恋にも愛にも重すぎる   作:木冬

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大破時って明らかにコクピット蒸発してるんですけどあれどうなってるんですかね。
ってか戦場でブラスト爆散して片方のプラントにだけダメージ入るってどういうことですかねぇ……?
って謎について考えてたら出来た話。文字数えらいこっちゃになって前後に分けたら前半モブだけで一話になっちゃったのは申し訳。

名も無きモブ視点ちゅーい。
CPUでポンコツ多すぎるからって行き過ぎた無双にもっとちゅーい。


騎士団長は研鑽する:前編

フェニエ騎士団駐屯地 ブラストランナー用演習場

 

 

「続いて三番機、始めてください!」

『三番機、行きます!』

 

鋭い号令と共に、コンソールに表示されたランプの内一つが赤から緑に切り替わる。

同時、ブーストを噴かせて鈍色の機体が飛び出した。

脚部のローラーを土を巻き上げながら回し、一直線に設置されたカタパルトへ駆け込み起動。稼働時は常に帯電しているリニアカタパルトは、いっそ暴力的なパワーでもってブラストを目標地点へ跳ね飛ばす。

 

『ぐぅっ……ぬっ!』

 

そのまま着地、衝撃吸収を経てまたブーストを噴かせ走る、走る。

廃屋の隙間を抜け、岩壁を蹴りつけ、一心不乱に前を目指して……

 

「そこまで!……三番機、目標地点へ到着。タイムは58秒です」

『まぁ1分切ったしノルマ達成、ってとこかな?ところでどう?今夜ディナーでも……』

「……続いて四番機、準備はいいですか?」

『はい!よろしくお願いします!』

「では……四番機、始めてください!」

 

そうしてブラストが次々送り出されては駆け抜けていく。

十数機のブラストが一機ずつ走り抜けた後は連携移動、十字砲火、紅白戦と続き、終わる頃には丁度昼休憩といった頃合いという、あくまで合理的ないつもの訓練風景であった。

 

それを遠目に眺める、金の髪を靡かせた修羅がいることを除いて……であるが。

 

 

 

 

模擬戦も終盤に差し掛かり、両チームのコアゲージも残り僅かとなった。

互いに譲らぬもののあと少しでこちらが競り勝つか、といったとき、左翼から敵に突破された、と通信が入る。

 

「まずい……コア攻撃を受けたら抑えきれないぞ!ここは任せる!」

『無茶言いやがる!プラント守り切れるか分かんねぇぞ!』

「どうせもうすぐ終わる!コアを落とされるよりマシだ!」

 

せめて時間稼ぎを、とECMグレネードを投擲し転送に入り、特に集中砲火を受ける事も無く転送は成功した。ECMが当たったのだろうか。

少しの浮遊感の後、ブーストで幾分緩和された着地の衝撃を受けながらモニターを見回す。

 

(まだ来ていない……?いや、センサーが最後に表示した位置と転送にかかった時間を考えるとそろそろ来ているはず、武器変更!)

 

ウィーゼル機関銃をマウントし、サワードロケットを構える。

 

(コアに潜り込むための経路はふたつ。どちらかヤマを張ってもいいが、足の遅いヘヴィガードでは外れた時のリスクが高すぎる。ここは落ち着いて待つべきだ……ん?)

 

一瞬、モニターに映る景色が歪んだ気が……違う!

サイドキック、ジャンプを同時に蹴り込み操縦桿を一気に倒す。一気にかかる慣性に堪えながらモニターの歪みに向けて照準を合わせ、トリガーを引き絞る!

真っ直ぐ飛び出した模擬弾が地面にぶつかる寸前、空中で弾け、光学迷彩を展開していたブラストが力場を狂わされ現出した!

 

『Bチーム四番機、大破!コアゲージ規定値到達……戦闘終了、Aチームの勝利です!』

「いよっしゃ!ラストショットはいただきだぜ!」

 

コクピットの中で俺は快哉をあげた。モーションシステムを起動し四番機を追いかけてきたチームメイトにガッツポーズを送ってみせる。

 

「見たか!?俺のサワードロケットが直撃だ!」

『わぁーってるっての、はしゃぎ過ぎんな!あと一戦終えたら昼飯だからその時しっかり聞かせて貰うよ、キッド』

「ガキ扱いすんな!それに賭けは俺の勝ちだからな……戻ったらキッチリ出せよ!」

『はいはい、わかったわかった。身長があと5センチ伸びたら大人扱いしてやるよ……ほら、払い戻しは午後イチにやるから今は転送システム起動しろ。ヘヴィガードは余計時間食うんだから』

