私の転生物語 〜海神としての生〜 リメイク編 作:夜刀神 闇
ルナside
闇「ツクヨミのところに行ってあげてくれないかしら?」
今朝、闇が突然こんなことを言ってきた。
しかも、寝起きで。
なんと、目を開けたら上に乗っていたのだ。
……すぐに頬を引っぱたいて退かせたが。
「自分で行けよ……って、最近の闇は忙しいみたいだからな、仕方なく私が行ってやってるんだから感謝して欲しい位なんだが」
秋葉「またまた、そんなこと言って。本当は行きたいって思ってたんでしょう?」
「う、うるさい」
先日家族として迎え入れた秋葉と共に、私はツクヨミ……
まぁ、いつかは会いたいなー……なんて思ってたけど。
……あぁもう、この話はお終い!終わり!
秋葉「あら、あそこみたいね」
「おぉ、本当だ」
秋葉が指をさしたその先には、とても高いビルが立ち並び、いかにも近未来都市っていう雰囲気を醸し出している。
私が住んでいた現代よりも、都市化が進んでいるな。
……なのに、近くの森は全く影響がないってことは、それ相応の努力が成されているという訳か。うむ、感心感心。
私たちは、門の少し後ろに降り立ち、門の所まで歩いていった。
門番「海神様とお連れの方ですね、お待ちしておりました。どうぞお入り下さい」
「ありゃ、意外とすんなり入れるんだな」
門番「ツクヨミ様の姉上様からお聞きしているので。それでは、どうぞ」
私たちは、意外とすんなり都市の中に通された。
ツクヨミ様の姉上様?……十中八九闇だな。てか、自分で「ツクヨミのお姉ちゃんなんだー♪」とか言ってたし。流石にあれは引いた。
「おぉ、凄い近未来都市だな。空を飛んでる車があるぞ……って、秋葉どうした?」
空を飛ぶ車や光るビルに感動していると、秋葉が私の腕に絡みついてきた。
秋葉「わ、わ、私が住んでた時の感じじゃない……全然違う、こんなんじゃなかったわよ」
あ、そうか。
秋葉が住んでた頃は完全に村という村で、電気なんか無かった上に住んでた家も縄文時代の竪穴住居みたいな家だったっけ。
数年経っただけで自分の住んでたところがこんなにも変わってたら、そりゃあ驚くよな。
「人間の進歩は本当に凄いぞ。秋葉が住んでた頃より、かなり便利になってるからな。……不安なら手を繋いであげようか?」
秋葉「う、うん」
秋葉がとても不安がるので、手を繋いで歩くことにした。
私は、女性としては背が高い方だが、街の中を歩いていても、意外と目立たなかったりする。
背の高い男性が多く、私はその中に上手く混じっている。
「男性の平均身長は185cm位か……あ、ツクヨミの屋敷だ」
私が色々と都市を見回していると、いつの間にかツクヨミの屋敷に着いていた。
この都市の重役たちの家は、皆大きいらしい。
かくいうツクヨミも、最高権力者であり屋敷も驚く位に大きいのだが。
門番「海神様とお連れの方ですね、お待ちしておりました。ツクヨミ様がお待ちです。どうぞお入りください」
「な~んか、この会話さっきもしたような気が……」
ついさっき、都市に入る時に門番と会話したことを思い出しながら、私は屋敷の中に入っていった。
屋敷の中もやはり、外観と同じくとても豪華で、あらゆる所に高価値の家具が置かれてある。
門番「このまま進めばツクヨミ様のお部屋がありますので。それでは失礼します」
「あぁ。ありがとうな」
私たちは、案内してくれた門番に礼を言い、奥へと進んでいった。
やはり大きな屋敷だからか、部屋数が多く、初めて来た人はここに来るまでに迷いそうだけど。
「お、ここがツクヨミの部屋か?他より明らかに扉の装飾が多い……」
装飾が多い、と言ってもシンプルなもので、ラブホテルのように光ったカラフルなものではなかった。
「この部屋の中から力を感じるな……やはり、ここがツクヨミの部屋か。よし、ノックをしてと」
ツクヨミの部屋の扉をノックし、声をかける。
そうすると、部屋の中から透き通って綺麗な声が聞こえてきた。
?「入って下さい」
私は、ドアを恐る恐る開けてみた。
そこには……
?「ようこそおいでくださいました、海神様に白狼のお方」
紺色の髪を背中辺りまで伸ばし、清楚な服装をした少女がいた。
