指揮官とG3がお送りするドルフロ銃解説   作:スツーカ

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弾と銃の構造

指揮官

「指揮官と」

 

G3

「G3がお送りする」

 

「「ドルフロ銃解説~」」

 

指揮官

「今回は弾と銃の構造について解説していくぞ」

 

G3

「前回は銃の定義について解説しました。今回解説する構造は近代以降の金属薬莢を使用する銃になります」

 

指揮官

「火縄式やフリントロック式の銃については歴史のところで解説するよ。さて、銃の構造の前に弾について解説だ」

 

G3

「弾の構造は以下の図をご覧ください」

 

 

【挿絵表示】

 

 

指揮官

「弾は主に4つの部品から構成されている。まず1つ目は弾丸だ。弾丸は銃口から飛び出て実際に目標に向かって飛んでいく物だ。弾丸は爆発した発射薬に押されて銃身に入り、ライフリングで回転されて加速しながら銃口から出てくるんだ。弾丸は英語でBullet(バレット)だ」

 

G3

「まれにアニメ等で薬莢ごと銃口から飛び出てくる描写がありますが、あれば間違いですので注意してくださいね。銃の弾丸の素材は鉛を銅でコーティングしたものが多いですが、コーティングがなかったり鉛ではなく鉄やタングステン合金のものがあったりします」

 

指揮官

「次に発射薬だ。発射薬とは装薬とも呼ばれ、文字通り弾丸を発射するための火薬なんだ。現代においてこの火薬は無煙火薬と呼ばれるニトロ化合物(ニトログリセリン、ニトロセルロース等)が主流だな」

 

G3

「ニトロ化合物が火薬として登場するまでは黒色火薬と呼ばれる火薬が使われてました。このあたりは銃の歴史で話そうと思います。現在では黒色火薬は花火などに使われてます」

 

指揮官

「次は雷管だ。雷管は衝撃を与えると爆発する敏感な起爆薬を入れた部品だ。この雷管に衝撃を与えることで起爆薬を爆発させ、発射薬を着火させるんだ。雷管は英語でPrimer(プライマー)だ」

 

G3

「要するに起爆剤ですね。強い衝撃を与えると爆発するので、落としたり金槌で叩いたりすると暴発の危険があるので注意してください」

 

指揮官

「最後に薬莢だ。薬莢は上3つの部品を1つにまとめ、湿気や熱、衝撃から発射薬や雷管を守る役割をする部品だ。撃った時に横へ金色の円柱のものが飛んでいく描写があるだろ? あれが役目を終えて廃莢された薬莢だよ。薬莢は英語でCartridge case(カートリッジケース)または単にCase(ケース)と呼ぶぞ」

 

G3

「薬莢が金色なのは材料が真鍮(銅と亜鉛の合金。金管楽器等に使われる金色の金属)なんだからです。一部の国では銅の節約のために鉄製の薬莢もあるようです」

 

指揮官

「G11のような薬莢が無いケースレス弾と言うものがあるが、これは銃の歴史で取り扱うとしよう。弾の解説はっこんなところかな」

 

G3

「最後に、弾丸、発射薬、雷管、薬莢をまとめたものを実包と呼びます。英語ではCartridge(カートリッジ)ですね。ですが実包はあまりなじみが無いので、特に断りがなければ実包の事をここでは弾や弾丸と呼びますね」

 

 

 

指揮官

「では続いて銃の構造について解説していこう。下の図を参考に話を進めるぞ。ライフルやショットガンに多いボルトアクション式やポンプアクション式、アサルトライフルやサブマシンガンが利用しているガス圧式や反動利用式でも構造は同じだ。この構造の周りがどうなってるかで種類分けされるんだ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

G3

「では始めに撃針についてです。撃針は弾の解説で登場した、雷管に衝撃を与えるための硬く鋭い針のような部品です。この部品がなければ銃は成り立ちません。言わば銃にとっての生命線のようなものですね」

 

