ヒーローを運搬するだけの簡単なお仕事です   作:ビット

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雄英高校体育祭でオープニングセレモニーを行うだけの簡単なお仕事です

 

 

青空が崩れ落ちている。誰かがそう呟いた。

 

目を見開き頭上を見上げる群衆。驚愕に足を止める人々。

 

何処からか、グランドピアノの音色が響き渡る。

 

パズルのピース状に砕けた空の欠片が、光の粒子となって大地に降り注いできた。

 

崩れた空の更に奥の空間から現れたのは、あまりにも巨大な像。幾つかの立方体が集まり、それらが無造作に組み立てられたかの様な、少々歪な形をした立方体だ。

 

その巨大な建造物が、ドームの遥か上空に浮かんでいた。

 

『今年の雄英体育祭は!一味違うぜリスナー達!』

 

プレゼント・マイクが声を上げた。

建造物から、多角形が組み合わさったような形の光が、重なり合うように展開される。一定の間隔を開けながら展開される光は数秒の内に地上へと到達し、それはさながら天へと登る巨大な塔の様であった。

 

重なり合った光が、上空に近い光から砕け消えていく。光の欠片は空の欠片とぶつかり合い、霧散して消失した。

 

目の前で起こる神秘的な出来事に、十万人を超える観客の誰もが息を呑む。超人世界と呼ばれる現代でも、空を割り、そこから巨大な建造物が現れる様な超常現象をお目にかかる事は、まず無いだろう。

 

凄まじいスピードで崩壊する欠片。光の塔が消えていく。そして最後の一枚が割れた時、塔の根元があった場所から、一際強い光が発せられた。

 

光から出現したのは、大量の黒い蝶と、一人の人間。

 

「ティーズ」

 

プラチナブロンドの長髪をたなびかせ、黒蝶達へと呟いたのは一人の少女ーー否、青年。黒を基調にし、胸元に銀十時の刺繍が入ったコスチュームを纏っている。

 

その青年がオーケストラの指揮者の様に手を振ると、それに応じて黒蝶達も渦を巻くように飛翔する。

 

風圧で長髪が巻上がる。圧倒的な超常現象を引き起こす要因たる青年は、僅かに口角を上げ、弾くように勢いよく腕を横に伸ばした。

 

彼の動作と共に、一瞬で消え去る黒蝶。少しだけ首を傾げ、明るい笑みを浮かべた青年が、十万人の観衆へ向けて丁寧にお辞儀した。

 

大歓声が会場を震わせる。空砲が鳴り響き、プレゼント・マイクが口を開いた。

 

『サイコーにクールなオープニングセレモニーをありがとう“ノア”!これもって雄英高校体育祭、開幕だぜえええええええええええ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

髪を三つ編みに結ぼうとして、やめた。面倒くさいので適当に根元で結んでポニーテールにする。

 

「気持ちよかったぁ〜!」

 

背伸びをしながらそういうと、途中で声が裏返ってしまった。少し恥ずかしくなり部屋を見渡すも、僕の準備専用の部屋だし、スタイリストさん方には既に出ていった後なので、人っ子一人居るはずもない。

 

絶対誰も居ないって分かってても、恥ずかしい思いをしたら、誰かに見られていないかと確認しちゃうよね。

 

雄英高校体育祭のオープニングセレモニーをやらせてもらった僕は、会場内の一室で休憩をしている最中だった。派手さの割に、特に体力を使う仕事でもなかったのだが、休みをくれるというなら喜んで頂戴するのが僕のやり方である。

 

なんなら方舟は今も会場の上空に浮かんでいる事だろう。あれを顕現させておくと、ゲートの展開速度が速くなるのだ。緊急事態に備えるため、万全は尽くしておかなければならない。

 

じゃねーともし何かが起こってしまったら僕は総バッシングを喰らう事になる。そんなのは御免だ。

 

