へっぽこマスターが物申す   作:剣聖龍

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お待たせしました、後編になります。

では、どうぞ!


BAD ENDルート後編

「■■■■■ーーーーーーー!!!!」

 

 

 生存の人類悪ことEXTRAビースト『魔獣』へと変貌した“一捷”だったものは、雄叫びをあげ、サーヴァント達へ進撃を始めた。

 

 もはやその姿形は完全に人ではなくなり、まるで特撮に出てくる怪獣のような恐ろしい姿となっていた。咆哮は大気をビリビリと震わせ、太い足が大地を踏みしめる度に地面が揺れる。

 

 

「そんな……先輩が、先輩が……っ! あんな、怪物に……」

 

「……マシュ、構えなさい」

 

「そんな、アルトリアさん! 先輩が、あんな姿になってしまっても、先輩で……!」

 

「分かっています。……ですが、あの存在の前では甘い考えを持つことは許されません」

 

「アルトリアの言う通りだよ、マシュ」

 

 

 マシュとアルトリアの会話へ続くよう、マーリンが話に加わってきた。

 

 

「今の彼はもう、破壊を繰り返す怪物。この星にとって、危機を招く獣となった。……『僕ら』はそれを、放っておくことはできない」

 

 

 その言葉と共に、マーリン自身と既に召喚されている山の翁は光に包まれ、新たに召喚の光が二つ輝く。

 

 マーリンと山の翁は大幅に力を増して再召喚。続くよう召喚されたのは筋骨隆々

の大男と、黄金の鎧を纏う青髪の美丈夫。

 

 それは七つの人類悪を滅ぼすための七騎。世界に対する英霊(へいき)。ビーストを討つ、その時代最高峰の英霊――グランドサーヴァント。

 

 それが四騎。

 

 グランドアーチャー、超人オリオン。

 

 グランドランサー、ロムルス=クィリヌス。

 

 グランドキャスター、マーリン。

 

 グランドアサシン、山の翁ハサン・サッバーハ。

 

 その召喚が意味するもの。それはこの星が魔獣を、“一捷”を完全に討つべき敵だと認識したことだった。

 

 グランド四騎を先頭に、サーヴァント達は再び戦闘態勢をとり、攻撃を開始。

 

 魔獣を殺すべく、各々が各々の持つ力を振るう。

 

 無数の攻撃に斬られ、撃たれ、貫かれ、轢かれ、焼かれ、穿たれ、殴られ、砕かれる魔獣。

 

 ありとあらゆる攻撃、魔術、宝具を食らい魔獣は……何事もなかったように進み続けていた。

 

 

『これは、再生能力だ! 攻撃を受けた側から修復している、ここまでのものとは……!」

 

 

 魔獣の出現に戦場へ降りてきたキャスターのクー・フーリン、エミヤ、アルトリア・オルタ。クー・フーリンの持つマオーが魔獣の力を分析する。

 

 攻撃の雨を正面から受けようと、周りへ火花や流れ弾を撒き散らしながら、魔獣は変わらず踏み出し続けていく。

 

 

「■■■!!」

 

 

 ある程度進むと止まり、魔獣も攻撃に出た。

 

 足を持ち上げ思い切り地面を踏みつけると地面が割れて無数の岩が浮かび上がる。岩は空中にて槍の形へ加工されていき、炎を纏ってサーヴァント達へ飛んでいった。

 

 左右に散ってかわすサーヴァント達。

 

 間髪いれず、魔獣はあらゆる攻撃を仕掛ける。

 

 全身から凄まじい数の光弾を放ち、熱線、火の玉、炎のリング、絶対零度のブレスを吐き出す。

 

 砂色の大竜巻を巻き起こし、地面を爆発させ岩の大群を降らせる。

 

 ベディヴィエールの斬撃を鏡のバリアで防ぎ、周囲の鏡へ反射しながら跳ね返す。

 

 自然の雷を遥かに上回る豪雷をジェロニモへ降り注がせる。

 

 ジキルから切り替わったハイドの猛攻をものともせず、右腕をトゲ付き棍棒に変化させ、ナイフを砕きその身を叩き飛ばす。

 

 ダビデのステッキを左腕を変化させた鉤爪にて防ぎ、衝撃波を放って吹き飛ばす。

 

 宝具で守りを固めるブーディカへ炎の岩槍を連続して放ち、途中で加わったマシュごと防御を突き破る。

 

