【 三次創作 装填騎兵エミカス ダージリン・ファイルズ 】 作:米ビーバー
「っあー……畜生」
ずるずると戦車から這い出して、ごろりと戦車の上に転がる。体に力が入らず、心ここにあらずでそのまま空を見上げた。戦車の中では他の乗員がぐったりと地に伏していることだろう。
隣では同じように戦車から這い出して、それでもエリートの矜持か倒れることをせず戦車に腰かけるようにして、それでも精魂尽き果てた様子で背をもたれさせるようにして空を見上げていた。
「―――強かったな」
「あー……あぁ、そうだなぁ……」
圧倒的だった。
それまで“傷を負わないように”牽制に徹していただけのヤークトティーガーが、傷を厭わない攻勢に打って出たのだ。ソミュアに背後を取られても気にしない、攻撃を装甲で受け止めて撃ち返す。損害を考えない反撃の積極性は攻めの回数を増やし、気が付いたらこっちが防戦一方。逃げ遅れた瞬間、3輛の中で最も軽量なソミュアは吹き飛ばされて転がっていた。
歯牙にもかけられていなかった。
それまで【脅威ですらなかった】だけなのだ。
逆を返せば、私たちは『天翔エミに脅威を感じさせる程度には強かった』と自惚れて良いのだろう。だが―――
「―――遠いなぁ」
「ああ、遠い。圧倒的過ぎて今は手が届かない」
独り言のつもりが、押田にも届いてたようだった。押田も同じ気分だったらしく、悔し気な言い方だが―――その言葉に言う程の悔しさが感じられなかった。
「マリー様には感謝しかないな。冬を前に―――良い経験ができた」
「ああ……お嬢のおかげでこっちはまた強くなれそうだ」
全く以て、ウチのトップのお嬢は底が知れない。
押田も私も、今回の経験を経てより成長できるだろうと理解できた。が、それもこれもあのお嬢にとっては『期待値』なのだろう。
スパルタにもほどがあるわな……。
それでも、全くの成果なしではなかった。
今はまだ。だが、それでも『自分たちならいずれ手が届く』と感じられた。
「―――冬季大会、復活するんだよな……?」
「あぁ……リベンジはそこで、だな」
精魂尽き果てた体を無理やり起こして戦車から降りて押田のところまで歩く。あっちもあっちで戦車の上で体を起こした。
「なんだ?歩いて来れねぇのか?温室育ちのお嬢様」
「泥臭い地面は好きじゃないんだ。外様にはお似合いだがな」
からかい半分で皮肉を向けると秒で皮肉を返してくる。こいつは本当にムカつく嫌な奴だ。上から見下ろす形なのも気に入らない。引きずり降ろしてやりたいと思うのも無理はないと皆思わないのだろうか?
