《地の国 大街道 》
「ぬぁああああぁぁああぁ〜」
「いやぁぁああぁあぁぁぁ〜」
朝露香る早朝の大街道、二人分の絶叫が黒い旋風に乗って響き渡る。人通りの少ない早朝を選んで出発したのは正解だった。けれども、前日獣上で揺さぶられた二人は身体中ひどい鈍痛で、そこへ更に上書きするようにコクオー号が揺さぶりをかける。
「も…もう身体中痛すぎてわけわかんねぇ。」
「わ…私も…。」
「ん?………やった!街だ!」
街道のすぐ先、日の出からの斜光に照らされた立派な街並みが現れた。
「アミア早くもだけど休憩、休憩とろう!」
「………。」
「アミアさーん??」
「………突っ切るわよ。」
「えぇ!?」
そうやり取りしてる間に街並みを横切る。
「………え?」
通り掛かりにユースケが目にしたのは、“破れた戸や窓”“崩れた壁”“抜け落ちた屋根”それはどれも…
「まるで廃墟だ…。」
「盗賊が寝蔵にしてるかもしれない、
このまま走り抜けるわよ!」
「ぅ…お、おう!」
それまで見てきた異世界情緒溢れる景観とはかけ離れた目の前のソレに、ユースケは不意打ちを食らったかのように呆然とする。
「いったい何が…?」
「聖都に近付くまでしばらくこんな感じよ。」
「幾つか街が残ってるはずだから補給はそこで…」
「なぁアミア、えーと…。」
「俺たち
「何で…何でそんな廃墟が?」
「あぁそっか…。」
「ユースケ、この間した昔話ってどこまで聞いた?」
「昔話?確か…。」
「先々代の王様が日ほ…ジパングから色んな物をこっちに持ってきたってまで聞いた。」
「もしかして続きがあるのか?」
「…うん。」
「分かった、次の街で停まりましょう。」
「その話しの続きを………
この世界で何が起きたか見せてあげる。」
廃墟を抜け、再び草原を走る一本道に出る。日は徐々に昇り景色はよりいっそう碧く煌き、不穏な気持ちを少しだけ紛らわしてくれるのだった。
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《長野県 ローカル線 電車内》
(ガタンゴトン…ガタンゴトン…)
東京から遠く離れた田園地帯を走る電車の中に特令係の二人は居た。“ある男”の動向を真似るように。
「もうすぐ終点の駅になるっスね。」
「しっかし…左京さん、奴は何でこんな場所まで?」
「遡って調べたところ、どうやらその男
“往復してた”ようです。」
「往復って…まさか!?」
「麦澤さんに少し残業してもらいましてね。」
「事件発生の2日前、同じくその駅から東京へ向かう姿を改札口の防犯カメラが捉えていました。」
「と、すると…。」
「まさかこの先の何処かで潜伏してる!?」
「可能性はあります、ですが…。」
「まだ幾つか疑問が晴れないままなのです。」
「道中の何処かにそのヒントでもあればと思い、
こうやって動向を追ってみましたが…。」
「もうそこはバッチリとっ捕まえて
本人から直接聞いてやりましょう!」
「ふっ、身柄確保となれば頼りにしてますよ。」
「僕はあまり手荒な真似は不得意ですから。」
《長野県
ローカル線の終点、小さな無人駅の改札に昔ながらな切符を通し外に出る。駅前には古びた商店街、遠くには木々生い茂る山々と田園地帯。東京とはまるで違うこの風景に不釣り合いな“見慣れたモノ”がひとつ。
「左京さん、アレ。」
「おや?」
何かの度によく見かける黒い警察車両、その中から…
「お待ちしてましたよ警部殿。」
「これは捜査一課の、皆さんもこちらへ?」
「特令係の二人がうちの
「容疑者まで割れて何故俺らに黙って!?」
「連絡を怠った点は申し訳ありません。」
「容疑者の動向に不可解な点がありましたから、
まずは我々だけでと思いましてね。」
「不可解な点?」
「ええ。」
「まずひとつ。」
「犯人は無数の人や監視カメラのある都内から6人もの若者を消せる人物であるのに何故、自分自身の姿は消せなかったのか。」
「ふたつめは…。」