 宝具を解放し炎の大蛇となった清姫が締め上げてくるが、光弾と体の回転で強引に振りほどき、回転の勢いをつけた尻尾で打ち据える。

 

 周りをことごとく壊しながら暴れまわるその姿は、人ではなくなった怪物であった。破壊と恐怖をまきちらす怪獣。生きるために、星を壊し、食らうもの。

 

 その姿、その力、その有り様、まさに『魔獣』であった。

 

 

「好き放題暴れやがって。恨みはねえが、仕留めさせてもらうぞ」

 

 

 グランドサーヴァントの四騎が魔獣を取り囲む。

 

 先陣を切ったのは超人オリオンだ。放たれた矢は魔獣の両足に刺さり動きを止め、何本も矢を体へ命中させていく。

 

 が、魔獣は矢を取り込むと、光る破片を無数に生み出し超人オリオンへばら蒔いた。

 

 

「そんなもんで目眩ましのつもりかぁ?」

 

 

 ギリシャ最高の狩人たる彼はそんなもの意に介さず矢を三連射。狙いは目と口と首。

 

 致命傷になる箇所を狙った三本の矢を、魔獣はなんと大きく口を開き補食。バリバリと噛み砕き、食ってしまった。

 

 流石に食われると思ってなかった超人オリオンは一瞬呆気にとられてしまった。そこを狙い魔獣の目が紫に光る、放たれるは紫のレーザーだ。それは先程ばら蒔いた破片で反射、角度を変え、全方位から超人オリオンへ降り注いだ。

 

 破片の正体はアルミニウムを蒸着させたガラスで、それらをレーザー反射版として使った全方位レーザー攻撃。別の宇宙にてストレスをなくすために作られたマスタープログラム、その情報端末の巨大ロボットが使った攻撃だ。

 

 

「なにぃっ!? ぐあぁぁぁぁっ!!」

 

 

 目、肩、指、腰、足をレーザーに貫かれ、弓本体と弦を切断され崩れ落ちる超人オリオン。

 

 彼だけでなく、死角から狙っていたアサシンのエミヤのトンプソン・コンテンダー、ビリーのサンダラーがレーザーに焼かれる。

 

 魔獣の背後より拳、蹴りが叩き込まれる。ロムルス=クィリヌスの攻撃だ。

 

 魔獣は右腕を溶断破砕マニピュレーターへと変化させ砕こうと振るうが、上空に逃げられたことで避けられ、ロムルス=クィリヌスは両腕を振り上げ宝具を発動させる。

 

 

「我が四肢より今こそ出でよ。神たる力、光なる力、いずれ星々の彼方へ届く力よ――“我らの腕はすべてを拓き、宙へ(ペル・アスペラ・アド・アストラ)”!」

 

 

 国造りの権能を応用した対星宝具。光の槍が無数に降り注ぎ、かのローマ帝国が建国されていく。放たれる煌めきは激しい攻撃となって、魔獣を貫きマニピュレーターが破壊された。

 

 

「……■■■ーーーーーッ!!」

 

 

 しかし魔獣は再生能力で凌ぎきり、その背中から光る羽のようなものを噴き出した。

 

 まるでそれは虹色のオーロラのようで一見は美しいが、その正体はナノマシン。ある世界にて文明を一度は消し去った機械人形、その片割れが搭載している恐るべき兵器であった。

 

 『魔』の力によって強化されたナノマシンは、宝具のローマ帝国と光の槍を消し去り、ロムルス=クィリヌスへ纏わりついていく。

 

 

「ぬぉぉあああぁぁっ!!」

 

 

 なんとかナノマシンを振り払うが、黄金の鎧や体はボロボロにされてしまい、見る影もなかった。

 

 残る二騎、山の翁がマーリンの援護を受け魔獣へ斬りかかる。

 

 大剣に炎、魔弾と聖剣と魔術の波状攻撃。

 

 魔獣はマーリンの魔術に抑え込まれ、グランドアサシンの暗殺能力で山の翁を捉えられない。

 

 口から破壊光線を放ち、尻尾を振り回し、全方位へミサイルやレーザー、光弾をばらまくが、それらはマーリンの幻術によって全て回避される。グランドキャスターとなったマーリンからのバフを受け、山の翁の大剣が魔獣の首を捉える。

 

 

「神託は下った。聴くがよい、晩鐘は汝の名を指し示した。告死の羽――首を断つか、“死告天使(アズライール)”!」

 

