【 三次創作 装填騎兵エミカス ダージリン・ファイルズ 】 作:米ビーバー
島田千代は悩んでいた。
ハァと儚げな様子でため息をひとつ。未だ若々しい30代経産婦には見えない美女のアンニュイなそれは見る者が居たら魅了されるもののひとつだろう。
そんな千代の前には一枚の書類。
『天翔エミリ』と書かれたその書類の内容に、彼女はどう決断すべきかを悩み続けていた。
「……そうね。百聞は一見に如かず、とも言うし―――」
千代はむむむと悩んでいた様子から決意を新たにした瞳でゆるりと立ち上がり
「―――会いに行ってみましょうか……本人に」
―――結論から言うと、俺はみほエリを守護れなかった。
みぽりんは単身赤星さんを救うために激流に身を任せ、エリカは桟道を征くみぽりんの後背を護るために殿にいたため状況の把握ができず、【西住みほがフラッグの指示を捨てて滑落車輛を救うために勝手に飛び出した】としか認識できていない。
俺がそれをどうにか是正できればよかったのだが―――俺氏、西住本家……というかぶっちゃけしぽりんからの自宅謹慎命令により寮内にゆるやかに軟禁状態。学校へ登校すら許されていない。一方でまぽりんみぽりんも同じ処遇らしくお互いに連絡も取り合えない。これを見た諸君らの反応はどうだろうか?
―――これ【容疑者への取り調べで口裏合わせられないようにしてるやつや】って思うじゃん?俺はそう思った。
現実的に考えれば俺が悪いってことでFA。他の面々が何言って居ようと「俺がやったんです!」で押しきれないかなって思ってた部分はある。でもこの状況では不可能……ッ!!圧倒的、不可能……ッ!!
というわけで、西住のお膝元である熊本の地に寄港し皆が下船するタイミングを見計らい―――俺は黒森峰を出奔した。
取り調べを受ける前に軟禁状態から抜け出して陸に上がり全てから逃走してしまえば「やはりあいつが悪かったのだ」という結論に至りやすいし、なんなら西住流という看板的に考えて家元(予定)の娘二人の経歴に傷がつくのはどうかと思ってるだろう西住流の重鎮の方々も俺に罪を擦り付ける下地ができて万事ニッコリやろ。
全方向!ヨシ!!(現場猫状態)
*******
――月――日
とりあえず、追跡の手がかかるだろうが、出頭した結果事実が明らかになってみぽりんまぽりんの立場がやばくなるのはよろしくない。ということで軟禁状態から脱出した際に携帯を粉砕★玉砕★大喝采!!してGPS追跡を振り切ったついでにヒッチハイクと徒歩を織り交ぜ山道谷越えも織り交ぜることで捜査をかく乱。
結果として実に1か月をかけて―――俺は今グンマーにいます。
――月――日
Q:天使を見たことがありますか?
A:グンマーにいた
――月――日
愛里寿可愛いよ愛里寿
**********
「母上が、エミリに会いたいって」
「……なんで?」
たどたどしい感じでそっと俺に寄り添ってくれてた愛里寿からの言葉に思わずそう返していた。が、よくよく考えてみれば当たり前のことであろう。
グンマーにやってきた俺はとりあえず原作通りの流れになるのかを確認するためにグンマーで仮住居を手に入れ、人材派遣のアルバイトを始めた。
正味力仕事なら体格に見合わぬ超絶パゥワー(巻き舌)と身のこなしにより人一倍働ける俺は即戦力として受け入れられ、そこそこまっとうに生活を送れるようになっていた。
―――そんで群馬の街中で、天使に出会ったのである(比喩表現)
そうして週2くらいで愛里寿と会うようになりーの
それが週4になりーの
気づけば人材派遣会社に手が回っており、【島田家の小間使い】というバイト枠を斡旋されてこうして愛里寿経由で家の当主による圧迫面接の日取りを(一方的に)決められていた。なんで?(困惑)
ふつうこういうのってメイド長とかそういうのとか人事総括してる執事さんみたいなのとするんじゃないん?と思ったが、よくよく考えてみると当たり前の話だった。何しろちよきちさん、愛里寿にダダ甘なのだ。
そら(愛里寿のお世話をする人とか選ぶなら)
そう(やって当主様御出座してくるだろう)
よ
つまり「愛しい娘の傍付になる下賤な犬っころの品定めしましょうね~^^」ってことなのだろう。親バカはここに極まれり!(クロノス感)と言ったところだろうか?
