真・ゲッターロボ ~黒き獣の在り方~   作:陰猫(改)

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第三話"兄貴分"

 二人が部屋から出ると周囲が人混みで溢れかえっていた。

 

「ん?なんだ?」

 

 アドレナもごった返す人混みに首を捻ると近くにいた老人と修次には馴染みのない言葉ーー英語で会話する。

 

「ああっと、なんだって?」

「又聞きだが、ツキオカの連れの二人が喧嘩をしているらしい」

「はっ!?」

 

 修次は素っ頓狂な声を上げると人混みを掻き分け、殴り合う辰三と安田の二人の間に割って入りながら叫ぶ。

 

「何やってんだ、テメエら!」

「ーーっ!月岡さん!?」

「あ、兄貴!?」

 

 修次の怒号に二人は怯みながら矛をおさめる。

 

 二人が落ち着くのを待ってから、修次は溜め息を吐く。

 

「堅気の前で手なんざ上げやがって……」

 

 そう呟くと修次は安田を殴り倒し、振り向き様に辰三の顔面を殴る。

 

「テメエら、俺にーー組に恥を掻かせる気か!ああっ!」

 

 殴り倒された安田はサングラスにヒビが入った状態で怒れる表情の修次を申し訳なさそうな顔で見詰めながら起き上がり、辰三が尻餅をついて口を拭って俯く。

 

 そんな修次を見て、野次を飛ばしていた周囲の外人達もシュンと静まり返る。

 

「……すんません、兄貴」

「……申し訳ありません、月岡さん」

 

 そんな静寂に包まれた中、辰三と安田の声が響く。

 

「何があったか説明しろ。シマ以外で暴れてた理由を……」

 

 修次が静かな怒りを込めて問うと安田が口を開く。

 

「タツがまた悪いクセをーー」

「だから、違うって言ってんだろ!

 あの子から抱き着いてーーげふっ!?」

 

 辰三が安田の言葉に反論しようとすると修次がその横っ面に回し蹴りを喰らわせて倒す。

 

「……続けろ、安田」

「は、はい。それで自分が注意したんですが、タツが調子に乗って接吻しようとしたんで見かねてーー」

「ーーで、喧嘩になったって訳か?」

「はい。そのとーーぐふっ!」

 

 修次は安田の腹を蹴り、うずくまる安田に怒号を発する。

 

「そんな下らねえ理由で喧嘩してんじゃねえ!

 此処は俺らのシマじゃねえんだぞ!

 テメエ、俺が教えたイロハもまともに覚えてられねえのか!」

「……う、ぐっ……すみませんでした!」

 

 安田が苦悶しながら土下座すると修次はうずくまりながら怯える辰三にゆっくりと振り返った。

 

「タツ」

「ひっ!」

「お前の言い分も聞かせろ」

「は、はい!さっきも言ったっすけど、あの子から抱き着いて来たんです」

 

 そう言って辰三が指を差したのは十代半ばの金髪碧眼の美少女だった。

 

 修次はそちらを一瞥すると彼の気迫に圧倒されるアドレナに顔を向ける。

 

「アドレナ。悪いが通訳を頼む」

「え、ええ。解ったわ」

 

 アドレナが修次に怯える碧眼の美少女と話すと彼女は修次に簡単に説明する。

 

「先の奴らを追っ払ってくれた人にお礼がしたかったそうだ」

「そうか。なら、次からは余計な気遣いはいらないと伝えてくれ」

 

 修次はそう言うとうずくまる辰三の背中を蹴る。

 

「ぎっ!?」

「タツ。安田が言ってた通りじゃねえか?

 テメエ、調子に乗って、よそのシマの女に何しようとしてんだ?あん?」

「グスッ……だ、だって、あんなアプローチされたらーーごふっ!?」

「言い訳してんじゃねえ!

 また悪いクセ出しやがって!

 テメエ、その粗末なモン、ぶったぎられなきゃ解らねえのか!」

 

 修次が激怒しながら更に蹴ると辰三がうずくまりながら啜り泣く。

 

「えうっ……すんません……すんません……すんません……すんません……すんません……すんません……すんません……すんません……すんません……すんません……俺が悪かったです」

「解りゃ良いんだよ」

 

 修次は泣きながら謝る辰三にそう言うと一息吐いてから襟元を整え、周囲を見渡す。

 

「見せ物じゃないんだ。ほら、散った散った」

 

 

 修次がそう言うとアドレナが通訳して野次馬を散らし、数分後には先程の様な通りへと戻る。

 

 それを確認すると修次は深い溜め息を吐いてから、土下座する安田とうずくまって啜り泣く辰三に優しく声を掛ける。

 

「本当にしっかりしろよ、二人とも?

 シマから出た以上、俺達は月岡組の顔なんだ。外は外、中は中できっちりとしろよな?」

「「……はい」」

 

 修次は二人の素直な返事に苦笑すると安田に手を差し伸べる。

 

「解ったなら、この話は終いだ。

 ほら、顔を上げろ、安田」

「……月岡さん」

 

 安田は顔を上げると恐る恐る修次の手を取り、ゆっくりと立ち上がる。

 

「次からは気を付けろよ?」

「はい。組に泥塗る様な真似して申し訳ありませんでした」

 

 安田が深々と頭を下げると修次はポンと軽く肩を叩いてから、啜り泣く辰三の背中を優しく撫でる。

 

「痛かったろう、タツ?」

「……えぐっ……兄貴……」

「これに懲りたら少しは自重しろよ?」

「……はい……すんませんでした」

「ほら、もう怒っちゃいないんだ。だから、もう泣くな」

「グスッ……はい……」

 

 修次は辰三の背中を擦りながら労る様に助け起こす。

 

「さ、帰るぞ、二人共。待たせてる下のモンに無様な姿は見せるなよ?」

「「はい」」

 

 修次が微笑んで二人に背を向けると安田と辰三が頷いて、その後に続く。

 

 その後を追う様にアドレナが三人の後について行く。

ヤクザが主役のバイオレンスものの黒い獣はR-15でなく、R-18にした方が良いでしょうか?

  • R-15で大丈夫でしょう
  • いやいや、R-18になるでしょう
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