戦姫絶唱シンフォギア×MASKED RIDER 『χ』 ~忘却のクロスオーバー~   作:風人Ⅱ

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どうも皆様、風人IIです!

今章、いよいよ完結となります(ただやりたい事を詰め込み過ぎた結果、滅茶苦茶内容が長くなったので連続投稿に別ける事にします。

新タイプの設定に関しましては、また後日更新致します。




第八章/繋xX式・調(ツキ)が読み解くわたしの答え×黎明・それでもme侶スは駈ke走ル⑦(後)

 

 

 

───あれから数日後。

 

 

 調のあの衝撃的な告白のその後の経緯に関しては、一先ずは割愛させてもらうとして……。

 

 

 まず蓮夜の容態についてだが、普通であれば全治に数ヶ月の期間を要する怪我はやはり今までの例に漏れず、短期間の間に驚くべき速さで普通に歩けるようになるまで回復した(無論入院してる間、お見舞いにきてくれた響に加えてクリスまでも参戦し、またも無茶した件についてこれでもかとこっぴどく叱られる羽目になったが

 

 

 その後、何とか歩けるようになるまで快調した蓮夜は弦十郎に調の謹慎処分を一日だけでも解いてもらえないかと頭を深く下げて頼み込み、許可が下りるまでの手続きなど長い紆余曲折がありつつも、調の心情を察してくれた弦十郎の鶴の一声により、何とか一日だけの外出が許される事となった。そして……

 

 

 

 

 

◇◇◆

 

 

 

 

 

「──うぐぅ……な、何だか今更ながらすっごい緊張して、胃がキリキリしてきたデスよぅっ……」

 

 

 調神社の入り口前。其処には先の事件から実に数日振りに、バスを乗り継いでこの場所へ足を運んだ調と切歌、そして未だに体中に包帯が巻かれたままで松葉杖を片手に突く蓮夜達三人の姿があった。

 

 

 来訪の目的は無論、イレイザーの改竄から解き放たれた宮司の様子をこの目で確かめる為だ。

 

 

 ただしかし、いざ神社に足を踏み入れようとした矢先に切歌が苦い顔でお腹を抑えて足踏みしてしまい、そんな彼女の姿に蓮夜も思わず苦笑いを浮かべてしまう。

 

 

「緊張するのが調ならまだ分かるが、お前まで緊張する必要はなくはないか?」

 

 

「うぅ……そ、それはそうなのデスが、あれから宮司さんに直接会うのはアタシもお久方ぶりになりますし、否が応でも緊張は拭えないものなんデスよっ……!」

 

 

 「其処は複雑な乙女心を汲み取って欲しいデス!」と両手を前に上下にブンブン振りながら力説する切歌なのだが、正直乙女心はあまり関係ないのでは……?と思わなくはない。

 

 

 そんな彼女の言葉を苦笑いと共に受け流しつつ、蓮夜はチラッと背後に目を見遣る。

 

 

 其処には月神社を前に右手を胸に当てて、何処となく緊張した面持ちで無言のまま神社の社を見上げる調の姿があった。

 

 

「……調、大丈夫か?」

 

 

「…………。はい。私は平気です」

 

 

 蓮夜の問いに短く返す調。

 

 

 しかし、心做しかそう答えた声色は微妙に固く、彼女の身に纏う雰囲気も些かの緊張感に包まれているようにも見える。

 

 

 それを察し、蓮夜と切歌は僅かに思考する素振りを見せた後にお互いに顔を見合わせて頷き合うと、切歌は調の左側に、蓮夜は右側に立ち、それぞれ彼女の手を取って握り締めた。

 

 

「!……二人共……?」

 

 

「きっと大丈夫デスよ、調!」

 

 

「俺達は出来る事をやったんだ。だから信じよう。今は」

 

 

「…………。うん、そうだね……」

 

 

 先程と同様に短く、しかし、何処か柔らかな声音と共に頷き返した調はギュッと二人の手を握り返す。

 

 

 そして静かに目を閉じ、何度か深呼吸を繰り返した後、調は意を決したように瞼を開けた瞳で神社をまっすぐ見据え、切歌と蓮夜と共に足を踏み出した。

 

 

 

 

 

 

◆◇◇

 

 

 

 

 

―調神社―

 

 

 境内を三人で軽く散策し、暫くした後。

 

 

 ふと視界の端に見覚えのある後ろ姿が映ったのに気付き、蓮夜は反射的にそちらへと顔を向ける。

 

 

 其処には予想通り、此方に背を向けたまま境内の片隅に佇む一人の男性の姿があり、恐らく掃除中だったのか、竹箒を手にしたままその人物は蓮夜達に気付かぬまま空を見上げては何か物思いに耽っているように見えた。

 

 

「……宮司さん」

 

 

「!……おっと、これはこれは。黒月さんに暁さん。それに"月読さん"まで。いらっしゃっていたのですね。いやはや、気付かずに申し訳ない」

 

