進化の留年生「ねおけらとどぅす」です。
無謀にもweb小説初投稿に『遊戯王』の二次創作を書こうなんて考えた大馬鹿者でありますが、皆さんよろしくお願いします。m(_ _)m
視界を閉ざしベンチに深く腰掛け、青年は自分の身に何が起きたのかを自覚するためにがむしゃらに回想する…
時折、顔の横を風が吹き抜ける度、耳に流れ込む草木のざわめきが津波のように青年の集中力を無慈悲に削り拐ってゆく。
真新しい記憶だ…1枚のカードとそれを手渡してきた男の声が頭を過る。
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蒸し暑いコンクリートジャングルの一区…
気が付けば街路樹の脇のベンチで一人、意気消沈していた。
「はぁ…やっぱり負けた…」
わざわざド田舎から思い入れのデッキ引っ提げて友人と共に意気揚々と出場した都内でのCS、予選で鼻垂れ小学生共を相手に大人げない程の圧勝を決めたものの…
「初戦敗退…環境デッキ相手には勝てなかったよ…」
手に握られた切り札、バスターブレーダーも心なしか落胆か…はたまた呆れたような表情にも見えてきてしまう。
ピッコーン!
(LINE…スワからか…)
どう足掻いても勝てん。( ´_ゝ`)〉
この後どうする?帰るか?〉
で今日のCSにびんじょー
して何かやってるっぽい。
から寄ってみないか!?щ(゜▽゜щ)〉
合流な。俺もう腹へった…〉
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「今日のCS、コレで出たんよ。(スッ」
「げえぇぇぇお前閃刀姫組んだの!?」
「スワ…ドラゴン大好きっ子だったお前は何処行ったんだ…親友として悲しいぞ…(´д`;)」
「かわいいは正義じゃボケェ!(# ゜Д゜)」
「ユースケは…いつものバスブレ(笑)デッキでか?(ニヤニヤ」
「(笑)やめーや!事故らなけりゃ強えんだぞ!」
「けどまぁ…環境相手には何もできなかったがな…」
「こっちも同じさ…あんなのに俺TUEEされるとマジ萎える…早くアレ禁止になんねーかなぁ~。」
反省会のつもりが愚痴り合いになってしまう。それほどまでに最近発売されたカテゴリは圧倒的で…デュエルと言うには余りにも一方的過ぎた…。(何とかしてくれコ○マイ!)
「それで…このあと寄るとこってどんなのなん?また二人揃ってアレにフルボッコされんのは勘弁だぞ…(´д`;)」
「その点は大丈夫。店長が流行りの環境にかなりアンチらしくって、勝ちゃ良いって大会にはしないらしい。」
「………うん、多分大丈夫。」
「………(´д`;)」
「で…そこ何て名前の店?」
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(ガヤガヤ…ガヤガヤ…俺のターン!…www)
「いらっしゃい」
決して小声なわけではないが、陽気そうな店長の挨拶はなかなか聞き取れないくらい店内は賑わっていた。
「君たちも遊戯王?さっき始まっちゃったけど途中参加もできるよ?」
「あ、お願いします。」
「じゃあまずはこれを持って…」
「今日の大会は星集めだ。手持ちの星をリスペクトしたい対戦相手に1個ずつ渡していって終了時手持ちの星が多い人が優勝。」
「優勝者には豪華な景品もあるよ。(  ̄▽ ̄)b」
そう言って店長は俺たちに星形のアクセサリを5つずつ手渡した。
「あと…1時間……36分か。時間少ないけど二人共がんばってね。」
店長の説明はザックリ大雑把だったが理解するには充分だった。
つまりはデッキの内容や立ち回り、対戦相手からの評価が鍵のようだ。確かに普通の大会と比べると何かひねくれてる。
「なるほどねぇ~じゃあユースケ、早速!」
「まぁ…そうなるな!」
「デュエル!!」
「デュエル!!」
〔結果:バスブレ● 対 閃刀姫○〕
デュエルとしては圧勝されてしまった感じだったけれど、双方で星を1つ交換し合い、いざ会場のデュエリスト達へ。
先の大会で見かけた顔も居るようだ…初戦敗退の身としてはなんともありがたい。
ふと見渡してると、ちょうど近場の席で対戦が終わり次の相手待ちになったようだ。
「すみません、相手いいですか?」
「こちらこそ、どうぞよろしく。」
白人風な大柄長髪の男性だった。幸い日本語は達者なようだ。
体格からか迫力からか…手にしてる遊戯王カードがワンサイズ小さく見える…果たしてどんなデッキなのだろうか?
