戦姫絶唱シンフォギア×MASKED RIDER 『χ』 ~忘却のクロスオーバー~   作:風人Ⅱ

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第四章/蘇る聖拳×束ねられた絆④

 

 

『───ぅぁっ……ぅ、ぐっ……い……ァッ……』

 

 

──クロスと響の渾身の一撃を前に巨大な爆発に呑まれ、完全に倒したかに思われたフロッグイレイザーは未だ辛うじてその息を繋ぎ、力無く地面に倒れ込んでいた。

 

 

しかし二つの風穴が開かれたその肉体は既に瀕死であり、ボロボロに黒焦げた身体を引きずるフロッグイレイザーの下にクロスと響が歩み寄っていくと、倒れ伏すフロッグイレイザーを見下ろしてクロスが口を開いた。

 

 

『一つだけ聞かせてくれ……お前は本当に、奴らに望んで自分からイレイザーになる事を選んだのか?』

 

 

「……えっ?」

 

 

それはアスカの口から聞かされた、この世界の行き場を失った人間達が自らイレイザーになる事を受け入れたという衝撃の事実。

 

 

その真相を直接フロッグイレイザー本人に問い質すクロスの問い掛けに、初めてその話を聞く響は目を見開いてクロスの顔を思わず見上げ、戸惑いを顕わにフロッグイレイザーに視線を戻すと、フロッグイレイザーは顔を俯かせて一拍置いた後、渇いた笑い声を漏らしていく。

 

 

『そう、だよ……あの二人を失ってから、俺の人生は毎日地獄だったっ……どれだけ時を経ても疵は癒えなくて……俺が助けを求めても、周りの連中は手に負えないとみんな離れていった……』

 

 

「……それは……」

 

 

『こんな世界に、救いなんてないと思ってたよ……そんな時だ……何もかも諦め切ってた中で、知ったのさ……そいつの存在をっ……!』

 

 

拳を握り、顔を上げたフロッグイレイザーの赤い瞳が目の前に佇む響を睨み据える。

 

 

その瞳の奥に宿るのは、何処までも深く薄暗い嫉妬と憎悪の念。

 

 

二人に敗北しても尚、内なる激情の炎が未だに揺るがないフロッグイレイザーの視線を受けて響も息を呑み、クロスもそんな響を庇うように僅かに前に踏み出していく。

 

 

『妻と娘を差し置いて生き残ったそいつには大勢の仲間がいて、家族がいて、支えられて……しかもその時に得た力がきっかけでヒーローになったって……?何だよそれ……ふざけるなよ……!あの二人は誰にも救ってもらえなかった……!俺を助けてくれる人間は誰もいなかった……!なのになんでっ……なんでそいつにばかりっ……!』

 

 

『……だからイレイザーの力を求めて、コイツに関わる物語を改竄したのか……』

 

 

動機は全て、家族や友人……自分が失った全てを持つ響への妬み。

 

 

その憎しみから人である事を捨てて、イレイザーとなってまで彼女に復讐する道を選んだフロッグイレイザーに対しクロスも目を僅かに細めると、フロッグイレイザーは悔しげに拳を地面に叩き付けて項垂れていく。

 

 

『今この世界は、俺が嘗て味わった地獄を再現した筈だったっ……なのに、それでもそいつには手を差し伸べる人間が現れた……!何故だ……?!俺はそんな人間に出逢えなかったのにっ、同じ世界でどうしてそいつばかりが救われるっ……?!俺やあの二人と何が違うっ……?!何処まで理不尽なんだこの世界はぁっ!』

 

 

同じ事件の被害者で、周囲の人間から疎まれてきた過去も同じ筈だった。

 

 

なのに、響には其処から掬い上げてくれた親友がいて、シンフォギアの力に目覚めてからも多くの仲間に支えられながら今を幸せに生きている。

 

 

物語を改竄して皆との関係を断ち切っても、結局その親友との繋がりは完全に断つ事が叶わず、響の復活にも繋がってしまった。

 

 

どうしてこんなにも違う?

 

 

何故自分にはアイツのように手を差し伸べてくれる誰かがいない?

 

 

響だけじゃない、何処までも不公平なこの世界への憎悪を募らせて吠えるフロッグイレイザーの姿にクロスも無言で口を閉ざすが、そんなクロスの前に響が静かに歩み出ていく。

 

 

『!おい……!』

 

 

「大丈夫です」

 

 

思わず止めに入ろうとしたクロスに笑顔を向けて短くそう言い切ると、響はフロッグイレイザーの前に立ち、徐に両膝を着いていく。

 

 

『ッ……オマエぇッ……!』

 

 

「…………」

 

 

最早彼女に襲い掛かる余力も残っていないのか、フロッグイレイザーは目の前で膝を着く響を忌々しげに睨み付ける事しか出来ない。

 

 

だが響は臆する事なくそんなフロッグイレイザーの眼光を見つめ返し、そのまっすぐな眼差しにフロッグイレイザーも僅かに圧されながらも声を震わせて呪詛を吐いていく。

 

 

