「ツッキー、何読んでるのー?」
俺が本を読んでいると、モカが肩に手をかけて覗き込んできた。ふわりと香る柑橘系───ではなく、パンの匂いが女子だということを感じさせず、モカだということを感じさせる。
「ライトノベル」
簡素に答えてから次のページを捲ると、そこには最初のカラーイラストと同じ文が載っていたので、戻ってそのシーンを見直す。
「ツッキー、いやらしいー」
そのカラーイラストは金髪の女の子の着物が若干はだけている程度のものだ。
言うほどではいやらしくはないが、耐性がないなら少しは赤面するかもしれない。まあ、モカに限ってないはないな。
「おいこら、誤解を招くようなことを言うな。体を隠すな。そんな気は起こさねーよ」
その絵を見たモカが後退り、俺から体を隠すようにして腕を交差させた。
動作は拒絶だが、顔はふざけてると丸わかりで、にやにやしている。
気にせずにさっきのページへと戻って、読み進める。
「ツッキーはさっきみたいな女の子が好きなのー?」
俺が話にのらないと分かったモカはもう一度肩に手を乗せてきた。それの何が面白いのやら。
「嫌いではないかな。でも俺は金髪より銀色っぽい髪の方が好きかな」
「ほー。モカちゃんみたいなー?」
モカの顔は見えないが、今どんな顔をしているのか容易に想像できる。
そんなモカに一泡吹かせてやりたいという気持ちで嘘───というわけでもない言葉をノータイムで返した。
「そうだな。モカちゃんの髪とかな」
…………………
モカからの返答がなくなった。肩に感じていた重みもいつの間にかなくなっていた。
今のモカの顔がどうなったのか気になって振り向こうとしたのだが、頭に置かれた小さな手がそれを制した。
大して力も込められていない手なので、振り向こうと思えばできるのだが、やめておいた。こんなつまらないことでモカとは喧嘩したくない。
「…………」
しょうがなくページをめくり───
「あっ、あと黒髪ロングも好き………って痛っ!モカさん?!何かやりました?!」
「知らなーい」
不機嫌な声音と共に肩を肘でぐりっとされた。
二度三度ぐりっとしてから、自分の席に着いたモカ。
乙女心はよくわからないが、言えることは一つ。どうやら、つまらないことでモカを不機嫌にさせてしまったようだ。まあ、いつも通り次の休み時間にはけろっとするだろう。
再度、ライトノベルに視線を落とすが、さっきまでそっぽ向いていたモカがこちらをジトッと見ていた。
ライトノベルを置く。モカの表情が若干柔らかくなる。
ライトノベルを手に取る。少しだけムッとした顔になる。
本を開いて、カラーイラストを見る。不満げにこちらを見つめてくる。
こんなんじゃろくに集中できそうにないので、ライトノベルを仕舞い、途端に機嫌が良くなったモカと話しながら時間を潰すことになった。
青葉モカは嫉妬深い?
次の話のネタ(書けるかは分からない)
-
学校生活
-
日常生活
-
Afterglow絡み
-
デート系