インフィニット・デカレンジャー~クールで熱い戦士たち~通常形式版   作:憲彦

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・SPDは宇宙全体ではなく地球全体の物に。
・デカスーツがISと同様の物として扱われる。
・デカマシーンは出ません。
・罪状が少しズレるかも。
・良くある神様転生物です。
・ISの皮を被った何か。


episode4

SPDの隊服の状態でアリーナの中心に居た。デカスーツを装着していないのはSPD同士で本気の勝負を行う時のルールに乗っ取って試合を始める為である。SPD同士の、しかも現デカレンジャー内の最強同士の戦いだ。観客席の観戦者も2人の緊張が伝わったのか一言も声を出さない。

 

『試合開始!!』

 

試合開始の合図で漸く2人が動き始めた。

 

「「エマジェンシー!!」」

 

「デカマスター!!!」

 

「デカブレイク!!!」

 

SPDの要請を受け、形状記憶特殊合金デカメタルが微粒子状に分解され、日本署から転送される。

 

分解されたデカメタルが2人の体を包みデカスーツを形成した。

 

「「フェイスオン!!」」

 

「百鬼夜行をぶった斬る、地獄の番犬!デカマスター!!」

 

「無法な悪を迎え撃ち、恐怖の闇をぶち破る!夜明けの刑事!!デカブレイク!!」

 

先程までの試合ではこの名乗りを聞くだけで会場が熱気に包まれたが、今は違う。1秒が1分に感じ、1分が10分に感じる程までに張りつめた空気の中、2人は互いを見据え、攻撃のタイミングを図っていた。司は腰の刀に、一夏はブレスロットルのハンドルグリップに。そして、張りつめた緊張感が限界を迎えたとき、2人は一気に互いの間合いを詰め、攻撃を繰り出した。

 

「ハァァ!!!」

 

「デリャァ!!!」

 

攻撃と攻撃がぶつかる度に辺りに響き渡る爆音。一歩を踏み出す度に地面がえぐれ、壁に亀裂が入る程の衝撃。空気が震え、辺りにはいくつものクレーターが出来る。その戦いを見ていた者は全員息を飲んだ。そして自覚した。SPDの強さを。

 

「な!なんですの!?この戦いは!!?」

 

代表候補生すら声をあげる戦い、誰もが思うだろう。「あの場に居るのが自分で無くて良かった」と。

 

「竜巻拳!トルネードフィスト!!」

 

「ハァ!!デリャァ!!」

 

一夏の出した竜巻を切り裂き、攻撃を入れる。一夏もただ司の攻撃を食らうわけではなく、それに合わせて自分の攻撃もぶつける。音が遅れてやってくる程目には見えないスピードで交わされる攻撃の数々。誰もが、戦いに見入ってしまった。

 

「高速拳!ライトニングフィスト!!」

 

「グッ!!ハァ!」

 

一夏の攻撃に吹っ飛ばされる瞬間、ディーソードベガをライフルモードに変え、エネルギー弾を放った。

 

「グワ!!」

 

両者アリーナの壁に埋もれた。だが再び立ち上り司は刀を、一夏は拳を構え、お互いに突っ込んだ。

 

「必殺拳!!ソニックハンマー!!!」

 

「ベガスラッシュ!!!」

 

2人のダメージや疲労の具合いから見ても、これが最後の攻撃になるだろう。最後の攻撃に全ての力を注ぎぶつけた。アリーナ全体が、途轍もない爆音と光、衝撃に包まれ、勝負が決まったと誰もが思った。だが、2人はまだ立っている。そして、

 

「「グッ!」」

 

同時に倒れ、変身が解除された。

 

『両者、シールドエネルギー0。戦闘続行不能。よって、引き分け!!』

 

「そんな~……」

 

一夏は勝てなかった事が悔しかったのか、思わず声を漏らした。

 

「手加減したんですか?ボス」

 

「お前がどう思おうと勝手だが、俺は全力で戦ったぞ。強くなったな一夏」

 

そう言って、座り込んでいる一夏に手を差し伸べて立ち上がらせた。その光景を見た観戦者の拍手が、次第にアリーナ全体に伝染し見ていた人全員が大きな拍手を2人に送った。

 

「帰って傷の手当でもするか。」

 

「ですね……」

 

ピットに戻ると、山田先生と織斑千冬が出迎えた。

 

「凄い戦いだったな。これなら2人の内どちらかがクラス代表になるだろう」

 

これを伝えるためにわざわざここまで来たようだ。

 

「悪いが、俺達はクラス代表を辞退させてもらう」

 

「な!何故だ!?クラスの代表になることに何の不満がある!?」

 

「俺達はSPDの職員です。仕事も入れば事件が起きたときに行かなければならない。代表何かやってる暇が無い」

 

その答えに、真耶は納得した顔をしていたが、千冬はまだ何か言いたそうだ。

 

「と言うわけで、俺達は辞退します。そもそも、俺達がクラス代表では他のクラスから苦情が来ます。それでは」

 

辞退することを伝えなて2人は部屋に戻った。

 

「凄い戦いだったわ。2人とも本当に強いんだね」

 

