけだからだ。モカのは山吹ベーカリー。俺のは家から近場のコンビニのパン。
「ツッキーはいっつもパンだよねー」
「そういうお前もパンだろ?」
モカはいつも学校に大量のパンを持ってくる。鞄の中にはパンしか入っていないのかと疑う量だ。
「モカちゃんのは山吹ベーカリーのパンなのです。コンビニのパンとは格が違うんだよー」
「さいで」
胸を張りながら言うモカに適当に答えて自分のパンに手をつけようとした。
「ツッキー」
「ん?」
「モカちゃんにお願いするなら、一個だけあげよーかー?」
その提案は意外と魅力的だった。たまには別のところのパンも食べてみたいとは思っていた。少しだけ悩んで、頭に浮かんだ言葉を声に出した。
「かわいいかわいいモカちゃん、どうかパンを一個恵んでください」
自分でも分かる棒読みだった。なんとなく茶化さずに言うには恥ずかしすぎる。
「………はい」
こんな棒読みの、ロボットが話したような文でもパンはくれるようだ。
モカの方を向いてパンを貰おうとしたのだが、それよりも早く机の上にパンが投げられた。
気のせいか、視界の端に映ったモカの顔に赤みが差していたような………?
モカがくれたのは好物のメロンパンだった。
袋から取り出して一口食べてみると、コンビニよりも格段に美味しい。
「んっ。うまいな」
「でしょー」
モカの顔を見るが、いつもの少し憎たらしい笑顔を向けるだけだった。さっきのは見間違いのようだった。
「何でモカが得意気なの?」
「モカちゃんと山吹ベーカリーは一心同体だからねー」
そう言いながら、モカがモグモグとパンを食べる。一個、二個、三個、四個…………何個あるんだろう?しかも、食べるペースが衰えない。毎回思うのだが、その小さな体にどれだけ入るのだろう?
美味しそうにパンを頬張るモカを見ながら、もらったメロンパンを食べる。
「モカの言うことは分かんないけど、確かに美味しいし俺も明日から通おうかな」
「仲間が増えるなら大歓迎ー」
次の日。
「店員の女の子がものすごい可愛かった………って、モカ?」
モカがそっぽ向く。
仲間が増えたのは嬉しいが、何となくムカッときたモカだった。
その日は口は聞いてくれたが、終始不機嫌だった。あとで幼馴染ズに聞いてみたが、返ってきたのは、またか、というようなため息だった。
青葉モカは意外に単純である。
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