鏡を見ながら髪型をチェックする。相変わらずの美少年だ。我ながら文句無しに可愛い。ポニーテールも抜群に似合っている。

 

三つ編みより大分楽だし、これからはこの髪型でもいいかもなぁ。

 

そろそろ休憩時間も終了だ。が、特に任されている仕事はない。僕の仕事は緊急事態が発生した時に、迅速にゲートを開く事だ。場内の監視や警備は他の職員や、それこそ警察機関が行っている。

 

というか、メディア露出が極端に多い僕が会場の警備でうろつけば、それはまた別の騒ぎになってしまう可能性がある。

 

要は合法指示待ち人間なのだ。合法といえば僕は合法ショタと言えなくもない。可愛いぜまったく。

 

「ま、てきとーに知り合い探して挨拶でもしてきますか」

 

机の上に置かれたクッキーを一枚齧ってから部屋の外に出る。関係者以外の立ち入りが禁止されている場所であるため、人通りは全くない。

 

そのまま人通りの少ない通路を歩いていく。途中何度か職員の方とすれ違ったので軽く会釈だけしておいた。ばたばたと忙しそうに、小走りで駆け回っていた。

 

大変そうですねー。

 

しばらく歩くと、雄英高校体育祭の警備に駆り出されたヒーロー達の待機所に着いた。

 

「確かあの人が待機してるのは、ここ……ですよね」

 

コスチュームのポケットにしまっていたメモを確認し、待機室の扉をノックした。

 

『はーい』

 

「あれ?」

 

野太い男の声が聞こえてくるという僕の予想は外れ、ドアの向こうからは若い女性の声が聞こえてきた。

 

「何か御用で……」

 

「あっ、すいません。デステゴロさんはいらっしゃいますか?」

 

エロ。

 

ドアを開けてくれたのは、長い金髪をウェーブにし、パツパツのコスチュームを着た女性ヒーロー、――確か最近デビューしたMtレディというヒーローだった筈だ――だった。何組かのヒーローで同室を振り分けられているのかと思い、目当ての人物がいるのかどうかを聞くが、こちらを見て静止してしまっている。

 

「あの……」

 

「アッハイデステゴロさんですね。確かにいらっしゃいますよ」

 

「オイMtレディ、俺の客か?……ってノアじゃねーか。久しぶりだな」

 

「デステゴロさん、ご無沙汰してます」

 

まぁ入れよ、とドアを大きく開け、僕が座る為のイスを引いてまでくれるこの筋肉ムキムキの男こそ、僕が探していたパンチングヒーロー・デステゴロさんである。

まだ彼が独立したばかりの時、当時士傑高校の一年生だった僕は、彼の事務所で職業体験をさせてもらった事がある。個性の特性上活動範囲がほぼ日本全土に及ぶ僕は、サイドキックとして活動し始めてからもちょくちょく現場で顔を合わせていた。

 

増強型の個性という事でオールマイトと比較され、一部では劣化オールマイトの様な評価を下されてしまう事もあるが、着実に実績を積み上げている普通に優秀なヒーローだ。番付けも二桁代である。

 

「な、なんでこんなとこにノアがいるんだ……!?」

 

「知りませんよ!先輩の知り合いみたいですけど……」

 

少しだけ騒がしくなった部屋だったが、すぐに落ち着きを取り戻した。まぁたかがサイドキックがそこまで騒がれる筈もないが。

 

部屋を見渡してみると、安っぽテーブルとパイプ椅子が設置されている広い部屋だ。中では数十人のヒーロー達が談笑しあっていた。

 

デステゴロさんの隣に腰掛けると、こそこそと話し出す前の若手ヒーロー二人。一人は先程ドアを開けてくれたMtレディで、もう一人の方がシンリンカムイ。木製のフェイスヘルメットを被っている後者は最近独立した若手のヒーローで、まさに飛ぶ鳥を落とす大活躍で一躍名を上げている期待の若手ヒーローだ。