「追跡されるリスクを犯してまで移動してきた先が、港も空港も無いこのような場所だったのかという事です。」
「まさか…
「その可能性も否定出来ません。しかし…」
「今追っている“その男”がこの事件を起こした側の人物であるのは間違いありません。」
「一課の皆さんもここは僕達と協力お願いします。」
「チッ…どうやらその方が良いみたいですね。」
「で、これからどうするおつもりで警部殿?」
「容疑者の消息はこの駅から途絶えてます、潜伏してる可能性もあるので極力警察である事は伏せ、その後の足取りを追いましょう。」
「了解。」
「芦沢、まずその目立つ車どっか停めてこい!」
「えぇ俺がですかぁ!?」
「僕達もはじめましょう、行きますよ兎谷君。」
「了解です、行きましょう!」
《八咫神村 駅前 料亭トリトン》
「いらっしゃいませー。」
「えーと、2名様でよろしいですか?」
「すみません、実は人を探してまして…。」
「僕達テレビ局の者でして、この村に“変った外国人”がいらっしゃると聞いて調べてるのですが…何かご存知ないでしょうか?」
「(毎回よくそんな即興で嘘思い付けるよなぁ)」
「あらテレビ局の方!?まぁわざわざ!」
「そぉですねぇ〜〜〜あ!」
「何方かご存知で?」
「いえねぇ、名前までは知らないんですけど、
時々ウチに来る外人さんが居るんですよ。」
「背が高くて金髪で…あ、あと!」
「八咫神様とお揃いの首飾りをしてましたね!」
「八咫神様…?」
「ええ、あっちの山の方に神社があって、
そこに祀られてる神様です。」
「神社ですか。」
「そんな立派な神社でもないですけどねぇ、
結構古くからあるらしいですよ。」
「もしかしたらその外人さんって、
歴史や骨董好きなんかもしれませんねぇ。」
「情報提供ありがとうございます。」
「では僕達はこれで…。」
「あ、ちょっとテレビ局さん!」
「もし撮影に来たらウチのトンカツもTVに出してもらえませんかぁ?」
「ど田舎なもんでこのところ客足がねぇ…。」
「これはこれは失礼しました、もちろんです。」
「取材班には僕から伝えておきましょう。」
「もぅありがとうございます!」
「取材が来るのお待ちしてますね。」
《八咫神村 骨董屋》
「あぁ〜、もしかしてロバートさんかなぁ?」
「お知り合いでしたか!」
「ええ、何度かうちと取引させて頂いてます。」
「明治頃の古銭とか買い取らせて頂きました。」
「確か…どっかの大学の歴史学者さんで八咫神様を調べに来てるとおっしゃってましたよ。」
「貴重な情報ありがとうございます。」
「左京さん、伊原のやつにも伝えておきますね。」
「ええ、僕らは先に向かいましょう。」
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《八咫神村 八咫神神社》
「なるほど…3つの谷がぶつかって下流で2つの扇状地になって…フムフム。」
「左京さんブラタ○リじゃないんですから、
それが何か捜査と関係あるんすか?」
「分かりませんか?」
「つまり扇状地を割くこの山がどれ程要所たるか。」
「ここなら村全体を見渡せ、おまけに水の流れを物ともしない強固な岩盤、神社が建つのも納得です。」
「うーん…そうなんスね…。」
二人は小高い山に敷かれた石段を一歩一歩上り、その先にあるという神社を目指す。
「さて、着いたようですね。」
「ここが…ですか?」
苔むす木の鳥居をくぐった先、巨大な欅や杉の木陰が幾重にも重なるその空間には、夏の蒸し暑さから隔てられたひんやりとした静寂で満たされていた。社殿の前には特令係の2人と、境内を箒がけしている老人が1人…。
「これはこれは…こんにちは。」
「こんにちは。」
「お掃除お疲れ様です。」
「ここの住職さんでしょうか?」
「ええ、こんな寂れた神社ですが、参拝にいらっしゃる方が居てくれて嬉しいです、今日も掃除した甲斐がありました。」
「見ない方ですが、今日はどちらから?」