『お前さえっ……お前さえいなければっ……!』

 

 

「……あの日……ライブ会場で生き残ったのが私じゃなければ、貴方の大切な人達が生き残ってたかもしれない……?」

 

 

『……ッ……』

 

 

そう問い掛ける響の言葉に、フロッグイレイザーは咄嗟に反論出来ずに声を詰まらせ、目を泳がせる。

 

 

そんなフロッグイレイザーを見つめたまま響は物哀しげに一度目を伏せると、僅かに目を開き、

 

 

「確かに、何か一つでも違っていたら、そうなってた未来もあったかもしれない……でも、ごめんなさい……私にはどうする事も出来ません……」

 

 

フロッグイレイザーに深く頭を下げ、謝罪の言葉を口にしたのである。

 

 

自分を憎んで殺そうとした相手に対してのその意外な行動を前にフロッグイレイザーもクロスも目を見開く中、響は僅かに頭を上げて胸の内の想いをポツポツと語り出す。

 

 

「あの日を境に、私の人生も大きく変わりました……私だけが生き残って、その事を沢山の人から責められて、それがきっかけで家族もバラバラになって……もしも未来が……親友の存在がなかったら、私もきっと貴方と同じになってたかもしれないって……今でも時々、親友と一緒にいてそう思う事があるんです……」

 

 

蓮夜と再会する前、フロッグイレイザーの改竄に苛まれていた際に自分の中身を塗り潰そうとした、あの薄暗い声を思い返す。

 

 

最初は強く否定し続けていたあの声も、今思えば、あれも恐らく一つ違えば自分がそうなっていたかもしれないifの一つ。

 

 

陽だまりである未来の存在があったおかげで自分は今笑っていられるが、彼女がいなければあの声のように誰も信じられず、胸のガングニールで、全ての元凶であるノイズを憎んで先の見えない戦いに身を投じていた事も有り得る。

 

 

そう考えれば、目の前の怪人は自分が歩んでいたかもしれない可能性……ある種、有り得た未来の姿とも呼べるのかもしれない。

 

 

「貴方や蓮夜さんは、私の事をヒーローと言ってくれたけど……私自身、そんなつもりはないんです……寧ろ、そんなものがいらなくなる世界に少しでも変えていきたい……もう二度と、私や貴方達みたいに、あんな悲劇のせいで誰かに涙を流させたくない……だから伸ばすって決めたんです、この手を。あの日、奏さんが助けてくれたこの命と、この手に握るシンフォギアで、助けを求める誰かの手を繋ぐって……」

 

 

『ッ……そんな事でっ……!』

 

 

「……それで許してもらえる、なんて思ってません……。貴方が私を憎む気持ちも、哀しみも痛いほど伝わって、分かるから……だから……」

 

 

そう言いながら響は徐に両手を伸ばし、地面に打ち付けられたフロッグイレイザーの傷付いた拳を手に取って握り締めていく。

 

 

『ッ?!なに、をっ……?』

 

 

「……貴方の怒りも、憎しみも、私が全部受け止めます……だからもう一度、立ち上がって生きて欲しい……!イレイザーになってしまった罪を償って、もう一度、人として……」

 

 

『なっ……』

 

 

自分の憎しみを全て受け止める代わりに、もう一度人間としてやり直して欲しい。

 

 

耳を疑うような響のその言葉にフロッグイレイザーだけでなくクロスも驚きを浮かべてしまうが、我に返ったフロッグイレイザーは慌てて響の手を振り払おうとするも力強く握られた手を払えず、戸惑いを露わに響を睨み付けた。

 

 

『正気かお前っ……!そんな事をしてお前に何のメリットがあるんだっ!そんな、お前が傷付くだけのっ……!』

 

 

「……それで貴方の生きる意志になれるなら、私はへいき、へっちゃらです。初めは憎しみを糧にしてもいい。怒りもぶつけてくれても構わない。どれだけ長い時間が掛かっても、いつかその憎しみや哀しみが晴れて、前を向いて立ち直れるようになれるまで、私が貴方の手を握り続ける……!だから、どうか……生きるのを諦めないでっ……!」

 

 

『……ッ……!』

 

 

握り締めた手を更に強く握り締め、何処までもまっすぐな眼差しを向けてそう言い切る響にフロッグイレイザーはただただ言葉を失い、絶句してしまう。

 

 

自分が罪を償い、立ち直れるようになるまでその憎しみの全てを受け止め続ける。

 

 

あれだけの世界の悪意に晒され、あれだけの憎悪を叩き付けられても尚、一方的な憎しみをぶつけてきた相手にまで手を差し伸べる響の優しさに嘘偽りが一切ないのだと、固く握り締められる両手の暖かみから否が応でもソレを感じさせられてしまう。

 

 

あの二人を失ったあの日から二度と誰かに掴まれる事のなかった自分の異形の手を優しく包み込む響の両手を複雑げに見つめると、フロッグイレイザーはやがて肩を落としながら響の手から目を逸らし、力無く項垂れていく。

 

 

