指揮官
「指揮官と」
G3
「G3がお送りする」
「「ドルフロ銃解説~」」
指揮官
「前回は火薬の登場から火縄銃の完成まで解説した。今回は雷管の登場までをやっていくぞ。さてG3、早速だが火縄銃の欠点はなんだと思う?」
G3
「うーん……火縄が濡れると撃てなくなることでしょうか」
指揮官
「そう、火縄に火を付けなければならないから、雨や湿気で濡れれば火が付かず撃てなくなる。さらに待ち伏せしようものなら火の付いた火縄を1日中管理しなければならない。火縄銃は管理がとても面倒な銃だったんだ。そこで火を付けなくていいように、火縄の代わりに火打石を用いることにしたんだ」
G3
「火打石なら火の管理をしなくてもいいので楽になりそうですね」
指揮官
「最初に火打石を用いた方式は
G3
「そこで改良され登場したのが火打石式なんですね。英語でFlintlock(フリントロック)と言います」
指揮官
「そうだ。火打石式は17世紀に登場したぞ。仕組みはいたって簡単、引き金を引くとバネが火打石を
G3
「良い事尽くめですけど欠点はなかったんですか?」
指揮官
「もちろん欠点は存在した。火打石で点火させるには強く当金にぶつけなければならない。そのために強力なバネを使うから引き金は強い力で引かねばならず、火打石をぶつける衝撃で銃がブレやすかったんだ。日本ではこれを嫌って、力があまり要らず命中精度の良い火縄式を使い続けたんだ」
指揮官
「では次はPercussion(パーカッション)式だ。日本語では管打ち式と呼ばれている」
G3
「これはどういったものなんですか?」
指揮官
「管打ち式は雷管を使う方式だ。その前に
G3
「とても危ない物だったんですね。ではどうやって安全性を確保したんですか?」
指揮官
「その答えは1822年、アメリカのジョシュア・ショウという人物が雷管を発明したことで決着が着いたんだ。雷汞を小さな金属性キャップに入れるという非常に簡単で画期的な解決策は全世界に瞬く間に普及した。そして現在は水銀汚染の問題もあり、雷汞はジアゾジニトロフェノールという爆薬に代替され使用され続けている」
G3
「雷管の発明が1822年とは驚きです。200年も使われているんですね」
指揮官
「確立された技術は技術革新が起こらない限り覆されることはそうそう無い。そしてここから50年でさらに変化するが、その話は次回にしよう。話を戻そう。この雷管を火門に被せ撃針で叩く方式、管打ち式が登場した。火縄式も火打石式も数十分の1秒程度だが引き金を引いてから発射までタイムラグがあったんだ。この間に銃が動くとたちまち当たらなくなる。だが雷管はそのタイムラグが無くなった。さらに雨で火門が濡れて撃てない、なんてことも無くなったんだ。今回はここまでとする」
G3
「ではまとめです」
・17世紀に火打石を使う火打石式(フリントロック)が登場した
・火打石式は火打石を当金にぶつけ火花を起こし、発射薬に点火する
・18世紀半ばに雷汞が発明された
・1822年に雷管が発明され管打ち式(パーカッション)が登場した
・管打ち式は火門に雷管を被せ撃針で叩き発火させる
指揮官
「いかがだったかな? それではみんな」
「「次回もお楽しみに」」
指揮官
「ところで今さらだが、これはラジオ放送じゃなくて教育ビデオという名目で撮影したものを動画サイトに投稿している設定だぞ」
G3
「説明部分は字幕や背後のホワイトボードに要点を書き口頭で説明し、図は動画内で出すという形を想像してください。要はニコ〇コ動画講座のようなものです」
指揮官
「……これ再生数伸びるんかねぇ……」
参考文献
銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密
著者:かのよしのり 発行所:ソフトバンク クリエイティブ株式会社
銃用雷管 Wikipedia 2019年1月11日閲覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/銃用雷管