「ええ、僕たちは東京から。」
「とある外人さんから、ここに面白い神社があると聞いて来てみました。」
「これは珍しい…あの方がここの話しをするなんて。」
「住職さんとお知り合いでしたか。」
「ええ、その方はここの事を何と?」
「いえ詳しくは…ただ“面白い”とだけ。」
「僕も神社仏閣に興味がありましたからそれで…。」
「八咫と言うことは…。」
「やはり祀られてるのは大和神話の
「確かに名と紋は八咫烏からいただきました。」
「ですが、ここの始まりは今から500年程前、応仁の乱の頃なんです。」
「折角東京からいらして下さったわけです、御神体様を拝みながらお話ししましょう。」
わずかに薄日が差し込む社殿に
「こちらがここの御神体、
「現人神…こちらの御神体のモデルは実在したと言うことですか?」
「ええ…。」
「この集落は応仁の乱の頃、都から逃げ延びた民によって築かれました。」
「けれども、戦火と飢饉からは逃れきれず死ぬか殺されるかを待つ絶望の淵に、この八咫神様が現れ不思議な術で民を救ったのだそうです。」
「八咫神の名はその後“自分は神などではない。神の使いのような者だ”と仰った事から大和神話の神の使い“八咫烏”とかけて今の名になったと伝わっております。」
「実に具体的な…確かに面白い神話ですね。」
「ええ、ですが私はあのお方々とお会いするまで単なるおっと…。」
「どうしました?」
「あぁ、いえ何でも。」
「このような神話でしたがいかがだったでしょうか?」
「面白いお話しありがとうございました。」
「あの外人の方が来ましたらお礼をお伝え下さい。」
「よぉ、そっちはどうだった?」
夕焼け色になる風景の中、捜査一課の2人は鳥居に寄りかかり特令係の2人を待っていた。
「この神社と関係ある事までは分かりました。」
「そちらはどうでした?」
「人相を頼りに隣村まで聞き込みしてきましたよ。」
「どうやらそいつ、蔵持の家や骨董屋から色々買い集めてたらしいです。」
「あと………。」
「あと?」
「なんでも数年前は“別の人間”が同じ事をしていたらしいんですよ。」
「“自分はそいつの引継ぎだ”と語ったそうです。」
「まさか…複数犯?」
「あり得なくもねぇ話だ。」
「何やら複雑になりそうですね。」
「ここは念のため、一課の皆さんにもこれを渡しておきましょう、どうぞ。」
「警部殿、何ですこれ?」
「ペンタイプの隠しカメラです。」
「こう胸元に刺しておけば何か起きても記録が…。」
(コツ…コツ…)
石段を上り鳥居に近付く足音、夕焼けに照らされ伸びる人影がひとつ、四人の前に現れるのであった…。
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《地の国 大街道 旧ヨナシソルティ》
「………」
剥がれ落ちたかつての街の名を記した看板、その奥には戸を板で打ち付けられた無数の建物がまるで迷宮の入口かのように整然と建ち並ぶ。
「荒らされてる形跡はない…大丈夫そう。」
「行きましょうユースケ。」
「お、おう。」
コクオー号から降り廃墟を進む。
目に映るのは荒れ果てた建物、枯れ果てた街路樹、砂と瓦礫溜まり、それと…。
「電柱なのか…これ…?」
ケーブルが渡された木の柱の列、所々で線が千切れ風に揺られ不気味に揺れていた。
「語学、科学、医学、先々代の聖霊王が持ち帰ったものは、またたく間に広められ人々の暮らしを豊かに変えた。」
「ただひとつ、“機械”だけはそうはいかなかった。」
「機械…?」
「機械には動かすための“資源”が必要だった。」
「けれど、何処を掘っても探してもそんな物は見付からず、そしてある方法に至った。」
「風力とか水力とかか?」
「それくらいならこの世界にもおっと!」
(ガラガラッ)
ユースケが手をついた壁が砂のように崩れていった。
「あれしきの
「この街だいぶ前に棄てられたようね…。」
「思ったより風化してるから気をつけて。」
「…ッ!?」