 

「…………っ」

 

 

 蓮夜が声を掛けた途端にハッとなり、振り返った男性……キマイライレイザーの改竄から解放されてすっかり元に戻った宮司は、あいも変わらずの茶目っ気を交えた人当たりの良さそうな笑顔で恥ずかしそうに後頭部を掻き、三人に向けて頭を下げた。

 

 

 その変わらぬ姿に半分安堵を覚えつつも、同時に宮司から"月読さん"と呼ばれて胸にズキッと針を刺されたような痛みを覚え複雑げに眉を潜める調を横目に、蓮夜は切歌と共におずおずと宮司に向けて頭を下げた。

 

 

「ご無沙汰しています。本当ならもっと早くに顔を出したいと思っていたのですが、あの後色々とゴタゴタがあった上に、自分もこの有り様で……遅くなってしまい、申し訳ない……」

 

 

 そう言いながら、宮司に頭を下げたまま謝罪する蓮夜。

 

 

 それを見た宮司は一瞬だけ驚いた表情を浮かべるも、すぐに穏やかな笑みで首を横に振ってみせる。

 

 

「いえいえ、そんな事は気になさらないで下さい。私としても、貴方達には本当に感謝しているんですから」

 

 

「……えっ?」

 

 

 予想外の返答だったのだろう。

 

 

 思わず驚きの声を漏らして頭を上げる蓮夜に、宮司は小さく微笑んで続けた。

 

 

「事情は皆さんのお仲間様方から既に大体伺っております。私があのイレイザーとやらの怪物の被害に遭っている間、皆さんが私の為に身を粉にして奮闘してくれた事も。……ですので、皆さんが謝る事などない。寧ろ謝罪せねばならないのは、私の方です。私なんぞの為に苦労を掛け、あまつさえ黒月さんには其処までの怪我を負わせてしまい……ご迷惑をお掛けして、誠に申し訳ありませんでした」

 

 

「!……そ、そんな事はないデスよっ!」

 

 

 深々と頭を下げる宮司に切歌は慌てて両手を左右に振り、否定する。

 

 

 すると、そんな三人のやり取りを無言で静観していた調が宮司の前に恐る恐る歩み出て、口を開いた。

 

 

「あの、宮司……さん」

 

 

「?はい、如何しました?」

 

 

「ぁ、えと……その……」

 

 

 声をかけてきた調に対し、頭を上げた宮司は不思議そうな面持ちで小首を傾げる。

 

 

 その視線を受けてか、調は言葉を詰まらせて視線を泳がせてしまう中、そんな調を見て蓮夜は一度目を伏せた後、瞼を開いて彼女の代わりに宮司に質問を投げ掛けた。

 

 

「俺達が今日此処へ訪れたのは、貴方の様子をひと目確かめておきたかったからなんです……。今回俺達が倒した敵の力は、俺達が知るソレとは違って強力なモノで……なので、奴の被害から開放されたとは言え、貴方に何かしらの後遺症が残っていないかと、どうしても心配で……」

 

 

「成る程、そういう事でしたか……。それは大変御心配をお掛けしてしまいましたね」

 

 

 蓮夜の言葉を耳にし、宮司は納得したように何度か首を縦に振る。

 

 

 そして少しの間を置いた後、彼は柔和な笑みを浮かべて調を見つめ、

 

 

「心配なら入りませんよ。私はこの通りピンピンしております。なにより被害に遭ったとは言え、どうにもその間の記憶が曖昧でしてねぇ……実は"何も憶えていないのですよ"、はっはっはっ」

 

 

「「…………え?」」

 

 

 愉快そうに笑いながら発せられた宮司の言葉に、調と切歌は揃って呆けたように目を見開く。だが、そんな二人に構わず宮司は尚も朗らかな調子のまま続けた。

 

 

「しかし、記憶がないと言うのもこれはこれで恐ろしくはありますなぁ。私めもそろそろ良い歳。これでも記憶力がいい事が密かな取り柄だったのですが、いやはや、痴呆や認知症などが入り始めるとこのような感覚になるのでしょうかな?そういった意味では実に恐ろしい怪物に襲われてしまったと今更ながら恐怖が──」

 

 

「……ちょ、ちょっちょっ!待って下さいデスよ!」

 

 

「憶えていないって……ほ、本当に……?イレイザーの改竄を受けてた間の記憶を、一つも……?」

 

 

「ええ。最後に記憶しているのは、そうですね……皆さんが捨て猫の里親探しの為にうちの神社へ貼り紙を貼りに訪れ、その後、皆さんがあのイレイザーとやらの怪物と戦っていた間に逃げた先で他の怪物に襲われたところまで……でしたかな?」

 

 

 ふうむ、と、顎に手を添えて空を仰ぎながら自身の記憶を辿る宮司を見て、共に呆けていた切歌と調が蓮夜の方に振り返る。

 