 

 刹那の許、一刀両断。

 

 晩鐘が鳴り響き、告死の羽が舞い、魔獣の首が跳ねられた。

 

 血が噴き出し誰も、流石に誰もが仕留めたと思った。

 

 ――その首と体が赤く光り、一人でに首が動いて体へくっつき、再生するまでは。

 

 

「……■■■!!」

 

「ヌォ……!?」

 

「うわっ!!」

 

 

 魔獣は退屈を凌ごうとした不老不死の存在の力で死を無効化。音速を越えた速さで長槍を撃ち出して山の翁を貫くとマーリンへぶつけ、全方位から剣、槍を浴びせ、二騎を地に伏せさせた。

 

 グランド四騎を撃破してなお、魔獣は進む。進み続ける。

 

 恐怖と破壊の化身は、地を砕いて、歩みを止めない。

 

 

「おいどうすんだマオー! こうやられまくってたら、俺達の方がお陀仏だぞ!」

 

『まだ耐えるんだ! 今の状態では私が出ても意味がない、なんとか持たせてくれ!』

 

「全く。簡単に言ってくれるな、貴様は」

 

 

 エイワズのルーン、熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)、黒いエクスカリバーでの迎撃。

 

 マオーに言われた通り、魔獣の猛攻をなんとか耐える冬木でのサーヴァント三騎。

 

 炎を、氷を、嵐を、岩を、電撃を、光弾を、衝撃波を撃ち落とし回避し防御して、そのときを待つ。

 

 グランドサーヴァントすら倒した猛攻撃をやり過ごし、やがて、それは訪れた。

 

 魔獣が叫ぶと、肩や足より赤い結晶体が飛び出し、腹の辺りへ魔力が集まっていく。

 

 ようやく訪れたチャンス。マオーは見逃すことなく、素早く指示を出す。

 

 

『大技が来るぞ! 全員下がれ、近づいているだけで餌食になるぞ!!』

 

「一体、何を……?」

 

『いいから下がれって!』

 

 

 マシュをはじめサーヴァント達は、何故わざわざ攻撃を止めさせ全員を下げるのか、怪訝そうであったが魔獣が変化し何かを始めそうなのもあり、下がって様子を見る。

 

 魔獣の魔力がどんどん上昇していき、結晶体がバチバチと電撃を散らす。魔力が特に集中する腹の装甲が開き、中には真っ赤な球体があった。

 

 

「あれは、カルデアス……!?」

 

 

 燃え盛る赤い玉。地球が燃えているかのようなそれにマシュは既視感を感じていた。

 

 剥き出しになった球体。それが人理焼却によって真っ赤に染まったカルデアスにそっくりだったのだ。

 

 マシュだけでなくカルデアに召喚されたサーヴァントも驚きを隠せず、マオーがその正体を説明していく。

 

 

『あれが魔獣の心臓であり炉心、コアだ。膨大な魔力はあそこから生み出される。そして同時に、“切り札”の発射口でもある』

 

「切り札、とは?」

 

『第一、第二の人類悪をも葬った砲撃。周囲の魔力だけでなく物質、エネルギー、空間、魔術。ありとあらゆるものを吸収して放つ、必殺の一撃だ。こいつの前じゃあいくらサーヴァントだろうが、宝具だろうが太刀打ちできない。近づけばエーテルの身体(にく)ごと持ってかれるぞ』

 

 

 全てを吸収し、解放することで放つ必殺砲撃。その威力は星さえも削り、砕く、星砕きの閃光。

 

 それこそが魔獣、EXTRAビーストの宝具ともいうべき切り札だった。

 

 その恐るべき能力は何もかも吸収してしまうこと。

 

 全てを食らい、無力化してしまう。展開された魔術なら魔術ごと、宝具ならその攻撃ごと、武器なら物体ごと、下手をすればマオーの言う通り肉体ごと。発動しているスキルや権能すら取り込んで無効化し、力を増した砲撃が全てを焼き尽くす。

 

 これによってゲーティア、ティアマトのスキルを無効化し殺した。

 

 ただし弱点もある。威力に比例しチャージに時間がかかること。そして令呪を一画消費して放つため、残り一回しか使えないことだ。

 

 魔獣だった“一捷”の令呪に残された令呪は、この戦いが始まる時点で一画。ゲーティアとティアマトへ一画ずつ消費しており、今、最後の一画がコアへとくべられる。

 

