遊戯王~召喚士?いいえ決闘者です。~   作:ねおけらとどぅす

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ス ラ ン プ し て ま し た 。
続きの投稿遅くなりすみません。気が付いたら何度も書き消し繰り返してました…。
「起承転結」で一番難しいのは「承」だと思います。( ̄▽ ̄;)


第5話‐異世界街道異常ナシ?(その2)

《召喚士団塔前》

 

(とぼとぼとぼ…)

 

「………うぅ(泣」

 

「うぉっ!?いきなりどうしたアミア??」

 

「情けかけられた…ユースケなんかに…(シクシク」

 

「仕方ねーだろ!資格取られてもよかっなのか!?」

 

「資格剥奪はイヤ!絶対イヤ!だけど…」

 

「だけど?」

 

「士団長様の前であんな恥かかされるのもイヤなの!!!(*>д<)っ」

 

(ポコポコポコ)

 

「ぬぁ!?痛てぇ!!地味に痛てぇ!?」

 

 アミアの拳は振り上げ方も当たる音も、絵に描いたようなダダっ子乙女のそれなのだが、体に伝わる衝撃はえげつない程強力なものだった。やはり仮にも三級召喚士(剥奪執行猶予中)なだけに特別な訓練を受けてたりするのだろう。しかし負けてはいられない…

 

(ガシッ)

 

「ささ、こんな所で暴れたら迷惑だからどっか行きましょうね~。」

 

「放せー!放せってばー!(*>д<)」

 

 この状況、元の世界で例えるなら警察署の前でポコポコ殴られてる感じだろう。アミアに殴られる以上に周囲からの視線が痛かったので強引且つ迅速にその場を去ったのだった。

 しかし…今朝方からまだ半日も経たずなのにこいつのキャラ崩壊っぷりが半端ない。早くも信頼感が揺らぐがこの先大丈夫だろうか…

 

「それで、これからどうする気だ?」

 

「ひとまずゴードン殿と合流しましょう。行商人のあの人なら聖都まで行く何か良い方法を知ってるかも…」

 

 

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《中央広場》

 

「…そう言われても困りましたね。」

 

「そんな…ゴードン殿…」

 

「何せ今まで聖都に運び物なんてしたことないので…ただ、年に一度、地の国で開かれる大競争では首都から聖都までの大街道を足の早いスケ5、6頭を不眠不休で乗り継いで3日程度で走破するそうです。ここから地の国首都までは2日はかかりますが、そのあと大競争と同じくらいで走れれば…」

 

「いや、三日間不眠不休ってそれ無理ゲーです。(ヾノ・∀・`)」

「アミア…残念だが召喚士資格は諦めだ、腹くくってくれ!」

 

(ドゴッ)

 

 ユースケは杖で思いきり殴られて倒れた。

 

「ゴードン殿、近道とか他に手は無いのですか?」

 

「近道…ですか?それなら旧街道を通ればここから首都を通らずにほぼ真っ直ぐそのまま大街道に出れます。距離的には半分くらい短縮できるのですがしかし…」

 

「まぁ…そうなるとグッジさん達とはこの街でお別れになりますね。」

 

「あ、起きた…随分頑丈なのね。」

 

「ユースケ殿の仰る通りそうなります。この事態ですし私達も地の国首都まで急ぎ帰らねばなりません。」

 

「え?ユースケ行っちゃうの!?(゜ロ゜)」

「そんな~(´・ω・` )」

 

「グッジさんここまでお世話になりました。ありがとうございます。クルスとクーも元気でな。」

 

「ゴードン殿申し訳ありません、至急のため帰路の護衛は果たせませんでした。」

 

「召喚士殿、帰りの護衛の事はお気になさらずに、それより、あなたが護衛するのは私達の大切な友人です。気を引き締めて任務に当たってください。」

 

「はい!」

 

 

********************************************

 

《国営獣車倉庫》

 

「よぉアミア、元気だったか?」

 

「久しぶりね、おやっさん。」

「急で悪いけど、ケイスケを2頭貸してもらえる?」

 

「ケイスケを…2頭?」

 

「………同行者が居るの。」

 

「どうもでーす。(´▽`;)ゞ」

 

「おやおや…二人っきりでお出かけか~若いっていいね~(ニヤニヤ」

 