 

「れ、蓮夜さん、これって……?」

 

 

「クレンの話だと、暴走したノイズイーターの力は強力で、仮に改竄が解けたとしてもずっと記憶は残り続けるって話だった筈じゃ……」

 

 

「………………」

 

 

「……蓮夜、さん?」

 

 

 切歌達の問いに答えず、ただ俯いて黙り込む蓮夜に調は不安げに声をかける。

 

 

 すると蓮夜は静かに顔を上げ、宮司を真っ直ぐに見据えると、

 

 

「どうやら、記憶が残る後遺症云々に関しての心配は、要らぬ杞憂だったようだな」

 

 

「「……へ……?」」

 

 

 予想外の返答に、切歌と調が間の抜けた声を発する。

 

 

 そんな二人の反応を見てクスリと笑うと、蓮夜は続けて言った。

 

 

「あくまでも俺の推論だが、恐らくお前達が俺にくれたあの力……イガリマとシュルシャガナのお陰なのかもしれない。何せ、二つの『記号』を一つにした力なんだ。その分パワーも、今まで俺が手にしてきたどの姿よりも強力だったからな……。お前達がくれた力だったからこそ、奴の強大な改竄の力をも上回り、改竄の影響から解放された後もその間の記憶が残らずに消えてくれたのだと思う」

 

 

「!」

 

 

「そっか……アタシ達の力で……それなら良かったデスっ……!」

 

 

 蓮夜の説明を聞いて納得し、切歌は安堵の息を漏らす。

 

 

 一方で調も蓮夜のその説明で自分が危惧していた心配が本当に杞憂に終われたのだと安心するが、同時に、偽りだったとは言え宮司と共に家族として過ごしたあの日々も全て無くなってしまったのだと、一抹の寂しさも覚えて複雑げな表情で俯いてしまうが……

 

 

「──月読さん」

 

「ぇ……あ、はい……」

 

 

 ふと、宮司から名を呼ばれ、調はハッとなって彼を見る。

 

 

 宮司の方を見ると、彼は微笑を浮かべたまま調を見つめていた。

 

 

「貴女方にも、本当に感謝してもしきれません。皆さんのお仲間からの又聞きではありますが、貴方や皆さんが奮闘してくれたからこそ、今私はこうして無事に生きていられるのだと聞かせて頂きました。このご恩は、決して忘れません」

 

 

「……そんな……感謝なんて……私にはそんな言葉、掛けてもらう資格なんて……」

 

 

 今回の事件。自分が進化前のカメレオンイレイザーを逃したせいで、一体どれ程の数の被害者を出してしまったか。

 

 

 被害者遺族の気持ちを思えば、自分は糾弾されるべき罪人だ。それ以外の何者でもなく、これから先、どんなに贖罪を繰り返しても償い切れるものではない。

 

 

 それを重く理解しているからこそ、宮司からの謝辞に戸惑い、調は視線を落として俯く。

 

 

 そんな彼女を見て、宮司はフッと小さく笑みを浮かべると、ゆっくりと彼女の元へと歩み寄る。

 

 

「……月読さん、貴女の優しさはとても尊いものだと思います。ですが、あまり自分を責めない方がいい。この世に生きている以上、誰だって過ちを犯します。勿論、それは私にも言える事。だからこそ、人は互いに手を取り合い、赦し合うのです」

 

 

「…………」

 

 

「勿論、だからと言って誰も人を憎まずにいられる訳ではない。誰もが聖人君子のように在れる訳でもない。むしろ、そのような人間など、きっと世界中を探しても何処にもいないでしょう。それでも……」

 

 

「……それでも……前を向いて、歩き続けないといけない……犠牲にしてしまった人達の分まで、その命を……罪を、背負って……」

 

 

 調の言葉を聞いて、宮司は静かに首肯し、そのまま彼の手がそっと調の手を取った。

 

 

 突然の事に驚いて顔を上げると、そこには優しい笑顔があった。

 

 

「貴女は強い娘です、月読さん。自分の犯した罪をしっかりと見据え、向き合っている。しかし、その強さを一人で抱え込む必要などありません。どうか、お友達を頼ってあげてください。……貴方がそうして貰えたからこそ、私は今、こうして此処にいるのですから」

 

 

「────っ」

 

 

 調はその笑顔に、胸が締め付けられるような感覚を覚え、思わず涙腺が緩み、泣きそうになる。

 

 

 するとそのタイミングで、調と宮司の手を誰かが握った。

 

 

 そちらへ目を向けると、そこにいたのは切歌だった。

 

 

「そうデス調、アタシもいるんデスよ?調は一人なんかじゃない、皆が傍に付いてるデス。勿論蓮夜さんも!」

 

 

「ふふ、まるでオマケみたいに人の事を言ってくれるな……」

 

 

