【 三次創作 装填騎兵エミカス ダージリン・ファイルズ 】 作:米ビーバー
初投稿です(今年は)
――月――日
大洗学園艦を降りて、独逸へ向かう。
桃ちゃんに「誰にも言わないで下さいね」って約束したはずなんだが秒で会長にバレていた件。ほんまにもう桃ちゃんは駄目だなぁ(いいぞもっとくれ)
「天翔ちゃんにはお世話になったからきちんと見送らせてよ」
って言われたら何も言えねぇじゃん。
一応みぽりんやエリカには内密にとお願いしたし多分大丈夫だろう。
――月――日
陸で荷造り。何故かフリューゲル隊のみんなで(謎)
なんか車長と通信手の二人は黒森峰に戻るために下野。操縦手と砲手は一時下船手続き申請したらしい。
「天翔さんが居なかったらヤークトの装填手がいませんし」と言われても……普通に二人装填手探したらよくね?(正論)
夜までかけて荷造りを終えたし、これが今生の別れかもしれんしで皆でノンアルでめちゃくちゃ
もう車長のエンドレス愚痴説教もないと考えると寂し―――いや、やっぱつれぇわ……。
――月――日
独逸に到着。住むとことバイト先を探し回り生活基盤を整える。
まぽりんが留学する予定の学校の戦車道科に編入されたのでとりあえずみんなの前で挨拶。
「ここはガキの来るとこじゃねーぞ
とかガタイの良い独逸女子にめっちゃ笑われた件。
そらそうよね。俺みたいなロリペド体型のちっさい小娘が「戦車道、やります!」とかそらガタイとタッパのある外国人にとっちゃ笑いものだよな。HAHAHA!
「こんなのが相棒とか
あ゛?(重低音)
――月――日
やりすぎてしまったかもしれん(だが私は謝らない)
――月――日
なんか独逸の戦車乙女たちから【
なんでや??
――月――日
独逸戦車道のあれやこれやはそれなりに学んだ。まぽりんが来てもスタートダッシュで出遅れることなく俺が引っ張ってけるだろう。
大饗宴の結果一か月半くらい編入が遅れてるからなぁ……少しでも取り返せるようにせんとね(使命感)
あと最初に喧嘩売ってきた独逸淑女とチームメイトになった。
「日本ではヤークトに乗ってた」と言ったらヤークトティーガーのメンバーに引き合わされたんだが、それがこないだのだったというアレだった。
戦車道選手としてはかなり良い部類らしい。レギュラーメンバーの一人なんだとか。
――月――日
(戦車で)タイマン張ったらダチっしょ(脳筋理論)
一応ボッコボコにしたのもあってこっちの力量を認めてくれたっぽい独逸女子。
名前聞いたら「マチルダ」だっておwwwwww
いや人の名前を悪く言うつもりは一つもない。ないけどよりにもよってそれかい!!が正直な話。世界に渡っても俺はブリカスっぽいミームから逃れられんのかもしれない。とか言ってみる
それはそれとして親睦を深めるためにドイツでも『
飲みニケーションは世界共通、総てを救う。はっきりわかんだね。
――月――日
遅れること約半月、まぽりんがドイツにやって来た。
――月――日
危うくあの世が見えたかと思ったぜ!
やはりまぽりんも人の子よ。心細さから同郷の人間に出会って感極まった結果
全力ハグを実行してしまったらしい。この展開は見抜けなかった……このエミハクの目をもってしても……!!