―――で、始まりました(圧迫)面接
「何故、こちらを希望しましたか?」と聞かれたんだが、本音を言えば「わかりません」一択なんよ……(素) え?あれ?そっちが手を回して斡旋してきたんですよね?って思ったんで素直にそう聞いたらなんかちよきちさんの様子が微妙に変化して―――
「娘がごめんなさい」とおもむろに手をついて謝罪されました。やめてくださいしんでしまいまs(不夜キャス感)
種を明かせばまぁ簡単な話で、今回の斡旋、島田の人間を使って愛里寿が出したものだったらしい。で、ちよきちさんはそれを知らずに“最近愛里寿の周りにいる子”が派遣バイトとしてやってきたと聞いて“愛里寿に近づくためにきたんじゃないのか?”と勘繰ったわけだ。
その後、色々と愛里寿に関して「あの娘は本当にかわいくって~」と散々我が子かわいいトークを聞かされつつ原作にない幼少の愛里寿の昔話を交えたトークで盛り上がり―――
「エミちゃん。貴女には愛里寿を支えるプリムス・ピルス*1になって欲しいわ」
「……なんて?」
よくわからんけど認められたらしい。
*********
――月――日
愛里寿の戦車道教育に付き添うことになりました。なんでや?(河内感)
乗車はM10
いやでもチャーフィーもパーシングもM系列だしイギリス縛りってわけじゃないのか?ほな問題ないか……?
黒森峰を離れてしばらく、戦車に乗ってなかったのでちょうどよかったし、なんなら愛里寿に「ダメ?」って聞かれたらOKするしかねーよなぁ?!
――月――日
飛び級で大学に向かう前段階の模擬試合で愛里寿の懐刀扱いで試合に参加することになった件。相手は大学戦車道チームである。
―――まぁ普通に勝ったわけだが(残当)
理由?相手が中学生の愛里寿相手に本気で相手するわけじゃなくてあくまで編入テストだからね。ここに高速装填ができるM7の戦車砲備えた戦車に乗っとるのがおるじゃろ?()ティーガーのアハトアハトに勝るとも劣らないM7の徹甲弾は総重量は凡そ7kg~8kg。アハトアハトがだいたい10kgなので余裕と言えよう。
――月――日
西住のおうちから公式にお電話()が来ました。そら当たり前よな(残当)
――月――日
た す け t
******** >> Emi → othres
「天翔エミの学籍は未だ黒森峰にあります」
スッと封筒から取り出した書類をテーブルの上に置く西住しほに対して、涼やかな微笑みを絶やすことなくソファに腰かけたままの島田千代。書類を受け取って静かに目を通し―――
「確かに……天翔エミは黒森峰の生徒として学園艦に籍を残していますね」
―――微笑みを絶やさぬままそれをテーブルに差し戻した。
「……でもね、西住師範?こちらにも、手札はあるのよ」
そう言って微笑みのまま語り続ける。その言葉を聞くにつれ、鉄面皮のしほの表情が微妙に強張り、険しい様子に変化していった。
「―――事実なの?」
「……時期は一致しているけれど、母親も父親も交通事故による死亡。DNA鑑定をしようにも調査しきれないというのが正しいところよ。確定ではない、けれど私たちは彼女の身元引受人と成れなくもない」
ずいと身を乗り出すようにしほに身を寄せて、声を潜める千代。ここから先の単語は、周囲に僅かでも漏れればそこで周知されてしまう。そうしたら“武器として見せるだけでは済まなくなる”から―――
「―――それで、西住師範。“島田の縁者であると理解した上で、天翔エミを身内に引き込む度量はあるの”?」
にこやかに差し出された言葉の刃を
「―――では本人に尋ねてみると良いでしょう。彼女が娘と―――まほと過ごした日々に戻る気があるのか、無いのか」
しほは真っ向から受け止め鍔迫り合いに持ち込んで、テーブルを挟んで二人して顔を突き合わせ、にらみ合うように視線を交差させた。
******** >> othres → Emi
「―――楽にして良いですよ」
「そうそう。オバさんたちのちょっとした興味本位だから、ね?」
「アッハイ」
島田と西住の交流会と銘打った宴席で、お互い『ドコのスジモンの集まりなんですかね?』と言わんばかりのオッサンオバチャンの飲み会会場。笑顔で酒とか酌み交わしてるのに目の奥で心底笑ってる連中があんまりいないのが丸わかりなめっちゃ剣呑な宴会の中で―――
―――俺は“俺自身のルーツとなるお話”を聞かされていた。
結論:俺、なんか島田の人間だったらしい。
と言われても正直「え?そうなん?」としか言えんのだが……だからなんなん?と言ってしまえばそこまでなのだろう。だがしかし、俺の反応が思ったものと違ったのか、少し困った表情のちよきち=サンと、そんなちよきち=サンと裏腹に勝ち誇った様子のしぽりん。両者に両隣に挟み込まれる形で奥の座の別室に連れ込まれた俺は―――
「エミは黒森峰の生徒で、私の半身だ」
「違う……エミリは島田の分家で、私の相棒」
―――所有権を主張するまぽりんと愛里寿のメンチビームを前に何も言うことができなくなっていたりする。たすけて(必至)
俺が無断で謹慎も軟禁状態もブッチして逃げ出したというのに、まぽりんは俺を『黒森峰の生徒』のままいさせるために休学届を偽装し、承認して休学扱いにしていたらしい。無茶しやがって……!!