「うぇっ?!べ、別にそーゆー意味で言った訳じゃないデスよ?!誤解デスからね?!ごーかーいー!」

 

 

 慌てて弁明をする切歌を見て、蓮夜はクスリと笑う。

 

 

 そんな二人を見て、調もまた頬が緩むのを感じた。

 

 

(やっぱり……この二人は凄いな)

 

 

 切歌の明るさは、自分にとっていつだって光だった。

 

 

 蓮夜の優しさは、行き場を失い己を責める事しか出来ずにいた自分を支えてくれた。

 

 

 二人がいなければ、自分は今も尚、己の罪に押し潰されていたかもしれない。

 

 

 調は心の中でそんな二人に感謝しつつ、ふと蓮夜の方へ目を向けてみると、彼は切歌の慌てる姿を見て笑っていた。その様子に、調もつられてクスッと笑ってしまうが……

 

 

「………──………」

 

 

(……あれ……?)

 

 

 その瞬間、調は蓮夜の表情に違和感を覚える。

 

 

 切歌と話しながら一見楽しげな様子を見せているが、ほんの僅かな一瞬、どこか憂いを帯びた、切なそうな横顔を見せたのだ。

 

 

 普段の彼からは想像も出来ないその表情の変化を見逃さず、調が内心戸惑っていると、

 

 

「──なーう!」

 

 

「!わっ……あれ、この子……?」

 

 

 突如、足元から鳴き声が聞こえ、調が下を見ると、其処には一匹の見覚えのある子猫がいつの間にか調の足に体を擦り付けている姿があった。

 

 

 整えられた黒い毛並みに、無邪気に見上げてくるつぶらな瞳。

 

 

 間違いない、この子は……

 

 

「おやおや。いけませんよ、人の足元に寄って来ては。気付かれずに踏まれると怪我をしてしまいます。ほら、こっちへおいで」

 

 

「ナァアンッ……!」

 

 

 宮司がその子を抱き上げると、途端に子猫は不満げに鳴き出す。

 

 

 そんな子猫の反応を見て、宮司は困ったように微笑を浮かべて肩を落とした。

 

 

「やれやれ……。どうにも私は嫌われてしまっているようですね。これでも人には好かれる質なのですが、やはり子猫にはこの私から漂うダンディズムがまだまだ伝わらぬという事ですかなぁ」

 

 

「(ダンディ……?)……ええと……それより、宮司さん、その子ってもしかして……」

 

 

「うん?あぁ、えぇ。皆さんが里親を探していた子です。実は皆さんが帰った後、いつの間にか境内に居ましたね。貼り紙にあった写真から特徴が似ていることからそうだと思い預かっていたのですが、ここ数日、共に過ごす内に何だか愛着が湧いてしまいまして。良ければ私の方で引き取らせてもらえないかと、その件についても皆さんの来訪を心待ちにしてたのですよ」

 

 

「!本当デスか!?じゃあ……!」

 

 

 調と宮司の会話が耳に届いていたのか、蓮夜とじゃれ合っていた切歌はパアッと明るい笑みを浮かべて宮司の前に駆け寄ると、宮司は子猫を抱いたまま笑顔で頷き返す。

 

 

「はい。まだまだ懐いては貰えていませんが、皆さんがお許し下さるのなら、私が責任を持って育てましょう。この老いぼれの身、神社に一人身というのも寂しいですので」

 

 

「やったデェス!!良かったデスねぇ、お前~♪」

 

 

「ニャアゥン……」

 

 

 切歌は自分の事のように浮かれた様子で喜びの声を上げ、宮司の腕の中から子猫を抱き寄せてウリウリと顔を押し付けながら抱きしめる。

 

 

 その過剰なスキンシップに少しだけ嫌そうに声を上げるが、それでも子猫は抵抗する事なく切歌の腕の中に収まっていた。

 

 

「ありがとうございます、宮司さん。何から何まで本当に、何てお礼を言ったらいいか……」

 

 

「いえいえ、お気になさらず。私も新しい家族が増えて嬉しい限りです。それに……きっとこれで、あの人も安心するでしょうから……」

 

 

「?あの人……?」

 

 

「いいえ、何でもありませんよ。それよりも、良ければこの子と遊んでは頂けませんか?私よりもお二人に懐いているようですし、きっとこの子も喜んでくれるでしょうから」

 

 

「分かりました。切ちゃん、一緒にこの子を可愛がろうね」

 

「勿論デスとも!もー揉みくちゃになるまで可愛がってやるデスよー!!」

 

 

 調の言葉に切歌は大きく返事をして、早速離れた場所で二人で子猫を構い始める。

 

 

 すると、その様子を見ていた蓮夜は宮司の元へと歩み寄り、神妙な口調で話しかけた。

 

 

「……大した演技力、でしたね……正直、傍から見ていても脱帽モノでした……」

 

 

