叔母様が勝利するだけ   作:0302

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バレンタインでも叔母様が勝利(?)するだけ

あ、メディア!ちょうどいい所に!

・・・・・・なんだよ、そんな露骨に嫌そうな顔しなくてもいいだろ。お前ほんと最近隠さなくなったよなぁ・・・・・・。「最近の叔母様は惚気が鬱陶しいですから」そ、そんなに惚気けてないぞ!・・・・・・多分。というか、お前のリリィの方がヤバいだろ。マスターから聞いたぞ。イアソンのやつをちみっこくして「さっさと用件を言ってください!!」わ、わかったわかった。なんだよ、用事でもあるのか?・・・・・・うん?チョコの用意?マスターに?

そうそう、それだよ、私の相談!マスターにどんなチョコレートを作ればいいかと思ってね!はあ?「お好きなものを作られればいいんじゃないですか」?馬鹿、マスターの好みを把握しないといけないだろう!どんなフレーバーが好きなのか。甘さの加減は?甘いほうがいいかな。それともほろ苦いやつ?苦手な香料だってあるかもしれないだろう。そうだ、形は何がいいかな。いや、もちろんピグレットにするけれど、品種はどんなものが好きかと思ってね。知っているかい?ニホンにはトーキョー〇ックスっていう交配種がいるらしいんだ!トーキョーマッ〇スだぞ!浪漫があるよなぁ!

おい、そんな (´・ω・)シラネ みたいな顔してもダメだからな!お前だってフィギュアに関してはうるさいくせに・・・・・・。

「とりあえず作られては?叔母様がキュケオーン以外が作れるかもわかりませんので」

さてはお前怒ってるな?

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ・・・・・・なんとか形になったな。ありがとう、メディア、ブーディカ。「いえ。私もどうせ作らねばなりませんから」「あはは、気にしなくていいよ。あの子も本命ちゃんからのチョコレートは嬉しいだろうし」

ほ、本命・・・・・・えへへ。改めて言われると照れてしまうね。・・・・・・喜んで、くれるかな。重いとか言われないかなぁ。「言わないよ、あの子なら。だって私達のマスターだからね」「言わせないので安心してください、叔母様。そもそも、そんな女性の好意を無碍に扱うような弟子を取った覚えはありませんから」

う、うん。そうだよな。マスターなら、きっと喜んでくれるよな。・・・・・・ふふ。そうだよなぁ。ふふふ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マ、マスター。今、大丈夫かい?う、うん。そうだ、私だよ。じ、実は、そのぅ・・・・・・君に、ばりぇんたいん・・・・・・失礼。ちょっと出直してくる。

は、離してくれ!もうやだ!なんでこんな所で噛むんだ!!頼む、お願いだ、リテイク取らせてくれ!!!

ううぅ・・・・・・本当は、もっとビシッとキメるつもりだったのに・・・・・・どうしてかな。君の前に出ると、どうしても緊張してしまうんだ。私はこんなにも君を愛しているのにね。

ん?どうしたんだ、そんなに顔を赤くして。嬉しいけど恥ずかしい?なにがだい?

「愛してるって、言ってくれて」

だって本当のことだからね。私は君が大好きだし、君のことを愛してるよ。・・・・・・君も、私を好きでいてくれるよね?私を愛してくれているよね?

「もちろん。俺はキルケーを愛してる」

・・・・・・ふふ。ふふふふ。あぁ、ダメだダメだ、にやけちゃうよ。どうしようマスター。君に愛されていることが、こんなにも嬉しいんだ。愛してるの一言が、たまらなく嬉しいんだ。

ねえ、君はどこにも行かないよね?私を置いて行ったりしないよね?ずっとずっと、そばにいてくれるよね?

「あぁ」

えへへ。良かったぁ。そうだよな。君は、私を置いて行ったりしない。私はこれからも君の隣で、君と一緒に冒険をしよう。何処までも、君とともに。絶対に離さない。離したくない。

おっとそうだ、目的を忘れるところだった。

はい、マスター。バレンタインのチョコレートだぞ。きっと君は他のサーヴァントからもたくさん貰うのだろうけど・・・・・・私のを一番美味しく食べて欲しい、なんて、傲慢なのかな。

「そんなことない。嬉しいよ、キルケー。ありがとう」

・・・・・・うん。うん。君に喜んでもらえて天にも登る心地さ。ふふ、それじゃあ失礼するよ。他の子たちの時間を奪うのもしのびないからね。

「俺はもっと君といたい」

ダメだよ、マスター。私だって同じ気持ちだけど、君はみんなのマスターだ。・・・・・・そりゃあ、特別扱いはして欲しいけれど。でも、マスターとしてはみんなのものだからね。・・・・・・だから、今日はこれで終わりにするよ。

「でも・・・・・・そうだ。今夜、空いてる?」

え、うん。特に用事はないけれど・・・・・・。え?夜なら誰も渡してこない?またマイルームに来て欲しい?みゃ、マ、マスター?夜に女性を誘うなんて、君は、なんて、えっ、「ダメかな?」だ、ダメなわけないだろ!・・・・・・でも、そういうことなのかな。うう、マスターだとどういう理由で呼んでるのか分からない・・・・・・。

「キルケー?」

な、なんでもない!!夜だね、わかったよ。・・・・・・メディア、相談に乗ってくれるかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで逃げてきたと」