 

サイドキックとしてのデビューは割と遅めなのだが、それでもヒーローに関わる業界にいる以上どうしても耳に入るのが彼の名前だ。

 

しかし期待の若手ヒーロー二人が揃い踏みとは。デステゴロさんが世話でも焼いているのだろうか。

 

「で、何の用だ?」

 

「いえ、特に用とかはないです。暇だったんで挨拶に」

 

タバコをふかしながら聞いていくるデステゴロさんにそう返事をすると、若干呆れている様な顔をしながら大きく息を吐く。

 

「相変わらずみたいだな」

 

「しょーがないでしょ暇なんですよ僕」

 

視線を横に向けると、体育祭の映像が流れているディスプレイが設置されていた。どうやら第一種目は既に終わっている様で、第二種目の騎馬戦の映像が放送されている。

 

「派手にやってますねぇ」

 

「ああ。今年の一年生は豊作みたいだな」

 

「B組の訓練は見た事ないので分かりませんが、少なくともA組はめちゃくちゃ優秀な子が多いですよ」

 

一部の生徒は、少なくとも僕の学生時代より全然強い。かもしれない。

 

氷やら爆発やら衝撃やらでぐちゃぐちゃのフィールドを観ながら話していると、僕の斜め前に座っていたMtレディさんが声を掛けてきた。

 

「あの……ノア、さん」

 

「呼び捨てでいいですよMtレディさん。僕のが歳下ですし」

 

「知ってたんですか!?」

 

「お二人の名前は業界にいたら嫌でも耳に入ってきますって」

 

シンリンカムイさんにも呼び捨てでいいと言っておく。ヒーロー活動歴では僕の方が先輩とはいえ、歳下の僕にまで敬語を使ってくれるなんてなんて出来た後輩なのだろうか。

 

この二人は可愛がってやろう。ちょっとした不祥事くらいなら揉み消してあげる。顔の広さには自信があるのだ。

 

「じゃあノア……くん?とにかく、私とサイドキック契約結んでくれないでしょうか!」

 

「あっ無理です」

 

「即答!?」

 

いや無理なのは分かっていたけど!と、本気で悔しがるMtレディ。ダメ元でもチャンスがあったら食い付いてくる野心の強さは僕好みだ。

 

ちなみに容姿も僕好みである。歳上お姉さん系が僕の好みのタイプなのだ。

 

だがこういったお話で曖昧な返答をすると後が面倒くさいというのは経験から分かっている。悪いけど断らせてもらおう。

 

「それに僕今サイドキック活動完全休止中なんですよねー」

 

「期間も定まってないんだろ?大変だな」

 

「そうなんですよ。これが一年以上続きそうならどうにかしないと不味いですね」

 

長期間サイドキックを休むのはあまり良い事とはいえない。交戦機会が著しく下がると勘も鈍るし、何より信頼度が落ちてしまう。

 

一年間。これが僕が雄英高校だけに集中出来るタイムリミットだ。これを過ぎる様なら辞めるか、雄英で講師をしながらサイドキック活動をするかの二択である。

 

安請け負いしてしまったのは完全に僕のミスだ。まさかオールフォーワンが絡んでいたとは思わなかった。予定としてはオールマイトから情報貰っててきとーにおさらばする予定だったのだが。

 

まぁ最悪、雄英高校教師である相澤先輩に雇ってもらおう。それならサイドキック活動と並行できなくもない。スナイプさんやブラドさんでも可。理想はミッドナイトさんだが彼女の個性を考える限り僕と組むのは旨みが少ないので無理だろう。おそらく超便利タクシーにしかならない。

 

こういった時、サイドキックというのは厄介だ。ヒーローと組まなくては活動出来ないし、僕は今のところヒーローとして独立するつもりは無い。雄英高校に勤める以上、必然的に組める相手は限られてくる。

 

そうやって話し込んでいると、後ろから急に柔らかいもので頬を挟まれた。不意の感触に驚いてしまい、思わずその柔らかいものを両手で掴む。

 

一体誰だ。僕にこんな悪戯をしかけるとは。

 

「相変わらず忙しそうね、ノアくん」

 

「んにゃっ!?」

 

頭上から降ってきた聞き覚えのある声に思わず飛び上がった。顔に血が上り、心拍数が爆発的に上昇する。

 

「アンタは確か……プッシーキャッツの」

 

「マンダレイよ。よろしくねデステゴロさん」

 

やっぱり!?!?マンダレイさん!?!?