「……ふふ。そう言いながら黒月さんこそ、私の意図を汲み取って瞬時に合わせて下さるとは、素晴らしいアドリブ力でした。もしかすると、役者としての才能もあるやもしれませんぞ?」

 

 

「……………………」

 

 

 宮司からの戯けた賛辞に、蓮夜は特に嬉しさも何も感じさせない無表情のまま口を閉ざしている。

 

 

 そんな彼を横目に、何処か気まずそうに目線を下げる宮司に向けて、口を閉ざしていた蓮夜が子猫とじゃれ合う調と切歌を見据え、重たい口を開く。

 

 

「イレイザーから改竄を受けていた間の記憶が、一切ない。

 

 

 

 

──さっきの話、"本当は嘘だったのでしょう"……?」

 

 

「…………」

 

 

 蓮夜の問いかけに、宮司は何も答えずただ沈黙を貫く。

 

 

 だが、それが何よりの肯定である事は明白だった。

 

 

「否定はしない……という事は、その通りだと受け取っても構わないんですね……?」

 

 

「……ええ……とは言え、全てを覚えている訳ではありません。ほぼほぼ断片的な記憶しか残っていませんが……それでも、彼女と過ごした記憶だけは、今でも印象に強く残っています」

 

 

 そう言って、宮司は切歌と共に子猫とじゃれ合う調に慈愛に満ちた穏やかな眼差しを向けている。

 

 

 蓮夜はそんな彼の横顔を見て、複雑げに眉を顰めて俯く。

 

 

「理由は……何となく察しは付きます……調の為、ですね……」

 

 

「……えぇ。あの子はもう、十分に苦しみました……ですからこれ以上、あの子の重荷にはなりたくないのです……勿論黒月さん、貴方に対しても」

 

 

「……え?」

 

 

 予想外の言葉に、蓮夜は思わず呆けた顔を浮かべて宮司の顔を見る。そんな彼の反応を見てか、宮司は小さく笑いながらも、何処か申し訳なさを滲ませながら続けた。

 

 

「貴方は、彼女達に"真相"を悟られぬよう、"あの私"との約束を果たしてくれました……そのように身体だけでなく、"心"までも傷付けてまで……」

 

 

「…………」

 

 

 哀しみ、陳謝……そんな様々な感情が入り交じったような沈痛な面持ちを向ける宮司の言葉に、蓮夜は口を閉ざし、静かに目を伏せ、"あの時の記憶"を脳裏に思い返した。

 

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

───それは、蓮夜がカメレオンイレイザーを庇った調の真意を聞き出す為、調神社を訪れ、朝の水行を行っているという彼女に会いに向かおうとした矢先の話……。

 

 

「──黒月さん。その前に少し、お伺いしても宜しいですかな?」

 

 

「……?」

 

 

 背後から不意に呼び止められ、振り返る。

 

 

 其処には、箒を手にしたまま佇む宮司が、何処か複雑げに、哀しげに見える表情で蓮夜の事を見つめていた。

 

 

「宮司さん……?」

 

 

「……黒月さん……貴方は……」

 

 

 困惑する蓮夜に、宮司は一度言葉を詰まらせる。しかし、何かを決意したのか、彼はゆっくりと口を開き、真剣そのものの瞳を向けた。

 

「黒月さん、貴方は……知っているのですよね?私の身に起きている、この不可思議な現状……この拭い去れない、"謎の違和感"の正体を」

 

 

「……っ!!」

 

 

 宮司の予想外の言葉に、蓮夜はハッとした様子で息を飲む。

 

 

 そして、その反応を見た宮司もまた、やはり……といった表情を見せた。

 

 

「もしや、とは思いましたが、やはりそうでしたか……恐らくこの事は、調や立花さん達もご存知なのですね?」

 

 

「っ……どう、して……何故……?」

 

 

「『分かったのか』、ですか?ふふ、ズバリ年の功!……とカッコつけたい所ではありますが、単純な話です。私もそれなりに長く生きていますので、人の気配を読む事には多少は長けております。ですので貴方達が纏う雰囲気の違いや、仕草の変化……そこから感じる、僅かな違和感も分かってしまうのです」

 

 

 宮司はそう言って苦笑いを浮かべると、軽く肩をすくめる。

 

 

 そんな彼に向けて、蓮夜は何とも言えない複雑な表情を見せると、静かに目を閉じて深呼吸をする。

 

 

 そして、目を見開くと真っ直ぐに宮司を見据え、重い口を開いた。

 

 

「いつから、その事に気付いていたんです?」

 

 

「……最初に違和感を覚えたのは、あのイレイザーとやらに襲われてから目覚め、あの子や皆さんと応接間で話していた時のあなた方の反応からでした。私を見て戸惑われる皆さんの様子を見て、何かが可笑しいと感じ、昔のアルバムまで取り出して、其処に映る調との思い出の数々を見て……それでも、内心ではこの違和感を拭い去るには至らず……今朝方から、何かを悔いるように思い詰めた顔を浮かべるあの子の姿を見て、私の中の違和感は漸く確信へと変わりました」

