【 三次創作 装填騎兵エミカス ダージリン・ファイルズ 】 作:米ビーバー
大洗に補給のために寄港する。
久々の地面で浮足立つ感覚を抑えつつ、しっかりと踏みしめ―――
―――さおりんがめっさ浮足だっていた。
「―――急ごう!みんな!!」
―――というか燃えていた。眼がこう、メラメラと、メラミを超えてメラゾーマレベルで―――
―――デジャビュを感じる(ぐだ感)
「あの―――沙織さん!?一体何!?何があるの――――!?」
猪突猛進なさおりんにズルズルと引きずられるようにして大洗の街並みを進まされていくみぽりん。
「―――早くしないと、良い感じのコーデがなくなっちゃうでしょ!!」
――――――コーデ????
「沙織さん?!あの、何!?何の話?!」
「なにって!決まってるでしょ!!
―――――2月14日だよ!!!」
――――――ああ、あったねそんなイベントデー(デジャヴ)
【 装填騎兵エミカス ダージリンファイルズ 】
『EXTRA MISSION 【2月14日――――です????】』
2月14日。それは女の子たちの戦いの日。聖ヴァレンタイン・デー―――!
「―――え?あ、うん。それもあるんだけど」
―――はい?あれ?ゼクシィ武部殿??さおりん??あれ??
「―――あれ?バレンタインじゃないの?」
「うん。まぁ、チョコレートに関してはもう用意してあるし」
―――え?じゃあ何?何があるん??
「あの……沙織さん?バレンタイン?じゃあないとしたら、一体―――?」
手を挙げておずおずと尋ねるみぽりんに、さおりんが『良くぞ聞いてくれましたぁ!』とばかりにくるッとターンしてびしっと指を突き付けてみせる。
「―――今日はね!2月14日ってことで、下着売り場に行きまーす!!」
・・・・・・・・・・・・なんで?(素
もしかしてアレかな?バレンタインデーにパンツ贈りつける謎のギフトがあったけど、ああいう変化球狙ってるのかな?かな?
俺の中で微妙に黒いモノが渦を巻き始めたころ、ふと俺の後ろから付いて来ていた秋山殿が「あっ」と声を上げる。
「もしや武部殿……本日があの日だとご存知なのですか!?」
知っているのか
「あの日?―――秋山さん、あの日って?」
みぽりんの問いかけに「はい!」と声を大きくお返事した秋山殿は―――
「本日は2月14日、日本ふんどし協会が認めた「ふんどしの日」であります!」
―――秋山殿の声は良く通る腹式呼吸が利いた素晴らしいものだった。
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「す、すみませぇん……」
「え、ええと……わ、わたしもごめんなさい……あんな恥ずかしい事大きな声で説明させちゃって……」
しょんぼり秋山殿とそれを宥めつつ自己嫌悪モードなみぽりんが後ろから、前を先導するのは武部殿で、なんか心なしかウキウキしてる様子の華さん、我関せずのまこりん―――と、なんか店の入り口で出会った二人。
「赤フン赤フン!!歴史的に見ても日本人ならば赤フン一択!真田六文銭のマーク入りのコレこそがな!!」
「いや、紋入りというなら腹掛け付きで黒フンも捨てがたいぜよ?」
カバさんチームの歴女ーズから日本鯖―――もとい日本軸の歴女、おりょうさんと左衛門座がエントリーしていたりする。
「もっとこーかわいいのがいいってぇ!絶対!!」
対抗馬、武部殿もノリノリの二人に押され気味である。
しかしまぁ、フンドシ―――所謂「パンドルショーツ」ってのは、実のとこ一定の需要がある。
腰の紐で締め付けを調節でき、股下も布の引き締めで調節できる。締め付けるも緩めるも、慣れてしまえば割と楽で、着脱がしやすいという利点がある。
―――何より、動きやすいのだ。
女性用のショーツってのは簡単にずらせないようにゴム部分が強めにしてあったり、よりピッチリと肌に吸い付く着心地を持たせるためにわざと小さめに設定してあったりと、オーダーメイドでもない庶民用の品物は、各自の身体的特徴に合ったものになかなか出会えない。必然的に、肌に合わない下着なんかを装着した日にはゴムが食い込む下着が食い込む、またはずれてずれてお宝映像待ったなしという有様である。