「お前……次の試合覚悟しとけよ!確かチーム別だったろ!」

 

言いながら転送システムを起動させる。

後はオペレーターが地点を割り振ってくれる。そのままチームのベースまで転送され、弾薬補充が終わり整列が済み次第、今日最後の模擬戦だ。

 

『……Aチーム五番機、転送します』

 

ふわり、と浮遊感を感じた後、モニターに映る景色が切り替わる。

 

「……ん?どうして全員いるんだ」

 

そこにはAとBに分かれるはずのブラストが全て揃っていた。

更にBチームの五番機まで転送され、10機のブラストが勢揃いしている。

しかし全員突然の事で困惑しているようで、誰も動くことが出来ていない。

 

『全員揃いましたね……では全機、順に補給を行ってください。説明は補給と並行して行います』

「ちょっと待ってくれよ、そんな突然……」

『静かに!』

「っ……!」

 

鋭い声に思わず肩をすくめる。他の機体も驚いたようで、ただ事じゃないと慌ててリペアポッドに入っていく。

 

『これより臨時の実戦訓練を行います。使用するのは模擬弾ですが、より実戦に近い形にするため実戦時に近い衝撃を生み出す特殊な弾頭を使用してもらいます』

 

(特殊な、って……)

 

『そして近接武器については刃を潰してあるものの衝撃はそのままです。訓練であっても万が一もありえる、という事を覚悟してください。30秒後に戦闘を開始、目標は敵ベースのコアを攻撃し、破壊することです……それまでに質問があれば、どうぞ』

 

一瞬呆気に取られていたが、慌てて皆が声を上げる。

 

『敵の数は!』

『不明です』

『制限時間は!』

『600秒です』

「ゲージ量は!」

『モード3の規定が適用されます』

『兵装は!?』

『再出撃時の兵装選択は自由とします……それでは戦闘を開始してください、始め!!』

 

(おいおい冗談じゃないぞ……いきなりにも程があるだろ!?)

 

いつの間にかIFF(敵味方識別装置)の登録もAチームに統合されている。

 

『いいから行くぞ!実戦じゃ敵は待ってくれねぇんだ、まずプラント制圧!』

「ッ……了解!」

 

慌ててカタパルトを使い、ベース近くのプラントを制圧していく。

プラントは制圧範囲内で機体から専用の暗号通信を行うことで制圧でき、機体数が増えるほど並行して進むため早く制圧できる。

専用の制圧装置なんかも開発が進められているらしいが……

 

「プラントBも制圧、っと。マップは……ん?」

 

プラントBを制圧し、プラントCへ移動しながらマップの倍率を変更する。いつも戦闘開始と同時に最大まで拡大して近距離戦闘に備えているが……

 

「ひとつも制圧されていない?」

 

倍率を戻し、戦場全体を俯瞰した時、プラントの制圧状況も同時に確認できる。出来るのだが……相手はそれをひとつも占拠していない。

考えられるのはみっつ。

ひとつは相手の機体数が少なく占拠に時間がかかり過ぎている。

ふたつは単純にこちらを侮っている。

そして最後に……

 

「おい!相手はプラント占拠をしていないぞ!誰かコア周辺を索敵していないか!?」

『何!?最初からコア攻撃だと!』

「クソッ、Cまで占拠していれば戻るのも早いだろう、エリア移動の早い奴、念のため行ってくれないか!」

『了k』

 

 

衝撃、轟音、暗転。

 

 

『Aチーム、一、二、三、五、六、八番機、大破』

 

「……え」

 

なにが、あたまおもい、よこ、え、これは、ひっくりかえって……?

 

『機体に救われたか。だがこれではな』

 

発砲音、衝撃。

 

『Aチーム、四、七、十番機、行動不能』

 

Pi.

>>行動不能判定を受けました...

>>...

>>...

>>...

>>再始動失敗

>>大破判定を受けました...

>>自動転送を行います

 

え?

 

『Aチーム、九番機、大破』

 

……え?

 

 

○-○

 

 

気が付くとベースに転送されていた。数秒意識が飛んでいたのか。

 

『……!…………!』

 

それとも数十秒?数分か?俺は……

 

ゴン!

