修行に行く日
アーシア・アルジェントが眷属入りしてしばらく経った。
天野夕麻と共にアルジェントもイッセーの家にステイする事に決まり、ハラハラドキドキのイッセー君のハーレム化が進む今日此の頃。
レイナーレ否天野夕麻の事を許したとはいえ、イッセーはやはり騙されて殺された事が少しトラウマになっているようで無自覚に鈍感形主人公になりつつあった。
そんな、原作から改善したのかしていないのか分からない、という俺の心境はともかくとして。
人外になったレイナーレ改め天野夕麻は鬱々としていた。
主にイッセー関連で。
やっぱり罪の意識があるのだろう、と予測するが……もう俺にはどうしようもできないので、一緒に彼の事を好きになったアーシアと改善していってもらいたい。
だが俺としては正直そんなことより俺が黒歌とイチャイチャしたいのだ。
無責任かもしれないが実質きっかけを作っただけであるし。
黒歌と相思相愛になれるのがまず俺にとって第一なのだ。
本当に果たす事が難しい、とても大きな……愚者である俺の切なる願いだ。
――で、現在オカルト研究部から帰ってきて自宅。
食事も済ませ入浴もそれぞれ済ませた後。
黒歌と並んでテレビ見ながらジャーキーを齧ってた。
「ねぇ、黒歌さん。モフらせて」
「急に何言って……」
「猫の姿で良いからさ。……お願い!」
「……絶対リクトはいやらしいことするから駄目にゃん」
未来の嫁が冷たいです。
絶賛寒冷期です。温暖期よ、来い!
「ハァ……あ、話し変わるけど、黒歌さん。そろそろレーディングゲームするかもしれない。多分相手はフェニックス」
「何処からそんな事が考え付くのか私には分からないにゃー。……そういえばグレモリー家のフェニックス家の次男坊が婿入りするとかいう話を冥界居た時に聞いた覚えが有るような無いような……それと関係あったり?」
「多分。なんか最近部長さんが暗いオーラ出してるから。……あのおてんば姫さんと焼き鳥の婚姻が早まるんじゃないかな、と。……で、色々と
開幕ぶっぱでケリを付けても、きっと問題無いだろうけど……。
イッセーの奴には今回頑張って貰おう。
「はぁ……また忙しくなるの?」
「うん。……グレモリー眷属って基本脳筋が多いから修行するとかいってなんかしそうな気がする」
「……白音も?」
正直修行に行った所でイッセーとアルジェント以外為にならない気が、黒歌もするのだろう。
それでは俺が居ない状態で勝つ事は出来ない。
……ちなみに天野夕麻はイッセーとは使い魔契約をしたらしい。
ただしレーディングゲームに出る事は出来ないそうだ。
残念そうだったが仕方ない。
「多分。……戦車にしては白音ちゃん、言っちゃ悪いけど弱いし仙術使わないから……あの中では一番早く落ちるかもしれない」
「それは……どうにかできないかにゃー……」
「仙術を使わせるようにする?」
「うっ……それってつまり私が白音に指導をするって事?」
「うん」
……ジャーキー齧ってたらお酒欲しくなる。
買ってこようって……駄目だ。まだ未成年だし。
昔や妖怪じゃあるまいし、13で元服と言うわけじゃないのだ。
あ、いや、悪魔だった。ならOKか?
「り、リクトが教えて上げれば良いじゃない?」
「……俺が教えないと駄目? 黒歌さん頑張ろうよ。打ち明けるチャンスだよ!」
「……あぅう……じゃ、じゃあ今度デートしてあげるから……駄目?」
「え」
なんて言った?
「デート? デートだと!? ……ゆ、夢じゃないよな……現実? ホントに?」
「ハァ……落ち着いてよ……現実だから。……夢じゃないにゃん」
「マジか!? ひゃっふい! 黒歌とデートじゃぁああああ!」
うっしゃー! 思わぬ展開! 棚からぼた餅!
