へっぽこマスターが物申す   作:剣聖龍

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DEAD END03

▶️《信じない》

 

 

 ……やっぱり、このマオーとかいう奴を信じることは出来ない。僕を無理矢理連れてきたような奴だ、何か裏があるに決まってる。

 

 力を貸せだって? 貸せるかバカ野郎。

 

 

「お前みてぇな怪しい奴のことなんざ信じられるもんか。答えはノーだ」

 

「おいおい……話を聞いていたのかね。選択肢を提示したのは私だが、君一人でなんとかできると?」

 

「会ったばっかの怪しい奴をどう信じろってんだ。お前なんかの力なんかいらない、僕一人でなんとかしてやる」

 

「いや……しかしだな」

 

「ノーだ。お前の力はいらない、力なんか貸さない」

 

「だが……」

 

「しつこいんだよ!! いらないったらいらないんだ。さっさと元の場所へ戻せ真っ黒野郎が!!!!」

 

 

 断っているのに何回も聞いてきた真っ黒野郎へはっきり言ってやると、遂に観念したのか「……そうか」と俯いて諦めたみたいだ。

 

 

「そこまで言うならば、私も力を与えることは出来ない。……残念だよ、信じてもらえなくて」

 

「この状況で何を言うよ。信じられるわけないだろ」

 

「ならば仕方ない……。君を元の場所へ送り返すとしよう」

 

 

 そうだ、やるなら早くやってくれってんだ。

 

 まずはどうにかしてオルタから逃れなければ。その後でカルデアと連絡を取るなりして、態勢を整えないと。

 

 ……大丈夫だ多分。エミヤの時も予想外はあったけどどうにかなった。なら今度だって、どうにかなる筈。

 

 

「…………では、送るよ」

 

 

 パチン、と真っ黒野郎が指を鳴らした瞬間。

 

 空間が広がるように輝いて、視界が光で埋め尽くされた。

 

 さあ、どうにか逃げるぞ。

 

 

「………………本当に、残念だよ。イッカ君。君の願いを叶えてあげられなくて」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 輝きがおさまると、視界に映るのは岩山と光の柱。

 

 よし、戻ってきたみたいだぞ。早速オルタから逃げ――

 

 

 

 

「――死ぬがイイ」

 

 

 真っ黒になったと思えば、

 

 

「が、あ、あ」

 

 

 赤い。赤色。赤。真っ赤。真っ赤だ。

 

 目に映る全部が赤く見える。僕の手や、体も、だ。

 

 同時に、熱い。熱い。熱い。体が。

 

 焼かれているみたいだ。どうして。

 

 体を、見る、走る、斜め、一本線。

 

 目の前に、大きな剣。アルトリア・オルタ。見下ろしている。僕を。

 

 …………あぁ。そうか。

 

 斬られたんだ。逃げるなんて無理だった。一歩も動けなかった。

 

 

「先輩――!」 

 

 

 遠くで、キリエライトさんが……呼んでる気がする。

 

 声が……うまくきこえない。なんて、いっているのか。

 

 みみが、とおくなったのかな。きこえないよ、キリエライトさん。

 

 

「しぶとい」

 

 

 もういちど おおきなけんが みえたきがした

 

 なにかが はしって

 

 なにも 

 

 みえなく

 

 なった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイガー道場

 

 デンッ!

 

タイガー

「はいはーい! 死んでしまった貴方をサクッとレスキュー! タイガー道場のお時間でーす!」

 

 

弟子一号

「弟子の一号でーす」

 

一捷

「サクッと死んだ一捷でーす……」

 

 

 気づけばまたタイガー道場。これで、三回目だったか? 冬木だけで。

 

 

タイガー

「三回目の今回。死因はあのマオーさんを信じなかったから。以上ですっ!」

 

一捷

「はやっ!!」

 

弟子一号

「だってそうとしか言いようがないよ。確かにアイツのこといきなり信じろ、なんて難しいだろうけど、他に選択肢ないじゃない」

 

タイガー

「君はまだまだへっぽこなのだ。いや、まだへっぽこですらない! 無理だと思ったら周りに頼るべし! これ忘れるなよ。すっっっごい大事だから。すごい大事だから! ものすご~く大事だから!!」

 

一捷

「分かった! 分かったから三回も言わないで耳元で!?」

 

???

「ほほーう。それはホントに?」

 

 

 にゅっ

 

 

弟子一号

「いやぁぁぁぁぁぁあっ!?」

 

 

 弟子一号の目の前に突如として現れたのは黒い人型。

 

 

???→マオー

「ここでははじめまして。私だ。マオーだ」

 

一捷

「なんでここにいるのお前!?」

 

マオー

「本編だとまだ暇だから来ちゃった。とゆーか一捷君よぉ、もうちょい人のこと信用したっていいじゃないの~」

 

 

 こいつ人……? 見た目真理かアンスパじゃねーか完全に人間違うだろ。

 

 

マオー

「とりあえず本編で会えるの待ってるからね。じゃあ私は戻るとして……」

 

タイガー

「じゃあマオー君、ついでに君に驚いて気絶してる弟子一号、保健室の■ちゃんとこに運んどいて」

 

マオー

「オーケー。ではお詫びに私自慢の歌を奏でながら参るとしようかー!」

 

弟子一号

「歌!? イヤーッ! あんたの歌イヤァァァ!! あんなうざいの聞きたくな~~~~い!!」

 

 

 弟子一号イリヤがジタバタ暴れるけど意外に力は強いのか、ズリズリズリ……とマオーは引きずっていってしまった。

 

 アイツのうざい歌って、一体……。

 

 

タイガー

「じゃあ今回はそろそろ終わりね。はい、前回渡したカード出して。前に二回とまとめてスタンプ押すから」

 

一捷

「あ、はい」

 

 

 ポンッ! ポンッ! ポンッ!

 

 フォ~ン……

 

 『虎スタンプNo.1、No.2、No.3を押してもらった』

 

一捷

「……冬木だけで三回。この先どれだけあるんだ……」

 

 

タイガー

「負けるな主人公! 諦めたらそこで物語終了だから! いってぇぇぇぇ――こいやぁぁぁぁぁあ!!」

 

 

 バッチコーーーーーンッ!!!!

 

一捷

「ぎぇぁぁぁぁぁぁぁあ!!!?」 

 

 

 キラン✨

 

 

タイガー

「では主人公君が星になって戻ったところで。また会おう、諸君!」

 

 

 

 

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