「どうしたアミア?」
「ッ!?」
2人の目の前に白骨化した亡骸が横たわっていた。一切の肉は無く、所々風化し始めている。
「…かなり昔に亡くなったのかしら?」
「今は大丈夫だろうけど急ぎましょう…。」
「お、おう…。」
去り際、ユースケは棒で突いて『ワイト』でない事を確認してから手を合わせアミアを追った。廃墟を奥に進むにつれ街は瓦礫と砂煙ばかりになっていく。
「何してたの?」
「うん?弔い。」
「ふーん…さてと続きね。」
「“資源”に代わる機械の原動力、それは私達の暮らしに昔からあった“ある物”で代用された。」
「ちから…エネルギー……まさか!」
「そう、使われたのは
「当初は画期的な発明だった。」
「地中から無尽蔵に湧き出るソウルは変換性に富み、様々な機械の原動力となった。」
「多くの小霊石は機械に繋がれ、
「待てよ…そんな事してたら!」
「………。」
「異変が起き出したのは、機械が使われだしてから数十年と経たない頃からだったそうよ。」
「流行り病や死産、ひどい凶作…人々はそれを機械で克服しようとしたの。」
「けど、それがいけなかった、その結末が…。」
「………!」
かつての街の中心、瓦礫が拓けたそこには真っ黒で巨大な結晶体が
「ソウルを吸いつくされた小霊石よ。」
「近郊から郊外の多くの街が、
ここの様に小霊石を黒化させてしまった。」
「かつては生命の糧となるソウルを放出してたこの石も、今では周囲からソウルを吸収し続けてる。」
「………ぁ。」
まともな言葉は出なかった。これ程まで壊滅しきった環境を前にユースケはただ立ち尽くすしかなかった。
「今は機械の使用は禁止され、
多くの動力はかつて方法に戻ったわ。」
「けれど、一度失われた物は戻らなかった。」
「そろそろ行きましょう…長居は良く…ん?」
「…ユースケ、あれ!」
「!?」
黒い結晶体の周り、生物どころか草一本生えてないそこを何かが飛んでいた。
「何かしら…まさか機械人形?」
「ひどく錆びてる…。」
錆びまみれの極彩色の人形、どことなく時計に似たそれはフラフラと宙を舞いながら何か音を出している…。
………間一髪だった。
“その姿”に気付いたユースケがアミアの手を曳き、極太の光線の射線から脱した。
「ヤバいのいた!ヤバいのいた!!」
「ちょっと!今の何ィ!?」
「とにかく逃げろあいつはヤバい!!」
「あれって…『やばい』って言うの?」
「いや、えーとな…。」
「あれは『時の魔術師』遊戯王のモンスター。」
「やつは時の魔法で相手を千年先の姿にする。」
「んんん?」
「あー…つまりだ。」
「何それ怖い。」
『ターイムマジック!!』
「うわっ!?」
「きゃっ!?」
廃墟の外へ逃げようとする2人めがけ『時の魔術師』の猛攻が降り掛かる。
「こんっのぉ!いけ『竜魔導の守護者』!」
『ハッ!!』
蒼い魔術師が結界を踏み台に跳躍しフラフラと飛ぶ『時の魔術師』めがけ横薙ぎに刃を振る。しかし…
(ガチッ!)
『ムゥ!?』
『時の魔術師』は脇でそれを挟み込み、そして…
『ターイムマジック!!』
『グゥオォォ!』
『竜魔導の守護者』は至近距離で時の魔法を受け粉塵と闇のソウルを散らし霧散した。
「うっっそだろぉ…。」
「アアアアミア、何か出して!闘って!」
「いやよ!
『ターイム…』
「また来た!」
身を隠していた壁が光線を受け砂と化す。恐らくこの廃墟が風化してる原因はこいつの仕業だ。まるで分解者の如く建物や枯木、迷い込んだ人間を風化させてきたのだろう。
(スッ)
「……だめか。」
「一度やれれたらすぐは召喚出来ないのか?」
数少ない対空戦力である『竜魔導の守護者』、それを封じられた今、次に打つ手を探しデッキを捲る。
「きゃっ!?」
「アミアっ!?」
つまずき転ぶアミアめがけ『時の魔術師』が亡霊のように迫る。ロッドのルーレットが激しく回転し死のカウントダウンを刻む。
『ターーーイムマジック!』
(クルクルクル………チン!)