伸ばした手が届くギリギリの範囲で立ち止まってグッと握った拳を向けた。
コツンなんてお上品なものじゃない。上等だとばかりにガツンと拳をぶつけ合って、私たちは決意をもぶつけ合った。
> Emi
前略、(顔も微妙に覚えてない)おふくろ様。俺は今―――
―――やっちまったぁ という状態で俺は今装填席で落ち込んでいます。
立ち上がりはゆっくりと―――お互いに距離をとっていたのだ。
ヤークトティーガーが問答無用で弾幕を張らないところに義理堅さを感じてでもいるのか、押田と安藤が一度だけ会釈のように頭を下げた。
実のところ、俺としては正直、瞬殺でカタを付けてしまいたかった部分があった。ほんの数分前、「さぁこれから始めようか!」というタイミングでの【みぽりんのⅣ号とエリカのティーガーⅡの撃破報告が鳴り響く】までは。
例えばこうなってしまった状況がダージリンの長い口上の結果であったりした場合、「無駄にしゃべり倒しやがってこのブリカスが!」とダージリンに八つ当たりするだけで済んだだろう。ダージリンとしてもこっちを怒らせる意図があっての長口上だったのだろうから『願ったりかなったりしてやったりぃー!(CV:杉田』と言ったところだろうし俺が予想以上に冷静にブチギレてボッコボコのボコになったとしても自業自得と言える。(強弁)
だがしかしだ、今回の場合誰が悪いというわけでもないから始末が悪い。
俺が愛里寿の誘いを断るために断髪した結果10分の休憩時間を取ることになったのだから強いて言えば俺が悪い。だから誰も恨むことはできない。状況が悪かったとか、運が悪かったとか、そういうのじゃなくて俺のせいだ。みぽりんとエリカの運命のぶつかり合いを見れなかったのは俺のせいなんだ。とかそんな愚痴をぶっちゃけながらライフルの銃口をしゃぶる欲求に駆られて脳内で実行してるなう。(現在戦闘中)
「―――許せねぇ……」
思わずぼそりと呟きが漏れていた。
ああそうだ。これは“八つ当たりだ”
てめーらのせいでみほエリの決着を見届けられなかっただろっていう、ただの八つ当たりに過ぎない。
だからきっとやった後で本気で後悔するんだろう。
「損耗を気にしないでいい。速攻でぶっ潰すぞ」と車長に言っちまったのも俺である。本当に救いようがないわ。我装填手ぞ?何車長に命令してんだよ俺ェ!
そんなこんなで絶賛テンション最底辺。魂が口から出てる状態である。俺がそんな調子なので車内の空気は最悪です。なんか車長も通信手もめっちゃそわそわしてるし砲手も操縦手も俺の方をチラチラ見てる。いやすまねぇ……やっぱつれぇわ()
―――いや反省はあとにしておかんとな。
ぱぁん!と両手で顔面を張り飛ばす。ややピロシキも含めた一撃だったんで脳がシェイクされて若干クラクラしたが気合は戻った。あとちょっと鼻血も出たんで袖で乱暴にグシグシと拭い落とす。
「天翔さん、まほ隊長の方は―――」
「いや、まほよりも向かうのはアンチョビの方だ」
車長の提案を遮ると信じられないような表情を見せた。いやうんわかるよ?今の状況まぽりんが心配よね?
せやけど工藤。ワイらモブやねん……どうあがいてもみぽりんレベルにまぽりんのサポートしながら戦うことができると思えんのよ……
とはいえそれだけが理由というわけじゃない。
「アンチョビのとこにはカチューシャとノンナ、それにカバさんチームとレオポンがいる。敵はルミとメグミだ―――あの二人が愛里寿に合流したら最悪詰む可能性がある」
原作と違い、落されているのはアズミ。原作厨が「最初にみほの奇策に対応できる可能性があるルミが落されていたのが勝機に繋がった」とか「カチューシャが生き残ったことに意味があった」ともてはやされるように、ミミミの数を減らさないと愛里寿と合わせられる存在が生き残ってしまった場合、合流されたらどんだけパワーアップされるのかわからない。特にルミは原作の方で落されてるからどんな化学反応を起こすかわからん。もしもまかり間違ってスーパー島田人状態にでもなられたら今の不安定なまぽりんじゃ太刀打ちできない可能性が高い。
「あっちの戦力を落として、こっちの戦力を増強する。それを一手で行うにはアンチョビの支援に回る方がいい。安斎千代美は西住まほを助けることができるキーマンだ。できることなら助けたい」
「……安斎千代美が戦略家なのはさっきの一戦で認めます。
ですが、まほ隊長の相棒は我々。そこは譲れません」
難しい顔でむむむと唸りつつそんな風に絞り出す車長。うんうんと頷いてる砲手に操縦手、あと通信手。まぁ気持ちはわかる。中等部からこっち、5年以上相棒やってんだからぽっと出の女に隣譲りたくないわな。(NTR絶許脳感)
でもね車長。俺……まほチョビ派なんだ。本当に申し訳ない
「―――アンチョビ……千代美は中等部の三年目で戦ったんだけど、その時にまほと私が是非にって高等部に誘ったことがあるんだよ。その時は断られちゃったんだけどね」
『隊長と天翔さんのお誘いを蹴った!?』とガタつくメンバーをどうどうと手で制してとりあえず話を続ける俺。
「私たちとは敵として戦いたいんだってさ。気持ちはわかるからそれ以上誘えなかった。でも、千代美はずっと「私たちと一緒に戦った場合」を想定してくれてた。それがさっきの戦いの正体だよ」
「―――だとしても」
「だからこそ、だ」
車長の言葉を遮って強い語気で黙らせる。ここで押し込めば雰囲気で押し切れると踏んで瞳に力を籠める。眼力にちょっと怯んで涙目になってる車長ほんとにすまんやで!許して!後でピロシキするから!
