私の転生物語 〜海神としての生〜 リメイク編   作:夜刀神 闇

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第4話 神社での生活

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「んっ……ふぁあ、ここは何処かしら?」

 

さっきまで何が起きていたのか思い出せない。

確か、人間の里から追い出されて、そこから……どうだったかしら?

とりあえず、此処がどこなのか分からない。見たことがない天井だわ。

 

「……」

 

私は、部屋の襖を開けてみる。

そこには、よくあるちゃぶ台とよくある座布団が置いてあり、ちゃぶ台にはお茶とご飯と味噌汁と紙が。

 

「『私は、見回りに出かけます。こんなものしか用意出来なくてごめんなさい。起きたら食べてね。 家の主より』」

 

私は、涙を一筋流しながら味噌汁を1口啜った。

「美味しい」

 

私は、物心ついた時から親がいなかった。村の奴らに抹殺された。

味噌汁は飲んだことがあったが、こんなに具が入ったものは1度たりとも飲んだことがなかった。

こんな私にも、優しくしてくれる人がいるなんて思いもしなかった。

 

「こんなにふっくらしたご飯食べたことない、とっても美味しい」

 

私が妖怪化した時は、意識を失っていたからその後のことはあまり覚えてないけれど、多分人間を喰らった。

未だ口の中に血の味を覚えているが、この白ご飯が美味しすぎてそんなこと気にならなくなった。

私は、思うがままにご飯を食べた。

 

 

 

 

……私は今、この家の主である、ルナっていう人に身の内話をしていた。

あの森にいた理由、生まれた時の話、どうして妖怪になったのか。

ルナは、目を瞑って相槌を打ちながら、静かに私の話を聞いてくれている。

そして、私が話し終えた時、静かに目を開いて言った。

 

ルナ「……君がとても辛い思いをしてきたのは重々分かった。私にしてやれることはこれ位しか無いが……許してくれ」

 

ルナは、ギュッ……と私を抱き締めた。

ただ、抱き締めた。

それだけのことなのに、何故だか安心する。

感じる体温が、心地よくなる。なのに……

 

「あれ……どうして私、泣いているんだろう」

 

私は、気づかない内に涙を流していた。

涙って、悲しい時に流すものじゃなかったっけ。なのに……

 

「こんな時に、出てくるなんて……どうかしてるわ」

 

悲しい訳じゃ無いのに。どうして?

なんでだろう、と考えている内にも、私の涙は止まることを知らない。

心做しか、勢いを増しているような気がする。

 

ルナ「泣きたい時は泣けばいい。私が受け止めてあげるから。……胸位なら、貸してあげられるから」

 

 

 

私は、その言葉に耐えきれず子供のように泣いた。

悲しかった訳でもない。きっと、嬉しかったんだ。

誰かに抱き締められたことなどある訳でもなかった。

 

……初めて、誰かの愛を感じた気がした私は、それから暫くの間ルナに抱きついて泣いていた。

その間ルナは、私の背中を優しくさすって、安心させてくれていた。

 

 

「……ありがとう、もう落ち着いたわ」

ルナ「そうか、それは良かった」

 

私は、改めてルナの前に座った。

改めてルナを見てみると、凄く引き込まれそうな程の美しさを持っている。

いや、美しさというよりは何というか……そういう感じのオーラを放っている。

まず、特徴的なのはリボンで束ねた長い髪。青い色をしたその髪は、誰が見ても美しいと言うだろう。

そして、切れ長の青い目。その目は、見つめるだけで吸い込まれそうな程に青かった。

 

 

ルナ「で、改めて聞くが……」

「?」

ルナ「君は、これからどうしたい?」

 

これから、か。

今までまともな生活を送れていなかった私からしてみれば、ここは夢のように思える場所だ。

ルナが、私がここで幸せになることを許すのなら。私の答えは1つだ。

 

「ここで、暮らしたい」

私がそう言うと、ルナの顔は嬉しそうになった。

 

ルナ「そうかそうか、そう言ってくれて私も嬉しいよ。家族が増えるのは賑やかになるし良いからね」

「ありがとう!」

 

私たちは、お互いに笑い合った。

ルナは、見た目に反して意外と面白かったりして、話しててとても楽しかった。

 

ルナ「改めて自己紹介しようか。私は、海月ルナ。海を司る海神だ、これからよろしく。君は?」

「私は八百万 秋葉(やおよろず あきは)。種族は……多分狼の妖怪だと思う」

 

私が話してて1番驚いたのが、ルナが神であること。

私も薄々、ルナが人間ではないことには気づいてはいたのだが……まさか、神とは。

まぁ、私も妖怪である以上、とやかく言えないのだが。

 

ルナ「君は秋葉っていうのか。では秋葉、ここで暮らしていく以上、君に知っておいて貰わないといけないことがある」

「?」

ルナ「この神社には、私たちの他に住人が1人いるんだ……桜花ー!」

 

ルナが呼んだ声と同時に、1人の少女の声が神社の奥から聞こえてきた。

?「はーい、どうかしましたか?」

 

はーい、と言う声が聞こえ、居間に入ってきた少女は、特徴的な服装をしていた。

綺麗な黒髪で、大きな襟の付いた服を着ている。

また、ネクタイをしていて、よく見ると巫女服……モドキのような服だ。

 

ルナ「桜花、新しい住人だ。自己紹介してくれるか」

桜花「そうですか!私は綾波 桜花(あやなみ おうか)、この神社の巫女をしております。普段は、海神様のサポートをさせて頂いてます、これからよろしくお願いしますね!」

 

綾波 桜花、と名乗る少女は、ニコッと笑った。

身長は私より少し低い位だろうか。

低くない背丈ではあるが、笑顔は幼さが残っており、可愛らしい感じがする。

 

「私は八百万 秋葉(やおよろず あきは)、白狼妖怪よ。これからよろしくお願いね」

私は、桜花に笑いかけた。

今、桜花の強さを測っていたのだが、かなり強い感じがする。

本当のところはよく分かっていないが、彼女から発せられる霊力が半端ない。

恐らく、並の人間では持てない程に……

 

ルナ「まぁ、この神社にあるものは自由に使っていいし、もう思いっきりくつろいじゃって構わないからな」

桜花「そうですね。それでは、私は夕飯の用意をしてきますね」

 

桜花はそう言うと、神社の奥に消えていった。

夕飯は巫女である桜花が作るのか……そういえば、もう少しで夕方だったな。時間が経つのは速いな。

 

ルナ「というわけで、改めてよろしくな。秋葉」

「えぇ、よろしく」

 

私とルナは、手と手を握りあった。

少しびっくりしたことがあるのだが、ルナの手が大きかった。

成人男性位あるだろうか。

ルナは、凄く良い体格を持っていると思う。

立った時に確認したのだが、身長が結構高かった。

私と並んでみたら、頭一つ分程違うのではなかろうか。

 

「ここは古風で素敵ね。まさか神様と共に生活を共にするだなんて……拝んでおいた方が良いのかしら?」

ルナ「いやいやいや!私はそういうの、苦手だからさ。無理に畏まられると困ってしまうというか……」

 

私は、冗談交じりにルナを拝んでみたら、意外と面白い反応を得られた。

私は、ここでの生活を心底楽しめそうだ。

ここの神社の主さんも優しいし、今までの生活なんかよりずっと幸せで過ごせそうだ。

 

 

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