 

「ッ!」

『おいキッド!呆けるのもいい加減にしやがれ!!まだ終わってねぇぞ!』

 

気付けばモニター一杯にクーガーの頭部が映りこんでいた。

 

「おわっ!」

 

慌てて機体を後退させる。ダッシュ一発、20メートルの距離が開く。

 

『ようやく起きたか寝坊助小僧!サッサと行くぞ!』

 

そう言い残してクーガーはカタパルトへと向かっていく。敵と戦う為に。

そう、俺が面を拝むことすら許されなかった……

 

「……ふさけんなチクショウ!どこのどいつだ!?」

 

思考が一気に沸き立つ。怒り、そう怒りだ。

恐らく受けたのは榴弾砲、一撃の威力から察するにギガノト榴弾砲を、固まって制圧するであろう地点に撃ち込まれ、そんな事にすら気付かず俺たちはノコノコと一網打尽にされに行ったのだ。

我が身の不甲斐なさ、自分がまだ装備することを許されていない兵装を運用できる相手への羨望、上等カマしてくれやがった相手への屈辱……それらがまだ見ぬ相手への尽きない怒りとなる。

衝動のままにカタパルトへと向かい、相手の位置を探る為にマップを展開、並行して状況を確認する。プラントはCまで制圧し、Dは中立、モード3のためコアゲージの総量自体が少ないからか、自軍ゲージ残量が半分を割っている。

マップを中程度まで拡大し、味方が飛ばした偵察機に反応が……

 

「一機!?一機だけだと……ふざけやがって!吹き飛ばしてやる!!」

 

再出撃を無意識に行っていたのだろうか、兵装は重火力のままだ。

好都合とばかりにサワードロケットを呼び出し、詰まっているのは模擬弾だという事も忘れて反応のあった場所へと急行する。

しかしヘヴィガードの足は遅く、ブースト容量も少ない。途中で数度味方に追い抜かされてしまう。次の再出撃は忘れずCから行くぞ、と考えながらもっと早くとペダルを踏み込む。

カタパルトを使う事一度、ブーストを使い切る事二度、リフトで上る事一度、更にブーストを使い切る事もう一度……戦闘が行われているプラントEへ到着した。

 

『くっ……撤退する!』

『外れた!?うわっ!』

『やめろ、誤射が……があっ!!』

 

そこは、正しく地獄だった。

鈍色の機体数機の中央で、白金の機体が踊っていた。

数人がかりでたった一機の機体が倒せない。自分の攻撃は外れ、相手の斬撃は当たり、誤射で動けず、その隙を突かれ銃弾の雨を受ける……何よりも。

 

『クソッ、我らが紋章を、こんな、こんな奴にぃぃぃいいい!!』

 

ソイツの肩。

我らがフェニエの紋章が刻印された肩部装甲が。

 

 

紋章を真っ二つに引き千切るように、付け根から端まで切り裂かれていた。

 

 

騎士として、また騎士を志すものとしてあってはならない冒涜。

それを堂々と見せつけるような相手に、あれほど無様を晒し……今、銃弾を掠らせる事しか出来ていないのか。

 

(怒りって突き抜けるんだ、初めて知ったな)

 

「……テ、メェェェェエエエエエエエッッ!!!!」

 

あえて少し手前の地面に当て、爆風で動きが鈍ったところを蜂の巣にしてやる、とサワードを狙い、撃つ。すぐさま武器をウィーゼル機関銃に変更。

 

『馬鹿者め、周りと相手をよく見ないか』

 

それよりも早くなお速く、赤い炎の尾を引いてロケットの弾頭を跳び越え、いつの間にか持ち替えられていた幅広の刀身が画面いっぱいに映り込み……

 

 

ガギャッ!!

 

 

「ごぉっ!……」

 

『Aチーム、十番機、大破』

 

機体が大破を判定し、自動的に転送が開始される。

モニターの中で俺の放ったサワードロケットが後ろから追撃しようとしていた味方に衝撃を与え怯ませるのを……その味方が今度は敵のクラッカーを受けて行動不能判定を受けるのを、まるで他人事のように見ているしかできなかった。

 

 

○-○-○

 

 

(CCCCCCCCCCCCCCC!!早く再出撃をさせろ!)

 

あれだけ密集しては下手な爆発武器などは使えない。しかしヘヴィガードを使用している現状、最も装備重量が軽量である強襲兵装は勿体ない。

コアゲージもほぼ残っていない。これ以上の損耗をすれば……敗北。

 

(面制圧できるショットガン!再始動が可能なリペアユニット!距離をとればヘヴィガードでだってソードくらい躱せるはずだ!せめて……せめて一発だけでも!)

