真・ゲッターロボ ~黒き獣の在り方~   作:陰猫(改)

8 / 10
第七話"ゲッターの導き"

 暴れ回るゴリラ似のスーパーロボットに修次の操るブラックゲッターは接近すると展示品の刀を振るう。

 

 当然、展示品に過ぎない刀ではゴリラ似のスーパーロボットを切り裂くには至らない。

 

 それどころか、逆にへし折れる始末である。

 

『けへっ!このマウントGにそんななまくらが通用する訳ないでしょ!?』

『ちっ!』

『ん?まさか、乗っているのは、あんたなの、月岡修次?』

『だとしたら、どうする?』

『けへへっ!なら、ぶち殺して、その機体も私の物にして上げるわ!』

 

 そう叫ぶと真下の乗るマウントGがブラックゲッターに襲い掛かる。

 

 修次は初めて乗ったとは思えぬ慣れた手つきでバックステップで下がるとブラックゲッターの左腕を振るう。

 

 そのブラックゲッターの左腕から生えたゲッターレザーと呼ばれる刃の様な先端にマウントGが触れるとその硬さが嘘だったかの様に胴体の装甲が裂け、その箇所からコックピットが露出する。

 

 真下はマウントGと一体化して機械の一部となっていた。

 

 そんな斬られた隙間から真下は驚いた表情で修次の乗るブラックゲッターを見詰める。

 

『どうやら、下手ななまくらよりも素手の方が強いらしいな』

『そんな馬鹿な!?私達の闇市で仕入れた最上級の合金なのよ!?』

『伊達に歴戦の機体じゃないってだけだ』

 

 修次はそう言うとマウントGに組み付き、腕の関節を逆方向に捻る。

 

 さながら、その動きは合気道のそれであった。

 

 修次は関節技を決めたマウントGのボディーにブラックゲッターのスパイクの付いた右拳を叩き込み、そのまま、宙に浮いたマウントGの顔面に続けざまに喧嘩キックを喰らわせて転倒させる。

 

『げふっ!』

 

 そんなマウントGに修次の乗るブラックゲッターは地を蹴ってマウントGにのし掛かり、その露出したコックピットにへし折れた刀を突っ込む。

 

 血とも油とも解らぬ液体が吹き出し、真下の乗るマウントGが痙攣して動かなくなったのは、それから数秒後の事であった。

 

 マウントGから離れると修次はブラックゲッターの中で一息吐く。

 

 ーーとブラックゲッターのコックピットのハッチが開かれ、あのバイクの男が佇む。

 

「……お前か。どうやって動いているブラックゲッターに?」

「ブラックゲッターはお前の物だ。

 あとはゲッターがお前を導く」

「俺の質問に答えろ。お前、何者だ?

 アドレナ達の仲間じゃないのか?」

 

 その言葉にヘルメットの男は答えない。

 

 代わりにヘルメットの男が淡い緑の光に包まれ、それに呼応する様に修次も緑の光に包まれる。

 

「ーーっ!?」

「恐れるな。ゲッターに身を委ねろ。

 お前なら、それが出来る筈だ」

「……ゲッターに……委ねる」

 

 修次は瞼を閉じ、ヘルメットの男ーーゴウのゲッター線と自身のゲッター線を感じた。

 

 そんな修次の脳裏に100年前のインベーダーとの戦いが過る。

 

「これがーーゲッターのーー」

「そうだ。そして、このブラックゲッターは月面戦争から二十数年後に竜馬の残した最初で最後のゲッターロボでもある」

 

 宇宙でインベーダーと戦う真ゲッターロボと真ドラゴン。

 

 そして、惑星をも破壊するゲッタートマホークで生じた裂け目へとシャインスパークで突っ込む六人。

 

 待っていたのは無限に繰り広げられる戦い。

 

 竜馬達、古参はその戦いへと身を置き、ゴウ達は元の世界へと戻った。

 

 そして、復興する町を眺めながら、早乙女の娘にして弁慶の養女であるケイこと元気と身を寄せ合うゴウ。

 

 だが、運命は残酷である。

 

 大量のゲッター線を浴びて産まれたゴウは老いる事もなく、歳を取り、老いていくケイやガイを看取った。

 

 そうして、ゴウとケイの間に産まれたのが、修次の父である人物だった。

 

「ーーっ!?」

 

 意外な事実に修次は驚きを隠せない。

 

 つまり、目の前のゴウと修次は血縁関係にあるのだ。

 

 流石の修次もこの事実には拒絶を示し、元のコックピットの風景に戻る。

 

「お前はーーゴウは俺のじいさんなのか?」

「そうなる。そのお前にブラックゲッターが訪れたのはゲッターの意思だ」

「だが、俺のくそったれな親父はそれを拒んだと」

 

 修次は自嘲気味に笑うとゴウに尋ねた。

 

「俺は何をすれば良い?」

「インベーダーの脅威は最早ない。

 お前はお前の思う通りに進め。

 その先にゲッターの導きがある」

「ふざけるな!」

 

 ゴウの言葉に修次は叫ぶ。

 

 当然である。ゴウの言葉には矛盾があるのだから。

 

「ゲッターに身を委ねろだの、俺自身で決めろだのーー結局、俺に何をさせてえんだ!」

「それがゲッターに選ばれたお前の課題だ。

 ブラックゲッターをどの様に使うかはお前次第だ」

 

 ゴウはそう告げると修次に背を向け、トンとブラックゲッターから飛び降りる。

 

「待て!」

 

 修次はコックピットから離れ、ブラックゲッターの口元から顔を覗かせるが、その時にはゴウは既にバイクに跨がり、遠くへと去って行った。

 

「くそっ!」

 

 修次はガンとハッチの端を叩くとコックピットに戻り、再び深い溜め息を漏らす。

 

「……ゲッター。お前は俺にどうさせたいんだ?」

ヤクザが主役のバイオレンスものの黒い獣はR-15でなく、R-18にした方が良いでしょうか?

  • R-15で大丈夫でしょう
  • いやいや、R-18になるでしょう
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。