「イヤ、まだまだだよ。ボスを超える。それが俺の目標だから」

 

「なら、俺ももっと強くならなくちゃな。お前の前に壁として立ち続けるために」

 

簪が司達の部屋に入って2人の戦いの感想を言った後、少し雑談をして、明日の予定を伝えた。日本署で簪の専用機を見てもらうためだ。それこそとんでもない専門家に。その為、3人は早めに休んだ。簪は明日が楽しみな様だ。予定を伝えるとかなり嬉しそうにしていた。2人も機体の完成が近付くと思うとワクワクしていた。司はついでにSPシューターのフルメンテをしてもらおうと考えていた。今のままでは危険過ぎるからだ。予備パーツもSPシューター5個分程貰うつもりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラス代表決定戦が無事に終わった次の日、今日は簪を含めた3人でSPD日本署に行く予定があった。主な理由は簪の専用機だ。日本署に居るとんでもない専門家に、簪の専用機を見てもらい、アドバイス等を貰うためだ。出来れば完成させたい。

 

「お待たせ~!待機状態にするのに手間取って。」

 

「構わない。行くとしよう」

 

モノレール、電車、バスに揺られること約2時間。漸く日本署に着いた。

 

「ここが、SPDの日本署……」

 

一夏

「初めて見たの?」

 

「ネットで何回か見た程度だから、スゴく大きい……」

 

確かに、日本署は遠くから見ればテレビの電波塔に見えなくもない。初めて見たのならば圧倒されて当たり前だ。

 

「完成したのは10年前と最近だがな」

 

因にデカスーツが完成したのは5年前で割りと最近の物が多い。SPD結成当初からの物と言えば隊服とチェンジモードの無いSPライセンスとSPシューター位だ。結構多いと思うが、これ以外の武装は殆どが最近になって完成したものだ、ディーソードベガ以外。今の様にハイテクかつ装備が充実しているのはとある女性のお陰だが。

 

「早く行くぞ。催促のメールがきた」

 

日本署の外観でも驚いていたが、中を見た簪は更に驚いていた。もっと堅苦しい感じかと思っていたが、かなり広く快適な空間だったからだ。

 

「離れると迷子になるよ」

 

「え?あっ!待って~!」

 

置いていかれそうになったので急いで一夏の元へと向かった。日本署内を司と一夏に案内されながら目的の場所に到着した。部屋のドアを開けて中に入ると、簪はまた驚いた。

 

「し!篠ノ之博士!?」

 

まぁ、確かに現在進行形で失踪中の人が目の前に居れば驚くだろう。

 

「この子が司くんの言ってた子?」

 

「そうだ。更識 簪、IS学園の整備室で一人で専用機を作っていた子だ」

 

「よ!よろしくお願いします!」

 

「うん!よろしくね。簪ちゃん!」

 

軽い挨拶を交わして、簪は自分の専用機と設計図、そして現在作っている物を見せた。

 

「成る程、オールラウンダー型の機体、高性能誘導ミサイル48発と荷電粒子砲が2門、そして接近武器の薙刀と日本刀……この日本刀は君が考えたの?」

 

「はい。2人に稽古を着けて貰うので日本刀も取り入れようかと」

 

「道理で見たこと無いデザインな訳だよ。変にアレンジの加わってない形なら振ったときの空気抵抗を最小限に出来るしこの長さなら他の武装とも合わせられる。制作者ならでわのデザインだね」

 

設計図を見て機体の事を分析し、簪自身が設計した刀の事を褒めた。

 

「でもミサイル48発はちょっと少ないかな?」

 

普通ならかなり多いと思うがそれでも少ないと言った。

 

「いっくんに司くん、仮想戦闘訓練ブースに入って。シミュレーションするから」

 

束の言葉に、2人は変身してブースの中に入った。

 

「それじゃあ簪ちゃん、見てて」

 

まずは司、彼に向かって48のミサイルが飛んできたが、ディーソードベガの一降りで8発程斬られ、他のミサイルも次々に斬られていった。次に一夏がシミュレーションをすると、トルネードフィストで半分が片付けられ、残りは近い順に拳で粉砕しく。

 

「ね」

 

この2人が相手なら確かにそうだ。

 

「もう100発位増やした方が良いでしょうか?」

 

「思いきったね。流石の私もそんな数字は思い付かなかったよ」

 

精々50発かと思っていたが2倍の100発が出てきた事に驚いていた。顔には出さないが。そんな簪に若干引いていると、2人がブースから出てきた。

 

「お疲れ様。どうだった?」

 

「良い運動になった」

 

「同じく!」

 

2人にとっては運動程度だったそうだ。

 

「じゃあミサイルの数増やして、もう1つ大火力な武器が欲しいな」

 

「でも火力が高いとそれだけエネルギーの消費が激しくなりますが……」

 

簪の言うことはもっともである。火力が高いと言うことは、エネルギーを大量に消費する。それでは長期戦がキツいし、何よりエネルギーを溜めるのに時間がかかる。

 

「う~ん…………。あっ!そうだ。司くんがいっくんをドイツで助けたときに回収したISのコアは?」

 