 

現在進行形で撃墜されている味方を再始動せんと、相手にせめて一矢報いんと、プラントCへと再出撃を行う。

ふわり、と浮遊感を感じ、機体がプラント少し手前へ投下された。

 

(さぁどこだクソ野郎!)

 

すぐさま索敵センサーへと持ち替え、目の前の廃屋の陰へ貼り付ける。味方が次々と撃墜されているため、センサーが消滅して相手の位置がわからないのだ。

 

(出た……?)

 

赤い光点がマップへ表示される。だが。

 

「うしろ?」

 

何故光点は自分より後ろにあるのか。

何故今も自機から遠ざかっているのか。

何故……ベースの周辺に誰もいないのか。

 

『……やられた』

 

一番最初にコア攻撃の事を考えたはずなのに。

この人数差であれば三方向からコア攻撃を狙えば誰か一人は敵コアまで到達出来たはずなのに。

今からベースへ転送するには遅く、機体の速度は尚遅く……無人の山道を悠々とコアへ突撃する相手の背中を見ている事しか、俺達にはできなかった。

 

 

 

 

完勝。

翻って、完敗。

 

ただの一度撃墜するどころか、一矢報いる事すら叶わなかった。

誰しもが無言で、オペレーターの声に従うままにベースへと転送され、整列する。

 

そして奴が来た。

視界に入った瞬間、燃え尽きたと思っていた怒りが再び膨れ上がる。

白をベースに金で要所を塗り重ねた、今着る騎士団の服とそっくりのブラスト。装備は複数用意されているのだろうが、今は強襲装備のようだ。背に備えた模擬剣のモデルはSW-ティアダウナーだろうか。

転送の衝撃をブーストで自動的に相殺し、静かに着地した機体がゆっくりとこちらへ向いた。

 

真一文字に切り裂かれたフェニエの華

 

「くっ、この……」

『キッド!……わきまえろ』

 

思わず武器を構えそうになった俺をたしなめる声が聞こえ、辛うじて衝動を抑えることが出来た。

 

(そうだ……負けたんだ、俺は。俺たちは……これ以上は恥の上塗りだ)

 

これではキッドと呼ばれても仕方がないではないか。

敗者には敗者の矜持がある。ましてやこれは訓練、命があるなら次がある。

そう何度も何度も自分に言い聞かせ、どうにか震える拳を太ももへと押さえつける事が出来た。

 

『ふむ、気骨もあり自制も出来るか……そこは評価しよう。だがな』

 

戦闘中幾度か聞こえた声……どこか聞き覚えのある、と思った瞬間、白い機体が胸元へ手を伸ばし、コクピットハッチが開かれた。

 

 

 

 

周辺ニュード汚染濃度が規定値内であることを確認し、機体のコクピットハッチを開放する。

吹き付ける風に髪がふわり、と舞うが、もう何年も続けている髪型だ。どこをどう抑えればマシかは十分に知っている。

しっかりと足をかけ、降機用の手すりも使いながら機体の外へ身を晒した。髪とマントが改めて風に煽られる中、すぅと息を吸って、腹に力を籠めて。

 

「揃いも揃ってこの体たらくは何だ!!貴様らそれでもフェニエ騎士団かっ!!」

 

『だ……団長っ!?』

 

「教本に学ぶのはいい!基礎が無ければその先は無い……しかし!実際にブラストに乗って貴様らは一体どれだけ経った!?偵察も飛ばさず、分散もせず、たった一機だと分かった時点でコア攻撃を狙うもしない!」

 

情けない……不甲斐ない、つまらないいけないないないないナイナイナイ何も無い!!