『コイツは、何処まで…………いや…………だからこそ、なのか…………は、はっ…………そりゃそうだ…………俺とは違うに決まってる…………敵うワケがない、はずだっ…………』

 

 

『……お前……』

 

 

自嘲するフロッグイレイザーから、憎しみの念が薄らんでいくのが分かる。

 

 

憎んでいた相手の響から此処まで言われて何か感じ入る物があったのか、フロッグイレイザーの変化を悟ったクロスがジッとその顔を見つめると、フロッグイレイザーは徐に顔を上げてクロスを見据えていく。

 

 

『……奴らには気を付けろ……アイツ等は今も俺達の他に、仲間を増やし続けてる……お前達が思ってる以上に、奴等は危険な存在だ……』

 

 

『!』

 

 

「それって……」

 

 

それはノイズイーターを生み出しているアスカ達の事を指しているのか、敵対していた筈の自分達に奴らへの警告を口にするフロッグイレイザーにクロスと響も驚きを浮かべると、その時、響が握るフロッグイレイザーの手から無数の粒子が溢れ出していく。

 

 

「ッ?!手がっ……!」

 

 

『嗚呼……いっつもこうだな……俺は……後になって後悔してばかりで……もっと周りを信じていれば…………お前みたいな強さが…………俺にもあれ……ば…………』

 

 

「あっ──!」

 

 

掴んだ手が、すり抜けるように消えていく。

 

 

それでも尚手を掴もうと伸ばした響の手は届かず、フロッグイレイザーは後悔の念を口にしながらその身体が無数の粒子となって消滅していき、夕暮れの空へと立ち上り消えていく粒子を呆然と見上げながら、響は悔しげに拳を握り締めていく。

 

 

「蓮夜さん……あの人は……」

 

 

『……ノイズを喰らったイレイザーは個体差はあれ、理性を失い、正気でいられなくなる……奴もそのせいでお前への激情を暴走させていた以上、止めるにはこの方法しかなかった……』

 

 

「……っ……」

 

 

だからお前が気に病む必要はないと暗に伝えるクロスだが、それでも割り切れないのか、響はフロッグイレイザーの手がすり抜けた自分の両手を握り合わせて後悔を露わに俯いてしまい、クロスもそんな響の震える背中を見つめて僅かに逡巡した後、顔を上げて彼女に歩み寄ろうと一歩踏み出し掛けた、其処へ……

 

 

「……立花さん……?」

 

 

「……っ!」

 

 

二人の背後から不意に声が聞こえ、その聞き覚えのある声に響はハッとなり、顔を上げ振り返る。

 

 

其処には、戦いの終わりを察して遊具の陰から出てきた未来が胸に手を当て、僅かな戸惑いを露わに響を見つめて佇む姿があった。

 

 

「未来……!」

 

 

「あ、あの……立花さん、今のって……―ザザザザザァッ!―……ッ?!い、たっ──!」

 

 

今の怪人は何だったのか、響が身に纏うギアの正体が何なのか問い詰めようとした未来だが、直後に未来の頭に先程と同じ激しいノイズが駆け走って頭痛が走り、頭を抑えてその場に跪いてしまう。

 

 

「み、未来っ?!」

 

 

辛そうに地面に座り込む未来に慌てて駆け寄り、響が彼女の肩を掴んで呼び掛ける。それに対し未来も苦しげに何度か呻き、暫し間を置いて徐々に瞼を開いていくと……

 

 

「───ひび、き……?あれ……私、なにを……?」

 

 

「ッ!未来……今、私の……!」

 

 

心配そうに顔を覗き込む響の顔を見て、彼女がぼんやりと口にしたのはイレイザーの改竄の影響で忘れてしまった筈の親友の名前。

 

 

長らく彼女の口から聞く事のなかった自分の名前を呼ぶ未来を見て響が目を見張る中、そんな響の反応を他所に未来は周囲を見回し、頭上に疑問符を浮かべていく。

 

 

「というか……え……?此処、どこ?私、確か部屋で寝てた筈じゃ……?」

 

 

「みっ……未来ぅーっ!!良かったぁっ、未来が元に戻ったぁああああ〜〜っっ!!!!」

 

 

「え……え、ちょっ、響?!どうしたのいきなりっ、えぇ?!」

 

 

改竄を受けていた間の記憶がないのか、いつの間にか公園にいる事に疑問を抱く未来に目を潤ませた響がガバァッ!と思いっきり抱き着いた。

 

 

あまりの勢いのそのまま危うく倒れそうになるも、何とか響を受け止めた未来は一向に状況が飲み込めずに戸惑ってしまうが、響は構わず記憶を取り戻した未来に強く抱き着きながら目尻に涙を浮かべるほど喜びを露わにしていた。

 

 

そしてクロスもそんな二人の様子を遠くから見守りながら静かに微笑むと、バックルからカードを抜き取って蓮夜へと戻り、懐から小型の端末……弦十郎から密かに受け取っていた通信機を取り出し、S.O.N.G.に通信を繋いでいくのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

「───なっ……では、我々全員揃ってイレイザーの改竄を受けていた、という事か……?!」

 

