連載版 ハイスクールD×D ~タイコの戦士、異世界に現る~   作:アゲイン

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どうも、お久しぶりです。
アゲインです。
リハビリがてら新しい連載を始めていこうと思います。
できる時に更新というようなやり方になると思いますが、どうかお付き合いいただければと。
それではどうぞ。


第一章 【不死鳥再炎上】
時は流れ、闇夜の街に戦士が現る


 ―――戦いがあった。

 

 それは遥か昔のこと、「聖書」で語られている神と悪魔、そして堕天使たちが戦いを繰り広げた。

 何か別の勢力も混ざっていたらしいが、それをよく知る者は少ない。大戦と呼ばれたその戦いによって多くが死に、真実を知る者が口を閉ざしてしまったからである。

 それ故に現代では本当の結末を知る若者はおらず、新しい世代の彼らは自らの信じる生き方に従って、この人間たちの世界でそれぞれ生きていた。

 

 力ある存在として、社会の影で生きる彼ら。

 そんな彼らにとって無力といっていい存在である人間は格好の標的であり、悪魔は欲のために堕落を、天使は信仰のために導きを、堕天使は叡知のために収集を、それぞれ行ってきた。

 

 それは俺たち人間にとって侵略と違いなく、彼らの身勝手な行いによって起こる理不尽は多くの悲しみを撒き散らした。

 その中には、俺の両親もいる。

 

 

 

 ―――あれから数年が経ち、俺は今……―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――……これで、終わりだ」

 

 狭い路地を抜け、行き止まりを背にした異形に刀を突きつけた。

 何度も逃げられ、ようやくここへと追い詰めたのだ。

 

「ちくしょう! 何なんだよお前は!?」

 

 人間のような格好に、背中から翼、頭には角を生やしたそいつは、悪魔と呼ばれる存在。

 こいつは夜な夜な人を襲い、多くの命を奪ってきた。

 俺はこいつの凶行をある筋から知らされ、こうして始末をつけるべくこの地へと来ていた。

 ここにくるまでに既に片腕を奪い、奴の足元には滴る血で小さな水溜まりができている。

 

「知らないって? それもまあ仕方ないことさ、最近になってちょいと名が売れ出したもんでな。こうして仕事をするのも簡単に数えられるくらいなもんさ」

「人間ごときにこの俺を……!!」

「ご同輩ならよかったか? それとも天使? どっちにしろここで終わるあんたなにゃ後はねぇ。

 

 ―――大人しく、死ね。あの世で命の償いをしろ」

 

 最期の抵抗かその鋭い爪を伸ばして飛びかかってくる。

 雄叫びをあげ、自らの死の脅威を打ち倒す覚悟を顔に浮かべている。

 だがな、

 

「……そんな顔を見せるなら、どうして殺したよ」

 

 ―――死にたかないのは、お前が殺した人たちだって同じだったはずだ。それなのに、お前は何人も殺したんだぜ。

 そんな思いを込めて、言葉にしても。

 

「死ねぇええ!!!」

「理解できねぇよな、分かってる」

 

 ―――それが分かっているのなら、そもそも殺すなんてことをしない。

 だってこいつは悪魔で、人間のことなんて下等生物としか思っていなくて。

 そして何より、これまでの生で奪われた経験なんてないような、そんな幸せな奴だったんだから。

 

「―――斬り捨て、御免」

 

 ―――だから俺の刃は、何の抵抗もなくそいつを斬り裂いた。

 

 力量差を考えれば当然の結果、所詮は格下しか相手をしてこなかった相手だ。確実にその命を絶つその一撃を、避けることすらできずに身に受け地面に倒れ伏す。

 力の抜けたその体が徐々に崩壊していく。俺の一撃を受け死んだ存在はこうして散っていく。それは悪魔に関わらず、命を奪った奴は等しくこうなる。

 

「……地獄で深く反省しな」

 

 どうせ届きはしないと自覚しつつ、それでも言わずにいられない。

 どれだけ言葉を尽くしたところで、自分とは違う常識の元で長く生きた相手の考えを変えることはできない。

 奴等にとっては遊びでも、こちらにとってはそれこそ生死を掛けた出来事。

 しかし。

 

「そうじゃなきゃ悪魔じゃないか。因果なもんだな」

 

 狐を狩るのなら、熊に出会うことを警戒しなければならない。

 それを怠って調子に乗った、馬鹿な奴だったという、ただそれだけのことだ。

 

「さて、行くか」

 

 依頼を終えたのだ、もうここにも用はない。

 俺は原型をなくした亡骸を背に、夜の細道を歩き出す。

 

 

 ―――俺の名前は「旗本 奏平」、悪魔に両親を奪われ人生を大きく変えられた男。

 烏天狗の師匠と世界を旅し、今は人間に害をなす存在を狩る傭兵として活動している。

 明日もまた、両者の境界線を犯す者を狩るために、どこかで刃を振るうだろう。

 

 ―――しかし、運命はまさかを繰り返す。

 

 この後に出会う依頼者によって、俺はこの世界で一番の騒動が起こる場所へと誘われる。

 それはまるで引力のように、自覚なく。

 そこではこれまでにないほどの衝撃が俺を襲うことになるのだが、この時の俺はそれを知らない。

 

 今はただ、あの悪魔に殺された人たちの冥福を祈るばかりで、

 

 

 

「―――ああ、こんな時でも……月が綺麗だ」

 

 

 いつか見た夜空に似た景色に、ほんの少しだけ思いを馳せるのだった。




読了ありがとうございました。
感想など大募集しておりますのでよろしくお願いいたします。
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