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僕が織斑秋斗となって早3年が経ち、一夏姉は4歳、秋斗は3歳となった。
「誕生日おめでとう、秋斗。誕生日プレゼントだ、大したものではないが・・・」
「わぁ!ありがとう!千冬姉!!このお人形前から欲しかったんだ~!!」
「よかったね、秋斗。私からは、はい!手作りケーキだよ!」
「一夏姉!ありがとう!!」
3人での暮らしは苦しいことがたくさんあった。けど苦しい想いを吹き飛ばすほど温かい家族だった。
だから、だろうか。秋斗は、秋斗となってからとっても笑うようになった。
「おっと、ほら。いい子は寝る時間だぞ~。歯を磨いて寝るんだぞ」
「「は~い」」
一夏姉と二人で返事をして順番に歯を磨いて2階の寝室へ向かう。
「ほら、しっかり布団を被って。風邪をひかないようにして寝ないとな」
「うん、お休み秋斗、千冬姉・・・」
「おやすみ、一夏姉、千冬姉・・・」
「あぁ、お休み。一夏、秋斗・・・。」
秋斗は幸せだった。たとえ両親がいなくとも、姉二人が居ればそれで充分幸せだった。
今日も幸せそうに3人で眠る織斑一家であった。
秋斗の誕生日の翌日、千冬は一夏と秋斗の二人を連れて彼女の入門している道場である條ノ之道場へとやってきた。
「千冬姉、ここは何なの?」
「私が通っている道場だ。秋斗も3歳になったし二人に良ければ入ってもらおうかと思ってな」
「でも誰もいないよ?」
「この時間に来ることは伝えてあるからもうすぐ来るとは思うが・・・」
「やぁ、千冬ちゃん。ちょっと遅れちゃってごめんね」
「柳韻さん、私たちも今来たところですので」
「そうかい?それで、この子たちが妹と弟かな?」
「はい。ほら、一夏に秋斗、挨拶を」
「織斑一夏です。」
「同じく秋斗です。」
「礼儀正しくていい子たちだ。おっと、自己紹介がまだだったね、私は條ノ之柳韻だ。ここの道場の師範をやっているよ」
「えっと・・・」
「今日は見学だけでもいい、存分に見ていきなさい。それでもし入りたくなったら言ってくれ。教えてあげるから」
「「はい!」」
「じゃあ、千冬ちゃん始めようか」
「はい」
二人は千冬と柳韻の稽古を見ていたが、しばらくして一夏は入りたいと思い、秋斗も同じように思った。
そして少しばかりの休憩になったときに二人は千冬に向って。
「「千冬姉、僕(私)もやりたい」」
「そうか、柳韻さん。二人がやりたいそうです」
「そうかそうか、ならお~い、俊通!新しく入門者がいるから教えてやってくれ~!」
「わかったよ父さん。」
そういって奥から若い柳韻さんが出てきた。
「君たちが入門者か、それじゃ早速始めようか」
道場で剣道を習った一夏と秋斗は道場近くの水道で汗を拭いていた。
「秋斗~、しっかり身体を拭いた~?」
「もうちょっとで終わる~」
身体を拭いている途中、秋斗にあの時の白蛇が見えた。
「あ、シロちゃん!」
呼びかけると白蛇は去っていこうとしたので秋斗は追いかけることにした。
「待って、待ってよ!シロちゃーん。何で逃げるの~?」
テケテケと秋斗は追いかける。
と、白蛇を追いかけていると目の前に人が出てきて衝突し、吹き飛ばされて尻もちをついてしまう。
「あててて・・・。ご、ごめんなさい」
「おっと、ごめんよってあれ?もしかして君は最近入門したって言うちーちゃんの弟かい?」
ぶつかってしまった人に聞かれる。
「えっと・・・ちーちゃんって千冬姉のこと?」
「そうだよ!『千冬姉』って呼ぶってことはやっぱり弟君だね!ねぇ、名前なんていうの?」
「あ、秋斗だよ・・・?」
「秋斗か~。じゃああっくんだ!今から君はあっくんて呼ぶね!」
あだ名をつけられた。が、秋斗は生まれて初めてあだ名をつけられた。
「うぇ!?な、なんで泣いてるの!?もしかして嫌だった!?」
慌てふためく目の前のお姉ちゃん。
「ち、違うの!その・・・あだ名付けられるのは、始めてで・・・うれしくて・・・」
「そうかい!そうかい!束さん、考えた甲斐があったよ!!」
「そういえばお姉ちゃんの名前は?」
「ん?私はねてんっさい科学者でみんなのアイドル!!篠ノ之束さんだよ!!ブイブイ!!」
「束・・・束・・・あっ!じゃあ、束おねえちゃんは今度から『たばねえ』って呼ぶね!!」
「うん!いいよ!!束さんとあっくんの仲だからね!!」
「たばねえ!」
「あっくん!」
「「いぇーい!!」」ハイタッチ