 

それから数十分後。蓮夜から連絡を受け取ったS.O.N.G.の本部から黒塗りの車と大型車が数台駆け付け、事後処理の為に封鎖された公園内にて、蓮夜は他の職員達と共に駆け付けた弦十郎に今までの経緯を一から説明し、その内容に驚愕する弦十郎に小さく頷き返した。

 

 

「その様子だとやはり、改竄を受けていた間の記憶はないか……なら今日一日、自分が何をしていたのかも全く記憶にないんだな……」

 

 

「ん……あ、ああ、そうだな……俺が覚えている限りだと、最後の記憶は確か昨夜、研究室で君から貰ったイレイザーの情報に関してエルフナイン君と話し合っていた所までだ……それ以降の記憶は途切れていて、気付いた時には一日が過ぎていた。其処へ君からの連絡が来て、今に至る、という感じだな」

 

 

「つまりイレイザーの改竄が始まったのは少なくとも昨日の夜……俺が気付けたのが今朝となると、アイツの周りの人間の記憶を少しずつ改竄して発見を遅れさせたという事か……」

 

 

それだけ自分に見つかるのを危惧していた、という事なのだろうか。確かに自ら慎重派を名乗るだけの事はあると、アスカの顔を思い返して蓮夜が小さく溜め息を漏らす中、弦十郎は眉間に皺を寄せていたたまれなさそうに頭を掻いていく。

 

 

「しかしそうか……響君が危険な目に遭ってる間、俺達はまんまとイレイザーの改竄に苛まれていたとは……彼女達の安全を預かる身の大人が、なんと情けないっ……」

 

 

「いや、奴らの改竄を受けて全員無事でいられただけでも上々だ……寧ろ、早い段階で異変に気付けなかった俺の方に非がある……これでもし誰かが犠牲になっていたとしたら、いよいよ本当に貴方達に顔向けが出来ない所だった……」

 

 

イレイザーの改竄への未来の反抗、それに触発された響とガングニールの復活、そして新たな力の発芽と、これらの要素が一つでも欠けていれば今回の事態の異変解決は叶わなかったかもしれない。

 

 

結局自分一人の力では異変の解決を果たせなかった事に自己嫌悪を覚え、申し訳ないと頭を下げる蓮夜に対し、弦十郎は首を横に振って否定した。

 

 

「だが、君がいてくれたおかげで事態を解決出来たというのもまた事実だ。もしこれが我々だけだったなら、奴らへ対抗する術もなく響君が犠牲になっていたかもしれん……だから君には感謝こそすれ、非難するような事は決してしないさ。少なくとも、今回の異変発生に際して何も出来なかった俺達にそんな資格はないからな……」

 

 

「……風鳴司令」

 

 

蓮夜の心境を察してくれてるのか、そう言って目を伏せる弦十郎からの励ましに蓮夜も意外そうな顔を浮かべると、弦十郎は公園の入り口……フロッグイレイザーに殴られた怪我の治療と検査をS.O.N.G.本部の医療機関で診る為、S.O.N.G.が用意した車に乗せられる毛布に身を包んだ未来と、彼女に付き添う響に視線を向けていく。

 

 

「それにしても、響君がイレイザーに傷を負わせたという話は本当なのか?君の話では、奴らに対抗出来る術はそのベルトとカードの力のみだったと聞いていたが……」

 

 

「……俺もずっとそう思っていた……だが、アイツに持たせていたこのカードが変化した際、俺の中である記憶が蘇ったんだ……」

 

 

「記憶?」

 

 

訝しげに聞き返す弦十郎。それに対し、蓮夜も小さく頷きながら手に握るガングニールの紋章が描かれたカードに目を落としていく。

 

 

「イレイザーに対抗出来るのはクロスだけじゃない。このカードが変化した起因を調べれば、恐らく俺以外にも奴らと戦える力……いや、イレイザーの改竄も無効化出来る術が見つかるかもしれない……」

 

 

「改竄を無効化、だと?それはつまり……ぬっ、ぐっ……!」

 

 

詳しく話を聞き出そうと身を乗り出す弦十郎だが、不意に眩暈を覚えて身体をぐらつかせてしてしまい、それを見た蓮夜は咄嗟に腕を伸ばして弦十郎の身体を支えていく。

 

 

「……詳しい話はまた後日にしよう……そちらもまだイレイザーの改竄から解放されたばかりで、身体が本調子じゃなさそうだ」

 

 

「むう……そう、だな、面目ない……しかし、そういう君は大丈夫なのか?見たところ、外傷も酷く辛そうに見えるが……」

 

 

蓮夜の手を借りて何とか態勢を整えながら、弦十郎が痣や血が滲む蓮夜の顔、ボロボロの服と黒焦げた右足を眺めて心配を露わに問い掛けると、蓮夜は一瞬「?」と頭の上に疑問符を浮かべながら自分の傷付いた身体を見下ろした。

 

 

「俺は……そうだな……怪我の見掛けに比べて痛みは少ないから心配いらない。こちらは気にしなくても問題ないから、先ずはそちらの回復に専念して──「駄目です!」……え?」