 

「■■■ッ!!」

 

『ここだ! 奴がチャージを終えるその前に、私を使うんだ!!』

 

「ならば決めに行くぞ。……これ以上、奴の姿を見ていられん」

 

 

 遂に訪れた好機。前に出るのはキャスターのクー・フーリン、エミヤ、アルトリア・オルタだ。チャージに集中するため魔獣の攻撃が止む。三騎を中心として、サーヴァント達は全力攻撃を行った。

 

 残る力で攻撃し、魔術をかけ、宝具を放つ。

 

 片目で血塗れになった超人オリオンがアルテミスとオリオンに支えられて立ち上がり力の限り殴り、蹴りつける。

 

 ロムルス=クィリヌスが槍のごとき拳を、凄まじい速度で叩き込む。

 

 全身を切られたマーリンがサーヴァント達へありったけのバフをかけ、魔獣に魔力の柱を浴びせる。

 

 何本もの槍が刺さったまま、山の翁が割れた盾を投げつけ、大剣を突き刺し、文字通り魔獣の体へ食らいついてダメージを与え続ける。

 

 対し魔獣はチャージで吸収し、尻尾で払いのけ、引き剥がす。

 

 周囲の魔力、物質、サーヴァントのエーテルすら一部取り込み、チャージは完了。

 

 コアが真っ赤に燃え、星を砕く閃光が放たれようとしていた。

 

 

「やらせるかよぉぉぉぉっ!!」

 

 

 突撃をかけるクー・フーリン達。チャージによってスキル、宝具は吸収され使えない。それでも残る杖で、手足で、黒いエクスカリバーで攻撃。両肩の結晶体からの衝撃波でエミヤとアルトリア・オルタは吹き飛ばされてしまう。

 

 それでも、残ったクー・フーリンが飛び込む。

 

 

「……悪いな、坊主」

 

 

 そして発射直前のコア目掛け、三ツ又の槍を――突き入れた。

 

 

「――■■■ッ!?」

 

『確かに凄まじい存在となったよ、キミは。……だがいくら強くなろうと、私から奪った力だ。その力は、私だけは、無効化することはできない』  

 

 

 それこそマオーが分離した意味。マオーに残った最後の力は、奪われた力を止めるためのカウンターだったのだ。

 

 クー・フーリンが飛び退くと魔獣は身をよじり、苦しみ始める。

 

 力を無効化されたことでコアの魔力が暴走、内側から体を破壊していく。

 

 再生で無敵同然だった体がひび割れ、魔力が溢れて、魔獣はたまらず絶叫した。

 

 

「■■■■ーーーーーーーー!!!!」

 

 

 多くのサーヴァントを相手に痛手を追わせ、星を壊そうとした魔獣の、最後の咆哮だった。

 

 残る力で叫ぶだけ叫び、目から光が消え、ゆっくりと前のめりに倒れていった。

 

 背中のカルデアを模した部分だけが無事で、ひび割れた全身が砕けていく。まるでそれは、カルデアの部分に押し潰されていくかのように、“一捷”の末路を現すかのようだった。

 

 最後にその部分も消え、残されたのは全身に傷を負い、仰向けで倒れる満身創痍の“一捷”であった。

 

 

「敵ビーストクラスの消滅、及び……先輩を、“藤丸一捷”を確認しました、ドクター……」

 

『……“藤丸”君の回収を頼む。その後、カルデアに帰還してくれ』

 

 

 決着。カルデアによってイレギュラーの獣、EXTRAビーストは今ここに討ちとられた。

 

 この世界最後の敵を倒したカルデアは、残った“一捷”を連れ帰ろうとした。

 

 だがマシュの手が“一捷”に触れようとしたとき、爆発。

 

 

「……がっ、はっ……はっ……」

 

 

 最後の最後、“一捷”が悪あがきで放った魔弾であった。反動で数メートル離れた。が、それまでだ。マシュは尻餅をついただけで無傷。“一捷”は魔力が尽きてしまい、近くの岩にもたれるような格好で動けなくなった。完全に、何もかも、抵抗する力は無くなったのだ。

 

 それでも、睨み殺さんと鋭い視線をカルデアへ向ける“一捷”。力はなくなってもその心は、『使命』は少しも失っていなかった。

 

 

「まだ、だ。まだ……まだ……」

 

