私の転生物語 〜海神としての生〜 リメイク編   作:夜刀神 闇

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第6話 森林の奥へ、奥へ

秋葉side

 

森へ移住する日の朝。

元々荷物はあまり無かったので、持ち物はほとんど無かった。

まぁでも、細かな荷物を持った後、私はルナと桜花に見送られる為、一緒に玄関に出た。

 

ルナ「本当に一緒に行かなくても大丈夫か?」

「大丈夫よ、ルナは心配性ねぇ」

桜花「短い間でしたが……なんか寂しいですね」

「桜花まで」

 

ルナと桜花が、凄く寂しそうな顔をする。

特にルナ。どうしてそこまで寂しそうな顔をするのかしら?

勢い余って泣きそうになってるわよ……って、もう泣いてるし。

 

「大丈夫よ、時々顔を出すから」

ルナ「や、約束だぞ?」

「えぇ、約束するわよ」

 

ここでグダグダするのもあれなので、思い切って宙に浮く。

名残惜しくなるのも分かるが、ずっと喋ってたらいつまで経っても出発出来ないからだ。

 

「まぁ生活には困らないし、身体能力的にも問題無いわよ。闇が生活基盤は整えてくれているしね」

ルナ「し、知らない人には着いていくんじゃないぞ?」

桜花「失礼ですが海神様……秋葉様はそこまで子供ではないと思うのですが」

「そうよ、私は大人なんだから子供扱いをしないでよね……」

 

そう、人間だった頃は大人に殴られてばかりだったけれど……もう、そういうことをされる心配もなくなったし。

まぁ、私は見た目的には人間の男からしたら少し幼く見えるらしいのだけれど。

妖力的にはもう大妖怪に匹敵する程あるって闇に言われたし。

 

「じゃ、元気でね」

 

私は、ルナと桜花にまた会う約束をし、あっさりと見えない所へと飛び去った。

時々後ろを振り返ってみると、私に手を振っているルナと桜花がいた。

私も、笑顔で手を振り返し、一気に飛ぶスピードを上げた。

 

 

 

 

 

「……ふぅ、この位で十分かしらね」

 

闇が事前に用意してくれていた住処に着き、荷物を整理し終わった。

因みに、住処というのは神社だ。

何故神社なのだと思ったが、森に住む全ての妖怪から信仰?的なものを受けることになるだろうと踏んだからだそうだ。

 

「さて、まずは……他の妖怪と仲良くなることから始めましょうかね?森を散策していればその内会えるでしょうっと……」

 

妖怪の統括者になる為に、まずは妖怪たちと仲良くなることが必要だ。

誰でもいいからとりあえず妖怪に会う為、私は森を散策することにした。

 

「ルナがくれたこの服……結構良いデザインじゃない」

 

私は、自分の着ている服を見て思わず顔を綻ばせた。

神社を出る際、ルナに服を色々と持たされたのだ。

荷物になるからと断ったが、泣きそうな顔になっていたので仕方なく貰ってあげた。

……そこ!ツンデレとか言わないの!

 

「さっきから妖気が凄いわね……」

 

私が歩いていると、周りから凄く濃い妖気が感じられる。

私に襲ってこないのがおかしく思える位の濃さだ。

 

「ねぇ、誰かいないの?」

 

私が試しに周りに声を掛けてみると、周りの草むらからガサッという音が聞こえたと共に、草むらから妖力弾が放たれた。

 

「っ!これは……結構強力な妖怪ね」

 

咄嗟の判断で、バックステップをしてその妖力弾を避ける。

その妖力弾はかなりな密度で放たれたので、妖力弾を放った妖怪は大妖怪に匹敵する程の強さを誇ると思う。

 

?「へぇ~、今のを避けるか。アンタ、中々だね!」

「誰よ!!!」

 

私がそう叫ぶと同時に、妖力弾の発生源が出てきた。

その妖怪は濃い緑色の髪をしていて、なにより小柄なその体躯に似合わない大きな角が2本生えていた。

 

結花「アタシは鬼神 結花(おにがみ ゆうか)。この森一帯に住む鬼さ。鬼子母神とも呼ばれている」

 

