連載版 ハイスクールD×D ~タイコの戦士、異世界に現る~ 作:アゲイン
三話目を投稿いたします。
駒王町って悪魔が治めている割にそこまで他の悪魔が住んでるわけじゃないんですかね?
調べた感じ学園に関係しない悪魔ってのがいないような……
その割にかなりカオスなキャラたちの巣窟となっているみたいですねぇ
―――そこは都会と言えるくらいには栄えていた。
緑が少ない、ということもなく。
しかしだからといって人の営みがないわけではない。
それなりの繁栄をした、それなりの街。
それがこの街を見て俺が抱いた感想である。
―――依頼者の協力により、手配された車両に乗せられた俺はそのまま空港まで移動して飛行機に乗り、目的地の近くまで空の旅を楽しんでいた。
そしてまた車に乗せられて、この街の様子を眺めながら件の悪魔のところへと向かっている。
「……見た感じ、普通だな」
運転手は寡黙なもので、道中では説明のとき以外は口を開かない。今の発言も反応されることなく、独り言となっている。
しかし、ここの悪魔はどちらかといえば穏健派のようだ。みだりに人間社会に干渉することがないようで、街から不穏な気配などは感じない。これが頭の弱いやつならば、また違った雰囲気を感じることだろう。
―――リアス・グレモリー。
この街を治める悪魔の上級貴族であり、確か現魔王である大悪魔の妹だとか。
そんな大物がこの人間の世界で何をやっているのかと、道中でもらった資料で確認している。
まあ、読んだときには頭が痛くなったがな。これじゃあただの女子高生だと、本当に悪魔なのかと、自分の中の常識を疑ったくらいだ。
しかし街の様子を見る限りでは、これはこれでいいのだと思う。下手に厳格でも、下のもんに反発されて暴動が起これば元も子もないしな。
眷族も年若い連中が多いとある、ある程度の甘さがなければ若者は着いてこないだろう。
「……まあ、だからといってそれだけでやっていけるかといえば文字通り「甘い」といったところか」
箱入り娘には現実と理想のギャップがキツく感じることだろう。
「……あんまし勘違いしてないといいけどなぁ。貴族悪魔ってなんかやたらプライド高いし、……アイツとか、嫌な思いでしかないしなぁ」
以前旅の途中で出会ったあの悪魔もまた、上級悪魔の貴族であった。奴とは意見というか、見解の違いというか、こっちにも勘違いがあったりしたからお互い様というところもあるのだが……とにかく反りの合わない奴なのだ。
あの金髪とはまた決着をつける約束をしていたが、できれば今後とも会わないようにしたいものだ。
「ま、今はこっちのことこっちのこと」
今はそんなことを思い浮かべるよりも、この土地でやっていけるかを心配しなくては。
そうこうしている内にそれなりの大きさを持つ建物が見えてくる。おそらくあれが目的の場所、駒王学園だろう。
校舎の外観を頭に入れつつ数分後、俺たちの車は来賓用入り口から敷地内に入る。
車が停止し、運転手が降りて後方の扉を開き俺の降車を促す。
「ありがとう、お世話になりました」
「……いえ、仕事ですので」
相変わらず言葉は少ない。
しかしまあ、初対面の相手ならこんなものだと納得できるし、この人の言う通り仕事はきっちりしてくれている。愛想のなさをどうこう言うのは傲慢というものだ。
施設へと歩き出した俺を深くお辞儀をしながら見送る運転手。彼にはまた拠点となるところまで送ってもらう必要があるのでここで待ってもらうことになる、挨拶は短く済ませよう。
施設の受け付けで来客用の名札をもらい、ついでに彼女がいる場所を聞いておく。職員にも挨拶をしておくべきだろうが、まあ後でかまわないだろう。こっちは依頼主が書類等を用意してくれているし、某かの手段によってそれは既に受理されているらしいからな。
廊下を歩き、階段を登り、徐々に強まる魔の気配に近づいていく。旧校舎を根城にしているらしい彼女たちはオカルト部なるものを隠れ蓑に悪魔としての活動をしているのだと。
……まあ、それがほどほどのものであるのなら俺がとやかく言うことはない。俺の標的はあくまで人間と幻想の境界を侵す者、それだけだ。
そして一つの部屋の前まできた。魔の気配からしておそらくここがそうだろう。中から何か話し声が聞こえるが……時間もないし、お邪魔させてもらおう。
そう思い扉を軽く叩いて中にいるはずの悪魔たちへ来客の存在を知らせる。少しして、入室を促す若い女性の声が聞こえてきた。
それに従って中へと進んで―――
「―――てめぇ、何でこんなところに。焼き鳥野郎!!」
「―――こちらの台詞だ。貴様こそ何故ここにいる、人間!!」
―――進んで、中にいる面子を確認して、そいつがいた。
お互いに、毛ほども相手に好意など持っていない。そんな相手であることがこのやりとりだけで周りに伝わるほどに、その二人の声は敵愾心とでもいうようなものに溢れていた。
「な、何? 何なのあなた……?」
俺の登場でいきなり剣呑な雰囲気になってしまった室内で、この部屋の主であろう少女が疑問の声をあげている。
しかし俺たちはそんなことに使えるような優しさなど持ち合わせておらず、ひたすらに目の前の怨敵を睨み付けるのみ。
眼光で殺す。
そんな意図さえ込めた視線のやりとりがしばし続き、別の女性悪魔にことの次第を聞いてくるまで続いた。
ああ、どうしてこうなるのやら。
幸先の悪さにどうにも嫌な予感がしてきた俺は、席に促されながら奴を睨み付けることをやめない。それは相手も同じ、一瞬たりとも視線を切らない。
その美男子というような顔を憤怒に染め、今にも襲いかかってきそうなところをギリギリ押し止めている。
―――ライザー・フェニックス。
悪魔の上位貴族であり、祖に不死鳥を汲む存在。
そしてかつて俺が戦った相手であり、自分の未熟ゆえに決着を着けることができなかった相手。
そんな奴が何故、こんなところに?
疑問は尽きないが、しかし。
この敵地とも言えるような場所ですることはまず、自身の立場を説明することであると考えて大人しくするのだった。
読了ありがとうございました。
というわけで、ライザーとのフラグが立ちましたね。
主人公と関わったことがある彼がどう変わっているのか、今後の展開にこうご期待。