真・ゲッターロボ ~黒き獣の在り方~   作:陰猫(改)

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プロローグ:"百年後の世界"

 インベーダーの脅威が去って百年後の世界。

 

 インベーダーとの戦いで疲弊した人類はそれでもなんとか再生の道を歩き出し、インベーダーの脅威も過去の物となって忘れられようとしていた。

 

 その復興して行く街並みの片隅の浜辺で彼ーー月岡修次は錆びだらけの黒いスーパーロボットに出会う。

 

 修次は復興する街で任侠道を貫く月岡修造の養子にあたる月岡組の若頭である。

 

「……なんだ、こいつは?」

 

 そんな修次は海から浜辺に打ち上げられたそのロボットに近付くと錆びだらけのそのボディーに触れた。

 

 するとロボットの口元が開き、そのコクピットがあらわになる。

 

『よく来た』

 

 誰かがそう呼んだ気がしたので周囲を見渡したが、修次の他には誰もいない。

 

 修次は持ち前の度胸と好奇心もあり、そのコクピットに入る。

 

 コクピットの中は不思議と浸水していなかった。

 

「こりゃあ、再調整して海外にでも売りゃあ、高く買ってくれそうだな?」

 

 修次は独り、そう呟くと試しに座席に座ってみる。

 

 レバーを握ってもうんともすんともロボットが言う事はなかった。

 

「ふむ。動力部がイカれているのか、それともエネルギーがないのか……」

 

 修次はブツブツと呟くとレバーから手を放そうとした。

 

 次の瞬間、修次の身体が淡い光に包まれる。

 

「ーーっ!?」

 

 突然の出来事に焦る修次だったが、光はすぐに収まり、修次の身体に異変はなかった。

 

「なんだ?今のは?」

 

「兄貴いいいぃぃぃーーっっ!!」

 

 異変の身体のあった手足を修次が見ていると舎弟の辰三が自分を呼ぶ声が聞こえる。

 

 修次は首を捻りながらコクピットから顔を出すと不安げに自分を探すペンギンのイラストの描かれたTシャツを着た辰三に叫ぶ。

 

「どうした、タツ!」

「あ、兄貴!?どこっすか!?」

「此処だ!このロボットの中だ!」

「あ、そこっすか!ーーって、なんだこりゃあ!?」

 

 辰三はロボットに今頃気付いたのか、大きく目を見開いて驚く。

 

「どうしたんですか、これ?」

「解らん。だが、この"ブラックゲッター"は動かんらしい」

「"ブラックゲッター"?」

「ん?なんだ?」

「こいつ、"ブラックゲッター"って名前なんですか?」

「ん?あ、ああ」

 

 辰三にそう問われて、修次は疑問に思いながらも頷く。

 

(なんで、こいつが"ブラックゲッター"だと解ったんだ?さっきの光の影響か?)

 

 修次が悩んでいると辰三がブラックゲッターに近付いて、コンコンと叩く。

 

「本当、なんなんでしょうね?

 あ、そう言えば、この間、大津波がありましたよね?

 それで流されて来たんじゃないですか?」

「……」

「兄貴?」

「……ん?すまん。少しボーッとしていた」

「しっかりして下さいよ。今だってーーって、ああああああぁぁぁーーっっ!!」

 

 そこまで言い掛けて辰三が叫ぶ。

 

 修次は耳を押さえてから辰三の金髪の頭に拳骨を落とす。

 

「いてっ!」

「いきなり、人の耳元で怒鳴るな!」

「す、すみません。でも、大事な事を思い出して……」

「大事な事?」

「山坂組の連中がオレらのシマで暴れてんです!」

「馬鹿野郎!なんで、そんな大事な事を早く言わないんだ!」

 

 修次は辰三の頭にもう一度、拳骨を落とすと街へと向かって駆け出す。

 

「いてて……って、ちょっーー兄貴!?その格好で行くんですか!?」

 

 そう言われて、修次は自分の格好に気付いて速度を緩める。

 

 今日は浜辺でまったりするつもりでいたのでハーフパンツタイプの水着にアロハシャツを羽織っただけの格好をしている。

 

 履いているものも靴ではなく、ビーチサンダルである。

 

 一旦着替えるべきかとも考えたが、修次はすぐに頭を振って足を速めた。

 

「堅気が巻き込まれているかも知れないんだ!戻って着替え直す暇が惜しい!」

「で、でも、その格好じゃ、舐められーー」

「良いから行くぞ!案内しろ、タツ!」

「わ、解ったっす!」

 

 先を行く辰三に案内されながら修次はあのロボットの事が気になったが、街の惨状を見て、すぐに忘れる事となる。

 

 

 

「ヒューッ!これがロケランの威力か!」

 

 爆発して炎上する建物を愉快げに見ながら山坂組のグレーのスーツを着た男が口笛を吹くと他の者達も銃を構えて住民に威嚇発射する。

 

 そんな中、山坂組の幹部である真下公二郎は悲鳴を上げて、うずくまる少女に歩み寄った。

 

「あらあら。可愛そうにこんなに震えて」

 

 そう言うと真下は少女の震える腕を取り、その手をベロンと舐める。

 

「ひっ!」

「んふふ♪今日の私の相手は貴女に決めたわ♪

 じっくり、ねっぷり、可愛がって・あ・げ・る♪」

「い、いやああああぁぁぁーーっっ!!

