意外に乙女なモカちゃんが送る青春劇   作:GRAENA

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遅れましたし、はっちゃけました。


七時間目

体育の授業でバトミントンをすることになった。今回の体育はA、Bクラス男女混合だ。クラス合計は80人ピッタリで男子女子の割合もピッタリ2:8。

 

男子と女子の組み合わせが16組できる計算になる。

 

バドミントンの成績は試合でのみ決まる。どれだけ試合をやったかで決まる。また、勝てば少しだが点数もあがるそうだ。

 

試合は11点先取。

 

男子が入ったペアは女子同士のペアの場合、3点のハンデを負うことになる。

 

さて、そこで俺が組むことになった相手とは。

 

「よろしくねー、ツッキー」

「何でなんだろうな」

 

もう運命としか思えない。ついでに、つぐみは美竹、宇田川は上原と組んでいる。絆の強さがくじの結果に干渉できるのだろうか?

 

「とりあえず、つぐみ、美竹。軽くやらない?」

「いいけど」

「私もいいよ」

 

スポーツは妹と結構やるので、自信がある。あのスポーツチートの運動神経はマジで人間やめてるレベルだと思う。

 

ほのぼのとラリーをしていると、先生から試合をやれとのお達しが来た。

 

折角だからとそのまま流れで試合をすることになったのだが。

 

「動けや!モカ!ほとんど1対2じゃねーか!」

 

そういえば、美竹って負けず嫌いだったよな。さっきのほのぼのプレイが嘘のような本気プレイ。つぐみもツグってる。

 

「ふぁいと~」

「気が抜けるんだよ!」

 

こっちは一人で二人の攻撃を捌いている。美竹は運動できるし、つぐみも運動神経は悪くない。

 

モカはコートの端っこで俺を応援してるのだが、それが逆効果なんだよ。あの間延びした声が俺の気力を削いでくる。

 

モカの声援…………相手の攻撃力・防御力・敏捷力を大幅に低下させる。やる気を低下させる。青葉モカ固有スキル。

 

最悪なデバフだな。条件を揃えれば、相手にもデバフをかけるとか、味方に強力なバフをかけるとか、そんなのはないのか。

 

試合はギリギリ俺たち───俺の勝ちだった。

 

コートから出た瞬間、倒れる。吹き出た汗が体育館の床を濡らしていく。モカは俺から少し離れたところで壁に寄りかかり体育座り。

 

「し…………死ぬ…………」

「だ、大丈夫?望月くん」

 

上から汗で髪を濡らした大天使ツグミエルが覗き込んでくる。

 

「最後に見た光景がつぐみの顔なら後悔なく逝けるよ」

「望月くん?!大丈夫なの?!」

「………本当に大丈夫?」

 

美竹も心配しにきてくれた。結構レアだと思う。

 

「まだ何とか大丈夫。これでも体は鍛えてる方だから」

 

体力の回復に努めていると、ラケットを肩に担ぐようにして持った宇田川がやって来た。奥では上原がラケットを杖にしんどそうに歩いていた。

 

「モカー、望月ー。次、アタシらと………って無理そうだな」

「ああ、俺が死───」

「やろー」

 

モカが勢いよく立ち上り、俺の手を無理矢理引こうとする。もちろん抵抗しようとするのだが。

 

「おい、モカ!待て!引っ張るな!その力をさっき発揮しろやー!」

 

どこにそんな力隠してたのか、コートの中に引きずり込まれた。

 

 

 

 

 

もちろんモカが働くことはなかった。今度もギリギリで勝てたが、しばらく立てそうにない。足が軽く痙攣起こしてるんだけど。

 

「ぜえぜえ………」

「も、望月くん?」

「ご………ごめ………今、話せ………」

 

つぐみが話しかけてくれるが、今は酸素を取り入れるのに集中したい。今の俺はまさしく虫の息なのだ。

 

「は、はい、タオル」

「あ、ありが………と」

 

ぐっと体を起こしてから差し出してくれたタオルを受け取り、汗を拭き取る。息を吸って吐いてを繰り返して、体に酸素を回していく。

 

「本当に余裕ないね」

「あたり………まえ、だろ………」

 

美竹もさっきの俺VS宇田川・上原の試合を見ているからそれはわかってるのだろう。苦笑いの彼女もまたレアだ。

 

「モカ、さすがにこれは酷いと思う」

「もっと………言ってやれ」

「だってー」

 

モカが何かを言おうとしたが、俺とつぐみを見て、すぐに止めた。

 

「望月、ペア変わろうか?」

 

美竹が提案する。どうしようかと悩んでいたら、視界の端にモカの寂しそうな顔が見えた………気がした。しっかりとは見えなかったが、雰囲気が違っていた。

 

「ふぅー。いや、いいよ」

「いいの?」

 

首にタオルをかけてから、震える手で床を叩いて体を起こして立ち上がる。

 

「面倒かかるけど、パートナーだからな」

 

「望月─────

 

 

 

 

 

────格好つけてるところ悪いけど、足が生まれたての小鹿みたいだよ」

 

「「ぶふっ!」」

「ふ、ふふふ、ふふっ」

 

横で休憩していた宇田川と上原が吹き出した。つぐみは堪えようとしているみたいだが、堪えきれず笑い声が漏れている。

 

「笑ってんじゃねーよ!」

 

そのあとの試合から、何故かモカが俊敏に動いて勝ちを納めた。

 

 

 

 

望月蒼は格好つかない。

 

 

 

 

 

次の話のネタ(書けるかは分からない)

  • 学校生活
  • 日常生活
  • Afterglow絡み
  • デート系
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