ていうか、久方ぶりといったほうが正しいほどの空きっぷりでしたか。
決して怠った訳ではありませんよ、ホントに。
あまりに忙しく・・・言い訳感が襲ってくるのでやめておきましょう。
しかし、平均3000文字ぐらいでいってますが、少なく感じるのでしょうか。自分的にはあげやすくちょうどいいって感じなんですが。
ではでは、本編をどうぞ。
「ふんふっふ〜ん♪」
深くまで続く下り坂を呑気に口ずさみながら駆け下っていると、前方に二つの影が見えてきた。
「え・・・っ⁉︎」
「・・・おいっ」
一足先に坂へと消えたはずの二人だと気づいたものの一瞬にしてすれ違うように追い抜いてしまう。
そのまま勢いを落とさず下っていくと、ようやく着地点がす視界に映った。
「よいしょ、っと」
穴の入り口付近の床は落下を想定してなのかか少し柔らかな作りとなっているためか、勢いによる衝撃もなく着地できた。辺りを見回すと先ほどと同様に機械仕掛けの内装だが、地上の空間よりかは少し狭く感じる広さである。
少しすると、背後で衝撃音が響いてきた。
振り返るとそこには、ユウナの下じきになるクルトという、ハプニングな光景が広がっていた。二人とも落下の衝撃のせいか意識が朦朧としており、一向に起きそうな素振りを見せない。
ツンツン・・・。
ツンツンツン・・・起きないな。
二人の軽く頰をつついてみるもやはり反応はない。ならーー
「ユーたんにクルト君、ご飯の時間だよ」
二人のすぐそばにしゃがみ、朝食の支度を終えたお母さん風に言ってみたものの結果は同じであった。
おかしいな、私だったら速攻で意識復活するんだけど。
「こ、これは・・・」
「リィン教官のような不埒な状況になっていますね」
声に振り返ると、坂を滑り降りてきたリィンが二人の状況にやや複雑そうな表情を浮かべていた。遅れて黒の物体と共に下降してきたアルティナも、リィンに対して意味深な言葉をかけている。
「これっていわゆる"フラグ"ってやつかな?」
「私に聞かれても困ります。まあ、多少思い当たる節がないわけではありませんが」
そう言ってリィンの方に一瞬視線を移すアルティナ。視線に気づいたリィンは頰をかきつつ苦笑いを浮かべる。
「その不埒な状況にアーたんは巻き込まれていないよね?」
「・・・・・・」
「沈黙、かあ・・・アハハ」
「お、おい、目が笑ってないぞ」
「・・・うーん・・・・・・」
そんなやりとりをしていると、ふとユウナが意識を覚ました。さらに下敷きとなっているクルトも同じタイミングで意識を取り戻す。
そして同時に、お互いの状況に気づくのだった。
慌てた様子ですぐさま立ち退いたユウナに続き、やや落ち着いた感じで立ち上がるクルト。
次の瞬間、明らかに沸点まで上昇したかのように顔を真っ赤にしたユウナがクルトの頰に張り手をかますのだった。
ドンマイだよクルト君。
「とにかく、全員ダメージはなさそうだな」
状況がどうであれ、ひとまず落ち着いた状況の中リィンが第一声を発する。
精神的ダメージはダメージに入りますか、と言いたいところだがやめておこうかな。余計に気まずくなりそうだし。
「それではこれより、この小要塞の攻略を開始する。各自、武装を見せてくれ」
「って、こんな茶番に本気で付き合うんですか?」
リィンの指示にユウナが少し驚いたかのような仕草を見せる。
「茶番程度でここまでの施設は造らないんじゃないかな?」
「ああ、博士のことだ。決して茶番なんかでは済まないテストを用意しているだろう。俺たち5人の実力を測るために本当に魔獣を解き放っているみたいだ」
通路の奥を警戒するように見つめるリィン。彼の目線の先の方から小さくはあるが遠吠えらしき音が聞こえてきた。
「わかりました。自分はこれです」
リィンの言葉に納得したように、クルトが自身の獲物を取り出した。それは、白を基調とした剣だった。両手にそれぞれ掴み持っているところを見ると双剣のようだ。使い慣れているかのように軽く剣捌きを披露するクルト。
双剣か・・・・・・悪くない武器だね。
「次はユウナ、君のほうはどうだ?」
「勝手に話を進められているようで面白くないですが、私のはこれです」
ユウナが手にした武器は、トンファー型の警棒だった。しかし、よく見てみると単なる警棒というわけでなく、なにやら複雑そうな構造をしていた。
「これはガンブレイカーといって、クロスベル警備隊で開発された銃機構付きの特殊警棒です」
ガチャンという音を立て、警棒だった部分が逆向きに反転した。覗き込むように身体を傾けると、先端には確かに銃口らしきものがあった。
「こうやってモードを切り替えることで中距離の範囲射撃になるんです」
「わかった。遠近どちらにも対応できる武装、頼りにさせてもらおう」
「は、はいっ・・・当たり前です」
「・・・次はアルティナ、たのむ」