 

「三番機!唯一の偵察機を搭載しながら索敵を怠るとは何事だ!双方のベースからの距離を見れば最速での衝突地点はおのずと見えよう、呑気にプラントなど制圧するのが貴様の仕事か!……五番機もだ!予想される進行ルートの傍でプラントを制圧しておきながら予想侵攻ルートを放置し、プラント攻撃に備えた地雷を敷設する……索敵センサーが泣いているぞ!」

「一番、二番、六番、八番機は論外だ!貴様ら軽量機(シュライク)に乗って重量機体(ヘヴィガード)と足並みを揃えて何をするつもりであったか!グレネード一つで全滅するぞ!」

「四番、そして七番!兵装の切り替えの思いきりはいい。しかし重量級機体で強襲兵装を選んだならば、あの状況でやるべきは重装甲を活かしたコアへの突撃だろう!速度機動で水をあけられている相手へ攻めて何とする!」

「十番機、貴様もだ!砲撃を受けて吹き飛ばされるまでは仕方ないにしても、呆けてすぐに姿勢制御をしないから易々と追撃を受ける!周囲の影響を考えずにサワードロケットなぞを撃ち出し、一本橋の上で立ち尽くしたまま武器交換など訓練兵の行いだ!」

「九番機!戦況確認や後退、着実なプラントの制圧は評価しよう……しかしならばこそ周囲を率いて見せよ!ああまでやられている状況で声を上げないのはただの愚鈍な怠惰だと知れ!!」

 

評価するべき点は確かに存在する……しかしそれを差し引いても余りある減点が私の口を止めさせない。

これが国防の要たる騎士団の訓練でなければ、ハラスメントを訴えられても致し方ない……しかし10機がかりでただの1機のブラストすら落とせないではそれ以前の問題だ。

 

「若輩ながら騎士団を預かるこの身だが、羊飼いになった覚えはないぞ。騎士とはヒトであって羊の群れでは断じてない……貴様らの未だ小さすぎる双肩には、今でさえフェニエの全国民の命が乗っているのだと自認せよ!祖国の守りを誰かに任せているばかりでいいなどと、そのような愚者は今ここで私の手ずから切り捨ててやる!!」

 

機体のコクピットから右腕へ飛び移り、ハッチの上へ、そして頭部へ手をかけ……左肩の傍へと立つ。

未だに鋭利なまま、美しい傷跡を残す左肩に、胸の奥で燻り続ける火が再び大きく猛る。

 

「これを見よ!私とて無敗でも不死身でもない……戦場ではほんの少しの油断が命取りとなる。幾度耳にしようとも我が身に降りかかるその時まで、心へ真に刻もうとしなかった……その愚かしさの代償だ!我が機体は我らが祖国の紋章ごと二つに裂かれ、この身は刹那であろうとも確かに虜囚の辱めを受けた!この装甲は己が戒めとしてその時そのままに残したものだ……」

 

握りしめた拳が震え、噛みしめた唇は鋭い痛みを訴える。

しかし、胸の内から燃える炎に堪えるのが精一杯で……噛みしめた唇からはついに一筋の血が落ちた。

 

『ッ!……』

 

「我が身は人なれば永遠に戦い続けることは叶うまい。いずれ騎士団長の座から下る時も来よう。それが十年先なのか、一年か……それとも、明日か。人の身に未来を知るすべがあろうものか……しかし、未来を変えることは叶うのだ。何もしなかった昨日があれば何も成しえぬ今日しかない。だが一歩進んだ今日があれば明日にはもう二歩先へ進めよう。なれば今日の敗北に抗い、日々研鑽に努め雪辱を果たしてみせよ!!……今一度答えよ、騎士の誓いは!!」

 

『『『『『我らが盾は王の為!我らが剣は民の為!我らが命は祖国が為に!!』』』』』

 

「貴様らは王より剣授かりし騎士、我らこそはフェニエ騎士団である!そのこと、ゆめ忘れるな!!」

 




特殊弾頭(試製インパクトボム)

言うまでもないけど騎士団「で」研鑽してるイリーナ様ですな。
傍から見たら高校野球チームにメジャーリーガーが乱入して一人でホームラン連打かまして初回コールド勝ちとかいうウルトラ大人げないソロプレイ。でも騎士として給料貰ってるくせにサボったり賭けしてるから自業自得だしホラ、綱紀粛正も団長の業務だから……。

後編でR-18な感じのイリーナ様書きそうになったけどこの小説はKEN☆ZENです。
ただヤンヤンしてるだけなので。それだけなので。
後編で思う存分サイコパスっちゃって貰いますとも。

ともあれ、ボダ世界の物理法則なんて分かったもんじゃないので何か納得できない事があればそれは全てニュードの所為です。うちの世界のニュードはこういう反応示すだけで、貴方の世界のニュードはまた違った作用を見せてくれるのでしょう。
てなわけで皆もっとボダ小説書こう。折角PS4で出て使いやすいキャラ一杯増えたんだし。
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