私の転生物語 〜海神としての生〜 リメイク編   作:夜刀神 闇

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第2話 私の2人目の友達

あれから何年かの時が経った。

18歳だった私は、人間でいうところの20歳を超えた。

従って、もう成長期などとっくに終わっているはずである。

しかし、私の身長や髪の毛はまだ伸びている。

闇に聞いたところ、

 

闇「海神は、20歳を超えても身体は成長するわ。髪に至ってはゆっくりだけど延々と。身体は……そうね、30歳くらいまでかしら?」

 

とのこと。

……ここ何年かで身長がかなり伸びたのが残念であり、あまり女性として見られないことがどうも気分が悪い。

闇「こんにちは、お邪魔するわね」

「邪魔をするなら帰ってもらえるかしら?」

闇「あら、ひどーい」

 

なんて言って縁側から入ってくる闇を尻目に、私はある作業に没頭していた。

闇「何してるの?」

「服縫ってるのよ」

 

私は、何日か前から服作りをしていた。

こんな古代に服の素材なんて無いため、闇に幾つかもらっていたのだ。

一応、現代から自分の服は何着か持ってきていたのだが、自分で縫うというのも意外に楽しいものである。

 

闇「服、ねえ……この前、いろんな布とか素材とか、頂戴って言ってたのはそのためだったのね」

「そうよ」

 

ちなみに今縫ってるのは、普通の服ではない。"仕事服"だ。

海神として働くにおいて、何か制服のようなものが欲しかった。

だから、闇に色々と頼んでいたのだ。

 

「海神だから……海軍が着ているようなもの、縫ってみたのよ。どうかしら?」

闇「あら、それは良いじゃない。軍服風に縫ったのね」

「ええ、そうなのよ……って、ん?」

 

私は、闇の言ったことに、少し疑問を感じた。

何か違和感を感じる。別に、口調がおかしかった訳でもない。

……何かが、おかしい。

 

「なんで……"軍服"風って分かったの?」

闇「あ」

 

闇は、しまった!と言う顔をして、少し慌てた様子だった。

何か、知られて不味いことでもあったのだろうか。

 

闇「……貴女は、これから言うことを聞いて、驚かない?」

「うん」

闇は、深呼吸をして、1拍置いたあとこう言った。

 

闇「実は……私も貴女と同じ、現代出身の転生者なのよ」

「……そう」

 

正直、闇が私と同じ現代出身で、転生者ということには驚いた。

だって、自分を転生させた人物が、その転生者だというのだから。

 

闇「そして、この星を創ったのも私。宇宙全ての銀河を創ったのも私。私の種族は……神は神でも、龍神。全ての神の頂点に立つ者なのよ」

「へえ……」

 

私は、闇の話を聞いてさらに驚いた。

現代出身で、転生者というまでは良い。

だが、この世界の頂点に立っているだと?そんなの……

 

「嘘でしょ!?」

闇「え、えっと……」

闇は、私の剣幕に驚いたのか、少し引き気味な姿勢になっている。

 

「こんなにちっちゃくて、こんなに可愛い神様だなんて聞いたことないわよ!?」

闇「!?」

闇から、まるでお湯が沸騰したかのような音が聞こえた気がした。

顔を近づけてみると、闇の顔が段々と赤く染まり、心做しか熱くなっているようにも感じる。

 

「あら、闇。熱でもあるんじゃないの?とっても熱いけど」

闇「ハッ!?な、何を言ってるのよ!龍神が熱なんか出す訳無いじゃない!あははは……」

私は、思わず笑みを零す。

面白かったのだ、闇の反応が。

でも、今言ったことは嘘じゃない。本当のことだ。

可愛い、というのは誰がどう見てもそう思うはず。

 

「闇は、本当に可愛いわよ?ちっちゃいしね‪w」

闇「そ、それを言うならルナの方こそ、クールだと思うわよ?身長高いし」

 

クール、か。

そう言われてみれば、クールだなんて言われたことが無かったな。

現代で過ごしていた時は、身長はそれなりに高い方ではあったが、ありえないくらい高いという訳でもなかった。

 

闇「あっ、そうそう……ルナに言い忘れていたことがあったんだけど」

「どうしたの?」

闇が、懐から小さな何かを取り出した。……紙袋?

