指揮官
「指揮官と」
TMP
「T、TMPがお送りする」
「「ドルフロ銃解説~」」
指揮官
「今回は勇士妖精……が持っているRPG-7などに使われる対戦車榴弾(HEAT)について解説するぞ」
TPM
「し、指揮官、G3はどうしたんですか? どうして私を?」
指揮官
「G3は自律作戦中だ。TMPにしたのは機械に詳しいからな。あと弄ると面白い」
TMP
「最後何か聞こえたような……」
指揮官
「気のせいだろう。では解説を始めよう」
TMP
「は、はい。えっと、対戦車榴弾、通称HEATはHigh Explosive Anti Tankの略です。成形炸薬弾とも呼ばれます。ノイマン効果を使って火薬の力だけで貫通できることから化学エネルギー弾とも呼ばれます」
指揮官
「ノイマン効果とは円錐状に窪みを付けた爆薬の内側に
TMP
「このメタルジェットはとても高温高圧で、装甲板を瞬時に溶かす威力があります。メタルジェットで穴を開けて、燃焼ガスで中を焼く……とっても怖い兵器です。詳細は下の図を見てください」
指揮官
「貫通力はT=L(ρ1/ρ2)^0.5の式に表される。T:貫通長さ[m]、L:メタルジェット長さ[m]、ρ1:ライナーの材質の比重[kg/m^2]、ρ2:装甲板の材質の比重[kg/m^2]だ。式も文字の意味も覚えなくていいが、重要なのは貫通力は弾の速さに関係ないという点だ」
TMP
「速くなくともちゃんと爆発してくれれば穴を開けてくれるから、弾を撃ち出す力が弱くてもいいんです。撃ち出す力が弱いイコール反動が少ないなので、人が持てる大きさと反動でも大砲と同じ貫通力が得られるんです」
指揮官
「HEATはRPG-7に代表される携帯式の対戦車火器や対戦車ミサイル、対戦車用クラスター爆弾などに利用される。数kgから数十kg程度の重さで戦車砲と同じ貫通力の弾を得ることができる利点があるが、当然欠点もある」
TMP
「えっと、メタルジェットは密度が途中で変わると妨げられちゃうんです。空間があったり途中でセラミックスやチタンに変わったりするとメタルジェットが阻害されちゃいます」
指揮官
「前者は空間装甲、後者は複合装甲として現代の戦車の装甲に採用されているものだな。少し距離を開けて薄い装甲板を張るだけで大きな効果を得られるから市街地戦向けの改修として空間装甲が施されていることが多い」
TMP
「他のHEAT対策として爆発反応装甲もあります。これは大きなお弁当箱のような金属の箱に火薬を詰めたもので、これにHEATが当たると誘爆して金属の箱がいろんな形に変形して浮き上がるんです。この変形した金属がメタルジェットを分散させて装甲に穴が開かないようにします。よく爆発を爆発で相殺してるって説明があるんですけど、それは間違いです」
指揮官
「ついでにRPG-7についても軽く触れておこう。RPG-7は旧ソ連で開発された携帯式対戦車火器だ。発射するとロケットブースターで加速し、命中しなければ5秒後に自爆するようになっている。全体重量は7kgで弾頭重量は2.25kgだ。貫通力は280mmで静止目標への命中率は100mで91%とかなり高いが、200mになると52%、500mも離れれば5%にまで下がる。命中が期待できるのは100m以内だな」
TMP
「構造的に横風に弱くてロケットブースターも100mまでしか点火しないから命中率が下がっちゃうんです。でも近距離ではとても強いので懐に入られないように注意してください。あっ、装甲板への貫通力は280mmだけど土盛りや丸太だと1500mm、コンクリートだと450mmだから、撃たれたら建物の影に隠れるのは得策じゃない……かも」
指揮官
「といったところで今回はここまでだ」
TMP
「いかがでしたか? それでは皆さん」
「「次回もお楽しみに」」
TMP
「うぅ……緊張したぁ……」
指揮官
「その割によく出来たじゃないか。お疲れ様」
TMP
「それは……その、特異な分野だからというか……」
指揮官
「オタク特有の早口みたいな」
TMP
「ち、違います!」
日版wiki見てたらTMPは機械工作が得意とあったので急遽出演させてみました。ここの基地ではTMPが整備をやっている設定にします。
参考文献
兵器庫~古今東西の兵器たち~ 対戦車榴弾(成形炸薬弾) 2019年6月20日閲覧
https://libra-benificium-ut-ne.jimdofree.com/大砲と装甲の研究-勝手に-出張所/対戦車榴弾-成形炸薬弾/
Weapons School - So-net HEAT 2019年6月20日閲覧
http://www004.upp.so-net.ne.jp/weapon/heat.htm
武器と爆薬[悪夢のメカニズム図解]
著者:小林源文 発行所:株式会社大日本絵画