【 三次創作 装填騎兵エミカス ダージリン・ファイルズ 】   作:米ビーバー

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思いついてしまったら止まらなかった。

あ、まほルート本編及びダージリンファイルズ内のどこにもつながりませぬ。




なので実質初投稿()


【 まほルート 第XXX話 この程度で諦めるなど天翔エミの恥さらしよ…… 】

もうね、舐めてましたまぽりんの戦車道というモノを―――。

 

 

*****

 

 

「わぁぁぁぁぁぁ――――――!!!?」

 

 右に、左に、振り回されている。ガリガリと地面をひっかく音とともに戦車が振れる。中の俺たちも振り回される―――!!

 

「反応が遅い!!次、右60度!装填急いで!!」

 

 

―――無茶を言いなさる!!こんな状態でどうやって装填せいというのか―――!!?

 

 

高速で動き回る戦車にブン回されながら、揺れる視界とブレる意識の果てに俺は思った。

 

 

―――俺とまぽりんの戦車適性、相性最悪じゃね?? と―――。

 

 

俺とまぽりんのファースト戦車道は、こうして(試合内容という意味では)クソミソな結果に終わったのだった。

 

 

 ――月――日

 

 

 まぽりんの戦車から降ろされました。(残当)

 

 もうね、まぽりんの視線がクッソ冷たいの。「この役立たずが」と言っているように見えるの。失望しました。那珂ちゃんのファンやめます(2度目)

 俺のこの全く大きくならなかった身体は高速で動く戦車と致命的に相性が悪い。動き続ける戦車の中では俺は姿勢制御を保てない。故に安定して装填を続けることができない。そしてそれは、動き続けるまぽりんの突撃姿勢と相性が最悪だった。

 

 

 ああ、このガチロリ体型とペドホイホイな小柄体格が恨めしい―――。

 

 

 今日は紅白戦。まぽりんとは別のチームに分けられた。つまり敵にまぽりんがいるという事である。―――絶望じゃね??(迫真)

 

 

 なお、俺は捨て駒として周囲のメンバーから弾かれた所謂「コミュに適合できなかったメンバー」を寄せ集めた集団の一員として、“まぽりんが突撃してくるであろう地点”に肉盾扱いで配置された。乗車車輛はヤークトティーガー―――って言うかこれ絶対中等部では誰も使えなくて放置されてただけの車輛だろ(確信)

「できるだけ大きくて硬い戦車を用意してやったから、精々時間を稼げ」と来たものだ。

 

 

 ―――だが、如何せん先のまぽりんとの戦車道によって心がぺっきり逝きかけてた俺にそれに抗う術はなかった。結局のところ、どれだけ鍛えようと、所詮俺如きが抗うなど土台無理な話だったのだろう。

 

 実際のとこ、みほエリもまだやってきてもいないのだし、このまま空気に溶け込んでしまうのも仕方なし。人生からアイキャンフライするのもやぶさかでもなし―――

 

 

 

 

※※ ざんねん!おれのぼうけんはここでおわってしまった!! ※※

 

 

 

 

******

 

 

 

 ―――気づくと、見知らぬ場所に立っていた。

 

 

 

どっかの古武術道場のような空間。床の間には『虎に翼』『戦車馬鹿一代』と達筆で描かれている掛け軸に、リボンがキュート?なパンツァーファウスト。

 

 

「―――どこだよここ?」

 

 

辺りをきょろきょろ見回して、自身を顧みて―――

 

 

―――なんで俺、ブルマなん??(困惑

 

 

「―――ようこそ、ティーガー道場へ」

 

 

 唐突に黒髪JKが、鍵十字マークの付いた軍服にパンツァーファウストというスタイルで現れた。

 どこか既視感がある―――どっかで見たことがあるような、ないような、もっと老けていたような……??

 

 

 

「―――知恵捨ォ!!」―――ガォンッッッ!!

 

 

 

  俺の頭部に、刀に見立てた様に両手で持ち上げられたパンツァーファウストの打ち下ろしが轟音を立ててめり込んだ。

 パンツァーファウストの形状から考えると流血や脳挫傷不可避だが、何故かめっちゃ痛いだけでたんこぶ程度で済んでいる。なにここ?ギャグ時空??とはいえ俺の身体能力を以てしても全く反応できない神速の一撃に、一瞬意識がぶっ飛びかけた。というかかなり鍛えていた分割とショックなんだが……

 

 

「全く何を呆けているのですか、弟子一号」

「で、弟子?」

 

 

 どうやら俺はTS転生だけではなく突発性転移にも巻き込まれていたようだ。

 

 

「ここ、ティーガー道場は進むべき道の果てにある大いなる勝利に向かうこともできない軟弱者のための救済所。此度の選択、西住流にあるまじき失態。伏して反省なさい」

「いえ、私は「知恵捨ォ――――!!!」―――はい申し訳ありません」

 

 

 「私は西住流でも何でもないんですけど」と言いかけた言葉を遮るように再び”ガォン!”と振り下ろされた一撃を髪の先数本だけの犠牲で躱せたのは偶然か、わざと外されたのか―――いずれにしても会話が通じない相手っぽいので土下座って赦しを乞うてみる。

 

 

「―――まぁ、一応対策を用意して差し上げます。とはいっても最初の方は簡単な問題ですけれど」

 

 

 どっかで見たことのある既視感染みたものを感じつつ、土下座を継続。

 

 

「―――戻って違う選択肢を選びなさい」

「―――雑ぅ!!」

 

 

 思わず顔を上げた俺の目の前数センチにパンツァーファウストの発射する方(8.8cmロケット弾)が向けられている件。

 

 

「―――行動の指針が分かったなら、さっさと目覚めなさい」

「お目覚めバズーカ!?」

 

 

 轟音を立てて炸裂するパンツァーファウスト、もうもうと上がる粉塵とめらめらと立ち上る炎。その光景を背景に、黒髪JKは背を向けて去っていく。

 風景が止め絵状態になって徐々に遠巻きになっていく―――そして流れるのは

 

 

 

 

******

 

 

 

 

「ゲットワイルド!!?」

「ひゃぃっ!?」

 

 

 装填手の席で瞳を見開いて突如叫んだ俺に、周囲から驚きの声が上がる。

周囲を見回す。鉄臭い匂い、油の独特の臭気、狭い密室に女子が複数という独特の交じり合う匂臭。

 

 ―――あぁ、ヤークトの中だこれ(覚醒)

 

 

「―――て、天翔さん?大丈夫??」

 

 

 おどおどした様子でおずおずと声をかけて来る砲手の娘に「ああ、大丈夫」と返して状況を確認する。

今の状況は―――試合前。相手はまぽりんを含む紅白戦の敵チーム。こっちは“みそっかす混合メンバー”と“ヤークトティーガー”。

 

 そう、俺は『役立たずが』という目でまぽりんから放り出されて流れ流れてこの状況だった―――気がする。

 

 

「そ、そろそろ試合開始だから……」

「あー……うん」

 

 

 何かの夢を見て居た気がする。が、思い出せない。

状況をどうにか思い出そうとするより前に―――試合開始の通信が入る。

 

 

 

 

※※※ 天翔エミの選択肢に『やってやろう、じゃん?“!?”』が追加されました ※※※

 

 

 

 

 

 

※【実績】ティーガースタンプを1つ取得しました

 




『ぼくはわるくない』(遁走術)

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