 

闇「じゃーん!誕生日プレゼントよ!」

「えっ?誕生日プレゼントって……あっ!」

 

すっかり忘れていた。

服や色んな物を作ったり、勉強したり、修行したりでうっかりしていた。

この世界に来てから、一応はカレンダー的なものを使っていたのにも関わらず……

 

「……そうか、そうだった。今日、私の誕生日だったわね」

闇「カレンダーめくってる癖に、何やってるのよ。……8月15日、貴女のために、最高の誕生日プレゼントを用意しておいたのよ。誕生日おめでとう、ルナ」

 

……少し、不覚にも泣いてしまいそうだった。

1人の時にならそうしていただろうが、今は闇がいるから……

 

「ありがとう。……それにしても、何が入っているの?」

と聞いても、

闇「私から言うより、貴女自身の手で開けて欲しいのよ」

と言うだけだった。

闇がくれた紙袋は、そこまで重い訳でもなく、むしろとても軽かった。

不思議に思い、開けてみた。すると……

 

「リボン?」

闇「そう。貴女も年頃の女の子じゃない?だから、喜んでもらえるかなーって……」

闇は、少し頬を赤らめながら恥ずかしそうにそう言った。

年頃の女の子というワードが少し気になったが、闇がこのリボンをくれたことに関してはとても嬉しいことだった。

「ありがとう、とても嬉しいわ……本当に、ありがとう」

 

ずっと大切にしていこう、と心底思った。

転生してからの初めての友達。前世も合わせて、2人目の友達……

 

闇「……あら」

闇が、こちらを向いて笑っているのに気がついた。

「どうしたの?何で笑って……」

 

……それは、すぐに分かった。

私は、自分で気づかない内に泣いていた。

前世では、両親が死んでから嬉しくて泣くことなんて全く無かったのに。

 

「……ふふ、ごめんなさいね。私、泣いちゃうなんて」

闇「別に、泣きたい時は泣けば良いのよ。……まぁ、貴女の泣いてる顔を見れて、私は楽しかったけどね♪」

 

闇が、クスクスと笑う。

普段だったら頭に1発くれてやっていたが、今は辞めておこう。

……こんなやつだけど、本当に良い"親友"だから。

 

「これ、大事にするわね……どこにつけようかしら?」

くれたのは良いものの、どこにつけようか迷っていた。

ブレスレットやネックレスとかにも出来るが、やっぱり1番合うのは髪飾りよね……

 

闇「……髪、結っちゃえば?きっと似合うわよ!」

「あ、あらそう?じゃあ……」

 

私は、自分の部屋に戻り、悩んだ。

「私の……1番似合う髪型……」

皆が褒めてくれるような髪型。おかしくないような髪型。

 

「……そうだ!」

私は、鏡の前にクシを持って座った。

「まずこうしてこうやって……」

 

 

 

数分後……

 

「あの~……どうかな……」

闇「?……あら」

闇が、私を見て嬉しそうに笑った。

闇「とっても似合ってるわね!ポニーテールにしたの……良いわね!」

 

悩んだ結果、私が選んだ髪型はポニーテールだった。

私は、元々髪が長かったのもあって、その髪を活かせる髪型を考えた結果、ポニーテールしかなかったという訳だ。

 

「私、これから頑張っちゃう!海神としての仕事だって、何だってできる気がしてきたのよ」

闇「身体を壊さない程度にね。頑張って!まあ、困ったことがあれば何でも言いなさいね。その時は助けてあげるから」

 

転生してきた時はアレだったけど、これからの海神としての生を満喫できそうだ。

まだまだこれからは長い。

不老長寿だからというのもあるが、これから先の海神の仕事が、今と同様に楽とは限らない。

だから、これからも修行は欠かさずやろうと思う。

 

 

「これからどこか行くの?」

闇「まぁー……そうね。貴女のところに寄ってから、行こうと思っていたところがあるのよ」

「行こうと思っていたところ?」

闇「そう……ツクヨミのところ。貴女も聞いたことあるんじゃないかしら?月読命(ツクヨミノミコト)、月の女神様」

 

まぁ、聞いたことくらいならある。まさか実在していたとは……

私や闇がいるんだから、ね。月の神くらいいるか。

 

「また今度会いに行ってみようかな」

 

そう呟き、私は、これから先の神生を想うのだった……

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