 誰か助けてえええぇぇぇーーっっ!!」

 

 助けを求める声を上げても誰も来ない。

 

 当然であろう。

 

 銃を手にした相手を前にーーしかも集団で襲い掛かって来る連中に噛み付こうとする勇気のある者などいる訳がない。

 

 いや、一人いた。

 

「やめろ!」

 

 その人物は恐怖で震える足で辛うじて立つ青年だった。

 

「ちーちゃんから離れろ!」

「あら、やだ。貴方なんなの?」

「ひーくん!助けて!」

「あらあら。もしかして、彼氏?

 それじゃあ、仕方ないわね?」

 

 そう言うと真下はうっすらと笑い、ひーくんと呼ばれる青年の膝を撃つ。

 

「ああああああああぁぁぁーーっっ!!」

「男の悲鳴ってヤーネ?やっぱり、悲鳴は女の子に限るわ」

 

 そう言うと真下は少女の手を引きながら近付き、足を押さえて蹲る青年の頭に銃口を向けた。

 

 その瞬間、パカンと何かが飛んできて真下の頭に当たる。

 

 真下は特に痛みを感じなかったが当たった箇所を擦るとその何かに視線を落とす。

 

 それはビーチサンダルだった。

 

 そして、そのビーチサンダルの飛んできた先にはアロハシャツを羽織ったハーフパンツの水着を履いた男が真下達を睨んで佇んでいる。

 

「何よ、貴方?」

「月岡修次だ」

「ああ。貴方が月岡組の若頭の……」

「それよりもこれはどう言う事だ?

 何故、こんな事をする?」

 

 修次が静かな怒りを秘めて問うと真下はうっすらと笑いながら、銃口を彼に向ける。

 

「大した理由じゃないわよ。ちょっと米軍の兵器をかっぱらってね。

 それで勢力拡大も兼ねて試し撃ちをしているって訳よ」

「……そんな下らない理由で堅気に手を出すとは、お前、外道の様だな?」

「うるさいわね。極道に外道もへったくれもないわよ。

 それにこの世界では強い者こそが正義なのよ」

 

 真下はそう言うと修次に拳銃の引き金を引こうとする。

 

 絶叫が上がったのは、その瞬間である。

 

 真下がそちらに顔を向けると銃を持つ集団に単身突撃する辰三の姿があった。

 

 辰三は手にしたドスで銃を手にする男の一人を刺すとその銃を奪い、物陰に隠れて真下達の方へと銃を投げる。

 

 それを見ていた真下が修次の方へと向き直った時には既に間合いに入られていた。

 

 修次は真下の銃を持つ手を捻ると銃のスライド部分を解体し、その部分を手にしながら裏拳で真下の頬を殴る。

 

 そして、辰三が放り投げた拳銃をキャッチすると銃口を真下に突き付けた。

 

「ま、待って!降参よ!」

「なら、早いところ、武装解除するんだな。五つ数えてやる」

 

 修次はそう言うと真下の左膝を撃ち抜く。

 

「ぎゃあああああぁぁぁーーっっ!!」

「一つ」

「ま、待ちなさいよ!こう言う時、数えてから撃つもんでーーぎゃあああああぁぁぁーーっっ!!」

「反論は認めん……二つ」

「わ、わかった!武装解除するから!」

 

 二度目の銃弾を右肩に受けながら真下は泣き叫ぶと部下に手を掲げる。

 

 それを見て、真下の部下は戸惑いながらも武器を地面に置いて行く。

 

「お前も隠している銃を出せ」

「は、はあっ!?何をーーあぎゃあああぁぁぁーーっっ!!」

 

 真下が口答えをした瞬間、修次は真下の健在な方の足に発砲する。

 

「解らないと思っているのか?お前から臭う火薬の臭いに?

 ……俺達、月岡組を舐めるなよ?」

 

 そう言われて、真下は怯えながら隠していた銃を手放す。

 

 かくて、山坂組の暴動はたった二人に鎮圧されるのだった。

ヤクザが主役のバイオレンスものの黒い獣はR-15でなく、R-18にした方が良いでしょうか?

  • R-15で大丈夫でしょう
  • いやいや、R-18になるでしょう
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