「どうして、どうしてなんですか先輩。そこまでして、一体何の意味があるというんですか?」

 

「……それを、言うのか。決まってらぁ……世界と、僕を救うためだよ」

 

「それでも……こんなの、こんなの間違ってます!」

 

「知ってるよ、そんなの」

 

 

 だが、これしかなかった。やるしかなかった。自分しかできなかった。

 

 だからやった。それまでのこと。

 

 間違いでも、意味があるのだと。無駄では、無意味ではないのだと。

 

 

「だから……僕はやるべきことをやり通す。アンタらに邪魔はさせない。アンタらにだけは、“僕”を、正させはしない」

 

「――なら、私達のやることは一つね」

 

 

 “一捷”に続くよう声が聞こえた。

 

 その者達は降り立ち、反転すると、カルデアのサーヴァント達へ立ち塞がる。

 

 キャスターのクー・フーリン、エミヤ、アルトリア・オルタを始め、ジャンヌ・オルタら一捷討伐に加わらなかったサーヴァント達だ。彼ら彼女らはカルデアのサーヴァント相手に、圧倒的不利だと理解しながら、戦いを挑んでいく。

 

 

「なんのつもりですか、貴女は!」

 

「見て分からない? アンタらみたいに大義名分で納得できなかった。私は、私の思うようにやらせてもらうわ、聖女サマ」

 

「貴様ら、マスターをどうするつもりか!?」

 

「いいから引っ込んでいろ。貴様らこそ出番ではない。……事を済ませるなら手早くやれ。そう長くはもたせられん」

 

 

 アルトリア・オルタが黒いエクスカリバーでアルトリアを薙ぎ払いながらそう言う。

 

 彼女の言葉通り、最後にやらなければならない事がある。その時間を稼ぐため、アルトリア・オルタやジャンヌ・オルタ達はサーヴァント達を食い止めているのだ。

 

 エミヤ、クー・フーリンが“一捷”の前へやってくる。見下ろした“一捷”に、揃ってやるせない表情になった。

 

 

「……お久しぶりで。冬木のエミヤさん、キャスターのクー・フーリンさん」

 

「……君という奴は。全く、とんだ大馬鹿者だよ」

 

「これしか、なかったんで。僕が、勝つ道は。……ごめんなさい、クー・フーリンさん。貴方の言葉、守れなかった」

 

「坊主……すまねぇな、どう言おうと、俺達はお前に厄介ごとを押し付けちまった」

 

「いいんですよ。これは、“僕”にしかできないことだから」

 

 

 一捷のため、立ち塞がったサーヴァントが一騎、また一騎とやられ消えていく。

 

 あまり時間はない。

 

 話を切り上げやるべきことを行う。

 

 “一捷”は右腕に残った赤い装甲の一部を切り離し、震える右手でエミヤへ差し出す。

 

 

「エミヤさん、コイツを……頼みます」

 

「良いのか。私などに渡して。君の考えて通りには、なるかどうか分からんのだぞ」

 

「……なりますよ。だって、僕なんですから」

 

「…………そうか」

 

 

 エミヤはとりあえず納得した様子で、装甲を受け取った。大事に仕舞うと夫婦剣を展開し、戦いに加わる。

 

 今度はクー・フーリンの番だ。三ツ又の槍を構え、“一捷”に狙いをつける。

 

 

『……“一捷”君』

 

「マオーか。悪いな、あの時は力を取っちゃって」

 

『いや、分かっているさ。……“君”の行動を無駄にはさせない。必ず、先へ繋げてみせる』

 

「……そっか。なら満足。もう言い残すことはないよ。――やってくれ」

 

 

 声音を低くした“一捷”と、クー・フーリンの目が合う。

 

 その瞳に迷いはなかった。覚悟を決めた目だった。

 

 やってきたことを、未来へ繋げるために。

 

 後方より、声が上がる。

 

 

「先輩、ダメです!!」

 

 

 駆け寄ろうとしたマシュの行く手に、エミヤが立ちはだかった。一刀のもと彼女を跳ね返し、飛来する矢を同じく矢で撃ち落とす。

 

 

「……何者だ、貴様は」

 

「さあ、なんだろうな? 強いていうなら……彼だけの正義の味方だよ、私は」

 

 

 クー・フーリンもマオーも“一捷”も、全て聞こえていたが無視した。

 

