「B級ランク戦ROUND1、昼の部で実況を務めます嵐山隊綾辻です!解説席には風間隊の風間隊長と三輪隊の古寺隊員にお越し頂きました!」
「どうぞよろしく」
「よろしくお願いします」
「今回MAPを選択したのは比企谷隊、河川敷Aを選択しました!」
「射線が通りやすいMAPなのでガンナー、スナイパーは有利な地形ですね。ただ・・・」
「今回はガンナーが4人オールラウンダー、スナイパーを入れて6人がその恩恵をうける。比企谷隊が特別有利になる訳ではないな。」
「何か別の狙いがあるということでしょうか!さぁここで全チーム仮想ステージへ転送完了!戦闘開始です!」
「・・・・・・・・・!!!!これは!」
「これは!今回天候が暴風雨に設定されています!」
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始まったなぁ。とりあえず戸塚と材木座の位置は・・・、川を挟んでMAPの左側に材木座、右側は俺と戸塚か・・・。他はバックワームで分からんな。まぁ今はとっとと作戦を始めよう。
「材木座、早速例のやつを頼む。由比ヶ浜は射撃地点をマークしてくれ!戸塚はその地点の近くに移動して俺と合流でいこう!」
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「比企谷隊の材木座隊員、どうやら橋を渡って合流を目指すようですね。」
「橋付近への転送だったし、賢明だろうな。」
「・・・・・・?材木座隊員、橋の1/3付近で止まりました。・・・・・・・・・!!おぉっとこれは!材木座隊員、メテオラで橋を爆破!MAPが2つに分断されました!」
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<ランク戦前日>
「今回、天候を暴風雨に設定して戦闘開始直後に、この橋を爆破する。」
「ふーん・・・・・・。ってアレ?これがどうして中距離対策になるの?ヒッキー」
「まぁ正確にはこれは俺達3人の合流と他の隊の増援を防ぐことを同時に成立させる為の作戦だ。それでこの後が中距離対策なんだが・・・」
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「橋が破壊されたことにより、川を挟んでMAP左側に早川隊の早川隊長、丸井隊員、茶野隊の茶野隊長。右側に早川隊の船橋隊員、茶野隊の藤沢隊員と比企谷隊に分断された形になりました!」
「この川では川を直接進めませんから、上手く比企谷隊は数的優位の状況を作りましたね。」
「数だけで勝負は決まらないが、かなり右側の2人は厳しくなったな。」
とりあえず作戦の第1段階名付けて1つの班を2つに分離して食べる給食班作戦は無事成功だな。これは俺が小学校4年生の時・・・いや、今は辞めとこう。材木座曰く、グラスホッパーを使ってるのは俺と戸塚だけらしいので橋を伝っての合流の可能は低い。このMAPは完全に分断した。あとは・・・
「材木座あの仕掛けが終わったら、適当に爆撃を開始、戸塚は材木座の方に移動して準備を頼む。由比ヶ浜は仕掛けのポイントをマークしてくれ。こっちにいる相手は俺を警戒して射線が通りにくい所を移動しているはずだ。気を付けて頼むわ。」
「了解」
「けぷこん!承知した。」
「右側では材木座隊員に戸塚隊員が合流しようと動きだしました。左側も茶野隊長が奮戦していますが・・・。」
「状況は厳しいですね。藤沢隊員との合流がない今、撃ち合いになれば不利なのは明らかです。」
「茶野隊長、一矢報いれるか?」
「むほんむほん!こちら材木座、八幡よ例の仕掛けが完了したぞ!」
「了解。俺も狙撃ポイントに着いた。爆撃を開始してくれ」
「御意。」
その言葉と同時にマンションの屋上からメテオラが発射される。さーて誰かいてくれよ・・・。
「・・・・・・!出てきた。あれは早川隊の人か。」 ドッ
「おーっと船橋隊員間一髪、比企谷隊長の狙撃は足をかすりましたがダメージは軽微。射線が通らない路地へ逃げ込みました。」
「あーあ・・・。戸塚、2番の路地だ。」
「うん!了解!」
まったく、自分で設定しといてなんだが、この暴風雨で射撃精度ガタ落ちなんだよなぁ。
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「足のダメージは大丈夫。その路地を抜けて建て直しよ。」
「了か・・・!!これはエスクー」 スパッ ピシッピシッ
[戦闘体活動限界。ベイルアウト]
「おーっとここで戸塚隊員が船橋隊員を撃破!」
「予め射線が切れる路地にエスクードを張っておいて誘い出す・・・。そしてグラスホッパーの勢いで一気に距離を詰めて撃破。上手く決まりました。」
「目の前のエスクードで路地の上への注意を上手く外したな。」
何とか俺達比企谷隊は初の得点を獲得した。