へっぽこマスターが物申す   作:剣聖龍

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ここから冬木が終わるまでオリジナル展開となりますので、ご了承ください。


13話

「オォォオォアァォァァッッ!!」

 

 

 ぶぉんと振り抜かれるオルタの剣、横からいきなり突き飛ばされたことで頭の上ギリギリを通り抜けていき、岩壁へ何かが叩きつけられた。

 

 

「あ、ぐ……」

 

「キリエライトさん!?」

 

「ヌゥン!!」

 

「ぐうぅっ!?」

 

 

 返す剣が今度はアルトリアを吹き飛ばす。

 

 まるで人形みたいに、あのアルトリアは軽々とぶっ飛ばされて岩の上を叩きつけられていった。

 

 なんだ……なんなんだ、何が起こっているんだ一体!?

 

 いきなり雷がオルタへ落ちたと思ったら、姿を変えて、急に暴れ始めた。

 

 剣で撃ち合えていたアルトリアや、盾で防げていたキリエライトさんを軽く薙ぎ払ったその力は明らかにおかしい。

 

 て言うかこんな展開ゲームにないぞ!? マジでどうなってるんだよ!! 何か変わっちまったのか!?

 

 

「ロマン! カルデアでも見えているでしょ、何が起こっているの!?」

 

『それが、こちらでも詳細は不明です! ですが、あの雷のようなものが敵セイバーに落ちてから、魔力が急に上昇したのを確認しています。しかも……理由は不明ですが、霊基が歪んでクラスがセイバーだけでなく、バーサーカーのクラスが現れています!』

 

「はぁ!? なんだよそりゃあ! じゃあ今のアイツは、バーサーカーなのかドクター!?」

 

『……恐らくは。狂化スキルも確認出来た。とにかくこんな事態は全くの予想外だ、今すぐそこから離脱して――』

 

 

 けどここでノイズが混じり通信が切れてしまう、なんでこんなタイミングで!

 

 アルトリアが変化した影響なのか……!?

 

 

「グゥゥゥァァァァ……ッ」

 

 

 まるで獣みたいに唸るアルトリア・オルタ。右手に持つエクスカリバーは黒い魔力が大きな刀身を形作って大剣のようになっている。両腕のガントレットは一回り膨らんで刃が生えていて、肩からは仮面ライダージオウのアナザーブレイドみたいに棘が飛び出してる。鎧は縁が鋭くなり、ドレスは真っ黒の生地に血を思わせる真っ赤な模様が走っていて、確かにアルトリア・オルタが狂戦士になったみたいな姿だ……。

 

 だけど、どうしてこんな姿に……?

 

 

「セイバーの奴、まさかあの力を使ったのか……いや、それとも……」

 

「……どういうことキャスター。何か知ってるみたいだけど」

 

「どうもこうもねぇ。あいつはな――」

 

 

 

 

「無駄口は、ソコまでた。キャスター!!」

 

 

 

「――ッ、坊主!!」

 

「フンッッッ!!!!」

 

「ぐぉぁぁぁぁっ!?」

 

「キャスター!?」

 

「貴様も、だ……!」

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「所長ーっ!!」

 

 

 十メートルは離れていた距離を一瞬で詰め、目の前に現れるアルトリア・オルタ。

 

 僕を突き飛ばしルーンで防御しようとしたキャスニキ、そのルーン魔術を叩き割って、片腕のキャスニキに剣を叩きつけ吹き飛ばす。

 

 近くにいた所長を手から魔力をビームみたいに放ち、数メートル離れた所へ飛ばしてしまった。

 

 一気に僕の周りの人全員が、側からいなくなってしまった。

 

 

「……あ、あっ」

 

「残るは、お前だ。藤丸イッカ」

 

 

 ジャキリ。

 

 大剣が振り抜かれようとしている。このままじゃ死ぬ、切られて死ぬ。

 

 動け僕の体。動け。逃げなきゃ死ぬぞ、死ぬんだぞ、死んでしまうんだぞ。

 

 動け。逃げろ。動け。逃げろ。動け。逃げろ。動け。逃げろ。動け。逃げろ。

 

 

「うご……」

 

「終わるガ、いい」

 

「マスタァァァァァァァァッ!!!!」

 

 

 風が、通り抜ける。

 

 アルトリアが、風の反動でオルタ目掛け駆け抜けていく!

 

 あの早さならいくらなんでも反応できない! しかも後ろを取っている、これなら!

