「まさか自爆覚悟で破壊するとは…。だが、これで君の場にモンスターは存在しなくなった。伏せられた二枚のカードが気になるが君の流れは完全に潰えたとみてまちがないだろう」
教師の言葉に遊大は一瞬きょとんとした顔を浮かべ直後急に笑い出した。
「?何かおかしなことを言ったかな?」
「ハハハハ、い、いや先生がおかしなことを言うもんだからつい…。…ふう、勝負はまだ分かりませんよ。デュエリストならライフが残り続ける限り戦わないと」
「…成程。ならば君の可能性を見せてもらおうか。私のターン、ドロー!」
教師
手札1枚→2枚
「私は凡骨の意地の効果を発動!今デッキから引いたギャラクシーサーペントを見せる事でもう一枚ドロー!…通常モンスターではなかったためメインフェイズに入る。私はギャラクシーサーペントを召喚!更に手札から戦線復活の代償を発動!場のギャラクシーサーペントを墓地に送り墓地からラビ―ドラゴンを特殊召喚する!」
最初の方からずっと墓地に眠っていた龍が今復活を果たした。咆哮を上げるラビ―ドラゴンは何処か嬉しそうである。
「バトル!ラビ―ドラゴンで攻撃!」
「リバースカードオープン!ホーリーライフバリアー!手札を一枚捨ててこのターン俺が受けるダメージを0にする。俺は手札から
近藤遊大
手札2枚→1枚
「何とか防いだようだがここから一体どうするのかな?私はターンエンドだ」
近藤遊大
LP2400 手札1枚
モンスター
なし
魔法、罠
セット
教師
LP6250 手札0枚
モンスター
ラビ―ドラゴン
魔法、罠
凡骨の意地
戦線復活の代償(ラビ―ドラゴンに装備中)
「手札は1枚、ライフも残り少ないうえに相手のモンスターの攻撃をくらえばそれだけでアウト…」
遊大は呟きながらゆっくりとデッキに手をかける。そして一気に引いた。
「俺のターン!ドロー!」
近藤遊大
手札1枚→2枚
「…俺は魔法カードスペシャルハリケーンを発動!手札を一枚捨てて特殊召喚されたモンスターを全て破壊する!」
発動と共に突風がフィールドを襲いラビ―ドラゴンを破壊する。直ぐに呼び出されて直ぐに消されるラビ―ドラゴンは悲しげな咆哮を上げて再びに墓地に帰っていった。
「俺はターンエンドだ」
「中々粘りますね。ですがそれもここまでの様ですね。私のターン、ドロー!」
教師
手札0枚→1枚
「凡骨の意地の効果を発動!今引いたアレキサンドライトドラゴンを相手に見せもう一枚ドロー!…メインフェイズに入りアレキサンドライトドラゴンを召喚!そしてそのまま攻撃だ!」
「ぐっ!」
近藤遊大
LP2400→400
アレキサンドライトドラゴンの攻撃で一気に遊大のライフは3桁にまで減ってしまう。
「これで君のライフは風前の灯火だな」
「…いいえ、俺はこれを待っていたんですよ。墓地の命の重みの効果を発動!自分がダイレクトアタックを受けた時に発動する。自分のライフを100にしてデッキから一枚ドローする」
近藤遊大
LP400→100
手札0枚→1枚
「…あまりすごいカードとは言えないが君はそう言ったカードを好んで使用するみたいだね」
「ええ、たとえどんなに仕えないカードでもカードとして生まれてきたからには価値が存在する。そしてそのカードに価値を見出すのはデュエリストの役目、俺はそう思っていますよ」
「…君がわざわざ弱いカードやデメリットの大きいカードを使う理由が何となくだけど分かった気がするよ。ならそれをこのデュエルで証明してみると言い」
「最初から、そのつもりですよ!」
「私はこのままターンエンドだ」
近藤遊大
LP100 手札1枚
モンスター
なし
魔法、罠
セット
教師
LP6250 手札1枚
モンスター
アレキサンドライトドラゴン
魔法、罠
凡骨の意地
「俺のターン!ドロー!」
近藤遊大
手札1枚→2枚
「手札から魔法カード死者蘇生を発動!墓地のデストロイ・ジャンク・ドラゴンを復活させる!」
遊大の言葉に破壊の龍が再び姿を現した。
「デストロイ・ジャンク・ドラゴンの効果発動!墓地の攻撃力1000以下のモンスター一体につき攻撃力を200アップする!俺の墓地には十二枚あるよって攻撃力は2400アップ!」
デストロイ・ジャンク・ドラゴン
ATK2600→5000
DEF2000
「更に魔法カード龍の激昂発動!自分の場のドラゴンと名の付くシンクロモンスターの攻撃力を二倍にする!」
デストロイ・ジャンク・ドラゴン
ATK5000→10000
DEF2000
「こ、攻撃力10000!?」
「バトル!デストロイ・ジャンク・ドラゴンでアレキサンドライトドラゴンを攻撃!ビック・ダーク・デストロイヤー!」
「ぐ、ぐおぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
教師
LP6250→-1750
八千のダメージを受けて教師のライフは一気0になりその余波で教師は吹き飛ばされる。デュエルの勝敗が着いたことでデストロイ・ジャンク・ドラゴンは姿を消した。
「大丈夫か?」
「え、ええ。まさかあそこから逆転どころか一気に決められるとは思いませんでしたよ」
教師はどうやら本当にそう思っていなかったようで心底驚いた顔をしていた。
「さて、試験の結果は今度発表される事になりますが恐らく君は合格できるでしょう」
「本当ですか!?」
「ええ、私も本気を出していましたし問題ないと思いますよ」
「本気で!?そ、そう言えばここだけ何故かデュエルに負ける人が多かったけどそういう訳だったのか…」
「何はともあれまだ決まった訳ではありませんが君が入学すればきっと面白い事になるでしょうな」
教師はそう言って笑った。
こうして遊大の入学試験は無事に終了した。その後入学試験を受けた一も無事どころか教師を相手に終始優勢を保ち勝利を刻むのであった。