 

 

司令の不調でS.O.N.G.の活動に支障を来さないようにする為、弦十郎に静養を勧めようとした蓮夜の言葉を遮るように声が響き、その声に釣られて二人が振り返ると、其処には公園の入り口の方から何やら厳しい顔をして早足で歩いてくる響の姿があった。

 

 

「お前……?」

 

 

「響君?まだ本部に戻っていなかったのか?未来君は……」

 

 

「未来にはまだ車の中で待ってもらってます。それより、蓮夜さんも一緒に怪我を診てもらわないと!未来より酷いじゃないですか、その怪我!」

 

 

「え」

 

 

イグニスイレイザーとの戦いで負った蓮夜の全身の怪我と火傷を指して詰め寄る響の迫力に抑えれながらも、蓮夜はもう一度自分の身体を一瞥し、破れたズボンの間から痛々しい火傷が見える右足を後ろに下げて隠しながら、何処か慌てた様子で首を横に振った。

 

 

「いや、俺は本当に大丈夫だからこっちの事は気にしなくていい。俺の事なんかより、先ずお前の友人を先に──」

 

 

「全然大丈夫じゃないですっ!さっきの戦闘の時も動きが鈍ってたし、右足を庇ったりしてたじゃないですか……!いいからほらっ、行ーきーまーすーよっ……!」

 

 

「い、いや、待て……本当にいいんだ……俺はこの通り平気でっ、痛っ──!」

 

 

「ほら痛いって言った!やっぱり全然大丈夫じゃないじゃないですか!」

 

 

「ち、違う!今のは思わずっ……まっ、人の話を──!」

 

 

何故か頑なに動向を拒否する蓮夜の話を無視し、S.O.N.G.の本部で未来と一緒に怪我を診てもらう為、響は強引に蓮夜の背中を押して車に押し込めていった。

 

 

「……珍しいな……響君が人助け以外で、彼処まで誰かに強引に迫るとは……」

 

 

そうして、一人その場に残された弦十郎も三人を乗せた車が本部に向かって走り去るのを見送りながら、人助けや戦場以外でそうそう見られない響の強気な一面に意外そうな顔を浮かべ、ポツリとそんな感想を漏らしたのだった。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

―S.O.N.G.本部―

 

 

それから約一時間後。完全に日が落ちてすっかり夜となった頃、S.O.N.G.の医療機関で診てもらった未来の怪我は大した外傷ではなかったらしく、一先ず跡が残るような心配はないだろうと医師にも診断された。(その結果に響は一先ず安堵していたが、改竄されてた間の記憶が残っていない未来はそもそも何故自分が怪我をしているのか分かっておらず、治療を終えてからも終始頭の上に疑問符を浮かべていた。

 

 

因みに、それとは同時進行で蓮夜の診断も一緒に行われていたのだが、問題は寧ろこちらの方にあった。

 

 

イグニスイレイザーの炎に焼かれ重度の火傷を負った右足を始め、どうやらそれ以外にも身体の至る所の骨に罅が入っていたり、中には骨が折れる寸前の重傷まであったらしく、そのあまりに酷い診断結果に医師達も揃って血相を変え「寧ろ何故そんな平気そうな顔をしていられるんだっ?!」と驚きを露わにしていたが、当の本人の蓮夜が真顔で返した「ラ……ランナーズ、ハイ……?」の返答には一同ポカンと開いた口が塞がらない様子だった。

 

 

ともかく蓮夜の怪我の具合は想像以上に酷いらしく、完治するまで少なくとも三ヶ月は入院して治療に専念しなければならないと診断され、その場にいた医師達の全員や診断結果を知った響からも強く入院を勧められたが、当の蓮夜は……

 

 

 

 

『───入院はいい!入院は困る!今日のバイトを途中で抜け出してしまった以上、明日のシフトにまで穴を空ける訳にはいかないんだ!』

 

 

『ダメですってばっ!私のせいで怪我をしたんだからちゃんと治療していかないとっ!このまま帰したら私も色々気になり過ぎて、晩ごはんも二杯しかおかわり出来ないじゃないですかぁッ!』

 

 

『十分に食べれているんじゃないのかそれは……!いいから大丈夫だ!気にしなくていい!寧ろ恩人の店に迷惑を掛けてしまう事の方が大丈夫じゃないんだ!頼むから帰してくれぇ!』

 

 

『だぁーーめぇーーですってばぁぁぁぁーーーーッ!!』

 

 

 

 

……などといった具合に入院を全力で拒否りまくり、強引に出ていこうとする蓮夜の手を響が全力で引き止めたりと、医務室内はしっちゃかめっちゃかな状態が暫し続く羽目になった。

 

 

そしてその後、そんなやり取りが約三十分も続いた頃合であまりの蓮夜の拒否りように医師達が先に折れてしまい、入院は無理でもせめて一日だけ仮入院して様子を見させてもらえないかと頼み込んだ所、蓮夜も「それなら……」と一応納得し、今日は本部で仮入院する事になった訳なのだが……

 

