【 三次創作 装填騎兵エミカス ダージリン・ファイルズ 】   作:米ビーバー

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脳内に浮かんだ小ネタがそこそこいい文章量になってたのでこっちに書き出してみる


そろそろ本編急の章も完成させないとなぁ……と悩むけど古戦場始まった紬ダーマ!!(




・今回の話は『 IF おまけ②ルート異聞 』とセットで読んでみるといいかもしれません


【 ②ルート異聞小ネタ とあるモブ生徒の昇格(プロモーション) 】

――月――日

 

 

ついに!やってきたわ!聖グロリアーナ女学院!!

憧れだった紅茶の園!!麗しのお姉さま方!!スカートの裾は翻らぬように

優雅に華麗に上品に!淑女たれ!

 ここから私のサクセスストーリーが始まるのよ!!

 

―――入学前に気合を入れて門をくぐろうとしたらすぐ横を死んだ魚のような腐って濁った眼をした子供がトボトボと意気消沈した足取りで講堂へ歩いていった。

 どこかの生徒の妹か誰かかしら?でもここの服を着ていたわね……?小学校までは陸で通うのが習わしだし……もしかして生徒?

―――いやいや、いやいやいや……あんなちびすけに何ができるって言うのよ……?

 

 

 

 

――月――日

 

 

上級生の方々はやはり素晴らしい。麗しい歩み、尊いお姿、優雅な立ち居振る舞いはまるで貴族の様―――。

 

 寮の部屋で夜空を見上げていると空を舞う謎の影を見た。怖い―――

 

―――嘘じゃないわよ!本当に見たんだってば!!

 

 

 

 

――月――日

 

 

早朝のいい雰囲気でランニング。朝のトレーニングに最適な環境ね!素晴らしいわ!鳥たちも祝福しているよう―――!!

 

―――壁を蹴って張り出したベランダを蹴って、蹴って蹴って蹴って蹴って屋上まで飛び上がる小さな影を見た。

スパイディ!?スパイディなの!?しかもあの影、夜中に見た人影じゃないの!?

人体ってすごい―――!!

 

 

 

 

――月――日

 

 

あの上級生筆頭のお姉様に新入生のみそっかすが連れていかれていた。

なんなのあの子!?ありえないわ!皆の憧れであるお姉様がたの中でも―――多少!そう、多少他と毛色が違うとはいえ上級生のお姉様に取り入ってレギュラーの座を射止めるなんて!卑怯者!!

 

 

―――――何なのあの戦車……ありえないわ……ありえないわよ……何なのあの連射速度!?ええい!新入生のちびすけ、実はサイボーグとかそういうオチなの!?

 

 

 

 

――月――日

 

ちびすけに「烏帽子名」が付いていた。烏帽子名が付いたという事はレギュラーの座が約束されたも同じことだ。全く―――卑怯な女ね!しかも何!?―――戦乙女(ブリュンヒルデ)とか何なの!?カッコいいじゃないの!!

 

レギュラーメンバーの名前にあのちびすけの名前が載っていた。頭にくるわ……

依怙贔屓でレギュラーになったと周りは皆噂している……戦車道は甘くないのよ!

模擬試合で目にものを見せてあげる!!

 

 

 

 

――月――日

 

 

あのちびすけと同じ車輛に配属され、試合を行うことになった。直接戦闘で目にものを言わせてやることはできなかったけれど、こいつの不甲斐ないところを上級生にも見せつけてやればみんなの目も覚めるでしょ

 

―――あれ?その場合負けるのは私の車輛で―――?

 

 

―――――なにこの娘、怖い。片手で砲弾を掴み上げて、実質3秒もかからずに次弾装填を終えてる―――

ああもう!何なのこの子!化物なの!?他のメンバードン引きしてるんですけどぉ!?何で淑女の学院に野生のゴリラがいるの!?おかしくない!?

 

 

―――試合の後で撃破された車輛の車長をしていた上級生がライバルとして認め、宣言していた。―――いいなぁ、私もああいう戦車道小説みたいな出会いをしてみたい―――

 

―――ちびすけが土下座してた。なにあれウケる―――w

 

 

 

 

――月――日

 

 

紅茶の園の先輩方との交流会。優雅で華麗で淑やかに―――貴族の立ち居振る舞いで威のあるお姿。私もいつかあの場所に立てるだろうか―――?

 

あの子が「ブリュンヒルデ」として先輩方に紹介されたらしい。あの子を烏帽子子として召し抱えた先輩は紅茶の冠名【アールグレイ】を授かり、戦車道大会中等部の部に出場するらしい。

 

周りのただ陰口を言うだけの子たちと一緒の境遇に成り下がるつもりはない。

私だってあの娘と同じ場所に立ちたい。レギュラーの座をつかみ取って、そしていずれは紅茶の名を冠する冠名を戴き、聖グロリアーナの名に恥じぬ戦いをするのだ―――!!