 

 

「…………」

 

 

「どうか、教えては頂けせんか?私は……いえ……"今の私"は、一体何者なのでしょうか……?」

 

 

 切実なる宮司の言葉に、蓮夜は黙って俯く。

 

 

 その声音からは仄かな不安と焦燥感が感じ取れ、宮司自身、自分の身に起きた異変に相当な恐怖を抱いている事が分かる。

 

 

 蓮夜は暫くの間沈黙を貫くと、やがてゆっくりと口を開き、語り始めた。

 

 

「貴方を襲った怪物、イレイザーには、物語を……世界を改竄するという恐ろしい力がある……貴方は今、その力の影響で本来ならありえない人生を歩んでいる状態なんだ……その、本来の人生というのは……」

 

 

「─────」

 

 

 蓮夜はそこで一旦言葉を切ると、宮司の様子を窺う。

 

 

 彼は蓮夜の言葉を静かに待っているようで、ただジッと蓮夜の顔を見つめていた。

 

 

 蓮夜はそんな宮司の視線を受けながらも数秒程黙っていると、意を決したように再び語り始める。

 

 

「貴方と調の今の関係は、悪意ある怪物の手によって作られてしまった、仮初……貴方の中にある、調と共に過ごしてきた人生も、彼女への愛情も……全ては、イレイザーの改竄によって植え付けられたものに過ぎない……本来の貴方の人生に、月読調という少女の孫娘は存在しないんだ」

 

 

 残酷としか言い様のない真実を告げると、宮司は何も言わずに目を伏せる。

 

 

 それはまるで、その事実を受け入れているかのような反応だった。

 

 

 しかし、宮司の反応を見た蓮夜は更に言葉を続ける。

 

 

 この先を語るのは辛いが、それでも語らなければならない。

 

 

 それが自分に出来る、贖罪の一つなのだから……。

 

 

「貴方に改竄を掛けたイレイザーを倒せば、歴史は本来の形に戻り、貴方と調の関係も改竄前の関係に戻ることになる……けれど、今回に限っては、俺も知り得なかった誤算があった……」

 

 

「……誤算、ですか?」

 

 

 宮司が首を傾げると、蓮夜は小さく息を飲み、重々しく語る。

 

 

 自分が知る限りの全てを、包み隠さずに伝える為に。

 

 

 例えそれで、"今の宮司"から恨まれる事になったとしても……。

 

 

「……今説明した通り、貴方に改竄を掛けたイレイザーを倒せば、貴方は元に戻れる……ただ、今回のイレイザーはノイズイーターと呼ばれ、ノイズを際限なく喰らった事でその力が増し、それに比例して改竄の力もより強大になっている……それによって、奴は俺も知らない力を手にしていた……」

 

 

 グッ……と、そう言って蓮夜は無意識に拳を固く握り締める。

 

 

 己の不甲斐なさを恥じて悔いるように、悔しげに俯き、それでも蓮夜は覚悟を決めると、恐る恐るではあるが……悲痛げな顔を上げて、彼の身に起きている現実を突き付けた。

 

 

「今、こうして俺の目の前にいる貴方は、ただ記憶を改竄されただけの被害者じゃない……ノイズイーターの強大な改竄の力の影響によって、完全な『個』を……元の貴方とは全くの別人の、『月読調の祖父であるという、一人の人間としての存在』が確立してしまっているんです……」

 

 

「……元の私とは別人の……調の祖父として確立した存在……?」

 

 

 蓮夜の言葉に、宮司は不思議そうに首を傾げ、何を言っているのか分からないと言った様子で困惑した表情を浮かべる。

 

 

 そんな彼に向けて、蓮夜は僅かに目を細め、頷き返す。

 

 

 

「簡潔に言えば、今此処にいる貴方は、改竄を受ける前の貴方という存在に、もしもの人生を生きていたかもしれない"可能性" の存在の貴方を重ね合わせたような状態……もっと噛み砕いて説明すれば、ノイズイーターの改竄の力によって生み出された存在である今の貴方と元々の貴方が一つとなり、今は一体化してしまっているような状態なんです」

 

 

「……つまり、ここにいる私は元いた私と、改竄を受けた今の私が合わさって存在している……と?」

 

 

 蓮夜の言葉の意味を理解してか、宮司は少し考えた後で呟くように言う。

 

 

 そんな宮司に向かって、蓮夜はゆっくりと首を縦に振りながら答える。

 

 

「そういう事になります……そして、貴方はこれからその身体に刻まれた改竄の影響で、様々な変化が起きる事になる……時間の経過と共に、元々の貴方は徐々に消えて最初からなかった存在となり、今こうして俺と話している貴方が"本当"となり、この世界に矛盾という名の歪みが生まれる事になる……イレイザー達が、この世界を支配する足掛けとなる綻びが」