 

「──なあ……そろそろ機嫌を治してはもらえないだろうか……?」

 

 

「むうー……」

 

 

体中に包帯を巻き、右足と左腕にギブスを付けて松葉杖を突いた蓮夜は本日泊まる事になる病室が用意されるまで、医務室の外の待合所のソファーに座って待たされていた。

 

 

その隣には付き添いを申し出た響の姿もあるのだが、入院を蹴った事がそんなにお気に召さなかったのか、響は先程から膨れっ面を浮かべて蓮夜と視線を合わせようとはしてくれず、困り果てた蓮夜は目尻を下げて再度響に声を掛ける。

 

 

「その、なんだ……さっきから言ってるように、怪我の見掛けに比べて俺は全然大丈夫なんだ……だからお前が其処まで気にする必要はなくて、つまり……」

 

 

「むうー!」

 

 

「…………」

 

 

何とか機嫌を宥めようとするも、余計に膨れっ面が増し、言い訳無用、断固拒否と言わんばかりに響の上半身が蓮夜とは反対側に仰け反り離れてしまう。

 

 

──参った。どう切り出しても話を聞いてもらえない。

 

 

所在なさげに伸ばした手を宙に泳がせたままどうしたものかと悩み、蓮夜は暫し思案を繰り返して他に切り口がないか考え込んだ後、一つだけ、先程から気になっていた疑問を恐る恐る響に投げ掛けてみた。

 

 

「そう、いえば……お前の友人はあの後どうしたんだ……?俺達が医務室でごねてた間に、いつの間にか姿がなくなってたみたいだが……」

 

 

「……ごねてたのは蓮夜さんだけのような……未来は発令所の方に移動して、さっき招集を掛けたクリスちゃん達と一緒に今回の異変の説明を師匠から聞かされてるみたいです……私達以外は改竄を受けてた間の記憶がないから、混乱を避ける為に情報の共有だけでも一足早くしておいた方がいいだろうって、師匠も言ってましたから……」

 

 

「……そう、か……それもそうだな……」

 

 

何か最初の方でボソッと聞こえた一言が気になるが、それはともかく一日の大半の記憶がなく、気付いた時には明日が終わろうとしていたなどと普通なら混乱して当然だ。

 

 

余計な騒ぎを避ける為にも先に説明だけでも済ませておくという弦十郎の判断は確かに間違っていないと納得すると同時に、蓮夜は瞼を伏せて安心するように溜め息を吐いた。

 

 

「けど、良かった……お前の友人に大事がなくて……」

 

 

「…………」

 

 

怪我の容態もそうだが、もし仮に一生顔に残る傷痕なんかが残ってしまっていたらどうなっていたか。

 

 

自分が間に合わなかったが為に彼女に要らぬ傷を負わせたかもしれないと内心気が気でなかったが、診断の結果を聞いてから漸く胸のつかえが取れて安堵する蓮夜の顔を横目に、響も何か思案する素振りを見せるように暫し俯いた後、徐に姿勢を正しながら蓮夜に向けて口を開いた。

 

 

「蓮夜さん……その……あのイレイザーは……あの人は結局、イレイザー達に利用されてただけだったんでしょうか……」

 

 

「…………」

 

 

そう疑問を投げ掛ける響からの突然の問いに、蓮夜は咄嗟に言葉を返せず押し黙る。しかしそれも一瞬であり、蓮夜は無言のまま空を仰いで天井を見上げていくと、先の戦いで散ったフロッグイレイザーの最期を思い返してポツポツと答えていく。

 

 

「利用されていた、という点ではそうだろうな……奴も元々は、この世界で虐げられた被害者の一人に過ぎなかった……だがイレイザー達と出会ったばかりに、ただの被害者から加害者になってしまった……奴の改竄に晒された人達、お前達への被害を鑑みてただの被害者とは言い切れなくなったが……少なくとも、イレイザー達と関わったが為に奴の人生は狂わされたと言っても過言じゃない……奴にはもう、罪を償ってやり直すという選択肢すら選べなかったんだからな……」

 

 

「…………」

 

 

フロッグイレイザーを直接手に掛け、その命を奪ったのは確かに自分達だ。それは間違いない。

 

 

しかし、そうせざるを得ないまでに彼を歪めてしまったのは、他ならぬ彼の心の傷につけ込んだイレイザー達のせいだ。

 

 

奴らに出会いさえしなければ、彼だけでなく今までイレイザーにさせられた人達も人の道を踏み外す事も、その手を汚す事も、果てに命を失う事もなかった筈なのだ。

 

 

そう考えるだけで、尚更やるせない気持ちになる響の横顔をジッと見つめると、蓮夜はギブスを巻いた自分の左腕を見下ろしてアスカと邂逅した際の奴の言葉を脳裏に思い返していく。

 

 

―ただ普通に生きてただけで、ある日突然手前の物差しで身に覚えのねぇ罪を押し付けられた上に勝手に人を追い出しておいて、何で一方的に俺達の側が悪いと決め付けられなきゃなんねぇんだっ?!―

 

 