意気投合してるときに一夏がこちらにやってきた。
「おーい、秋斗~。どこに行っちゃったの~?もう帰るよ~??」
どうやら秋斗を探しているようだ。
「えっと、一夏姉が探してるからもう行くね?」
「うん、わかったよあっくん。あ、また今度会おうね」
「うん!また今度!」
そう言って秋斗と束は別れて、秋斗は一夏と一緒に帰っていった。
「なぁ秋斗、もしかしてこの前束に会ったのか?」
「え?たばねえに?会ったけどどうしたの?」
「いやな、束があっくんってかわいいよねって話してきたからな。少し気になっただけだ」
「そう?ならいいけど・・・。」
「で?なぜ秋斗は話しながらいつの間にか私のそばにいるんだ?」
「ふぇ?え、えっと・・・」
秋斗は顔を真っ赤にしながらどもる。
「ふふふ、わかっているとも。ほら、おいで」
「うん・・・」
そう言って秋斗は千冬の膝の上にチョコンと座り、後ろから抱きしめてもらう。
「ごめんな、休みの時以外構ってやれなくて・・・。」
「いいよ、千冬姉が頑張ってるの僕知ってるから・・・」
秋斗と一夏は年齢的にもまだ甘えたい盛りなのだが、二人は姉の苦労を知っているので我慢しているのだがこうして家にいるときくらいは甘えている。
「秋斗~。千冬姉~?お風呂開いたよ~」
「よし、ではお風呂に入ろうか」
「うん!」
ニコニコ手をつないでお風呂に入っていく秋斗であった。
束と秋斗の出会いから早くも3年が経ち、秋斗は小学校に入学することになった。
「よし、じゃあ写真を撮るぞ~。一夏ちゃんと箒はもうちょっと秋斗君に近づいて~。千冬ちゃんと束ももうちょい内側に~」
現在は箒のお父さんの俊通さんに写真を撮ってもらおうとしていた。
因みに箒とは道場で出会い仲良くなった。
「よし!じゃあ笑って~!ハイ、チーズ!」
カメラのシャッター音が鳴り写真が取れたことを告げる。そして出来具合を束が見た。
「は~、やっぱり箒ちゃんとあっくんといっちゃんの3人が並ぶといい絵になるね~」
「確かに、一夏と秋斗はかわいいからな。当然だろう」
「って、あれ?あっくんは?」
「あそこにいるよ~」
そう言って一夏が秋斗のいる方向を教えているので見てみると、なぜか蛇の青大将を撫でてお話していた。
「ありがとう、ようちゃん!でも大丈夫?ここまで来て・・・」
「スィー・・・」シタチョロチョロ
「へ~、それでここまで来れたんだ~。」
「スースー」
「え?まーちゃんもここに来たんだ~。」
そこへニホンマムシも草むらから出てくる。(別名 赤マムシ)
「スー、スィー」
「え!?今度、みあちゃん卵産むの!?えっと、何かお祝いしないと・・・」
「シャー、スー」
「え?卵を安全に保管できるところが欲しいって?」
「スィー」
「えっと・・・あ、ちょっと待ってて!!」
皆が驚いているところに秋斗が急いで駆け寄ってくる。
「千冬姉!千冬姉!」
「どうした?秋斗」
「えっと、今度蛇のまーちゃんが卵産むんだけど、卵を安全に置く場所が欲しいみたいでね!!」
「えっと・・・」
「それでね、家の庭を使わせてあげたいんだけどいい?」
「え・・・えっと・・・」
「あ、秋斗・・・?」
「お、おまえ・・・」
「「「蛇と喋れるの!?」」」
「え?うん。えっと、神社の山のところにいる蛇とはみんなお友達だよ?」
「ちなみに束さんはこのことをもう知っているのだー!」
「ていうか、秋斗?そのまーちゃんって言う蛇が卵を産むのはいつなの?」
「えっと、5月の終わり位って言ってた!」
「ならそれまでに庭を整備しておかないとな」
「よし!なら束さんが手を貸そう!!」
そのあとは束さんの調べで必要なものを束さん経由でそろえて庭に友達の蛇を呼んだ。
そして、問題の産卵する蛇が産卵を終える頃にはすっかり織斑家のペットになっていた。
「あ、まーちゃん。卵の様子はどう?」
「しー、すー」
「うん!どういたしまして!!」
どうやら順調のようだ。因みに学校に行くとなぜだか数匹が必ず付いてくる。そして他の人には一切ばれてはいない。
「秋斗ー?そろそろ行くよ~?」
「はーい!じゃあ学校、行ってくるね!!」
笑顔で登校する秋斗、それを見て一緒に登校する一夏は『かわいいな~』と思いながら手をつないで登校するのだった。
次回予告!
ある日の放課後、箒は男子にからかわれていた。
それを見た秋斗は前世の自分のことを思い出し、一つの決断をする!
そして、箒はどんな反応を示すのか。
次回もお楽しみに!!