『ア"!?』
「!?」
「!?」
『ア"ア"ア"ア"!』
「ふぅ…危なかった。」
「何、今の?」
「自滅効果さ。」
「やつの効果は成功半分失敗半分、
失敗するとこうやって自滅するんだ。」
「今まで運が良すぎるわコイツめ!」
自壊して傷だらけのカードに戻った『時の魔術師』を拾いホルダーへ仕舞い込む。その瞬間…
(「これで逆転だ!」)
(「うわー!!」)」
(「アハハハ!」)
この『時の魔術師』でデュエルする子供の情景が脳裏を過ぎった。明らかに自分でない子供、これはいったい…。
「あーあ…」
「こんな滅茶苦茶にしちゃって。」
さっきまで歩いていた廃墟が砂と瓦礫に変わり、遠くその中心に黒い小霊石が静かに佇む。
「どんなに時が経っても忘れるなって事なのかな…。」
「ん?ユースケ何か言った?」
「いや、何でもない。」
「行こうアミア、
「出来れば聖都に着くまでそのまま待っててほしいなぁ。」
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《八咫神村 八咫神神社前》
「………。」
「………。」
この場に居合わせた5人全てに沈黙の時が流れた。
松上達警察が追っている謎の外国人、その本人が目の前に現れたのだ。そして、向こうもまたこの神社へと辿り着いたこの男達の面構えに何かを悟った。
「驚きました。」
「まさかここまで嗅ぎつけるなんて…。」
「侮ってた訳では無いですが、
日本の警察はとても優秀なようだ。」
「“私の国”に連れて帰りたいくらいです。」
「これは恐縮です。」
「美味しいお茶が頂けるなら是非ともと言いたいところですが、こちらもある女性と先約がありましてね…。」
「逮捕状はまだですが、ご同行願います。」
「…でしょうね。」
「オラァァァア!!」
「ウラァァァア!!」
相手が腰を下げ構えた瞬間、兎谷と伊原が阿吽の狛犬の如く飛び掛かる。しかし、
(フッ)
まるで天使の羽根でもあるかのように迫り来る2人を躱し鳥居ごと松上達を飛び越えた。
「なっ!??」
「嘘でしょ!?」
「ま、待てーっ!!」
(パーン!)
「ぐわぁぁ!」
「芦沢さん!」
着地点で抑え込もうとした芦沢はまるで熊に投げ飛ばされたかのように宙を舞った。
「…………ふっ。」
「チッ…待てぇぇえ!!」
伊原、兎谷、そして遅れて松上が追いかける。
男は社殿を横切り迷いなく神社裏の洞窟へ入った。
立入禁止のバリケードを飛び越え男たちは逃走する容疑者を追いかける。
「そこまでだ!!」
「やはり日本の警察は優秀だ、そして力強い!」
「ですが、僕も捕まる訳にもいきません。」
「この辺でおさらばさせて頂きます。」
「何ぃ!?」
男は洞窟奥のしめ縄がされた大岩に手をかざした。
瞬間、それに轟応するかのように大岩が青光りし、そして…
(ドゴォォオン!!)
轟音と共に男は3人の前から姿を消したのだった。
「何なんだ………こりゃ!!」
「伊原さんライトを!」
「この石に何かあるはずです!」
松上は伊原からペンライトを受け取り岩に押し当てる。
「………!?」
松上がライトを押し当てた部分が空色に透過し岩の正体を露にする。さらりとした表面には様々な魔法陣が刻まれ、気のせいかその奥で何かが動いてるようにも見えた。
「これは…!?」
「質感からしてこの岩は
「先程あの男が“私の国”と言ってました。」
「信じ難いですが、あの男と、そして連れ去られた青年達はこの中かもしれません。」
「左京さん、だったらどうやって!?」
「この岩と…そして映像は押さえました。」
「あとは…。」
「貴方からお話ししてもらいます。」
『八咫神神社の住職さん。』
松上が視線を送った先、住職は洞窟の外からこちらに姿を表した。全てを悟り覚悟した表情で。
この話、長かった…。
そろそろ前半の手直しも必要かなぁ…(。ŏ﹏ŏ)
大街道もあと半分、残りの旅路をかっ飛ばすべく食料調達だ!と思いきやどこにも無い???
食料を食い荒らす悪い奴め、とっ捕まえてハンバーガーだ!
…ってもう出来上がってるって…どゆこと?
次回、『