指揮官

「引き金を引くと撃針がバネに勢いよく押されて雷管を叩き、雷管が起爆剤となって発射薬を爆発させ弾丸が発射させる仕組みとなっているんだ。ハンドガンなんかはバネの代わりにハンマーで撃針を叩くぞ。英語でFiring pin(ファイアリングピン)と言うな」

 

G3

「そして撃針を収めているのが遊底です。英語でBolt(ボルト)と言い、こちらの方がよく聞くと思います」

 

指揮官

「ボルトは撃針を収め前後させて、さらに薬莢を銃の外に出す役割がある。このボルトに取っ手を付けて手動で動かすのをボルトアクション式、前後に動く稼働部品を付けて手動で前後に動かすのをポンプアクション式、レバーと繋げて手動で動かすのをレバーアクション式、発射時に出るガスを利用して自動でボルトを動かすのをガス圧式、発射時に発生する反動を利用して自動で動かす反動利用式があるな。各々の方式については歴史の時に解説するよ」

 

G3

「ちなみに私はガス圧式の一つ、ローラーロッキング式で動いています。同じ作動方式はMP5やMG42、MG3がいますね」

 

指揮官

「続いて薬室だ。薬室は弾を収め、発射薬を燃焼させる空間となる部品だ。英語でChamber(チャンバー)と言うぞ。ここが熱くなると暴発の危険があるから、機関銃やサブマシンガンでは引き金を引くまでここにボルトが後に居るままで開いたままのオープンボルト式が多いな。逆に引き金を引く前からボルトが前進した状態の方式をクローズドボルト式と言う」

 

G3

「オープンボルト式は引き金を引くと重たいボルトが一気に前進しますから、撃つ時の衝撃が強く銃口がブレやすいです。一方、クローズドボルト式は部品点数が多くなり、連続で撃つと薬室が過熱しやすいです」

 

指揮官

「最後に銃身と施条だ、これはまとめて解説するぞ。銃身とは爆発した発射薬に押し出された弾丸が加速する部分だ。そして施条は弾丸を回転させ軌道を安定させるために彫られた螺旋状の溝だ。英語で銃身はBarrel(バレル)、施条はRifling(ライフリング)と言うぞ。こっちのほうが聞き慣れているな」

 

G3

「余談ですが、ライフルの語源はライフリングが刻まれている銃の事です。よくライフリングが無い銃をマスケットと呼ぶことがありますが、マスケットは銃口から弾を込める前装式(マズルローダー)でライフリングが無い銃の事を指します。滑腔銃は英語ではSmoothbore(スムースボア)と呼ばれ、現在ではショットガンに使われています」

 

 

 

指揮官

「よしっと。これで今回の解説分はおわったかな」

 

G3

「前回に比べて長くなりましたが、いかがだったでしょうか? では以下にまとめておきますね」

 

・弾丸は実際に飛んでいくもの、発射薬は弾丸を飛ばす火薬、雷管は発射薬を爆発させる起爆剤、薬莢はこれらを1つにまとめる。これら4つ合わせて実包と呼ぶ

・撃針は雷管に衝撃を与える部品、遊底は撃針を収め薬莢を外に出す部品、薬室は弾を収め燃焼させる空間、銃身は弾丸を加速させる場所、施条は弾丸に回転を与える溝

 

指揮官

「次回は銃の歴史の予定だ。何回かに分けて歴史を紡ぎながらエポックメイキング的な銃を紹介していく感じだよ」

 

G3

「それでは皆様、また次回会いましょう」

 

 

 

 

 

G3

「私以外に戦術人形が出る予定ありますの?」

 

指揮官

「一応、歴史や銃の種類について解説する時に関連した子を出すつもりだよ。それとも二人きりでやりたいかい?」

 

G3

「い、いえ、そう言うつもりじゃ……」

 




参考文献
銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密
著者:かのよしのり 発行所:ソフトバンク クリエイティブ株式会社
 
図解マニアックス・2 小銃百科増補版
著者:安田誠 発行所:株式会社 幻冬舎コミックス

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