「ちがーーーう!!」

「こいつを聖都まで連れてかなきゃいけなくなったの!7日しかないの!だから足の速いスケが必要なの!!(。>д<)」

 

「わかったわかった。だが、ケイスケでも聖都まで7日は無理だぞ?小柄で体力がない分、休ませながら乗らなきゃならんからな。」

 

「分かってる。だから旧街道から大街道に出たら乗り換えようと思うの。」

 

「そうか…ならルートルビアで乗り換えだな。伝書鳥を飛ばしておくからケイスケは向こうの獣舎に預けてくれ。」

 

「伝書鳥…遠方とのやり取りって大変なんだな…」

 

「お前さん逹が生まれる前くらいの頃はもうちょい便利なのがあったんだけどな…」

 

「?」

 

「そら、準備完了だ。」

「この2頭がお前さん逹の相棒だ、大事に乗ってやってくれ。」

 

 獣舎の奥から手綱と鞍を付けたわんこ…いやスケが2頭おやっさんに引かれて獣舎の奥から出てきた。

 見た目はオオカミっぽく大きさはバイクより一回り大きいくらいだろうか…犬と見ると巨大だが“ゴードンさん家のユースケ”よりはずっと小さく身軽な身体付きをしている。それと…

 

「ゥワン!(ペロペロペロ(^ω^∪)」

 

「ぬおっ!?こいつらもか!??」

 

「ガハハハ随分気に入られたようだな。そうやって舐めさせてやるとスケにソウルを分けてやれるらしい。途中でへばったらそうやって接してやってくれ。」

 

「は…はい。( ̄▽ ̄;)」

 

「ゥワンワン!(ペロペロペロ(^ω^∪)」

 

「ぬおぉ!?( ; ゜Д゜)」

 

「ユースケ何遊んでんの!こっちは時間ないのよ!!」

 

 ケイスケに跨がれずに右往左往してる自分に向けアミアは一喝する。どれ程の道のりかは不明だが悠長には居られないのは確かだろう…

 

「わるいわるい…今いく!」

 

 先にケイスケに乗り門へと進むアミアを、忙しくケイスケに跨がりふらつきながらも追っていく。残り時間6日と半日、果たしてどんな旅路となるのだろうか…

 

(ふらっ)

 

「おっとっ!?あっぶねぇ!!」

 

「ちょっとユースケ、あんた操獣ぜんぜんダメじゃない!乗り方習わなかったの!?」

 

「自動車免許しかもってねーよ!( ̄ロ ̄;)」

 

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《路地裏》

 

 ローブ姿の男がユースケ逹を視認し、身を隠すように路地裏へ足音一つ立てず移動する。そして懐から小さな水晶玉を取りだしそれに語りかけはじめた。

 

「見つけました、地の決闘者(デュエリスト)です。どうやらこれからレンガレルを発つようです。」

 

『ご苦労さん、てっきり首都に流れ着くと思ったらレンガレルだったか…護衛の数は?』

 

「見たところ階級持ちの召喚士が一人だけです。」

 

『召喚士が一人だけ?…わかった、こっちは大街道で待ち伏せする。ラテス…お前は追って奇襲をかけろ。』

 

「承知しました。」

 

 

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《レンガレル城壁 検問》

 

 

「確かに士団長様の書状で間違いないな。さぁ通行証書だ受け取れ。」

 

「ありがとうございます。」

 

「炎の国の一件でどこも緊迫してる。街道沿い町に入る場合は必ずそれを提示するように。」

 

「はい」

「はい」

 

 門が開きケイスケが勢いよく走り出す。アミアはケイスケを慣れた姿勢で乗りこなす一方、ユースケはケイスケの背中にしがみ付くように乗っかっていた。

 

「ユースケ…そんなんでほんとに大丈夫?」

 

「な、な、なんとか…うおっ!?( ; ゜Д゜)」

 

 ケイスケが軽くジャンプする度に鞍から体が浮き、危うく落馬ならぬ落獣しかける。アミアのケイスケに並走できてはいるが、かなり危なっかしい状態だった。

 

「なぁアミア、ちょっと聞いていいか?」

 

「ん?なに?乗り方でも教わりたい?」

 

「ちがうちがう、さっきのレンガレルで気付いたんだけど…」

 