「私たちだけだとまほが『西住流の西住まほ』になる。千代美がいればそれを加味しても作戦を練ってくれる」
「あの―――天翔さん」
おずおずと手を上げる通信手。いつもの様子と違って微妙におびえている。何で?
「この間、決勝戦でも言っていましたけど……『西住流の西住まほ』って、どういう意味ですか?」
「ああ、それは―――いや、移動しながら話すか」
******** > others
「―――なんで?」
呟きは砲撃の音にかき消される。すぐ横を砲弾が通り抜けて地面に着弾、轟音を上げる。風圧に目を閉じることもなく砲撃の先を見据えるのは髪色と同じモンブランカラーの瞳。視線の先には交差するもう一つの視線。
西住まほは答えない、ただ静かに獲物を見据えて“踏”を送る。
ティーガーⅠの動きに合わせて島田愛里寿もまたセンチュリオンに“踏”を送り、動きに対応して独楽のように超信地旋回と慣性ドリフトを組み合わせて方向転換と追走を行う。その愛里寿の様子を視界の端に映しながら、まほはさらに手早く“踏”で命令を与えていく。
「……一人でも貴女はこんなにも強いのに……」
愛里寿の呟きは徐々に力強く、苦渋に満ちた響きを伴っていく。
ドンと衝撃が愛里寿の背後の樹の幹を襲い、砲弾がめり込んだ樹木はめきりと音を立てて倒れてはじけた。至近弾にも揺らぐことなく、愛里寿は“踏”を送る。車長が崩れないのだから、中で車輛を操る者たちも崩れることはない。
「……貴女はたった一人でも十分に強いのに
―――何でエミに寄り掛かるの……!!」
きゅっと結んだ拳に、先ほど分けたエミの髪の房がひとつ。愛里寿の中にあるのは、或る種の恨みにも似た弾劾で―――
「……一人じゃない」
愛里寿の言葉に応えるように、まほは静かに呟いた。
「私は―――たとえ離れていても、今でもエミと繋がっている」
胸の前で拳を握りしめるまほは毅然とした姿でそう言い放った。
愛里寿を真っ直ぐに見つめ返すまほの脳裏に、あの日あの時がフラッシュバックしていく。
ざあざあと降り続く雨。ずぶぬれで膝をつく天翔エミ。
―――立ち尽くすことしか、エミを責めるように問いかけることしかできなかった自分の姿。
あの日、自分から放してしまった手を、浅ましくももう一度取りたいと願った。
ダージリンからもたらされた情報は、まるでエミがこう言っているように思えたからだ。
『私はここにいる。そこで待ってろ』と―――。
しかして、エミはまほの想像通りに勝ち進みやってきた。
まほの考える通りに、まほの行く先に待ち構えていた。
まほが願う通りに正面からの戦いを望んできた。
その全てが何よりも物語っていると、まほには確信があった。
「私とエミの―――これまでの絆は、たとえ多少離れたとしても微塵も揺らぐことはない。今でも、きっとこれから先も」
「―――ずるい」
絞り出すように、そんな言葉が愛里寿から飛び出した。
「―――エミの隣には私がいたのに」
センチュリオンが回る。ティーガーの背後に回るように大きく旋回しながら、独楽のように回転して
「―――エミは私と一緒に島田で過ごしてたはずなのに」
ティーガーの射線を高速で滑り抜け、背後を取られまいと超信地旋回で追いかけるティーガーの速度をやや上回るように滑り抜け、慣性が途切れる前に履帯を沈ませて前進する。
「―――エミと一緒に居られたのは
それはただの恨み言に過ぎない。
けれど起きてしまったことの過失は、愛里寿にはない。だからこそ、愛里寿には現実が我慢できなかった。
そうして、島田家のやらかしたことにどうしようもない捻りを憶えながらも、母親を説き伏せてエミを島田に戻して一緒に居られると―――