くろかー! 愛してるぅうう!
「うるさいにゃー! ……それ以上叫んだら怒るよ?」
「はい」
うん、はしゃぎ過ぎた。
落ち着こう。デートは逃げないのだから。
「……ちょっと不本意だけど……うん。じゃあその例のレーディングゲームが終わったらでいいかにゃん」
「つまり条件的には白音ちゃんの仙術への恐怖心の払拭+マスターってことか……よし。目指せ最強の戦車」
「あー……うん、じゃあそれでいいよ。あ、でも無理矢理に仙術使わせたりしたらデートしないからね? あとセクハラとか……」
「了解! ……ふふふ。何を教えてあげようか……」
『波紋』も然り『念』も然り『ドラゴンボール』も然り。
とにかく仙術はゲーム・漫画・アニメに出てくるような『気』を操る術なわけだ。
勿論自分が使える事でそれは実証済み。
……デートも楽しみだけど白音ちゃん強化も面白くなりそうだ。
「えっと、……程ほどにね?」
「あ、うん。……コンビニ行こうと思うけど……一緒に行く?」
「なんでそんなに唐突なの……私も行くにゃん」
夜遅く。
少し離れたコンビニに二人で足を運んだ。
「……悪魔ってお酒は二十歳になってから?」
「さぁ? ……多分良いんじゃない?」
人間はお酒は二十歳になってから!
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「――いい加減にしてライザー! 私は貴方とは結婚しないわっ!」
その言葉から始まり、決まった非公式のレーディングゲーム。
相手はライザー・フェニックス。
試合は10日後。
そしてライザー含め眷属と、現魔王ルシファーのメイドであるグレイフィア・ルキフグスが去った翌日。
今日からオカルト研究部は全員学校を休む事と、これから全員で山篭りをするから用意しろと部長さんからメールが入った。
ちなみにウチのドラゴン一匹の事を赤トカゲだなんて言いやがってくれた焼き鳥野郎は一度去勢してやった。
……まぁ、フェニックスだし大丈夫なはずだ。
自分のもヒュンとしてちょっと後悔。
そして連絡が来てから現在自宅にて準備中。
「……勘って恐い。ホントに山篭りして修行するとは……」
「黒歌さんそんな目で見ないで。一応ビックリしてるから」
俺と言うイレギュラーが居てどうして原作通り事が進むのだろうか。
……神器を腐らせる程持ってて、禁手使えて。そんな俺に頼ってばかりではいけないとでも思ったのか?
それはそうと黒歌は思案気に俯いてた。
「……でも私は? 一応飼い猫扱いでしょ? リクトは一人暮らしってあの人たちに言ってたし……」
「あー……考えてなかった。一緒に行ける?」
「……どうしよう……」
ペットを10日間も放っておく事は少しおかしい。
とはいえ連れて行くとして、10日間もの間、猫の姿のままでいるのは黒歌にとって負担が大きい。
「……人型に戻った時に『存在の認識』をあの人たちからずらせない?」
「あーそれなら……そうするか。……にしても修行つけて欲しいなら俺に言えばいいのに……」
ホントに。
時間も増やせるし、修行の効率も上げれるから。
……現にイッセーの奴は既に5~6回の倍化は掛けれるようになってるし。
「ホントに白音の精神壊さないでよ? リクトの修行は精神的に参るんだから……」
「いや、あれは黒歌が……や、なんでもないです」
「分かればよろしい」
実はこの黒歌さん。既に色々と出来るようになってたり。
鍛えて欲しい、と言われてちょっと修行したのだ。
何処に気円斬が使える猫又悪魔がいるのか(此処にいるぞ!
「とりあえずイッセーは禁手を使えるようにするから。覚悟しとけよ焼き鳥野郎!」
「……やっぱりおかしいにゃん」
荷物の支度をして、鞄の中に黒歌を入れて駒王学園旧校舎に向かった。