 かつてマオーから力を奪い取り込んだ“一捷”。それにより、その身は同じ存在でなければ、倒すことができなくなった。辛うじて生き残ったのはそれが理由。

 

 彼を完全に殺せるのは、二つのみ。

 

 

「――その心臓、貰い受ける」

 

 

 その片割れ……マオーの力が、“一捷”を貫いた。

 

 

「がっ……」

 

 

 ごぼりと血を吐き出し腕が落ちた。

 

 クランの猛犬の槍は、寸分狂わず心臓を貫いており、“一捷”は静かに絶命した。

 

 これが、結末。

 

 この世界での、“一捷”という存在の、終わりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――まだだ。まだ、終わってない

 

 

 

 

 

 

 

 

タイガー道場

 

 

 デンッ!!!!

 

 

弟子一号

「待ちなさいタイガー! 貴方、冷蔵庫に隠しといたフルールのケーキ食べたでしょう!?」

 

タイガ

「へーんだ、大事にとっておく方が悪いんでーす! 賞味期限って日本語知ってるか弟子一号!」

 

??? 

「消費じゃないですよね。あっち切れてたらアウトですよ?」

 

弟子一号

「知るかー! いいからケーキ返せおおとらー!」

 

タイガ

「ふははは。既に消化したものは返せないのだー。まー安心しなさい、代わりのもの用意してるから。作者さーん!」

 

???→作者

「どうも、作者です。ケーキの代わりにこちら、チーズパイになります」

 

弟子一号

「何よ、もので釣ろうってわけ! こんな安物で私が満足出来るとでも思って…………あら、意外と美味しい」

 

タイガ

「主人公君が元に戻るまでチーズパイ食べながら待ってましょ。何せ始めてのバッドエンドで修復になれてないからねー」

 

 

 

 ※30分後

 

 

 

作者

「というわけでこれ、チーズパイとあったかいお茶ですどうぞ」

 

一捷

「……はぁ。チーズパイとあったかいお茶どうも」

 

 

 目覚めるなり道場でいきなりチーズパイとお茶渡される僕。

 

 なんでじゃ、なんでいきなりチーズパイとお茶なのさ。

 

 とりあえず全員が食べてから……タイガが語りだす。

 

 

タイガ

「ふぅー美味しかった。さてお腹も膨れたところで……本題に入る! 記念すべき初バッドエンド、おめでとう」

 

一捷

「どこがめでたいんですか。フルボッコから怪獣になって死にましたよ僕」

 

タイガ

「うーんそれはそういう終わりだから仕方ない。というか前回の道場のアドバイス聞いてたー? 次バッドになるって言ったのに、一人で抱え込む選択肢選んだらそりゃそうなるわよ」

 

一捷

「あれギャグじゃあなかったんですね……」

 

タイガ

「ばかちん」

 

 

 

 

 バッチコーーーーン!!!!

 

 

 

 

タイガ

「人の話はちゃんと聞くように。良いわね?」

 

一捷

「ふぁい……」

 

タイガ

「では今回のバッドエンドのまとめ! これはズバリ、一人で頑張り過ぎちゃったこと。周りに頼らなかったことが原因よ。特異点であんなことあったら自信なくす状況だけど、ここは思いきってさらけ出すべし!」

 

イリヤ

「あなたもバカよねー。よく言う原作主人公だとか、シロウやキリツグじゃあるまいんだし。自分は自分だってしっかり認識しときなさいよもー」

 

一捷

「はーい……」

 

イリヤ

「それと作者、最後の何よ。怪獣に始まってFateじゃないのが出まくってたわよ」

 

 

作者

「その通りで。怪獣のモチーフはウルトラマンギンガに登場する超咆哮獣ビクトルギエル。

 

使った能力の一覧は、

 

・ルパンレンジャーvsパトレンジャーより、ドグラニオ・ヤーブンのルパンコレクション複合攻撃 

 

・ウルトラマンR/Bより、オーブダークのオーブダークインフェルノカリバー、アイスカリバー、タイフーンカリバー、ロックカリバー(タイフーンは本編未使用につきオリジナル)

 

・ウルトラマンXより、閻魔獣ザイゴーグの右腕『ゴーグレグジス』

 

・勇者王ガオガイガーより、EI-01の全方位レーザーと衝撃波

 

・∀ガンダムより、ターンXの溶断破砕マニピュレーターと月光蝶

 

・SSSS.GRIDMANより、アレクシス・ケリヴの不死と長槍、剣

 