――月――日
しってた(笑)
********
「西住流を修めております、西住まほと言います。個人的な都合により留学が間に合わず編入となりました」*1
ピシリと背筋を伸ばして自己紹介する西住まほの姿に、目じりの辺りを指で梳いて生温い表情で眺めている天翔エミ。
ともあれ、その表情は次の瞬間凍り付くのだが
「――多少言葉が足りぬのは許してほしい。その上で、時間が惜しいのでドイツの戦車道がどの程度か知りたいので、模擬戦の相手をお願いしたい」
そう宣言したことでざわつく周囲を睥睨するように眺め見て、西住まほはさらに続けた。
「――乗員は問題ない。黒森峰でともにティーガーに乗っていた面々を連れてきているし、ティーガーⅠも黒森峰から持ってきている。留学中に共に轡を並べて争う者たちは、戦っていれば見繕えると思われるだろうと信じている」
ざわつきが敵意を含んだ視線に変わったが平然と無表情で淡々と言葉を続けていたまほの様子に天翔エミと同じ車輛に乗り込むメンバーが一斉にエミを見たが、エミは顔に手を当てて「あちゃー」とでも言ってそうな様子のまま、「はぁ~~~~~」と長い長い溜息を吐くと。
「―――悪いみんな、一緒に地獄見てくれ」
何もかも吹っ切ったような笑顔をメンバーに見せて、そんな風に声をかけると
―――西住まほの隣に立った。
「―――えー……まほが言葉足らずで申し訳ない。でもまぁ間を取ってってなると滅茶苦茶めんどくさいので
―――試合しようぜ!!」
********
――月――日
なんとかなった(こなみかん)
流石に2輛VS残り全部とか無理ゲー過ぎた。
半分くらいはどうにかなったけどその時点でもうボッコボコのボコでろくに動けなくなっていて、飽和砲撃を喰らってジエンドであった。
そんで負けたはずのまぽりんと言えばクッソキラッキラの瞳で勝者として負け犬のツラを拝みに来た性根の悪い方の連中ににこやかに話しかけては「素晴らしいな」を連発しつつ爽やかさ5割増しのイイ笑顔で話しかけてるため相手めっちゃ戸惑ってた。ウケるwww。そのままの勢いで「もう一戦!いいだろ?なっ?」と繰り返してるんで焦り散らかした独逸少女たちがあの割かし良いガタイで及び腰になってるの地味にじわる件。
この後滅茶苦茶【
――月――日
渡独から早3か月程。暦は12月末。日本ではそろそろ大晦日でみぽりんたちが生徒会代替わりの打診を受けてるころだろう。ドイツでは冬に行われるEUリーグのための準備期間。所謂「国内予選」というものが行われ、まぽりんも俺も普通にレギュラーとして選抜されてたりする。
「テンチョー!!飯行こうぜー!」ってナ〇ジマみたいにやってきて飯を一緒するダチ公もできた。なお俺とまぽりんはセットが当たり前状態と認識されているようなので必然、三人での飯になる。
その辺チョビとメールしてる時に話題に出したら「へぇ~~~」とクソデカ感情を感じさせる文面が返ってきた。あぁ~~~まほチョビを感じさせますねえ~~!
――月――日
同じ学園のメンバーとも打ち解け、よっしゃEUリーグいっちょ優勝してやっかぁ!と気合を入れ直して――――
―――は???????
……馬鹿な……!!ありえない……ありぃぇえなあぁぁぁぁぁい!!!(闇のゲーム感)
*******
――EUリーグ予選。
欧州を股にかけた割と大々的な大会―――なのだが、欧州での戦車道ってのは国によってまちまちで、貴族のいざこざを解決するためのレース的なものに落されたり、サロンでの話題作りに自分の手持ち戦車を「すごいぞー!かっこいいぞー!」するためのものだったりする。そんな中でドイツはどちらかというとガチな方なので、EUリーグってのは大体ドイツとかノルウェー辺りが勝利するようにできてるらしい。
―――らしいの、だが……
「――ごきげんよう。未来の英国代表として御持て成し致しますわ」
「……なんで?」
目の前でカーテシーをキメて恭しく一礼してるブリカスを前に思わずそんなことを口にしていた。
ナン・デ・ダージリン?なんで?なんでなんで??
「英国留学を早めましたの。大学戦車道の前に、留学制度を使って英国の高校戦車道を体験して知見を深めるために、ね」
「無限軌道杯は!?日本で復活したよなぁ?!」
そうだよお前何英国に渡ってんだよブリカスが!!お前聖グロの不動のセンターポジだろうが!
そんな気持ちを込めた絶叫染みた声に目の前のブリカスは―――
「貴女のいない大会に、意味があると思って?」
そんな風にさっくりと突き返してきた。
「あるだろ……っ!!こう、なんかこう……そう!聖グロリアーナとしての矜持的な!!」
「矜……持……??」
そこで首をかしげてんじゃねぇよブリカスが!いいからとっとと国へ帰れよ最終章にダ-ジリン抜きとかありえねぇだろ!!