 

慌てて上を向くと、悪戯っぽい笑みを浮かべながらこちらを見下ろすマンダレイの顔があった。ショートボブの黒い髪が僕の鼻を撫でる。可愛い。綺麗。ちかい。

 

「!?!?!?」

 

「ご、ごめんなさい。まさかそこまで驚くとは……」

 

「いっいえ!お気になさらず!?」

 

完全にテンパっている自覚はある。我ながら童貞丸出し過ぎるだろ。

 

……今の自虐で幾分か冷静になれた。

 

うるせー!こちとら学生時代から訓練三昧・仕事三昧だったんじゃ!女の子と遊んでる時間?なかったよ!

 

完全に童貞の言い訳である。

 

「な、なんでマンダレイさんがここに」

 

「あら、そんなに不思議かしら。私も警備担当でお呼ばれしたのよ。私の個性は避難誘導なんかにはうってつけだしね」

 

マンダレイさんの個性は“テレパシー”。文字通り範囲内の人間にテレパシーを送る事が出来る能力だ。彼女の言う通り、避難誘導にはうってつけである。

 

警備するヒーローの資料には一通り目を通していた筈だったのだが、どうやら見落としていた様だ。嬉しい誤算である。

 

「可愛い……」

 

「……」

 

「おっ!?」

 

ボソリと呟くシンリンカムイを睨み付ける。マンダレイさんに手を出そうものなら容赦などしない。殺す。僕は同担拒否の過激派オタクなのだ。

 

「それにしても綺麗なお肌ね。化粧品とか使ってるのかしら?」

 

「ウ、ウワバミさんがCM出てるとこの使ってます」

 

「それってUWABAMIの最新作じゃないですか!?気になってるんで使い心地とか教えてください!」

 

いつの間にか猫の手を模したグローブを外していた様で、素手で肌を撫でられた。正直緊張やら嬉しさやらで死にそうである。もう頭がいっぱいいっぱいというか、許容量がオーバーしてしまいそうだった。

 

推しに頬を撫でられている……なんだこの天国は。まさに天にも登る心地であった。ありがとう神様。普段は微塵も信じてないけど、こんな時ばかりは感謝せざるを得ないのです。

 

美容に気を使っていてよかった……!お肌に拘っていてよかった……!

 

「おら、どうぞ」

 

「あらありがとう」

 

僕がパニックに陥っている間に、デステゴロさんが余っていたパイプ椅子を持ってきてくれた様だ。デステゴロさんにお礼を言いながら、マンダレイさんが僕の左側に腰掛ける。

 

デステゴロさん、あの口調と見た目で優しいのは相変わらずみたいだ。さっきも僕が座る椅子を引いてくれたし。さり気ない優しさを見せるのが彼の魅力である。

 

「使用感は中々ですよ。僕スキンケアは専らUWABAMIなので」

 

「うわーやっぱり評判通り良いんですね。でも高いし手が出ないかも」

 

髪が蛇になっているヒーロー、ウワバミが設立したブランドUWABAMIは、スキンケア用品において確固たる信頼と実績を勝ち取ったトップブランドである。値段は張るが効果は間違いなく、僕が愛用しているブランドでもあった。

 

「へぇ、私も使ってみようかしら」

 