―――そう考えていた矢先に、エミのこれから先の人生も奪われていた。
「エミが島田にずっといたなら……」
「たらればを語る意味などない」
愛里寿の妄執にも似た感情を、まほは一言で叩き切った。
愛里寿には愛里寿の言い分があるのだろう。けれどそれはまほにとって切って捨てる程度のものでしかない。もとより、相手の言い分に大人しく従ってやる義理も精神性もまほには無かった。
ひゅぅと一息、呼気を短く細く、肺の中身を入れ替えるように。
そして、まほの眼光と身に纏う雰囲気が変わった。その変化を敏感に感じ取り、愛里寿も恨み節のような言葉を止めて、感情をリセットし静かに速度を落として距離をとった。
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『―――西住流は、“相手より強い戦車を、相手より多く用意して、常に相手より優位を取って戦う”戦法なんだよ』
エミの言葉にフリューゲル隊の面々は先を促すように小さく頷く。エミもその様子を確認して、続きを語っていった。
『西住流において“隊長というのは心臓だ。だからいざという時、自分の隊が撃破されることを避けなければならない”それが精神に刻まれている。
―――でもそれは西住まほにとってマイナスでしかない』
「どういうことですか?」
納得がいかないという様子の車長を手で制して言葉を続けていくエミ。
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戦場は、“側面・背後を取りあうドッグファイト”から“損耗を厭わない撃滅戦”に移行しようとしていた。とはいえ、互いに装甲に微細な傷や小破に届くかどうかといった傷はあったが機能に支障が出るほどのダメージは出ていない。
“今はまだ”互いに互いの射線を見切って、行動から発生する動線上を避けて行動しながら攻撃しあっているからだ。
まほの“踏”を受けて、恐れることなくセンチュリオンに肉薄するティーガーⅠに対し、愛里寿の“踏”を受けて接触を避けながらも射線を残すように信地旋回で対応するセンチュリオン。
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「西住まほは本来徹底した
「ちょ、ちょっと待ってください!!おかしいですよ!?」
車長を押しのけて通信手がエミに食って掛かる。
「隊長は西住流の体現者です。実際に黒森峰中等部ではその実力を発揮して連覇している!」
『ああそうだ。西住流として完璧で、強かった。“だから西住流ではない西住まほは必要なかったんだ”』
言外に「これまで戦った相手が本気の実力を出すほど強くなかった」と言ってのけたエミに通信手も言葉を失った。「まぁそれは理由のひとつでしかないけど」と続けてエミが語りを続ける。
『公式の大会で“西住流の西住まほ”でいるためには仕方がないことなんだ。まほがそうあるべき隊長でいられないなら、まほが受けて来た薫陶をみほも受けることになる』
西住まほは、西住みほの未来のために己を押し殺す決意を決めた。エミはそう言い切った。「もちろん、自分が長女だってことも原因だろうけど」と付け加えてから、困ったように少し笑って見せるエミに、車内のメンバーは言葉を返せない。
『まほが自分勝手に損害を気にせず戦ってるのは、私たちと模擬練習で一騎打ちしてる時くらいだろ?まほは、“西住流としての西住まほでいないといけないから西住まほで居続けている”んだよ』
西住まほは“西住流であることを強いられている”とエミは語る。