こんな感じです」

 

一捷

「化け物じゃねーか!?」

 

作者

「使おうと思えば更に別の力も使えたりします」

 

一捷

「そらおめー、排除されるだろ……」

 

イリヤ

「ずいぶんめちゃくちゃねぇ。じゃあ最後の切り札っていう砲撃と、キャスターのランサーが持ってた槍は?」

 

作者

「槍はビクトルギエルと同じウルトラマンギンガからギンガスパークランスが灰色一色になった感じ。砲撃のイメージはガメラのウルティメイト・プラズマもしくは、ウルトラマンXのウルティメイトザナディウム。色が赤黒く禍々しい光だと思って下さい」

 

イリヤ

「よくもまあぶちこんだわね。世界観ぶっ壊れてるわよ」

 

一捷

「それもそうだけど、こんな非常時なら個人的に僕はありかと思うけど。自分が弱いって分かってるから、使えるものはなんでも使うべきかと」

 

イリヤ

「えぇ、マジで……」

 

タイガ

「……とりあえず伝えることは伝えたわ。なら今回はここまで! はい、スタンプカード!」

 

 

 フォ~~ン……

 

 『虎スタンプスペシャルを押してもらった』

 

 

一捷

「なんかいつもと違いますねスタンプ」

 

タイガ

「おめでとう。バッドエンドは悲惨だが、ここに来たことでトゥルーエンドへの道が開かれた! よくやった主人公君!!」

 

一捷

「何いきなり重要な伏線入れてくるの!? 何、これバッド経由しないといけないとかそういうやつ!? そういうやつなの!?」

 

イリヤ

「はいはーい、それはネタバレになるから戻りなさいねー。転送魔術、えいや!」

 

一捷

「待ってなんかこの光赤くて禍々し……うわぁーーーーーーっ!?」

 

 

 ヒュン……! 

 

 

タイガ

「さあ勇気を出してドクターさんに暴露してきなさい! あ、後輩ちゃんとセイバーちゃんとスタッフさんにも謝るのよー」




魔獣“藤丸一捷”戦 1ー2 1waveのみ
魔獣“藤丸一捷”:EXTRAビースト
(シールダーを含め、全てのクラスへ与えらダメージ、受けるダメージが二倍)
LV99
HP999999
チャージ:5
場所:カルデア前、雪原
性別:なし
特性:魔性、猛獣、超巨大

宝具
星砕きの閃光炎(デスティニー・ブレイザー)
バスター、1HIT、敵全体へ無敵貫通・防御無視の攻撃。発動時、相手全ての強化状態を解除し、強化1つにつき攻撃力アップ(1T)のバフをかける。


固有スキル
・対英雄EX
サーヴァントに与えるダメージ+30%、???

・魔力吸収
毎ターン攻撃力アップ(1T)、チャージプラス(1T)、確率回避(1T)のバフがランダムで一つかかる。

・ギミック
EXTRAビーストは毎ターンの終わりにHPが全回復、弱体状態を解除。宝具を発動されると強制敗北となる。

『カウンターランス』をチャージ5の際に使用すると、“魔力炉心暴走”が発動。固有スキルが解除され最大HPが10000となり、チャージが毎ターン0まで減少、強化状態が解除、毎ターンスタンがかかる。

味方編成はクー・フーリン(キャスター)、エミヤ(第二再臨)、アルトリア・オルタで固定。全員LV100、スキルマ、宝具マ。

固定スキル『人理の防人』により攻撃力+100%。

マスタースキルと令呪はなし。

マスタースキル扱いで『カウンターランス』が追加。
クールタイム:10
1000の固定ダメージ。相手のチャージが最大で特定のスキルと特性を持つとき、固有スキル全てを解除する。

毎ターン、サーヴァントの援護により攻撃力アップ(1T)、防御力アップ(1T)、宝具威力アップ(1T)、HP回復、NP増幅、回避(1回)付与、スター付与(20個)の順にバフがかかり、

“超人オリオンの援護”バスターカード性能アップ(1T)・無敵貫通付与(1T)・スター付与(30個)

“ロムルス=クィリヌスの援護”攻撃力アップ(1T)・クリティカル発生率アップ(1T)・クリティカル威力アップ(1T)

“マーリンの援護”HP回復(3000)・NP増幅(20%)

“山の翁の援護”確率でスタン(1T)付与

上記四種類の中から一つがランダムでかかる。



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