「デュエル!」
「デュエル。」
(やった。事故ってない…この手札なら…)
「先攻いきます」
「『破壊剣士の伴竜』を通常召喚」
「伴竜の効果でデッキから『ドラゴンバスターブレード』をサーチし、さらに伴竜をリリース」
「手札より『バスター・ブレーダー』を特殊召喚!」
「そしてバスブレに『ドラゴンバスターブレード』を装備してターンエンドです。」
このデッキにしては完璧な1ターン目だ。高火力なバスブレが場に立ち相手のエクストラも封じている。あとは次のターンで………
「では私のターンですね…」
「『月の書』を発動」
「『バスター・ブレーダー』を裏守備に」
「『ライトロード・モンク エイリン』を通常召喚」
(おっと…)
〔結果:バスブレ● 対 ライトロード○〕
そこからはあっと言う間だった…。あの手この手で翻弄され最後は『裁きの龍』が出てきて見事に踏み潰されました。ハイ。( ̄▽ ̄;)
ライトロード、度重なる凶暴な新カテゴリの登場で環境トップからは久しく退いているものの、その戦術は多彩であり、使う人が使えばクソ強いのである。
「対戦ありがとうございました。星どうぞ。」
「デッキの立ち回りも日本語もお上手ですね。」
「ありがとう、日本には長くてね。」
「言葉で困る事はまずないのだけど…このカードゲーム言い回しが難しいよね…。」
「~した時と、~した場合ってどう違うんだいこれ?ちょっとよく分からないよ。(´・ω・`)」
「あぁ…やっぱり? けどそこは日本人でも難しいとこなのでもうしょうがないですよ……アハハハ( ̄▽ ̄;)」
「あと、君の『バスター・ブレーダー』随分古いカードみたいだけど…こだわりってやつかい?」
「あぁ、これは小さい頃親戚の兄さんからもらって…初めて手にしたレアカードだったんで今でも大事に使ってるんです。」
「思い入れがあるのか…いいね。」
「だったらこれを君にあげよう。」
彼はそう言うと1枚のカードを手渡してきた。『黒の魔法陣』や『六芒星の呪縛』の様な魔方陣のイラストの魔法カードなのだが、カード名やテキストはローマ字のようで少し違う字なので読みたくても読めない。
「えーと…フランス語…?ですか…これ?俺にはさっぱり読めないや。」
「私の国で先行発売されたカードでね…古いカードと相性が良いんだ。」
「近いうち日本語版も出ると思うよ。」
「ありがとうございます。…そういえば名前聞いてませんでしたね。」
「ロバートだ。」
「菊地 遊介、ユースケって呼ばれてます。」
「ユースケ、引き続きがんばってね。」
ロバートとの会話を終え次の対戦相手を探そうかと見渡すと………
(じぃーーーーー………)
2つ隣の席に座った青白い髪と瞳の少女からジト目で鈍~い視線を送られていた…(え!?何!?誰!?コスプレな方!?)