「ぜひ」

表面上は冷静を装いながらそう返す。マンダレイさん今でも充分過ぎるくらいお肌綺麗じゃないですか、とは言わない。さすがにキモイ。そしてキモイとか言われたら泣く。絶対言わないだろうけど。

 

マンダレイさんが頬から手を離す。名残惜しいがこれ以上触れられていたら死んでいたかもしれない。それは困る。

 

そこからはマンダレイさんを混じえてのお話が始まった。しばらく談笑していたところで、ふとマンダレイさんが口を開く。

 

「ところでノアくん――そろそろ独立はしないの?」

 

 

 

 

マンダレイさんのその言葉に、一気に頭が冷静になった。

 

「……いえ、今のところは特に考えてないです。僕ほら、まだ若いですし」

 

「え、そうなんですか?勿体ない」

 

「うむ、ノアともなれば独立しようと問題はないでしょう」

 

適当な理由をつけて独立を否定する。するとそれに勿体ないというMtレディさんに、それに同調するシンリンカムイさん。

 

沈む内面を押し隠さんと、必死に笑顔を貼り付ける。

 

「……確かにお前もわけぇが、そろそろ独立したっておかしくはねぇ歳だろう。前から気にはなっていたが、何か独立したくない理由でもあるのか?」

 

相変わらず変な鋭いよなぁデステゴロさん。

 

筋の通った言い訳も考えられず、かといって誤魔化す事も出来なさそうな雰囲気。思わず俯いて言葉に詰まってしまった時――

 

 

 

――ゲートが、勝手に開いた。

 

「は?」

 

思わず顔を上げる。

 

呆気にとられていると、そのゲートの中から高速でボールの様なシルエットが飛んでくるのが見えた。不味い、ぶつかる。

 

必死にかわそうと身体を捻る。が、シルエットは動かした身体の方へ進行方向を変えた。

 

スライダーの様に軌道が変化したそれが、僕の額に激突する。

 

「いっっっっっっった!?」

 

ごん、という鈍い音。痛みに思わず呻き声をあげながら蹲った。ヤバイ、マジで痛い。ガチギレ相澤先輩の拳骨以上の痛みだ。

 

涙でぼやける視界の中に、金色の生物?が映った。掌程度の大きさの球体に、鷹のような一対の翼が背から生えており、後ろからは細く長い尾が生えている。球体の真ん中には十字の様な模様。

 

「――ティムキャンピー!怒りますよ!」

 

僕の周囲を元気に飛び回るティムキャンピーは、僕の個性の副産物の様なものだ。基本向こう側で飛び回っているのだが、偶にこっち側に遊びに来る事がある。

 

僕意外で任意にゲートを開く事が出来る唯一の存在だ。

 

「おおっ!?」

 

しばらく周りを飛び回っていたティムキャンピーは、デステゴロさんが手に持っていた煙草に齧りつき、むしゃむしゃと食べ始めた。

 

「だ、大丈夫なのか?」

 

「あー、大丈夫です。多分」

 

そもそも生き物かどうかも怪しいのだ。こちらの言葉は理解しているようだが。

 

そんなこんなで騒いでいるうちに、どうやら騎馬戦も終わった様だった。折角なので、A組の皆にも声を掛けに行かなくては。

 

「すみません皆さん、僕はここで」

 

「分かったわ。またね、ノアくん」

 

ぜひ!マンダレイさんなら大歓迎です!

 

ティムキャンピーの尻尾を鷲掴み、そのまま部屋を出る。

 

ゲートの中に叩き返そうとも思ったが、コイツがその気ならまた痛い目に合わされそうなのでやめておく。

 

全く面倒なヤツである。なんかマスコットみたいな見た目しやがって。もしこの世界にマスコット枠なるものがあるのなら、それは僕一人で充分だ。

 

ここに来た時と同じように、関係者用の通路を使って、僕は生徒用の観戦席まで歩いていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 




ティムキャンピーはマスコット枠。それ以上でもそれ以下でもない。

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