逃げたわけじゃないぞ!でも、あんな提案されたら誰だって驚くだろ。・・・・・・も、もしかしたらそういう理由かもしれないし。「あのマスターに限って無いとは思いますけど・・・・・・しかしまあ、夜に呼ぶなんて危機管理がなってませんね。なんでかしら。戦闘時には敏感なのに」知らないよぅ・・・・・・なぁメディア、どうしたらいいかなぁ。「とりあえず結界を張るべきですね。あの溶岩水泳部が忍び込んでるとも限りませんし」そ、そうか。そうだよな。あの三人に見つかると思うと・・・・・・うう、怖いなぁ。全員有利取れるとはいえ・・・・・・会話もろくにできないし・・・・・・近づいたら終わりだし・・・・・・。「そのための結界でしょう。それから、香水をして、下着も・・・・・・いえ、なんでもないです(元々してなかったわこの人)」こ、香水?マスター嫌がらないかな。ほら、香水がきつい女は嫌われるって言うだろ?「どれだけかけるつもりなんですか。少しでいいんですよ。相手に『特別に用意してきたんだな』って思わせるくらいで」な、なるほど。流石メディアだな。頼りになる。イアソンが実装されるよう願っておこうかい?「やめてください本当にやったら叔母様のこと絶対許しませんから一生ですよ二度と相談にも乗ってあげません」わ、わかったわかった!もう二度と言わない!だからもっと教えてくれよ、メディア。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・(キョロキョロ)

よし、誰もいないな。すー・・・・・・はー・・・・・・ん、んん。マスター。私だよ。いるかい?・・・・・・う、うん。邪魔するよ。

すごく甘い香りがするね。みんなから貰ったチョコレートの山か。流石マスターだ。でも、食べすぎるんじゃないぞ。体に悪いからね。もしお腹が痛くなったらキュケオーンを作ってあげよう。万能だからね、キュケオーンは。・・・・・・と、ところで、どうして私を呼んだんだい?

「? 君とバレンタインを過ごしたかったからだけど」

・・・・・・待って、見ないで。絶対変な顔になってるから・・・・・・き、君だって恥ずかしいこと言うじゃないか!

「おあいこだね」

そ、そうかなぁ・・・・・・なんか納得いかない。でも・・・・・・うん。私も君と、この日を過ごしたいよ。紅茶を持ってきたけれど飲むかい?うんうん、種類は何がいい?え、オススメ?・・・・・・やっぱり格好がつかないな。実は私、紅茶はてんでダメなんだ。メディアに言われたの持ってきただけだし・・・・・・え?私が淹れてくれたのならなんでもいい?・・・・・・そういうとこだぞ、君は・・・・・・少し待ってて。

・・・・・・・・・・・・よし、出来た。はいどうぞ。砂糖はどうする?ミルクは?えっ、君苦いほうが好きなのかい?失敗したなあ。チョコレート、甘かっただろう?

「キルケーのくれたものだから。甘いのが嫌いって訳でもないし」

それなら良かった。来年からは君の好みのものを作ろう。・・・・・・来年、か。・・・・・・ねえ、マスター。私達はいつまで一緒にいられるのかな。クリプター達を倒して、もう一度この世界を救って、それで・・・・・・それで、きっと、君と私は離れてしまうだろう。あの時のように。また。退去させられるんだろうな。嫌だなぁ。私は置いていかれたくないのに、私は君を置いて行ってしまうんだ。サーヴァント生であの時ほど嫌なものはなかったよ。

 

そうだ。いっそ、君をピグレットにしてしまおうか。

 

そうすれば、私の宝具になれば、ずっとずっと、ずーっと一緒だ。私が座に帰っても、ずっと。・・・・・・なんてね。冗談だよ。そもそもそんなことが出来るともわからないし。いくら大魔女だって、できない事の一つはあるのさ。幻滅したかい?・・・・・・ふふ。分かっていたけれど、君は優しいね。うん。二度と言わないよ。約束する。

ねえマスター。今日はここに泊まってもいいかい。・・・・・・うん。ありがとう。

 

この時が、いつまでも続けばいいのに──。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おはよう。マスター。そろそろ起きないと、マシュ達が来ちゃうぞ。マシュならいいけれど・・・・・・そろそろ結界も解けてしまうし。三人組が来たら厄介だな。いや、なんでもないよ。

あぁ、昨日のことは忘れてくれ。あんな憂いなんてなしに、これからも一緒に戦おう。君はあんなこと考えず、ただ前を向いて世界を救えばいい。辛くなったら私がいるさ。いつでも甘えてくれていいんだよ?

「先輩、おはようございます。・・・・・・おや、キルケーさんも。おはようございます。お邪魔してしまいましたか?」

おはよう、マシュ。そんなことは無いよ。私がここに邪魔していたのさ。

「・・・・・・? あ、そうです。先輩、キルケーさん。新設された図書館に向かいませんか?最近は皆さん読書ブームらしくて。どうやら古今東西の作品が集まっているみたいですよ」

「それは面白そうだ。行こう、キルケー」

そうしよう。何がいいと思う?海の冒険譚ならば、二人に読み聞かせてあげるのも吝かではないとも。ふふ。なにがあるのか、楽しみだね、マスター。




イベのキルケーと違うシナリオなのは許してください。ホワイトデーも書きますから(書くとは言ってない)
あと時系列違うのも許してください。メディアさん違うかもしれないのも許してください。怪文書っぽくないのも以下略。キャラ違うかもしれないのも略。
許して欲しいのが多すぎて困ります。
虞美人先輩のシナリオと礼装も困ります。可愛いかよ・・・・・・つら。
もちろんキルケーからももう一度もらいました。ボイスつくと余計笑えるのずるいと思います。愛してるって言われた嬉しい。

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