「?」

 

「俺、ここの世界の字が読める…」

 

「え?」

 

 士団長の部屋の扉に書かれた少し型の崩れた『執務室』の漢字や市街地で見かけた漢字や片仮名が思い返される。漢字についてはどれも多少型が変わっていたが意味も文も見てとれる程“読める”ものだった。

 

「話してる時はてっきり都合良く翻訳されてるんかと思ったけど、多分そうじゃないんだ…この世界でこうやって話してる言葉も、書かれてる字も…」

 

「俺の国と同じ言葉…日本語だ。」

 

「………ユースケ」

「今から150年ちょっと昔、先々代の聖霊王はそれまで単なる伝説だった異界の入り口を暴いて、そこから色々な物を持ち帰ったの…」

 

「異界の入り口…?」

 

「ええ、そして…」

「今使われてる言葉はその時王が持ち帰った物のひとつよ…」

 

「!?」

「じゃあ…どこかで」

 

「ユースケの世界と繋がってる。」

 

「………」

 

「………」

 

「子供で習うくらいの昔話は後でしてあげるわ…急ぎましょう…」

 

「お、おぅ!」

 

 山に向けて延びる平野の一本道、初夏を思わせるような青々とした草の匂いの風を裂き、二人と二頭は旧街道に踏み入るのであった…。

 

 

********************************************

 

 

《千葉県 浦安市某所》

 

「家出少女の捜索ぅ!?」

 

「ええ、浦安署の知人が受けたらしいですが、当人、例の連続失踪事件にあたっていてそれどころじゃないそうです。」

 

「で、俺達にって訳ですか…左京(サキョウ)さん、ここんとこ安請け合いし過ぎじゃないっすか?」

 

「嫌なら付いて来なくて構いませんよ兎谷(ウタニ)くん?」

 

「別に嫌なんて…」

 

 眼鏡をかけたスーツ姿の小柄な男と着古したジャンパーを着た大柄な男が事件めいた話をしつつ、浦安にある依頼者の家へと車を走らせる。

 

 菊地 遊介がこちら側から姿を消してすぐ、友人の諏訪部 順一(スワベ ジュンイチ)により“友人が姿を消した”と通報を受け捜索が始まってから二日が経とうとしていた。捜査の過程で都内近郊で次々と若者の似たような不可解な失踪が起きている事が判明し、その異様な事件現象は日本中から恐怖に似た注目を集めていた。

 

『次のニュースです。一昨日未明多発した失踪事件について警察の捜査により埼玉県で新たに5人目の失踪者が確認されました。警視庁は…』

 

「しっかし…この失踪事件何なんすかね?」

 

「失踪者に共通点無し、目撃者無し、加えてどの現場でも何故か付近の監視カメラが急に故障して失踪直前を捉えていない訳ですからね。一筋縄ではいかないでしょう。」

「それより我々は我々で請け負った事件に目を向けてくべきですよ?兎谷くん。」

 

「へいへい…( ̄▽ ̄;)」

 

「さて、着きましたよ。」

 

 

********************************************

 

 

《千葉県 浦安市 未成年保護施設「青空荘」》

 

 

 淡く優しい空色をしたアパートの様な建物が背の高い囲いの中に建っている。囲いの向こうからは庭先ではしゃぐ子供の声が聞こえてくる。

 

「未成年保護施設?」

 

「ええ、身寄りを亡くしたり親からのDVを受けた子供を保護して生活支援している場所だそうです。」

 

(ピンポーン)

 

「はーい、どちら様でしょう?」

 

「警視庁から来ました特令係の松上(マツガミ)と…」

 

「同じく兎谷(ウタニ)です。」

 

天光 皐月(アマミツ サツキ)さんですね?」

天光 龍姫(アマミツ タツキ)さんの捜索願の件でお話しを伺いに来ました。」

 

「どうぞ、此方へ…」

 

 刑事二人は母親らしき女性に案内され青空荘の中を進む。廊下の壁には花や乗り物、遊園地、みんなで遊ぶ姿、子供達が好きなものを描いたような絵が飾られている。そんな中に天光龍姫の描いた絵もあった…それは青い眼をした美しい竜の絵だった。

 二人は応接室に招かれすぐさま事件の話しが始められた。

 