「──だからと言って、それが誰かの心の弱味につけ込んでいい理由にはならない……」

 

 

「……え?」

 

 

物語の都合で今までの生活をある日突然奪われ、人でない怪物にさせられた挙句に世界から追放させられたアスカ達が、こちら側の世界を憎む気持ちも分からなくもない。

 

 

しかしだからといって、その復讐の為に関係のない人間を巻き込むような横暴を許していい理由になる訳がないのだ。

 

 

そう考えながら重い腰を上げてソファーから立ち上がる蓮夜を見て響が首を傾げると、蓮夜は響の方に向き直っていく。

 

 

「俺は必ず奴らを止める。奴らを最初に止められなかった負い目や償いだけじゃない……もうこれ以上、関係のない人間を巻き添えにさせない為にも、だ……」

 

 

「蓮夜さん……」

 

 

「……だから改めて、お前達の力を貸して欲しい……イレイザー達の目的を阻止する為にも、お前達の力が必要不可欠だ……頼む」

 

 

アスカ達の目論見を阻止する為に、彼女達の力を借りる事を改めて申し出て頭を下げる蓮夜。それを見た響は笑みを浮かべ、ソファーから立ち上がり迷いなく頷く。

 

 

「勿論です。寧ろ力を借して欲しいのは、私達のほう……だから、力を合わせて戦いましょう!私達、みんなで!」

 

 

「……すまない……いや、ありがとう……」

 

 

響ならきっとそう言ってくれるだろうという確信はあったが、それでも緊張は拭えなかったのか安堵の溜め息を漏らす蓮夜に、響が笑って右手を差し出した。

 

 

蓮夜は一瞬その意図が読めず目が点となるも、それが握手を意味すると察して白い包帯を巻いた自分の右手を見つめ、そのまま彼女の手を取って握りながら響と顔を見合わせて僅かに微笑むと、其処で何かを思い出したように口を開いた。

 

 

「そうだ……すまない。協力にあたって一つ、頼みがあるんだが……」

 

 

「はい、なんでしょう!」

 

 

「……名前、を……」

 

 

「……へ?」

 

 

要望があるという蓮夜からの申し出に二つ返事で頷き返す響だが、急に歯切れが悪くなる蓮夜を見て小首を傾げる。一方で、蓮夜は所在無さげに何度か視線をさ迷わせながら……

 

 

「名前を呼んでも、構わないだろうか……?これから一緒に戦う相手を、流石にお前呼ばわりし続けるのもどうかと思ってな……駄目か……?」

 

 

「え、あ、は、はい。それは勿論……というか、名前くらい別にもっと前から呼んでくれても……?」

 

 

「いや、初めて顔を合わせたその日にイレイザーから手を引け──などと言ってしまった手前、いきなり気安く名前を呼ぶのはあまりに不躾過ぎると思ったんだ……」

 

 

だから長らく名前を呼ぶ事を躊躇して出来なかったと恥ずかしげに告白する蓮夜。それを聞いて響も一瞬呆気に取られるも、彼が其処まであの日の事を気にしてた事が意外で可笑しそうに噴き出し、直後に「あっ」と何かを思い付いたように口火を切った。

 

 

「だったら、試しに私の名前呼んでみて下さいよ。これから皆の名前を呼ぶ練習と思って、ほら、響って!」

 

 

「……ひびき」

 

 

「はい」

 

 

「ヒビキ」

 

 

「はい!」

 

 

「ひびキ」

 

 

「……あ、あのぉ、ごめんなさい……そんなまっすぐ見つめられながら名前を連呼されると、私も流石に照れちゃうかなぁーってっ……」

 

 

「?ああ、そうか……すまない……中々納得のいく発音にならず、つい……」

 

 

初めての名前呼びに自分でも幾らか緊張を覚えているのか、名前の発音が上手くいかずに悪戦苦闘するあまり熱い視線を送ってしまっていたらしい。

 

 

ジッと見つめられて恥ずかしそうに狼狽える響に謝罪すると、蓮夜は何度か響の名前を繰り返し口にして徐々に正しい発音に近付けていき、漸く納得のいく発音を言えるようになり、コクリと小さく頷いた。

 

 

「──響……ウン、これだ……なら改めて、宜しく頼む……響」

 

 

「……はい!それじゃあ、私からも一つだけ、蓮夜さんにお願い事してもいいですか?」

 

 

「?ああ、こっちの頼みを聞き入れてくれたんだ。俺に出来る事なら何でも──」

 

 

「良かった!じゃあ、今から先生達に言ってちゃんと入院させてもらいましょう!今後の為にもしっかり怪我を治療してもらって──!」

 

 

「仮入院」

 

 

「ちゃんと入院!」

 

 

「一日だけだ」

 

 

「入い」

 

 

「入院はしない」

 

 

「……むぅぅーー!」

 

 

「いや、其処でむくれられても俺にも退けない理由があって──待て、おい待て。何か手に力が篭ってないか?しかも段々力が強まってないか……?おい、ちょっと、まっ……痛っ、痛痛痛痛っ!待てっ!握り締め過ぎだっ!骨が軋むっ!待て響っ、響ぃいいっ!」

