指揮官とG3がお送りするドルフロ銃解説   作:スツーカ

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銃の部位解説 〜ショットガン編〜

指揮官

「指揮官と」

 

G3

「G3がお送りする」

 

「「ドルフロ銃解説~」」

 

指揮官

「今回はショットガンについて解説しよう」

 

G3

「そういえばショットガンは歴史編で1度も触れられませんでしたね」

 

指揮官

「あぁ、実はショットガンは銃の中で唯一、軍用目的で発明されていない銃なんだ。鷹狩りの代わりとして狩猟用にマスケット銃を使い始めたのが始まりとされている。軍用として生まれてないから歴史編ではあえて触れてなかった。決して忘れてたわけじゃないぞ」

 

G3

「そういうことにしておきます。では始めにショットガン(以下SG)について解説しますが、最初にSGの弾である散弾について解説します。以下の画像をご覧ください」

 

 

【挿絵表示】

 

 

指揮官

「散弾は他の銃の弾と大きく違う形状をしている。なお散弾はショットシェルと呼ぶぞ。薬莢は多くの場合でプラスチック製となっている点が他の弾との大きな違いだ。昔のSGの中には紙製や真鍮製薬莢もあるぞ。続いて紙ふただ。これは中の散弾が外に出ないようにする蓋で、現代の散弾は薬莢がふたの代わりになっている」

 

G3

「続いて散弾です。これは他の弾における弾丸で、発射するとこれが飛んでいきます。鳥や動物を撃つために作られたので、パチンコ弾のような小さな弾を大量に発射します。鳥や小動物の狩猟に使うものをバードショットと言い、大きさや材質によって散弾は8から200発以上が入っています。鹿などの中型動物の狩猟用はバックショットと言い、6から9発入っています。SGが装備できるバックショットはこれですね。熊やイノシシなどの大型動物狩猟用はスラッグショットと言い、大きな弾が1発入っています。SGの口径はライフルより大きいためかなりの威力が出ますが、空気抵抗が大きいため射程は短いです」

 

指揮官

「次にワッドだ。散弾は小さな弾丸がたくさん入ってるから効率よく十分なエネルギーを弾丸に送れない。そのため発射薬の爆発を受け止めて散弾を押し出すのがワッドだ」

 

G3

「発射薬と雷管は省略し、続いてロンデルです。これは薬莢の底を包んで補強する部品です」

 

指揮官

「散弾の口径は番径(ゲージ)と言って1ポンド(約454g)の鉛球の直径(約42.2mm)を1番径とし、1/2ポンドを2番径、1/10ポンドを10番径と言う。多く出回っているのは12番径(約19.7mm)、20番径(約15.6mm)、410番径(0.410インチ=約10.4mm)だ。410番径だけは例外的にインチ表記だ。ではこれで散弾の解説は以上とする。次はSG自体の解説をしよう。SGの装填は主にポンプアクション式、レバーアクション式、自動式に分かれるが、レバーアクション式と自動式は歴史編にて解説したので省略する。では下の画像を見ながら聞いてくれ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

G3

「ポンプアクション式は先台(フォア・エンド)と呼ばれる部品を前後に動かすことで散弾を弾倉から装填・排莢を行う方式です。先台(フォア・エンド)を引くと弾送り(エレベーター)が下に下がってアクション・スライドが後に下がります。そして散弾が弾送り(エレベーター)に乗り、そのまま先台(フォア・エンド)を前に戻すと弾送り(エレベーター)が散弾を薬室に送りアクション・スライドが閉鎖して発射準備が整います」

 

指揮官

「ポンプアクション式の弾倉はマガジン・チューブと呼ばれ、筒状の弾倉となっている。普通の弾は弾丸が尖っていて何かの拍子に雷管に当たって撃発させかねないが、散弾は平らだからその心配は無いんだ。レバーアクション式も弾倉はマガジン・チューブだ。では銃本体の解説にいこう」

 

 

【挿絵表示】

 

 

G3

「上の画像は世界初の実用的なポンプアクション式SGのウィンチェスターM1897です。初めに銃床です。通常のSGは銃床がありますが、中には銃床と銃身を切り詰めたものもあります。これはソードオフ・ショットガンと言い、ウィンチェスターM1887さんやRMB-93さん、未実装ですがスーパーショーティーさんがこれにあたります。主に室内戦での至近距離戦闘やドアの鍵を破壊するために使用されます」

 

指揮官

「引き金と排莢口は省略して次は撃鉄だ。画像では外に付いているが、民間向けが多いSGでは暴発事故を予防するために撃鉄は中にあるものがほとんどだ」

 

G3

先台(フォア・エンド)弾倉(マガジン・チューブ)は先ほど解説したので省略しまして、次は銃身です。ほとんどのSGは銃にあるべきライフリングを持っていません。散弾はライフリングで回転を与えてしまうと遠心力で弾丸が極端に拡散しすぎてしまい、前に飛ばなくなってしまうからです。ですがスラッグシェルは1発ですので、これを使用するSGはライフリングを施すこともあります。ちなみに日本の法律では銃身に半分以上のライフリングがあると散弾銃ではなくライフルと認定されるので注意してください」

 

指揮官

「銃身の話はまだ続くぞ。SGの銃身にはチョークと言う散弾の上下左右の拡散を決めるものがある。これは銃身から銃口に向かって口径を絞るもので、これを絞るほど拡散するタイミングを遅らせることができる。もっともきつく絞るフルチョークでは37m先の的を狙った場合、76cmの円内に約70%の散弾が収まる。10mの至近距離なら1人に全弾命中させることも夢じゃないな。撃たれた側は人間だろうと人形だろうと悲惨なことになるが」

 

G3

「最後にフロント・サイトです。多くのSGはリア・サイトが無く、銃身を少し上から見下ろすようにして狙います。これは他の銃と違い空を飛ぶ鳥やクレー射撃で射出されたクレーという皿のようなものを撃つため、銃身を目標の少し上に向ける必要があるからです。民間向けSGはリア・サイトがありませんが、軍用や警察用で人に向けて撃つSGにはリア・サイトが付いています」

 

指揮官

「以上でSGの解説は終了だ。いかがだったかな? それではみんな」

 

「「次回もお楽しみに」」

 

 

 

指揮官

「次の解説は何にしようか……」

 

G3

「決まっていないのですか?」

 

指揮官

「うーん……よし、徹甲弾と榴弾について解説しよう。ちょうど資料もあるしな」

 

 




参考文献
Wikipedia 散弾銃 2019年2月12日閲覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/散弾銃

オールカラー最新軍用銃辞典
著者:床井雅美 発行所:並木書房

図解マニアックス・2 小銃百科増補版
著者:安田誠 発行所:株式会社 幻冬舎コミックス

銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密
著者:かのよしのり 発行所:ソフトバンク クリエイティブ株式会社

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