 

 

 

 

*******

 

 

 

 

――月――日

 

 

ダージリン様はいつも優雅で華麗だけれど、彼女と接するときだけは普段と違う反応をする。

それは、私たちにはできない所業で、彼女の破天荒さがそうさせるのだろう。

 

 そこは、少しだけ、うらやましい―――。

 

紅茶の園に呼ばれた。ドキドキする。一体何があったのかと思うと、怪訝そうな顔の彼女を連れたダージリン様が、アッサム様、オレンジペコ様、ローズヒップ様と一緒に居た。オレンジペコ様とローズヒップ様は正確には年下なのだけれど―――紅茶の名を戴いている関係上、様をつける習わしになっている。まだ中等部なのに、すごい。うらやましい。

 

 

 

「―――貴女に、紅茶の名を冠することになりましたの」

 

 

 

ダージリン様から要件を告げられ―――る?

 

 

 

 

―――え?嘘?本当に!?

 

―――やった!やった!!やった!!!憧れの紅茶の園に!私の努力は報われたんだ!嬉しい!私は今日この日を決して忘れない!!ええ、決して!!

 

「―――貴女なら彼女にどんな紅茶の銘を付けるのかしら?天翔エミ」

 

水を向けられた彼女は、じっと私の顔を見て―――何かに気付いたのかぽんと手を打つ

 

「―――」

 

それが私の紅茶銘(ソウルネーム)。紅茶の園の一員である証―――。なんと素晴らしいことか!

ああ今日のこの日よ!素晴らしき日を称えよう!

 

 

 

 

********

 

 

 

 

――月――日

 

 

ぱたんと日記帳を閉じて目を伏せ想いを馳せる。

あったあった。こんな日確かにあったわー、と思い出しつつ―――当時の想いを再確認した。

 

本日は戦車道高校生大会一回戦―――。私の高校生デビューと言っても過言ではない。気合を入れなおさねば―――

 

「ルクリリ?」

「はひゃいっ!?」

 

耳元で掛けられた声にビクリと身を震わせる。『戦乙女(ブリュンヒルデ)』天翔エミ様がそこに居た。様を付けると「様を付けるな様を」と謙遜するように窘めて来る不思議な少女。見た目は小学生そのものなのに、怪力無双という謎の存在―――。

 

「寝ぼけてる暇はないだろ?戦車の調整、もう始まってるぞ」

「あ、はい!ただいま―――!」

 

PJを羽織り、ボタンを留めて準備完了。部屋を出ると部屋の外で彼女は待っていてくれた。紅茶の園の現トップ、アールグレイ様と、次期トップ筆頭のダージリン様から信頼篤いという立場であるのに、名無しにも気さくで分け隔てない彼女は、入学当時のレッテルと違い、今ではすっかり場を和ませる存在であり、太陽の様に必要とされている存在と言える―――。

 

「どうした?」

 

私の顔を見上げる彼女と目が合った。じろじろと見てしまっていたようだ。いけないいけない、不躾すぎたわ―――反省反省。

 

「―――昔を思い出していました。まだ私が名無しだったころの」

 

「へー」っと気の無い言葉。私に気を配る余裕は無く、きっと大会のことを第一に考えてらっしゃるのだろう。本当に戦車道に対しては真摯で全力な御方だ。

 

 

 

―――私もいつか、この人の様になれるだろうか―――?こんな風に、戦車道に真摯で、一途で、全力で―――

 

 

 

「それで?何を思い出してたんだ?」

「うぇ!?え、その、ええと―――」

 

考えを読まれていたような気がして咄嗟に返答ができず慌てた私が口に出したのは―――

 

「―――その、―――何故私に、ルクリリという名前をくださったのです?」

 

そんな質問だった。

彼女は私の質問に、少し考えるような顔を見せた後

 

「―――ルクリリって顔をしてたから」

 

そう答えて「調整やったら、ミーティングが始まる。急がないとダージリン(あれ)が喧しいぞ」とスタスタと歩いて行ってしまう

 

「―――何ですかその理由――――」

 

彼女の背中を追いかける。

胸の内に落ちて行ったその「理由」に、何故か気持ちが軽くなった気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――胸が高鳴ったりしたのはたぶん、不敬ではないはずですよね?ダージリン様のお気に入りですし?横からかっさらったりはしませんし?でもほら、烏帽子子みたいなものですし?親が子をかわいがる的な感じでお言葉を戴けたりとかそんな感じの師弟関係?みたいな?その―――(以下略)

 

 

 

 




当時を振り返るエミのコメント

「いや、後田さん(仮)の顔見た瞬間「あ、こいつルクリリじゃん」って気づいただけだし」




昇格(プロモーション):チェスでポーンが盤面最奥まで進んだ際に好きな駒に進化できるルール。大体普通はクイーンにするのでポーンがクイーンになるルールだと勘違いしてる人が多い(偏見)
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