 

 

「…………」

 

 

 蓮夜がそこまで告げると、宮司は無言のまま俯き、目を伏せる。

 

 

 恐らく、今の自分が置かれている状況を理解したのだろう。

 

 

 そんな宮司の様子を見て、蓮夜は思わず背けそうになる顔を上げると、真剣な眼差しを向けて問いかける。

 

 

「今ならまだ間に合う……貴方は、どうしたいですか?改竄を受けて生まれた、"今の貴方"の人生をこのまま受け入れるか……それとも……」

 

 

「…………」

 

 

 蓮夜の問いかけに対し、宮司は何も言わずに黙り込む。そんな彼の様子を見つめながら、蓮夜も静かに口を閉ざす。

 

 

 暫くの間、互いに何も喋らず沈黙していると、やがて宮司がゆっくりと口を開いた。

 

 

「最後に一つだけ、お聴かせ下さい。もし仮に件の怪物を倒し、改竄が解かれた時……"今の私"は、どうなりますか?」

 

 

「…………」

 

 

 宮司からの質問に対して、蓮夜は何も言えずに悲痛な面持ちで俯いてしまう。

 

 

 何故ならば、答えは簡単だ。

 

 

──貴方という存在は、完全に消滅する。

 

 

 それが、改竄の力によって生み出されてしまった存在である彼が、本来あるべき元の彼の姿へと戻る為に必要な唯一の方法なのだから。

 

 

 故に、その事実を口にする事がどうしても躊躇われ、それが余計に蓮夜の心を苦しめる。

 

 

 目の前のこの人は、これまでの人々のようにただ記憶を書き換えられたのではなく、"一人の人間"として既に存在してしまい、命を持ってしまったと言っても過言ではない。

 

 

 件のカメレオンイレイザーを倒し、改竄を解いて目の前に"今の宮司"の存在をなかった事にするのは、それは最早命を奪うにも等しい行為だ。

 

 

 だからこそ、蓮夜はその真実を弦十郎以外に調は勿論、響達にも告げる事が出来ずにいた。しかし……

 

 

「──大丈夫です」

 

 

「……ッ!」

 

 

 そんな蓮夜に、宮司は優しく、穏やかに語り掛ける。その言葉を聞いてハッとなり、蓮夜は目を見開いて驚きの表情を浮かべながら顔を上げると、宮司は何かを察したかのように穏やかな笑顔を蓮夜に向けていた。

 

 

「宮司さん……?」

 

 

「そんな思い詰めた顔をせずとも、大丈夫ですよ。……しかし、そうですか。そう何もかも上手い話はないとは分かってはいましたが、いやはや、現実とはやはり、人への試練に情け容赦というモノがないようですなぁ」

 

 

 「せめて私自慢のキッシュ並に甘くともバチは当たらないと思いますがねぇ」と、宮司は腕を組んで愚痴をボヤきながら難しい顔で何度も頷いている。

 

 

 そんな彼の軽い調子に思わず呆けに取られる蓮夜だが、宮司は組んだ腕を解き、蓮夜と向き直りながら小さく微笑む。

 

 

「私の身に起きた出来事、そしてこれから起こる全てを知る事が出来た。私はそれで満足しています。……ですから、気に病む必要などありません。私という存在が消えてなくなったとしても、私は誰も恨みなどしない。寧ろ不謹慎ながら、この状況には感謝すらしていますよ」

 

 

「……え?」

 

 

 予想外な宮司の反応に、蓮夜は思わず呆気に取られた表情を浮かべる。

 

 

 そんな彼に構わず、宮司は穏やかな笑みを浮かべたまま言葉を続けた。

 

 

「だってそうでしょう?改竄を受けたおかげで、私はこうして愛する孫娘と共に過ごす事が出来たのですから。例えどんな形であれ、あの子が本当の家族でなかったのだとしても、二度と叶わないと思っていた幸せをもう一度噛み締める事が出来た……それだけでも、私にとっては奇跡に等しい出来事だったのですから」

 

 

「…………」

 

 

「今の私が消えてなくなったとしても、元の私に戻った後でも幸せ者だったと、胸を張って言える自信があります。……ですから、貴方も気負う必要はありません。貴方は貴方の思うままに、自分の使命を全うして下さい。それが貴方にとっての最善……あの子の心を救う為に、貴方なりに真剣に考え抜いて見出した、唯一の方法なのでしょう?」

 

 

「……はい……」

 

 

 宮司の言葉を聞き、蓮夜は小さく首肯する。

 

 

 確かに、自分は自分なりに考えて行動したつもりだ。だが、結局は他人を犠牲にするような選択しか出来なかった。

 

 