「あの…俺に何か…?σ( ̄▽ ̄;)」
少女は小さく頷き、かなり小声で且つジト目をさらに細めながら喋りだした。
「バスブレ使うんですよね…?お相手お願いしていいですか?」
「今まで使ってる人見たことないんで…私の青眼がどう闘えるか試してみたいんです…。」
「ああ…いいっすよ。( ̄▽ ̄;)」
ドラゴンから控えめにケンカ吹っ掛けられた!しかし何だ?俺を希少種か天然記念物と勘違いしてんのか?頼むからその目付き止めろ!腹立つ!クソっ…絶対ぇ負かしてやる…
「デュエル!」
「デュエル。」
「俺は先行で…………ぁ」
(やべぇ………事故った。)
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「お~いユースケ、そっちはどうだ~?」
「あげたりもらったりで星は3つだ。これ意外と難しいな。( ̄▽ ̄;)」
「こっちは9つかな~。(ドヤァ」
「俺の相手みんな星くれるわwwwやっぱり、
『かわいいは正義』だな!!(゜∀゜*)」
表情には出さないが、ここへ来ての10戦全敗なためか星の数なんて気にならないくらいかなり凹んでいる。バスブレがさらに落胆した顔に見える…。
「時間終了~」
「参加者皆さんは手持ちの星を持って並んでくださ~い。」
店長からの大会終了の合図だ。参加者は列になりすぐに星の集計が始まる。
そんな中、遠くにいるロバートと目が合い互いに手を振った。
「あれ?ユースケあの外人さんと仲良くなったの?」
「うん、カードまで貰っちゃった。」
「俺も一戦したけどエライ強かったな~ライロってあんな強かったんだな。」
「え~集計終わりました~。」
「優勝は19個獲得の『タツキ』さんで~す。皆さん拍手!」
パチパチパチパチパチパチパチパチ
拍手喝采の中、あの青眼娘が店長のもとへ進み優勝賞品を受け取った。どうやら賞品はプレイマットと店専用の商品券だったようだ。
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若干暑さも落ち着き夕暮れ間近になってきた中、二人はベンチに腰掛け今日の対戦相手達についてあれこれ話してはしばらく盛り上っていた。
「なんだかんだで丸1日楽しめたな、スワ…。」
「そだな~(  ̄▽ ̄)」
(ぐ~~~)スワの腹が鳴った。
「いかん腹へった…ユースケちょっと食いモン買ってくる。」
スワはそう言うとスタスタと道を挟んですぐのマックまで歩いていった。(あいつマック好きだよな~)
「ついでにコーラよろしくー。」
足早に歩いてくスワに頼んだが果たして聞こえただろうか…?
「さてと…」
懐からロバートから貰ったカードを取り出す。『古いカードと相性が良い』と言ってたが…このカードいったい何語で何て名前でどんな効果なのだろうか…?カードに穴が空きそうなくらい凝視してると…
「…………?」
イラストの真ん中、ちょうど魔方陣の中心が何か小さく光っている。
「ん……穴か?」
穴だとしたら針穴くらいだろうか…ユースケはそれを確かめようとさらにその光点を凝視する…
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買い物を終え店から出たスワは通りの反対側にいるユースケに目をやる。ついさっき話してた時とは違い、落ち込んだようにベンチに座り身を屈めている。
「ユースケのやつ何やって…………!?」
異変にはすぐ気付いた。ユースケの手元からおびただしい量の黒煙が溢れ、それは足元から徐々に本人を飲み込むように広がっていた。
「ゅ………ぁ…………!?」
大声で呼び掛けようとするが余りの恐怖に声が出ない。鳥肌が全身を走り腰や足から今にも崩れそうだ………しかし!
「くっ」
強く噛みしめ、思うように動かない足腰を振り回し親友のもとへ走る。通りを突っ切り、縁石を越え、そして…
「ユースケェェェェェ!!!」
手を伸ばしあと1mもないくらいまで迫った時、黒煙はユースケをすっぽり包み込み、突風いや爆発のような光を放ち彼はベンチごと姿を消し去った。1枚のカードを残して…
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光点を凝視していたユースケは突如その光点が広がりそこへ吸い込まれるような感覚を覚えた。
「はっ!?」
それに驚きとっさに立ち上がり視界を周囲に戻す。しかし…
「え……………?」
目の前には自分が居るはずの駅前の風景でなく身の丈半程の草が茂る草原が広がっていた…。
「えぇぇぇ!!?Σ(゜Д゚;/)/」
ご精読ありがとうございました。
ルール改変だのアニメの出来だの…現実の『遊戯王』に不満が募る今日この頃…
“なら、自分は『遊戯王』を使ってどのくらい『楽しい』物語を描けるのだろうか?”
そんな疑問と挑戦心から『遊戯王』の異世界転生モノを描いてみようと思いました。
始めた以上、頭に描いた結末まで完走しきるつもりでいくのでよろしくお願いします。