指揮官とG3がお送りするドルフロ銃解説   作:スツーカ

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銃の歴史その8 〜アサルトライフルの登場〜

指揮官

「指揮官と」

 

G3

「G3がお送りする」

 

「「ドルフロ銃解説~」」

 

指揮官

「前回はドイツが今までの戦いを分析した結果、ライフルでは取り回しが悪くサブマシンガンや機関銃に撃ち負け、サブマシンガンは射程と威力が不足し、機関銃はその大きさ、重さ、連射時の反動の強さからライフルのように運用したい時にそれが出来ないと結論が出た。そこでライフルの威力とサブマシンガンの取り回しの良さ、機関銃の連射性を兼ね備えた銃の開発がされたところで終わった」

 

G3

「そこで1942年にハーネル社がライフル、サブマシンガン、機関銃の長所を併せ持った新しい銃を開発しました。Sturmgewehr 44(シュトゥルムゲヴェーア44)、英語でアサルトライフルと呼ばれるものが誕生しました」

 

指揮官

「Sturmgewehr 44、略してStG44は画期的な方法で問題を解決した。それは短小弾だ。今までのライフル用弾の薬莢を短くし、発射薬の量を減らして反動を減らした。弾丸はライフル用弾とほとんど同じだからサブマシンガンが使う拳銃用弾より威力があり、発射薬も多く射程もある程度なら問題ない。機関銃のように連射しても反動はライフル用弾ほどではなく制御できた。だがこの新しい銃は政治的な理由により生産が遅れ、配備された数は多くなかった」

 

G3

「しかし、ドイツからの戦利品として戦勝国各国はStG44を持ち帰り研究しました。そして各国でアサルトライフルの開発が始まったのです」

 

指揮官

「そして終戦から僅か1年後の1946年、一介の軍曹でしかなかったミハイル・カラシニコフがStG44を参考にアサルトライフルを設計し、1947年の新型銃を決める審査に合格した。シリーズ累計1億丁が生産されたと言われる東側を代表するアサルトライフル、AK-47だ。AK-47は「通りすがる傭兵」様の「ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー」で既に解説されているので、詳しくはそちらを見て欲しい」

 

G3

「AK-47は終戦直後に開発されたSKSカービン銃の弾を使用しています。これはStG44の影響を受けた短小弾です」

 

SKS

「呼んだ?」

 

指揮官

「ごめん呼んでない」

 

SKS

「(´・ω・`)そんなー」

 

指揮官

「気を取り直して、ソ連と同じくStG44を参考にアサルトライフルをベルギーのFN社が設計した。StG44と同じ弾を用いて1948年に原型が出来たそれは、イギリスやアメリカが中心となって結成された軍事機構"北大西洋条約機構"(通称NATO)の正式弾薬が強力なものに決定された影響で設計変更を余儀なくされた。こうして完成したのが西側を代表するアサルトライフル、FALだ」

 

FAL

「呼んだかしら?」

 

指揮官

「ごめん呼んでない」

 

FAL

「(´・ω・`)そんなー」

 

G3

「FALは世界中に輸出され西側だけでなく中南米やアフリカで使用され、FAL同士が戦う戦争もありました。ですが、前述の弾薬変更で連射に適さず、ライフルのように1発ずつ撃つ運用でした」

 

指揮官

「一方、NATOの盟主アメリカはM1ガーランドをNATOの弾薬規格に合わせ、連射機能を付与し近代化したアサルトライフル、M14を開発した。だがM14は設計の旧さからFALよりさらに連射に向かず、連続して撃つと手が付けられないほど銃口が跳ね上がり命中は期待出来なかった。また大きさと重量から狭い場所での取り回しも悪かった」

 

M14

「呼びましたか?!」

 

指揮官

「ごめん呼んでない」

 

M14

「(´・ω・`)そんなー」

 

G3

「この問題はベトナム戦争で顕著に現れました。見通しが効かず突発的な戦闘の起こりやすいジャングルでM14は北ベトナム兵の持つAK-47に撃ち負けてしまいました。そこで米軍はより軽量で取り回ししやすく、反動の少ない銃を求めました」

 

指揮官

「そこで採用されたのが、ユージン・ストーナーによって設計されたM16だ。特徴はアルミニウム合金とプラスチックを多用し軽量に仕上げた本体と、弾丸の口径を小さくし速度を増やした小口径高速弾だ」

 

G3

「M14やFAL、そして私が使用する弾はNATOに採用されている7.62mm×51弾で、弾丸の直径が7.62mm、薬莢の長さが51mmでした。一方、M16は5.56mm×45弾を使用しました。弾丸の直径が5.56mmで薬莢の長さが45mmです」

 

指揮官

「弾丸が小さく軽くなれば、その分発射薬は少なくて済み速度が上がる。結果として人を殺す威力を保ったまま反動を小さく出来るんだ。7.62mm×51弾は弾丸の重量が4.02[g]で速度が838[m/s]、エネルギーは3275[J]だ。一方5.56mm×45弾は弾丸の重量が9.33[g]で速度が922[m/s]、エネルギーは1709[J]だ。5.56mmの方がエネルギー量で劣るが、近距離での殺傷能力は十分だった」

 

G3

「M16の登場でアサルトライフルは短小弾と通常のライフル弾から一気に小口径高速弾に変化しました。FALはFNCへ、AK-47はAK-74へと小口径高速弾に適用しました。ですが、短小弾も小口径高速弾も使用しない方法もありました」

 

指揮官

「それは減装薬弾だ。薬莢も弾丸も変えず発射薬の量や種類を変更し反動を減らしたものだ。これは自衛隊の64式自動小銃で取り入れたものだ」

 

64式自

「呼んだ?」

 

指揮官

「ごめん呼んでない」

 

64式自

「(´・ω・`)そんなー」

 

指揮官

「現在でも使われるAK-47系を除けばほとんどが小口径高速弾を使用するアサルトライフルが主流だな。といったところで今回の解説は終わりにしよう。ではまとめだ」

 

・1942年に世界初のアサルトライフル、StG44が誕生した

・短小弾は弾丸の直径をそのままに薬莢を短くし反動をへらした弾

・小口径高速弾は弾丸の直径を減らしその分薬莢を小さくして反動を減らした弾

・減装薬弾は発射薬の量を減らし反動を減らした弾

 

G3

「いかがだったでしょうか? それでは皆様」

 

「「次回もお楽しみに」」

 

 

 

指揮官

「次でようやく銃の歴史編が終わりそうだ」

 

G3

「歴史の次はなにになさるんですか?」

 

指揮官

「銃の部品や用語の解説をしようと思う。てか先にこれをやればよかった」

 




作者
「通りすがる傭兵様のドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナーにてAK-47やFAL、64式自動小銃についての解説があるので、ぜひご覧ください(ダイマ)」

「あと活動報告書いたので、もしよろしければご覧ください。特に良い事は書いてません。解説の前に指揮官などの設定を追加したのと、銃に関して何か解説してほしいことがあればリクエスト受け付けますってだけです。AK-47の構造を解説してーて感じでリク貰えればやります」

参考文献
5.56×45mm NATO - Wikipedia 2019年1月20日閲覧
https://en.wikipedia.org/wiki/5.56×45mm_NATO

超ワイド&精密図解 世界の軍用銃図鑑 
発行人:鈴木昌子 発行所:株式会社 学研プラス

歴史群像シリーズ [完全版]図説・世界の銃パーフェクトバイブル
発行人:脇谷典利 発行所:株式会社 学研パブリッシング

オールカラー最新軍用銃辞典
著者:床井雅美 発行所:並木書房

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