 そんな自分が、誰かに責められるのは当然の事だろうと考えていた蓮夜だったが、宮司は咎めるどころか、逆に励ましてくれた。

 

 

 その優しさに心救われるモノを得ながらも、それと同時に、そんな人を救ってやれない自分の無力さを恨めしく思う蓮夜に、宮司はやはり、何処までも穏やかで優しい笑顔を浮かべたまま頭を下げた。

 

 

「ありがとうございます……貴方のような方に出会えただけでも、『今の私』の人生は報われたと言えるかもしれませんね……貴方のおかげで、覚悟を決める事ができました」

 

 

「……宮司さん……」

 

 

「……黒月さん。どうか、あの子を……調のことを……宜しくお願い致します」

 

 

「……はい……必ず……貴方の想いに応えてみせると……約束します」

 

 

 宮司の言葉を受け、蓮夜は力強い返事と共に頷く。

 

 

 今もきっと、罪の意識に苛まれているであろう調を必ず暗闇の淵から救い出すと、強く誓いながら。

 

 

 そんな蓮夜の言葉に頭を上げ、心の底から安堵したように柔らかく微笑む宮司の顔に一切の翳りはなく、ただ"調の祖父"として、愛しき彼女の未来を最後まで案じ続ける姿が其処にあったのだった───。

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

「───貴方は、本当に凄い人なんですね……」

 

 

「おっと……?何やら唐突に思わぬ不意打ちから褒められてしまいましたな。何を指してかは分かり兼ねますが、悪い気は致しませんね」

 

 

 フフッと、目を伏せたまま今はもういない"あの人"と交わした最後の約束を思い返す蓮夜からの賛辞に、宮司は茶目っ気な笑みを返す。

 

 

 そんな彼の横顔を見て微笑むと、蓮夜は子猫と遊ぶ調と切歌に静かに目を向ける。

 

 

「──俺は大丈夫です。語るべき事、伝えてもらった想いは、今もまだ俺の中にある。だから忘れず、抱え続けてみせます……この罪も、痛みも、貴方がくれた優しさも……絶対に」

 

 

「……そうですか……どうやら、私なんかの心配は不要だったようですな。……貴方は本当に強く、お優しい方だ」

 

 

「その言葉、そっくりそのままお返ししますよ……」

 

 

 お互いに笑みを浮かべる二人の間に、穏やかな空気が流れる。

 

 

 するとその時、境内の方から調と共に子猫と遊ぶ切歌がこちらに大手を振りながら大きな声で呼び掛けてきた。

 

 

「蓮夜さーんっ!蓮夜さんもこっちで一緒にこの子と遊ぶデスよーっ!」

 

 

「え。……あ、いや、俺は遠慮しておこう……俺が傍に寄れば、また不機嫌になって暴れるやもしれんし……」

 

 

「大丈夫ですよ。ほら、この子もこんな全身を使って歓迎してくれてますし」

 

 

「シャーーーー!!!」

 

 

「全身の毛という毛を総立ちさせて全力で威嚇してくるそいつの何処を見て大丈夫と思った?」

 

 

 両脇を抱えられてプラーンとされつつも、蓮夜に対する嫌悪感を隠そうともせず威嚇しまくる子猫を突き出す調に真顔のまま冷静なツッコミを入れる蓮夜。

 

 

 宮司はそんな彼等のやり取りを見て微笑まましげにクスリと笑い、踵を返した。

 

 

「では、皆さんが遊んでいる間に私はキッシュでも焼いておくとしましょう。黒月さん、彼女達をお願い致しますね」

 

 

「え。や、こっちは今松葉杖でまともに動けな」

 

 

「それじゃあリハビリがてらの軽めの運動といくデス!いっけーデスよ猫助ーっ!」

 

 

「ゴー」

 

 

「フギャァア"ア"ア"ア"ーーーーーーーッッ!!」

 

 

「ゴーではないオイ待てやめろ何故今回に限って逃げずに向かってくるんだ来るんじゃないッ!!」

 

 

 「こっちは松葉杖でまともに動けないと言っとろうがァっ!」と、地面にゆっくりと降ろした調のGOサインと共に牙を剥き出しにした子猫が猛スピードで蓮夜に向かってくる。

 

 

 その後、子猫はその小さな身体からはとても想像が出来ない機敏な動きから蓮夜をしつこく追いかけ回し、そんな蓮夜と子猫のドタバタっぷりに調と切歌も微笑ましげな笑みを浮かべて互いに顔を見合わせた後、蓮夜と子猫の元へ走り出して三人と1匹で賑やかなひと時を過ごし、そんな一同を振り返った宮司は調と蓮夜の憂いを感じさせない表情を見て嬉しそうに笑うと、そのまま遊び終えた彼等がお腹を空かせて戻ってきた時の為にお菓子作りの用意を頑張ろうと意気込んで神社に足先を向けて歩き出していくのだった。

 

 

 

 

 

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