魔法戦記リリカル殿下   作:猫月

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ありそうでなかったから書いた。中の人繋がり。


プロローグ

そこは天高き天使の御座元。

一本のユイエの花を前にして、剣を地面に突き立てた少年の姿が一つ。

荒れ果てた戦場の中、覚悟を決めた顔で一つ頷いた。

 

「……エトナ…あとのことは頼んだぞ」

「で、殿下…?」

「今のオレさまにできるのは、こんなことぐらいだからな………さらばだ」

 

不安げな声を上げる家臣に振り返ることなく別れを告げると、魔王の少年は自らの力を爆発させた。

 

「殿下!!」

「ハァァァァァァァアアアアアアッッ!!」

 

身体の中から、心臓から、魂から輝く光は、家臣の少女と自らの掛け声をもかき消す。

まるで新しい星が生まれる瞬間のごとく、眩い光が辺り一面へと拡がり――世界は白く覆われた。

その白い世界の中で、少年はただ一つを願う。

 

 

――このラハール、生まれて、はじめて頭を下げる。

 

 

頼む!!神でも仏でも、だれでもいい!

 

 

フロンを生き返らせてくれ!そのためなら――

 

 

 

 

――こんな命くれてやる……!!

 

 

 

 

 

それは彼が生まれて初めての、命を賭した真摯な願い。

 

 

 

魔法戦記リリカル殿下  プロローグ 誕生

 

 

 

昼間の戦いの傷を眠って癒す少女の顔を、一匹の動物が覗き込む。

二本足で立つフェレットと呼ばれる獣の顔には、心配と後悔の念が深く刻まれていた。

 

「僕がもっとしっかりしてれば、なのはは……」

 

自分がしっかりしていれば――

彼女はただの少女のまま魔法に巻き込まれることはなかったろう。

 

自分にもっと力があれば――

魔法に関わった彼女が傷つくこともなかっただろう。

 

少女に力を渡したフェレットは、その事実に深く深く迷い込む。

奥へ奥へと悩みに嵌る。

 

そして――

 

 

―――強く強く力を欲した。

 

 

それは純粋な――本当に純粋な願い。

 

 

少女に迷惑を掛けまいと、これ以上傷つけさせまいという思いから端を発した、純粋な思い。

 

 

 

本来ならばその思いを胸に、フェレットは覚悟を決めていただろう。

傷が癒え次第、少女の元を離れようと。

そして少女に説得されて、その絆を確固たるものにしていただろう。

 

 

だがこの時。

 

この地球上の物語の元で、思わぬ事態が起きた――起きてしまった。

 

それは、封印したはずの歪んだ願望機。

 

デバイスに収められた、ジュエルシードという名の宝石。

 

その一つが、

 

 

『caution!!caution!! emergency!!―――put out』

「えっ!?」

 

 

彼の願いを聞き入れるために発動した。

 

 

真夜中の暗闇を打ち払ったのは、膨大なる魔力の光。

 

それは誰も傷つけることなく、何かを巻き込むこともなく、フェレットだけに干渉する。

 

時空を超えて、何か力強いものが彼の身体へと注ぎ込まれていき、

 

「なっ…あああああああぁぁぁぁ!!」

 

フェレットは胸をかき抱いて悲鳴を上げる。

 

そして、抗えない力の濁流によって、その意識は深き闇の中へと落ちていくのだった。

 

 

 

 

 

「ユーノ君!?」

 

突如近くで発生した魔力と悲鳴に、飛び起きたのは少女だった。

慌てて立ち上がり、ベット横の引き出しの上で立ち尽くすフェレットに声を掛ける。

発生した魔力は一瞬で、上がった悲鳴もすでに納まっている。

見た目は普段と変わらないその姿だが、どこか茫然自失といった態で、少女は不安に駆られた。

 

「……ユーノ君?大丈夫…なの?」

 

恐る恐るの少女の確認に、まるで答えるかのようにフェレットの一部が大きく反応した。

 

その身体の一部――

 

 

 

――それはアホ毛。

 

 

フェレットの頭についてた緩やかな二本の癖毛。

 

そのアホ毛がまるで自己を主張するかのごとく、長く力強く後方へと伸び立っている。

 

ゆらゆらと揺れる触角のような髪の毛が、何かを感じ取った如く上方へとピンと伸びた。

 

「すごく……長いの…」

 

少女が言ってはいけないことを言った気がするが、それを持つ本人はそれどころではない。

 

茫然自失の態が解かれると、きょろきょろと自らの身体を見回し――

 

「なっ、なっ…何だこれはぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

身体の底から絶叫した。

 

 

 

 

 

予告

 

詐欺師な天使に騙されて、殿下は若い身空で身罷った。

 

――詐欺師ってエトナさん酷いですっ!!

 

その魂が向かった先は天界でも魔界でもなく、何とまか不思議な人間界!!

 

――あれぇ?人間界ってべつに普通じゃなかったですか?

 

闊歩するのは姿が消える戦闘民族!!星をも砕く魔砲使い!!

 

――そこって本当に人間界なんですか?

 

そんな危険な世界において更なる試練が殿下を襲い、殿下は何と愛玩動物へ変わってしまった!!

 

――ら、ラハールさんが愛玩動物なんて…何だか可愛くなさそうです。

 

次回ドロンコボールGD(グッバイ殿下)第一話『魔界の王子と魔砲の少女』

 

ふっ…戦闘力5か、このゴミめ!!

 

――ラハールさん、プリニーさんやっておしまい!!

 

 

 




やってしまった第二段、リリカル殿下でした。
思いついたからやった後悔はしていない!!です。ネタが続く限り突っ走ります。

とにもかくにも、こんな作品にお付き合いくださりありがとうございました。
もしよろしければ皆さんもディスガイアSSをよろしくお願いします。増えたら読みにいきます!!
色々な突っ込みは控えめにお願いしますね。結構書くのって大変なんでw
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