一方で、グンマーでの俺は島田の小間使いとしてのアルバイトに就任しており、愛里寿の相棒的立ち位置という望外の立場にいる。この時点で本来なら二重契約だったはずなんだけども―――
―――なんか俺の名前『天翔エミリ』になってた(謎)
よくわからんそんな状態での就職(派遣)により、“同一人物が別の場所で違う立場で存在する”というありえへん状況が確立してしまった。というわけなのだ。どういうことなの……?(困惑)
ジッサイ、違法であるし、下手すると詐欺詐称に当たる。実刑止む無しショッギョムッジョである。しかも俺本人にとっては全く記憶にないことなので余計にこわい(こわい)
「それで……エミちゃんには二つの道があります」
ちよきちさんが耳元で囁くように語りかけてくる。胃がミシリと痛んだ。
「一つは、可愛い可愛い愛里寿とこのまま群馬の大学選抜チームの強化選手として―――ううん。『島田エミリ』として島田の家に戻ってくる道」
ちよきち=サン、ひそひそと声を潜めてASMRするのやめてください(胃痛で)死んでしまいます。そんなちよきち=サンに対抗するように顔をずいと近づけてくるのは逆隣のしぽりん。
「もう一つは、黒森峰の生徒として学園艦に戻ってくる道。まだ休学期間は3か月と経っていないから、出席日数も含めて留年は免れます」
静かに諭すように淡々と説明していくしぽりんの言葉には、『断ったらわかっとるよな?おう』という凄みを感じる。まるで物理的に首元に刃を【当ててんのよ!】されてるような気さえする。
「「 さぁ、どっちでも好きな方を選びなさいな 」」
2人の声が両耳にユニゾンして響いている中―――俺は胃痛に歯を食いしばりながらも、実は別のことを考えていた。
―――そら決まってるだろう?みぽりんのことである。
話を切り出される前に訥々としぽりんが語ってくれたその後の黒森峰の話にチラッと登場したみぽりんなのだが―――
―――俺が出奔した理由を『自分の責任だ』と重く受け止めてしまったらしい。俺の中で自責の念から片手の指を残らずハンマーで叩きつぶすべきか悩むことになった。
―――そんで思い悩んだ結果『自分は戦車道を続けるべきではない』と考えたらしい。俺の自責ポイントがぐーんとあがった(ポケモン感)
―――んで、黒森峰を辞めて野に下る結論に達したので、原作通りに大洗に転校手続きを取っているらしい。
―――ここでカンの良いみんなは理解してくれたはずだ。
あれ?みぽりんの戦車道へのヘイト、よりヤバくなってね?と……。
俺が全ての責任をひっかぶろうとした結果、みぽりんの闇がよりバーストしてしまい、もはや戦車道に復帰する可能性がゼロを通り越してしまっているまである。このままだと原作スタートどころか会長や桃ちゃんに何を言われようと戦車道を始めることなく大洗学園艦からも逃げ出しかねない。
―――かといってこの状況、「すいません私大洗に行きます」とか言えない空気になっている。いつの間にかにらみ合いで所有権争いをしていたまぽりんと愛里寿も俺の回答を見守るモードになっている。
俺は―――今、人生最大の危機を迎えている。そんな気がしてならない。
選択肢
『まぽりんを選ぶ』 → ???ルート(デッドエンド)
『愛里寿を選ぶ』 → ???ルート(デッドエンド)
『よし、逃げるか(大洗へ)』 → 原作(難易度マストダイモード)ルート(ワンミスでデッドエンド)
さぁ、エミ(リ)の選択はどれだ?
<私信>
みんな!仮面ライダーアウトサイダーズ見ようぜ!!()