リィンの指示に呼応するように左手を掲げたアルティナ。ユウナとクルトが一瞬戸惑った表情を浮かべる中、なにもなかったはずの空間に巨大な物体が突然現れた。
「な、な、な・・・」
「そういえばさっき、黒い影が一瞬見えたような・・・」
「クラウ=ソラス。《戦術殻》という特殊兵装の最新鋭バージョンとなります。機密事項のため詳細は説明できませんが、それなりの戦闘力はあるかと」
二人が戸惑いから驚きの表情へと変わる中、平然と概要を語るアルティナ。彼女が言い終えると、クラウ=ソラスと呼ばれた物体は再び姿を消した。
気になるけど、さっきのこと以上はアーたんも教えてくれなさそうだな。
「次はシエルさんです」
自身に向く注目を遮るかのように、アルティナが呟く。
あんな驚き一色の武装の後に紹介なんて気後れしそうだけど。
「私のはこれだよっと」
懐から取り出したそれは、手のひらサイズの小さな剣だった。先ほどのクルトの双剣より一回り小柄なそれは、剣というよりナイフといったほうが正しく思える代物だった。
「多重機構武装の"一"、一般的な小型ナイフだよ」
「多重機構、ということは他に構造があるのか?」
リィンの指摘に、私はさらに懐から二本の棒と真四角の物体を取り出す。
皆が疑問の表情の中、その棒をそれぞれナイフの切っ先と手持ち部分に装着する。そして四角い物体はガチャガチャという音をたてて巨大な刃へと形をかえた。切っ先部分に取り付けた棒にあった窪んだ部分と刃を合わせると、身の丈ほどある大鎌へと変貌をとげた。
「ナイフが・・・鎌に変わった」
「これは"二"にあたる武装です。まだまだありますが、それはその時ってことで」
「しかし、さきほどのガンブレイカーもそうだが、複雑な武装は応用が効く反面頑丈さに欠けるんじゃないか」
「クルト君の指摘もごもっともだけど、それは打ち合えばの話で・・・一瞬でケリをつければ大丈夫なんじゃないかな」
ふと、私が見せた笑みにクルトが反射的に後ずさった。
いけないいけない、この子を持つと抑えきれないんだよね。
「なにはともあれ、一通り各自の武装について確認できたな。最後に俺の武装はこれだ」
リィンが手に持った武器は刀だった。それも帝国風の"剣"ではなく東方風の"刀"という。
「《八葉一刀流》の"太刀"・・・」
「アリオスさんがつかっていた・・・」
《風の剣聖アリオス・マクレイン》。いまは確か指名手配中だったっけ。彼を追いかける人たちに果たして彼を捕らえられるほどの実力はあるのかな。いや、
「よし。それじゃあ攻略を始めよう」
リィンの合図ともいえる言葉に武装を展開し、皆が通路へと向き直る。
「現在B1、地上に出ればこの"実力テスト"も終了だ。実戦のコツ、アーツの使い方、ARCUSIIの機能なども一通り説明していく。迅速かく確実に。ただし、無理はしないようにしっかり付いて来てくれ」
「やるからには全力を尽くします」
「こっちこそ、帝国人に負けてられないですし!」
「状況開始、ですね」
「ではでは、殺っちゃいましょうか♪」
皆それぞれに意気込みを掲げ、警戒しつつ通路の奥へと歩みを進めるのだった。
ヴァルター「・・・おい、ブルブラン。黙ってねぇで何か言えや・・・」
ブルブラン「フッ、そういう君こそ・・・。この光景の前にはいかなる言葉も無力だろう」
ヴァルター「・・・結局、他の連中は戻って来やがらなかったか。しまらねぇ話だな、オイ?」
ブルブラン「・・・レンはすでにこの空域から離脱したようだ。ルシオラはーー」
??「行方不明なんですか?」
ヴァルター「あぁ・・・なんだテメェは」
ブルブラン「その身なり・・・強化猟兵の一人と見受けるが、我らに用でも?」
??「私が用があったのは
ヴァルター「ケッ・・・言ってくれるじゃねぇか。たかがチート任せの雑魚が俺らに向かって興味がねぇ、だと」
??「そう言ったんだけど聞こえなかった?」
ブルブラン「たいそうな物言いだが、この状況がわからないほどではあるまいな」
??「この状況、ただ穏便に会話してるだけのこと?」
ヴァルター「会話にしてはさっきからやけに物騒なもんチラつかせてんじゃねぇか」
??「これは私のとっておき、"十六"の武装《殲滅の大鏡》っていってね。単なる鏡とは大違いだよ」
ブルブラン「確かに、下手に手を出せばこの空間ごと・・・そのようなものを持つ君は一体?」
ヴァルター「関係ねぇ・・・俺に喧嘩を売ろうってんなら買ってやるだけだ」
??「いいねぇサングラスさん。その理屈は嫌いじゃないかな」
ヴァルター「勝手に変な名前つけてんじゃねぇ、殺るぞ」
ブルブラン「私は高みの見物とさせてもらおうか。
??「あらら、置いていかれちゃったね。まあ、仲間意識なんて持ってないに等しそうだし」
ヴァルター「あいつのことはいい・・・それより、殺る前に名前を聞いておこうじゃねえか」
??「名、かぁ・・・シエルだよ。気安くシーちゃんって呼んでもーー」
ヴァルター「呼ぶか!」