背は私の顎辺り。桜花より少し高い位だろうか。
まぁ何にせよ、美少女ということは確かだろう。
ツクヨミ「私、都市の最高権力者を務めさせて頂いております"
「私は
秋葉「
ツクヨミは華麗に礼をした。
その姿は正に神様、といった威厳と美しさを感じる。
「会いたかったぞ、ツクヨミ。これからよろしくな」
ツクヨミ「えぇ、よろしくお願いします、海神様。私もお会いしたかったですよ」
私たちは互いに握手を交わした。
そして、私は1番聞きたかったことを尋ねる。
「都市の周りの森は大丈夫か?妖怪が跋扈していると闇から聞いてたんだが……」
ツクヨミ「えっ、お姉様がそんなことを仰っていたのですか?」
私は、闇からあることを頼まれていたのだ。
年の周りの森は、危険な妖怪が沢山いて、大妖怪も何体かいる。
そして、大妖怪も何体か確認出来ている。
もし、その大妖怪たちが一斉に都市に攻めてきたとしたら、正直言って、都市の人間だけでは対処しきれないと。
そこで、私にどうにかして欲しいと頼んできたのだ。
「違うのか?」
ツクヨミ「い、いえ。そういう訳ではありませんが……」
「だったら何だ?」
ツクヨミは、少し悩んだような仕草をした後、私にこう言った。
ツクヨミ「海神様にご迷惑をおかけする訳にはいかないのです」
「私は、迷惑だなんて思っていないぞ?何か困っていることがあるんなら、遠慮なく他の奴に頼んだら良いじゃないか。例えば、私とか闇とか」
ツクヨミ「しかし……」
秋葉「……ツクヨミ」
今まで口を閉じていた秋葉が、ここに来て漸く口を開いた。
ツクヨミ「どうかしましたか、秋葉様?」
秋葉「神様が妖怪に対して様付けって……まぁ良いけど。私に良い案があるのよ。聞くだけ聞いて?気に食わなければ捨てて貰って構わないから」
ツクヨミ「わ、分かりました」
秋葉の考えている案はこうだ。
秋葉はかなり力を持った白狼妖怪。
私が感じる秋葉の妖力は、森の中の妖怪が持つその妖力の何倍もある。
その妖力を活かして、森の妖怪を纏めようと言うのだ。
そうして、都市に妖怪が攻め入るのを防ごうという考えらしい。
「成程!それは結構良い提案じゃないか?」
ツクヨミ「良いのですか?そんなことをして頂いて……」
秋葉「別に構わないわよ?私、人間が嫌いな訳じゃないし。こんなこと位お安い御用だわ」
ツクヨミ「……ありがとうございます、秋葉様」
ツクヨミは、秋葉に深く礼をした。
神様であるツクヨミが、妖怪である筈の秋葉に傲慢な態度を取らず、深く礼をしている所を見ると、ツクヨミはやっぱり、尊敬されるべき神様なんだろうなと改めて感じた。
❁❀✿✾
~都市を出た後~
秋葉「ねぇルナ」
「どうした?」
私たちは、都市を出た後、神社への帰路へ着いていた。
秋葉の考えた案は、正直私としては不安だ。
細かく言うならば、秋葉が森へと移住する。
そして、森の妖怪たちを統括出来る位仲良くなり、都市に攻め入るのを防ごうというらしい。
秋葉「私、都市へ行くのを早めるわ。明日にでも行こうと思うのよ」
「そ、それはちょっと早くないか?準備が必要な上に、それに、秋葉がいなくなったら……尻尾を抱き枕にして寝れないじゃないか」
秋葉「ん?何か言ったかしら?」
「イエナニモ」
それに、秋葉がいなくなったら尻尾を抱き枕にして寝れないじゃないか!!!
あんなに気持ちいい抱き枕、他には無い!
もふもふしてるし、もふもふしてるし、もふもふしてるし……それに、もふもふしてるし!!!
「と、とにかく。明日は早すぎないか?もうちょっと遅めて、1ヶ月後とかさ……」
秋葉「ん~、そうね……やっぱり明日に行くわ。早いに越したことはないでしょう?」
「まぁ……そうだな……」
……どうやら、私の密かな願いは叶わないらしい。
私は明日から、どうやって寝れば良いんだよ!?
抱きつくものが無いなんて、秋葉が来てから経験なし!あんなに気持ちいいものは他にはないと思う!個人的に!
秋葉「じゃ、準備しないといけないから……早く帰りましょう!ほら、もう日が暮れてきたわよ!」
「は~い……」
私は、明日からどうやって寝ればいいのかを考えながら神社へと急ぐのだった……