第1話 「1対1」
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──ここはサウスエリアの外れにあるバンディル郊外。ここでは一帯の農作物の流通量がエリア1であると共に、様々な発展的事業が行われている。
その中でも、屈指の技術を誇るのは、〈製鉄業〉だ。鉄を使って色々なモノを作りだす事が出来る。
そして、街もいつも賑わっていて、商店街や住宅街にはたくさんの人が行き交っている。そんなバンディル郊外に一つの家がある。ここが柴丸一家の家である──
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─ねぇお母ちゃん、お父ちゃんはいつ帰ってくるんだろう?
「そうねぇ、もう3年見てないわね。この国で見た事なければ、生きているのかも分からないのよね…」
─国。そう、俺のいるバンディル郊外は国の中にある。サウスエリア、いやこの
─そうだよね〜…お父ちゃんって何しに旅に出たんだっけ?
「確か、─『パピヨン、俺はこの世界の
─へぇー。行ってきますって言わなかったんだ〜。あとさ、
「それはさっきも言ったけど口にしてはいけないの!」
─え━(*´・д・)━!!教えてよ〜!
「ダメったらダメ!それより今日は教室行くんじゃないの?」
─教室とは武道教室のこと。俺は3ヶ月前位から始めて、今は中堅まで上り詰めた。その教室は、柔道、空手、合気道、剣道とか色んなことを一日で何種類かに分けて習うことが出来る。
─今日は行かない。だってそろそろ
「柴丸…ありがとう。でもねもういいの。今日でそれも終わるから…」
─どういうこと?お母ちゃん何する気?
─ガチャ
「おう、邪魔するぜい。今日こそ金は払って貰うぞ。」
「ウォルさんを怒らせる前にやる事をやった方が身のためだぞ!」
「うるせぇよゴウト、ちょっと黙ってろ。」
「は、はい…」
「で、金はあるのか?ま・さ・か、無いなんて言わねぇよな〜?」
「お、お金はあります!でも30ゾルしかないんです…」
─ゾルというのはこの世界のお金の単位だ。ゾルは人間世界、日本で言う万単位だ。30ゾルは日本円で約65万円のことを言う。
「おいおい、30ゾルしかねぇのか!?これだけいい家に住んでてそりゃねぇだろ!隠してんだろ?なぁ、ちゃんと払ってくれねぇとシバかれるのは俺達なんだぞ!」
「隠してなんか…」
─…じゃんか。
「あぁ?おい坊主なんか言ったか?」
「柴丸、止めなさい!」
─良いじゃんか。って言ったんだよ。仕事の成果が出せなくて罰を受けるなんていい気味だ!
「こらっ、柴丸何言ってるの!謝りなさい!」
「おーさすが母親だな、分かってんじゃねぇか。坊主、今なら謝ったら許してやるからよぉ、『申し訳ございませんでしたウォル様』って言って謝れよ。」
「ほら、柴丸言いなさい。こんな所で無駄に抵抗しても意味ないのよ!」
「そうそう、抵抗しても意味ないね!なんせウォルさんは仕事の為ならどんな事だってするんだぜぇ!例えば、家にある金品をぜん、んんん─」
「おいゴウトちょっと口が滑りすぎてるぞ?」
「んんー…はぁ!ハァハァす、すいません…」
「それより早く謝れよ!俺は今ムカついてんだ!」
─…aだ。
「あぁ?今なんて言った?」
─
「か、かつあげ野郎?!俺はカツでもアゲでもねぇ!ジンギスカンだ!」
「…(小声)ウォルさん、そういう意味じゃないと思いますよ。」
「うるせぇ!金は少ねぇし、ガキは謝らねぇし、テメェら!いい加減にしろ!」
「ママぁ、怖いよぉ…」
「大丈夫よ。私がいるから…」
─(ヤバい、こいつら怒らせちゃった〜。どうしよう…でもこんな奴らに謝りたくもないし、お母ちゃん達を危険な目に
「どうかこの子だけはお助け下さい!まだ小さいんです!」
「えぇい、そんなもん知ったことか!」
─おい、ひつじ野郎!俺と1対1で勝負しろ!
「誰がひつじだ!」
「ウォルさんですよ。」
「うるせぇー!分かってんだよそんなの。ほーう、てめぇガキのくせにだいぶ肝が据わってるな。良いだろう、受けてたってやる!」
「柴丸何言ってるの、勝てるわけないでしょ!止めなさい。これでケガでもしたら元も子もないでしょ?」
─お母ちゃん大丈夫、まぁ見ててよ。ルールは簡単。頭に巻いたハチマキを取った方が勝ち。破いたり、取れないように固く結ぶのは禁止。お前もそういうことするの嫌いそうだからやらないと思うけど、一応忠告しとく!
「なるほどなぁ、実にシンプルだな。よし、やってやるよ!」
─キュッ!
「さて俺は準備出来たぞ。いつでもかかって来い!」
─それじゃ、行くよ!
〜続く〜