「早速ですが、皐月さん、あなたは家出した龍姫さんとは親子でよろしいでしょうか?」

 

「はい…ただ、龍姫は元は10年前この施設で保護した子で…あの子が安心して暮らせる身寄りがなかったので養子に招いたんです。」

 

「そうでしたか…龍姫さんを養子に招いた後、元親とはどうしていますか?」

 

「わかりません、国営の青少年保護団体を介して龍姫を預かったのですが、元親については何も知らされてないんです…」

 

「なるほど…DV被害者が保護中に連れ戻されるケースは少なくはありません。元親についてはこちらで早急に捜査致します。」

 

「お願いします!どうか龍姫を…!」

 

 皐月は松上にすがるように疲れきった泣き顔で嘆願する…すかさず、兎谷が皐月の肩を支えるよう寄り添い、話しが続けられる。

 

「皐月さん落ち着いて下さい、捜索願に至るまでの経緯を話して頂けますか?」

 

「………一昨日の朝、龍姫は都内に用事があると出掛けて行き…夕方6時頃このメールがあったんです。」

 

 皐月はケータイを出し龍姫から届いた『ごめんもう帰れない。今までありがとう。』の一文を二人に見せた。

 

「メールが送られた基地局を調べてみましょう。ケータイをお借りしてもよろしいですか?」

 

「…はい」

 

「あと…龍姫さんの言っていた『用事』が気になりますが、何かご存じないでしょうか?」

 

「確か…何かの大会とか言ってた気がします…」

 

「大会ですか…ちょっと龍姫さんのお部屋を調べさせてもらってもよろしいでしょうか?」

 

「はい…此方です。」

 

********************************************

 

《龍姫の部屋》

 

 三人は勉強机やベット、そして所々にぬいぐるみが置かれた普通の女の子らしい4畳程の1室を調べだした。

 

「おかしいですね~…大会に出ると言ってたらしいですが競技や演奏に使うようなものは見当たりません。」

 

「ええ、あの子スポーツも楽器もどちらかと言うと苦手でしたから…」

 

「机の上も参考書や資格書ばかり……これは?」

 

 松上は引き出しの中から何かを見つけた。それは…

 

「カードゲーム…でしょうか?引き出しいっぱいに入ってます。」

 

「これ…龍姫が小さい頃施設の子と遊んでいたカードです!あの子…まだやってたのね…」

 

「兎谷くん、まずはコレから調べてみましょう。龍姫さんの動向が掴めるかもしれません…」

 

「了解っす。」

 

「しかし…『もう帰れない』だとしたら彼女は何処へ行ってしまったのでしょうか…?」

 

 そう呟きながら松上は引き出しの中から『草原』のカードを手に取り表裏を回すように見つめるのだった…

 

********************************************

 

《光の国 大街道》

 

 光の国から聖都へ向かう大街道、そこを大型の獣車とそれを囲むように十数もの騎兵が行進する。獣車の窓からは蒼眼白髪の少女が外に広がる草原を見つめていた。

 

「………」

 

(ガチャッ)

 

「ご機嫌いかがですかな?光の決闘者(デュエリスト)様。」

 

「……兵長さん?」

 

 少女のもとに白い軍服姿の男がティーセットを持ってやって来た。その手元からは馴染みの香りがする。

 

「お茶が入りました。よろしければお菓子もどうぞ。」

 

「器は洋風なのにお茶は緑茶なんですね…面白いです。」

 

「ヨウフウ…ですか?いや失礼、こちらのお茶はこのような物でして…」

 

「お構いなく、頂きます…」

 

「…もうしばらくすれば聖都が見える頃です。聖霊王様もあちらであなた様の到着をお待ちでしょう。では失礼…」

 

(ガチャッ)

 

 兵長の言う通り、獣車の進行方向の彼方には巨大な塔と街のような影が夕焼けの空に浮かび上がる。

 少女はその景色から視線を落とし…

 

「お母さん…ごめんなさい…」

 

 誰にも聞き届かぬであろう程のか細い声で呟いた。

 




ご精読ありがとうございました。
異世界組が冒険おっ始めてる一方で、現世では怪奇事件として彼らの行方と犯人の捜索が始まります。果たして黒幕の正体は…

「異世界街道異常ナシ」はもう少し続きます。次回その3!
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