この「締め付けるゴム」ってのは身体的にもよろしくないらしく、腰周りの重要な毛細血管などを圧迫するため足のむくみ、血行の淀み、それを原因とする生理不順や末端の冷え性にもつながることがあるらしい。
そんなこんなな脳内情報の整理をしつつ、いつぞやの(OVA「ウォーター・ウォー」参照)水着ならば何でもそろう!アウトレットモール へとやってきた我々であった。(特派員感)
『今!レディース褌がアツい!』
と銘打たれた一角があり、そこに大小様々なサイズ、色、材質の褌が所狭しと並んでいた。
これを見た時私は思ったんですよ。ええ。「日本終わってるなぁ」って(インタビュー感)
「一口に褌と言うとしても、様々な褌の種類がある」
唐突に語り始めるのは左衛門座。片目を閉じて斜に構えたポーズのまま、なんか語り始める。
「古くは戦国時代では褌を付けているかいないかで身分の良し悪しを見分けていたとも言われている。かの前田慶次も「褌だけはいつも綺麗にしておけ」と小姓に語っていたと言う話も伝わっている。褌という漢字が「衣」に「軍」と書く様に、フンドシは戦場に赴く男の戦闘服に由来するわけだが、元々女性も褌を着用しているものは多かった。古くは『日本書紀』までさかのぼることができる程だ」
テクテクと陳列棚を歩きつつそんな説明をするんで左衛門座がまるで売り場紹介してるガイドさんにしか見えなくなってきたという不具合。早く修正されて、どうぞ。
「褌の語源もさまざまであり、真田庄のあったあたりは長野なのでふんどしのことは「モッコ」と言っていたりもする」
「土佐では「フゴメ」などと呼ばれたりするぜよ。土地ごとに呼び方は様々、ぜよ」
そんな歴女の歴史トーーーーーーク!!!!を尻目に
「ねぇねぇ!これ可愛くない!?」
「こちら、動きやすそうです!」
キャッピキャッピした空間を作る武部殿と華さん―――とそれに挟まれて着せ替え人形待ったなしのまこりん。南無南無……
「じゃあ、皆で試着してみよっか!!」
――――はい?
「さっ!エミりんはこっちね!!」
―――――は?????
あれよあれよという間になんか試着室に押し込まれ、手には一枚の布切れ。
―――着ろと?これを?俺に?
いや別に褌締めるのが嫌なわけではないのだが―――白地に尻のとこに猫がプリントされてるお子様パンツさながらの褌ってどこに需要あんの???(謎
とはいえ、皆やってる状況で、今更逃げるタイミングを完全に失った今、着替える以外の選択肢などないわけで……
覚悟を決めて、着装!!して
「できたー?」
「え?あ、ハイ。一応ー」
「そんじゃ見せっこしてみよっか♪」
―――待って(震え)
え?この向こう側にみぽりんたちもいるの?褌締めてるの?
そんなん見た日には俺、この目をツブさなきゃならんでしょ。
むしろ見る前に自害せよランサーのレベルでしょ?
―――ダメでしょ?色んな意味で
「いくよー」
「ちょ、ま――――――――」
手でカーテンを押さえて一旦タンマを言い出したい俺のパゥワー(巻き舌)と、さおりんの勢いをつけたパワーは拮抗し、
カーテンレールを引きちぎって試着室のカーテンが無惨に床に転がるという結果で幕を閉じることになり―――
「―――――エミりん、何で直に履いてるの?」
―――スパッツの上から褌を試着したみぽりんたちがいた。
―――そら(普通お店の商品を試着するんだから)そう(やって直に履いたりするわけない)よ。
――――カシャーカシャーカシャーカシャー
時が止まったかのような空間で、ぼんやりと何か熱病に浮かされた様な顔でスマホの写真撮影ボタンを連射するみぽりんと、同じくぽやーんとした顔でこっちを見てる秋山殿を視界に収めつつ―――
―――スパッツの上からでもこの光景はアカン気がするし、帰ったら指全部逝こう。
そう心に決める俺だった―――。
後日。
この時撮影された天翔エミのあられもない姿が黒森峰学園艦のエリカの下へ転送され、黒森峰の内部で噂話やあらぬ妄想、賢者モードに至る業の深い淑女を生み出す要因になっていることを、幸運にも俺は知ることなく生涯を終えることになるのだが――――それはまぁ、随分先の話しである。
間に合わなかった……orz