そんな感じのあれやこれやの感情を、フシャー!と威嚇する獣のように全開で向けてみるも、目の前のブリカスはどこ吹く風。
「矜持も何も……聖グロリアーナの矜持はもう既にオレンジペコとローズヒップに伝えておりますし……隊長に関してもアッサムがいる以上遅れは取りませんわ」
そんなことをしれっと言い捨ててにこやかに微笑んで、その瞳が一瞬でスッと睨むように細まった。
「―――貴女が言ったのでしょう?【独逸戦車道を学んでもっともっと強くなる】と。
……それを、私が。このわたくしが、黙って見過ごしていると思っておりましたの?」
どこからともなく取り出したカップの中身をくっと傾け、にっこりとほほ笑むダージリン。にこやかな中に確かな“圧”を感じる。『ゴゴゴゴゴゴゴ』だの『ドドドドドドド』だのそんな感じの効果音が背後に見える感じすらする。
「貴女が海外でより強くなるというのならば、私もまた、海外で追いつくために強くなりましてよ?日本という後進国でちんたらと研鑽していたのでは、追いつけなくなってしまいますからね」
人差し指をピッと立ててこっちを指さしてくるブリカスに、過去の発言を思い返し、それが獄大の地雷だったことに今更ながら気づいて脳内で頭を抱えていた……。
そんな風に脳内で頭を抱えつつ現実では呆け切っていた俺に、目の前のブリカスがさらなる爆弾を投下した。
「カチューシャも今頃ロシアの学園で自分の手駒を作ってEUリーグに殴り込みをかける準備をしているところでしょうね」
「―――――はぁ!?」
なにいってんだおめぇ?……いや待て冷静に行こうKOOLだ、KOOLになれ天翔エミ。最近肉体の寿命がわかったし身体が思ったよりボロボロで、戦車の中で速射装填による連続砲撃なんかやってんだし耳が思った以上にヤババババなことになってたんだろう。そう、これは聞き間違いであろう(希望)
「いやぁ、済まないダージリン。ちょっともっかい言ってくれ。カチューシャがどうとか聞くはずのない名前が聞こえたんだが」
「ええ。ですからカチューシャもロシア留学を早めてあなたたちと戦う時の下準備をしているはずでしょうね、という話ですけれど」
「……なんで?」
脳内が「???」で一杯なんだが?どういうことだ!?説明しろダジ木ぃ!!!
「ああ、そうそう。メッセージを受け取っていたのを失念していましたわ」
こっちの思考を読んだようにポンと手を打ってからそう言って、居住まいを正した。
「――コホン。
『エミーシャ!マホーシャ!首を洗って待ってなさい!負けたままじゃ終わらないんだからね!』 と、言っていましたわ。愛されてますわね」
ニコニコとそんな風に言うダージリンになんか感じ入った様子でうんうんと頷いているまぽりん。そんな様子も目に入らないくらい、俺は今混乱しまくっていた。
――え?ダージリンだけでなくカチューシャも海外来てんの?これ最終章どうなってんの?いやいや待て待て前向きに考えろ。ポジティブに至るんだ!ライバルが減ったってことは予選の間がかなり楽になる。つまり決勝戦で黒森峰との対決が盛り上がり最高潮ってことだろ!?だよな!?
「英国戦車道に日本の風が混ざってきていますし、ドイツ一強もこれまでと知りなさいな」
「偉そうに言ってくれるな。お前さん一人でどうにかなるってのか?」
やや当たり強めになってしまったが俺としては「ダージリン独りで何ができんだ?」って話だしさっきから消化しきれないくらいの情報量でぶん殴られて色々混乱していたので全く余裕がないのである。
―――ひとりじゃ、ないよ?
背中から声がかかって、同時に服の裾をクイクイと引っ張られる。
次の瞬間、ぐるんと視界が天地を一周していた。後で知ったことなんだが、脅威を感じた瞬間に動いたまぽりんが、俺の手を取って柔術の“崩し”と“投げ”の技術の応用で俺を雑に振り回しながら背後に隠したらしい。
「―――この間ぶりだね。エミ」
そこに居たのは、あの大会からこっち全く会うことが無かった島田愛里寿だった。
「ダージリンからお話、聞いたんだ。エミが海外でまた無茶しようとしてるって……」
「“お願い”の中に島田愛里寿の名前はありませんでしたし、渡英後のコネクション繋ぎに島田家は重要なパイプになりますから」
表情を隠すようにして扇子を広げて目を背けるダージリン。おう何目ぇ逸らしてんだよブリカスが、お前責任とれよお前なぁおいお前―――!!
「高校戦車道で慣らして、戦力を作ってからもう一回勝負しようね?半年後になるかな…?」
半年後にまぽりんと血で血を洗う争いが再開するのが確定したんだが!?おいそこで目を背けてるブリカスぅ!!お前責任とって愛里寿の手綱握れよぉぉぉぉ!!!
抱っこしたボコぐるみの手を振って「またね」と背を向けて帰っていく愛里寿を見送ってその場で静かに崩れ落ちる俺と対照的に新たなライバルの出現に好戦的に不敵に微笑んでいるまぽりん。めったに見ないレア表情尊い。
いやそうじゃないんだよマジどうなるんだよ今後……!!
「―――どうしてこうなった……?」
次回、えぴろーぐ()