鬼神 結花と名乗る少女は、なんと鬼だった。

緑色の和服を着ていて、何より特徴的なのはその紅い瞳。

結花から放たれる妖力は、嫌でも彼女が妖怪なんだと認識させられた。

……私は、身震いした。

 

結花「そこでだ。アンタ、アタシと手合わせする気はないかい?」

「はぁ、別に良いけど」

結花「やったぁ~!じゃあ早速始めようか!」

 

子供らしいわね、と呟いた私の声は誰にも届くことはなかった。

結花は、私とある程度の距離を取り、大きな声で宣言した。

 

結花「もしアンタが勝ったらこの森の統治者の権限を全てアンタにやるよ!それじゃあ……いくぞ!」

 

結花は、私の返事も待たずこちらに突進してきた。

私は、咄嗟に腕をクロスさせて防御体制に入るが、結花の拳に耐えきれないと言うかのように、私の腕がミシミシと音を立てる。

 

「っづぁ……きついわね、流石に。じゃあ、今度はこっちの番ね」

 

私は、一気に腕に力を込めて結花を吹き飛ばすと、御札を取り出し、妖力を込めた。

この御札は、ルナに拵えてもらったもの。

それを、私の妖力で強化した1級品だ。基本的に誰にも負けることはないはずである。

 

「はぁっ!!!」

 

その御札を、結花に向かって複数枚飛ばすと共に、鬼火を結花の周りにまとわりつくように展開した。

 

結花「うぉっ、凄いなこれ!ヒトダマか?」

「貴女を捕まえる火の玉(呪いの御霊)よ。観念なさい」

 

私が展開した鬼火は、結花の周りに飛び交い、結界の如く結花を捕まえた。

 

結花「っ……!アンタの能力、呪いを操るのか?」

「大正解!あと一つはなんでしょう?」

 

私は、腕を組んで若干上から目線で言ってみる。

…なんか、この可愛らしい鬼を見ていると支配したい欲が出てくるのだ。

この鬼…基結花は、本当に強いのだろうが。負ける気等全くと言って無い。

 

「…時間切れ。さぁ、ここからが私の本当の能力(チカラ)よ!!」

 

私は全身の毛を逆立てて、威嚇するような体制をとった。

尻尾は2本に分かれ、私は、発する妖気をさらに増やしてみた。

 

結花「お、イイジャン。まだそんなに隠してたんだな。まぁ、アンタから感じる妖気じゃあ、その程度なわけないよなぁ!!」

 

結花は、元々紅い瞳を更に光らせ、私に突っ込んできた。

燃え盛る闘争心を抑えられないとでも言いたいのか、分かりやすい攻撃である。

 

「そんなんじゃ、私には勝てないわよ…結花とか言ったかしら?」

 

結花の拳を片手で受け止め、向こうへ押し返す。

そこまで力を入れた訳では無いが、結花が攻撃する時に力を入れすぎたせいで、割と遠くに吹っ飛んだ。

 

結花「…楽しい!!凄く…はははははっ!!!」

 

気でも狂ったかと思う程に笑う結花を見て、私は考えた。

 

「(そろそろ終わりにしようか…力を入れすぎて殺してしまっても嫌だし)」

 

終わるのが早すぎるけど、仕方ない。

別に、私は戦いが嫌いではないけど、持久戦になったら私の体力も持ちそうにない。

まぁ、力の放出量的に言うと結花の方がバテそうだけど。

 

結花「もっとアンタの力を見せておくれよ!まだまだ満足し足りないんだ!!」

「残念ながら、これ以上は戦えないわよ。ごめんなさいね、また今度きちんと勝負しましょう」

 

私は、2本の尻尾を4本まで展開し、妖力を放出する。

私に隠された力、実はもっとあったりするんだけど、まだまだ出すには惜しいからね。

 

「ごめんなさいね……」

 

私は、山全体に轟かせるような、大きな咆哮をあげる。

結花は、それで少し怯んだようね。この位で怯むのなら、私には永遠に勝てないわよ。

 

結花「なっ……何だよ!?アンタ!!!」

「……静かにお眠りなさい」

 

それはそれは残虐で、美しく、優しい呪いよ。

苦しまないだけ感謝するのね……

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