 

 

「ぜぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」

 

「ふん……」

 

 

 

 ――キンッ……。

 

 

 

 

「…………えっ」

 

「な…………に……?」

 

「良い一撃ダッタ。コレが無ければ、やられていたカモしれん」

 

 

 風を纏った超スピードかつ背後からの強襲。

 

 絶対に反応できない……と思ったアルトリアの一撃は、いとも簡単に防がれていた。

 

 オルタの左手から展開された細長い物体……正確にはそれが張ったと思われる魔方陣のようなシールドによって。

 

 でもそれは……あり得ない。あれはある筈のないモノ。過去に失われ手元にはない。何よりあんな色であることはあり得ないモノだ……!

 

 僕だけでなく、アルトリアも。いやアルトリアの方が驚きを隠せずにいる。

 

 青が、黒に。

 

 金色の模様は、赤に。

 

 絶対にある筈のないモノが、絶対にあり得ない状態で、エクスカリバーを食い止めていた。

 

 

「黒い、全て遠き理想郷(アヴァロン)だと……っ!?」

 

「その通りだ。ハッッッ!!」

 

「がぁぁぁぁっ!!」

 

 

 シールドはまるでカウンターよろしく衝撃波を放ってアルトリアを岩壁へ叩きつける。

 

 もう、訳が分からない。

 

 黒いアヴァロン? 汚染されないよね確か。なんで黒いの? そもそもなんでオルタが持ってるの?

 

 ただ頭の中で疑問が回る。回りまくる。周り続ける。それだけ。

 

 原作だとか、ゲーム知識とは違うことに、ちがいすぎることに、追い付かない。思考が。 

 

 

「ジャマが入ったガ、次で、オワリだ」

 

 

 いつの間にかオルタが目の前にいて、剣を振りかぶっていた。

 

 いや、僕には武器がある! 刺又を咄嗟に突き出す、所長が魔術で強化してくれた刺又だ、受け止めるくらいは、

 

 

「愚かナ」

 

 

 ふっ、と刺又が軽くなった気がした。

 

 同時に、先から真ん中辺りまでが消えた。

 

 カランと金属音。

 

 魔術で強化されてた筈の唯一の武器。感じる間もなく剣で切断されたのだ、と思う時には立っている感覚が無くなっていた。

 

 マクールに蹴り飛ばされた時のように、今度は岩に何度も叩きつけられ、何度もぶつかって、転がってようやく止まった。

 

 

「がっ……はっ……はっ、あ……」

 

 

 ――激痛。

 

 折角治してもらった体が痛い。全てが痛い。痛くない所がない。口の中にはまた血の味。また内臓やられたか。今度は骨もか。

 

 起き上がれない。体に力を入れることすら、意識すらはっきりしてないのかぐらぐら視界が揺れている。

 

 ザッ、ザッ、と黒い姿が近づいてくるのが映る。

 

 逃げないと。早く、しないと。死んで、しまう。

 

 

 

 

 

 

 ………………どうやって?

 

 

 

 

 

 

 いきなりアーチャーが来て、魔獣に襲われて、令呪使ったら使ったで怒られて。死にかけて。

 

 いっぱい血を吐いた。体が裂けるかと思った。

 

 なんとかアーチャーを倒してもらって、セイバーの所まで来た。

 

 皆で協力して、あと少しで帰れるところまで来たのに。

 

 紫の雷とか、バーサーカーみたいになったオルタとか、真っ黒なアヴァロンとか……。

 

 もう、なんなの? なんでこんなワケの分からないことばっか起こるの? 意味不明だよ。

 

 ……僕が偽物だからか。

 

 藤丸立香じゃないから、ぐだーずじゃないから?

 

 どうしてこんなことになったのかなんて、こっちが聞きたいよ……。

 

 僕なりに足掻いた。足掻いたつもりだ。でもこんな、ワケの分かんないことばっかに巻き込まれて。

 

 もう、イヤだ。

 

 このまま死ぬんなら……それでもいい。

 

 きっと死ねば、元の世界に帰れる。

 

 大抵そういうもんだ。うん。多分。

 

 きっと……帰れる筈。

 

 

「死ぬがイイ」

 

 

 視界が、黒一色に塗り潰された。

 

 

 

 

 

 

 

 

だーが終わらないんだよな、コレが

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………なんだよ、ここ」

 

 

 気づけば、周りは真っ白な空間。

 

 

「よう。やっと会えたな」

 

 

 目の前には、黒い……人の形。

 

 例えるなら、グレンラガンのアンチスパイラルというか、ハガレンの真理を真っ黒にしたようなやつがいた。

 

 




アルトリア・オルタ戦 1ー2 1waveのみ
アルトリア・オルタ:狂
LV25
HP50000
チャージ:3(EXアタック)
場所:大聖杯前

3ターン経過で終了

サポート
・クー・フーリン:術
LV20
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