『まほもみほも、西住流の“軍勢を率いての戦い”ができるけど、それよりも西住流にそぐわない戦い方ができるし、多分そっちの方が本当は得意なんだよ』
そのエミの言葉に対し、
「―――それは、違いますよ」
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センチュリオンの砲撃を紙一重でかわし、装甲表面と砲弾の外殻がこすれ合って悲鳴を上げる。ティーガーの装甲表面に痛々しい擦過傷のような傷痕がまたひとつ刻まれた。お返しとばかりに放たれた砲撃をセンチュリオンは独楽の動きで受け流し、履帯側面を護るシュルツェンの一部が軋みを上げ、砲弾の衝撃を受けて後方に下がりながらグルグルと回転するセンチュリオンの上で、愛里寿が視線を揺らすことなくまほを睨んでいた。
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そのエミの言葉に対し、しかし「違う」と声をあげたのは
「―――それは違いますよ、エミさん」
声を上げたのは―――操縦手の少女だった。
心折れて辞めようとしていたところを助け上げられた。悩みを笑い飛ばされ立ち直ることができたその少女は、憧れとともにずっとずっと二人を見続けていた。逸見エリカが西住みほを見続けていたような距離で、天翔エミを、西住まほを、ずっと。
「隊長が西住流を捨てていられるのは、フリューゲル隊が―――エミさんがいるからです。ヤークトティーガーの援護があるから自由に羽ばたくことができる。一人なんかじゃありません!!隊長はいつだって、私たちを背に戦っているんです」
「あん人が本当に求めとんは、安斎さんじゃなか」
車長がエミの肩をぐっと掴む。
「―――あん人が今一番来て欲しいんは、天翔さんに違いなかっと」
ぎゅっと力強く両肩を支えてエミの瞳をのぞき込むように告げる車長に
「―――わかった。まほのところに向かおう」
降参だとばかりに両手を上げたエミがやれやれと息を吐いてそう告げたのだった。
******** > Emi
どうしてこうなった……orz
俺がチョビをヨイショしすぎたせいかフリューゲル隊のみんなが意固地になってしまったんでどうにかこうにか説得をしようと努力してみた。途中通信手の子がまぽりんのことについて聞いて来たんでこれ幸いにと今のまぽりんが俺のせいでどんだけとんでもない突撃仕様になってしまったのかを訥々と説明してみたんだが……
―――だが駄目……ッ!!俺、人望、ナシ……ッ!!
長年一緒にやってきたパートナーを自負するメンバーの方々に団結されたら、所詮いち装填手に過ぎない俺だけが説明してもどうにもならなかった。かといって俺一人戦車飛び出してチョビのとこに向かってもヤークトがただの置物に成り下がるだけで全く意味がねぇ。かといって「俺はまほチョビが見てぇんだよ馬鹿野郎」とも言えるわけがない。結論!詰んでる!!
嗚呼、畜生――――人生は本当に“こんなはずじゃなかった”ことばっかりだよ……!!
とはいえここでジーっとしててもドーにもならねぇ。チョビの方はカチューシャもいるし粒ぞろいの連中が揃ってるし、運を天に任せるしかないとして、まぽりんのとこに向かう方向に調整して俺が折れることにした。
神様仏様ドゥーチェドゥーチェ!どうか他のミミミを撃破してアンチョビが颯爽と王子様ムーブしてくれますように!!(祈り)
そんな他力本願な考えで両手を組んで瞳を伏せて真摯に祈る俺の姿をヤークト内部の他のメンバーがどう見ているかなんて、その時の俺には考える余裕なんぞ全くなかった。