 

 

未だに蓮夜の入院を諦めてなかったのか、響は要望を聞き入れた代わりに入院してもらうべくもう一度説得しようとしたものの結局取り付く島もなく、こうなればと頬を膨らせた『(>н<)』のむくれ顔で握手したままの蓮夜の右手をがっしり両手で握り締めて抑えに掛かるものの、その緩い顔に反してギギギギィッ!ととんでもない音が鳴る腕の痛みに蓮夜の悲鳴が待合所に木霊したのであった。

 

 

 

 

……そしてその後、弦十郎から一通りの説明を受けたクリス達が帰りに響を迎えに行った所、困り果てた顔の医師達に囲まれながら「んんーー!」と蓮夜の手を全力で引っ張る響と、その手から抜け出そうと蓮夜が声にならない雄叫びを上げながら必死に腰を引いて抵抗しているという良く分からない状況に居合わせ、開いた口が塞がらず呆然と立ち尽くす事となったのであった。

 

 

 

 

第四章/蘇る聖拳×束ねられた絆 END

 

 

 






新タイプ解説編



仮面ライダークロス・タイプガングニール


解説:立花響との繋がりから生み出されたカード『TYPE GUNGNIR』を用い、クロスが変身する超突撃特化型近接格闘形態。


元々は蓮夜も知らない全くの未知の形態だったが、響と心を通わせた事で何も描かれていなかったブランクカードにガングニールを模した紋章が浮かび上がり、イレイザーの改竄能力によって物語から消し去られた筈の響のガングニールを復活させたりなど不可思議な現象を起こした。


タイプチェンジ時の外見は頭部左右に角のように頂く黒と白のヘッドギアと、金に近い煌めきを放つ橙色の複眼が特徴的なオレンジと白の仮面。


滑らかさと刺々しさが溶け込むように両立した形状のオレンジ、白、黒の三色が入り交じったボディの背部と両足の左右には、響のスーツと同様に複数のバーニアスラスターが付属されており、両肩の肩甲骨部からは橙色に輝く二翼の光のマフラーが飛び出している。


しかしその両腕は響のギアとは違い、右腕が純白と橙色、左腕が漆黒と橙色という左右非対称のアンシメトリーな色合いとなっており、これは憶測を含むが響自身の嘗ての凄惨な過去とそれを乗り越えた今の象徴、或いは彼女が受け継ぎ、想いを繋いできた歴代ガングニールの装者の天羽奏、マリア・カデンツァヴナ・イヴの二人の要素が顕れているのではないかと考えられるが、ハッキリとした確証は不明のままとなっている。


戦闘スタイルはオリジナル元の響と同じく徒手空拳を主としており、響のガングニールと同様に両腕部には武装ユニットとして弾性で作動するハンマーパーツ、両足の脛部にも同様の仕組みのパワージャッキが備わっている他、背部と両脚のバーニアスラスターをジャンプしての滑空飛行や攻撃の為の突進に利用する事が可能であり、この推力を加えたハンマーパーツのパンチの威力は響と同様絶唱に迫る威力を誇る。


更に両腕のユニットを分離・変形させる事で純白の槍のガングニール、漆黒の槍のガングニールとして利用する事が可能であり、空手から得物を切り替える、或いは腕部から武装ユニットだけを飛ばして変形させ敵の不意を突く投擲武器にするなど、様々な局面に対応出来る用途が存在する。


必殺技は両肩のアーマーを変形させて両腕に纏ったドリルを一つに束ね、巨大なドリルで相手に突撃して穿つ『裂迅撃槍』、脚のパワージャッキで威力を高め、スラスターで限界まで加速した飛び蹴りを敵に叩き込む『絶牙天翔脚』、響とのユニゾンで両肩のアーマーを束ねて変形させた、巨大な橙色の豪腕の拳を共に相手に目掛けて突進し叩き付ける『交錯x天照裂破』


また、このカードは力の源である立花響とも密接に関係しており、タイプガングニールのカードの存在によって響はイレイザーの改竄能力に一切侵されず、同時に、本来ならば物語上の存在では倒せないイレイザーに傷を付け、単体で撃破出来る力が付与される事となった。




EXCEED DRIVE


解説:必殺技発動時にのみ姿を変える、全てのリミッターを一時的に限定解除したシンフォギア系統のタイプにおけるフルパワー形態。


全ての出力が大幅に上昇して元々のスペックの数倍にまで跳ね上げるが、限界値を突破すればオーバーヒートで自壊してしまう危険性も兼ね備えている為、過剰エネルギーを外に逃す為の変形機構として仮面のクラッシャー、両肩の縁、両腕の両脚の側部、胸部中央の装甲が開いて発光する仕組みとなっている。


この形態を維持しての戦闘も可能としているが、長時間の使用は不可能となっており、発動後からおよそ五分が限界、限界稼働時間を超えてから次の使用までのクールダウンに十分の時間を要する事となり、その間は必殺技の使用も不可能となる欠点を持つ。





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