「どこの国のISかが不明だったから今でも保管しているが?」

 

「よ~し!なら贅沢にコア1個をまるまる武器に使っちゃおう!!そうすれば問題解決!!」

 

何かとんでもなく恐ろしいことを言いやがった。そんな武器が使われたら普通のISは一溜まりもない。非情にロマンがあるが危ない。簪も断るだろう。

 

「大火力は乙女のロマン。」

 

何故か好意的に受け入れた。ISを作る人はどこかが真面じゃない。

 

「設計図とパーツ作るからいっくんと簪ちゃんは遊びに行っても良いよ。司くんは手伝って」

 

「え?良いの?」

 

「あぁなったら言うこと聞かないから良いよ」

 

1時間位で完成するそうなので近くの店で各々買い物をすることにした。余談だが、何故か日本署周辺にはプラモデル屋や特撮を専門とした店が多い。ファンにとっては堪らない場所である。

 

「最近買ってなかったし大量にプラモでも買おうかな?…………お!?こ!これは!!」

 

とある店であるものを見付けてテンションが一気に上がった。

 

「何故プ○バン限定のCSMがこんなところに!?まさか転売!?」

 

「人聞きの悪いこと言わないで貰えます?店長がちゃんと許可取って数個限定で売ってるんです。高いから売れないけど」

 

「買った!!両方ともくれ!!」

 

そのまま一夏はCSMのファイズギアとファイズアクセルを買ってしまった。その後も新作のガンプラを20箱、塗装に接着剤、艶消しニスを買って日本署に向かった。

 

「いゃ~、良い買い物したな~」

 

趣味の物を大量に買って嬉しそうだ。その頃簪は、

 

「こ!これは!!プ○バン限定のCSM!何でこんなところに!?まさか!転売!?」

 

「人聞きの悪いこと言わないで貰えます?店長がちゃんと許可取って数個限定で売ってるんです。高いから売れないけど」

 

何か別の店で聞いたことあるような内容の会話をしていた。

 

「か!買った!!両方ともちょうだい!!」

 

勢いに任せてCSMのカブトゼクターとガタックゼクター、そしてハイパーゼクター2つを買ってしまった。その後も新作のガンプラと特撮のDVDとプラモ用の塗装に接着剤、艶消しニスを買って日本署に向かった。何かどっかで見たことある展開だ。そして、約束の時間が近づいてきたので日本署に向かうと、入り口で2人が鉢合わせた。

 

「「な!?(マズイ!!どうする!!)」」

 

2人はお互いを見るとかなり焦っていた。

 

(み!見られた~!!どうする!どう切り抜ける!!思い切って言うか!?特撮やロボットアニメが好きですって!?イヤでも良い年して同い年のしかも一目惚れした初恋の相手にこれは恥ずかしすぎる!!笑われたり引かれたりしたら一生立ち直れねー!!ボスに頼まれてた物って言うか?それじゃあすぐにバレる~!!誰か!誰かこの時の模範解答を教えてくれ~!!!)

 

(見られた~!!どうしよう!!女の子なのに特撮やロボットアニメが好きなのバレたら!!ただでさえメガネで根暗ってイメージが周りにあるのにそこにオタクが入ったらヤバイ!!て言うか初恋の相手にそんなこと思われたら一生立ち直れないよ~!!どうする?どうすればこの状況を切り抜けるの!!誰か教えて~!!!)

 

お互いびっくりするほど同じ事を考えていた。

 

((あれ?て言うか2人して箱の袋のなかの物が似通ってる~!!!!なら言うか!思い切って自分の趣味ですと!!))

 

「あ、あの~。ちょっとお話しましょう。俺の部屋来ません?」

 

「は!はい。」

 

そのまま2人は大荷物を持って日本署内にある一夏の部屋に向かった。そこそこ広い一夏の部屋で、お互いに正座をしながら向かい合っていた。

 

「あ、あの~、失礼ですけど趣味は?」

 

見合いかこれ?

 

「と、特撮アニメを見ることや、ガ○プラを作ることです…………。そちらのご趣味は?」

 

「お、同じく特撮アニメを見たり、ガ○プラを作ることです。後、こう言う物を買うことも。」

 

買ってきたCSMを見せながら言った。

 

「わ、私も……です」

 

共通の趣味の持主の様だ。さっきまでの心配は全くの無意味だった。その後、パーツ完成の連絡があったので、2人は束と司の元へと向かった。

 

「はいこれ。設計図とマルチロックオンシステムのプログラム。後、バグを見つけるためのソフトだよ。パーツは後で送るね」

 

「ありがとうございました!!必ずこの子を完成させます!!」

 

「うんうん!その意気だよ!頑張ってね!!」

 

「はい!」

 

「そろそろIS学園に戻るぞ」

 

司がアタッシュケースを持ちながら言った。ケースの中には新しいSPシューターと予備のパーツがいくつか入っている。この日の用事は終わったので、3人は帰ることにした。




前作で言うところのepisode8まで来ましたね。次回もお楽しみに!感想やお気にいり登録等もよろしくお願いします!!

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